事業が軌道に乗り、法人成りに向けて考え始めた個人事業主にとって、税理士の必要性は避けては通れない話題の1つです。一般的な相談はもちろん、顧問契約の締結によっては、正確な会計処理につながることはメリットと言えます。万が一の税務調査で税務のプロが立ち会い冷静かつ適切に対応できる部分も、法人成りを検討する方にとっては心強さを感じられるでしょう。この記事では、法人成りを検討する方へ、税理士の必要性について解説します。
目次
法人成りに関する税理士への相談は必要?

結論からお話しすると、法人成りに関する税理士への相談は、人それぞれの価値観で異なるため、一概に必要とは言い切れません。その理由は、書籍やインターネットの情報を参考にすれば自らで手続きを進められるほか、税理士への相談が法律で定められたものではないためです。
必要性を感じるシーンとしては、法人成りに最適なタイミングの判断や資本金額・役員報酬の設定などがあります。仮に知識がないまま自らで進めた場合、本来は得られたであろう節税効果を逃したり、後々修正できない問題が生じたりするかもしれません。
こうしたリスクを抑え、適切な経営を続けたいのであれば、税理士への相談は必要と言えるでしょう。
税理士に相談する最適なタイミングは“法人成りをする前”
税理士に相談するタイミングは、法人成りをする前がベストと考えられています。その理由は、会社を設立する前と後では相談すべき内容が異なるほか、得られるメリットも変わるためです。
例えば、法人成りする前に相談するときは、必要書類や記載方法、法人成りに最適なタイミングかどうかを相談するでしょう。一方、設立後は法人向けの会計処理の代行依頼や、事業規模の拡大に関する相談、事業領域に適した節税対策のアドバイスを受けることが多いです。
法人成りに向けて不備なく適切な手続きを進めたい、あるいは必要な情報・知識がないときは、法人成り前に相談することをおすすめします。
法人成りを税理士に相談する6つのメリット

法人成りは、書籍やインターネットの情報を基に、自らで手続きすることはできます。しかし税理士への相談によって、自身の知識では気付けない分野に対するサポートが受けられるほか、下記のようなメリットがあります。
メリット1:最適な法人成りのタイミングを判断してもらえる
1つめは法人成りにおける最適なタイミングの見極めです。法人化した場合、個人事業主の頃と比べて, 事務手続きや会計処理が煩雑になりやすいです。特に、決算や申告作業を自身ですべて行うのであれば正確かつ適切な対応が求められ、本業に集中できなくなる恐れがあります。法人化によっては納税額が変わる場合もあることから、タイミングを把握するためにも税理士へ相談することが推奨されます。
メリット2:資本金や役員報酬など後悔しない会社設立をサポートしてくれる
事業計画や資金繰りの状況、将来の展望などを踏まえ、自社にとって有利な条件で法人成りのサポートが受けられるのもメリットです。
例えば、資本金額は会社の信用度を示す項目かつ、金融機関による融資を受ける際の審査にも関わる要素です。しかし、ごく一般的な資本金について学び設定しなければ、信用度や審査に影響を来す可能性があるでしょう。
これまで個人事業主だった方が、知識の不足によって信用度や融資に影響を来せば、初期の段階で事業が頓挫しかねません。こうした理由から、税理士による専門的なアドバイスは、後悔のない会社設立のために必要と考えられます。
メリット3:複雑な法人設立手続きや届出をまとめて代行してもらえる
設立準備の間も本業に集中できるといったメリットもあります。準備しなければならないものとしては、定款の作成・認証、法務局への登記申請や、社会保険や労働保険の加入手続きなどです。また、税務署、都道府県税事務所、市町村役場への法人設立届出書の提出など、多くの煩雑な事務作業も発生します。
すべての手続きには専門知識が求められるため、書類に不備があれば再準備となり、貴重な時間を浪費しかねません。税理士に相談・依頼すれば、提携している司法書士などと連携し、複雑な手続きをまとめて代行してもらえます。
メリット4:会計や経理の業務負担が減り本業に専念できる
法人の会計処理は、複式簿記での記帳が義務になっているため、より複雑で厳格なルールが適用されます。日々の記帳から決算書の作成、法人税の申告に関する専門知識がなければ、適切な対応は困難です。
税理士に相談すれば、記帳方法に関するアドバイスが受けられ、適切な対応が実現します。煩雑な業務から解放されるだけでなく手続きの正確性にもつながるため、書類の不備や税務調査リスクを最小限に抑えられるでしょう。
メリット5:活用できる補助金や助成金の提案を受けられる
利用可能な補助金・助成金に関するアドバイスが受けられることで、自己資金だけでは困難な設備投資や人材採用を実現できる点もメリットです。国や地方自治体では新たに設立された法人・中小企業の支援を目的に、多種多様な補助金・助成金制度を設けています。
しかし、多種多様だからこそ関連情報は多く、また更新頻度も高いため、自力で見つけ、申請書類を作成する点に難しさを感じる方も多いです。
税理士は、補助金・助成金に関する最新情報に精通しているため、事業領域や経営状況に適した補助金・助成金についても的確なアドバイスを行います。また、申請時に必要な事業計画書の作成支援や採択率を高めるためのサポートを受けられる場合もあります。
メリット6:創業融資や資金調達がスムーズに進む
法人成りをした時点では、事業実績がありません。そのため、金融機関から融資を受ける際のハードルが高くなりやすいです。特に審査では、融資を希望する事業所の将来性や返済能力を判断できるよう、具体的な事業計画書や資金繰り表の準備が必要です。
税理士に相談することで、金融機関が重視するポイントを押さえた書類作成サポートが受けられます。また、税理士が金融機関との面談に同席することで、事業内容や計画の信頼性が増し、審査が有利になる場合もあります。創業期の貴重な運転資金や設備投資費用を確保するのであれば、税のプロである税理士に相談するのが望ましいと言えるでしょう。
創業融資の詳細や資金調達について興味のある方は、こちらからぜひお気軽にお問い合わせください。
法人成りした後は税理士と顧問契約を結ぶべき?

法人成りをした後、将来的に検討が必要になる点として顧問契約の必要性があります。顧問契約の必要性は、自身でどこまでできるかを考えることで判断しやすくなります。会計処理や万が一の税務調査も自身で対応できるのなら、契約の必要はないでしょう。
しかし、法人となった後は法人税などの取り扱いが増えるために、会計処理が煩雑になりやすいです。つまり、さまざまな課題を自身で解決するとなれば、本業に集中できなくなる可能性が高くなると言えます。
多くの法人では、顧問税理士や弁護士がついており、自社の信頼度向上にもつなげています。法人成り後、事業が軌道に乗ったときは、次に顧問契約を検討するタイミングと言えるでしょう。なお、現状は顧問契約が難しい状況でも、将来のために検討を進めたいといった際は、スポット契約について把握しておくことをおすすめします。
法人成りを成功へ導く|税理士選びに有効な5つのポイント
法人成りを成功させるためには、信頼できる税理士を見つけ、パートナーに選び、二人三脚で課題解決を目指すことが望ましいです。しかし、数多くの税理士のなかから自社に適した1人を見つけることは、容易ではありません. ここからは、法人成りの成功に向けて税理士を探す際のポイントについて解説します。
ポイント1:法人成りの支援実績が豊富にあるか
税理士にはそれぞれ得意分野があります。例えば相続税専門や医療法人専門など、特定の領域に特化しているなどです。今回は法人成りに向けた相談であるため、会社設立や“個人事業主からの法人成り”に関する支援実績が豊富な人材を選ぶと良いでしょう。
総じて実績豊富な税理士は、過去の多様なケースから得たノウハウを蓄積しているため、起こりうる問題の予測や的確なアドバイスが可能です。支援実績について知りたいときは、税理士事務所のWebサイトや初回の無料相談などを活用すると経験値を見極められます。
ポイント2:料金体系が明確で分かりやすいか
税理士との契約で後々のトラブルに陥りやすい項目として、費用に関する認識のズレが挙げられます。契約について検討する際は、料金体系が明確に記載されているかを必ず確認しましょう。
例えば、月額顧問料にはどのようなサービスが含まれているのか、記帳代行や給与計算、年末調整などは別途料金が発生するのかなどです。サービスごとに料金が明記されている税理士事務所であれば、検討しやすいだけでなく、安心を確保した依頼につながるでしょう。
また、料金は税理士事務所によって異なるため、複数の税理士事務所から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することをおすすめします。
ポイント3:コミュニケーションが取りやすく回答が迅速か
税理士は企業にとって、経営に関する相談・サポート・アドバイスまでを一貫して行うパートナーでなければなりません。そのため、専門的な内容でも分かりやすく説明してくれるか、気軽に質問できる雰囲気であるかといったコミュニケーション能力も判断要素の1つです。
また、資金繰りや会計処理に関する問い合わせへの回答が迅速であるかについても確認することが大切です。初回面談や複数回の相談を通じて、人柄や相性、レスポンスの速さを実際に確かめてから依頼を検討しましょう。
ポイント4:自社の事業内容や業界に精通しているか
業界によっては、会計処理や税務上の取り扱いが異なる場合もあります。例えばIT業界なら、ソフトウェア開発費の扱い、飲食業界であれば仕入や在庫管理の複雑さなどです。
自社の事業領域に精通した税理士であれば、業界特有のリスクを理解した上で、より踏み込んだ節税対策や経営アドバイスを期待できます。これまでの依頼者に同業種がいたか、業界の動向についてどの程度把握しているかについて、面談時に質問してみると良いでしょう。
ポイント5:ITツールやクラウド会計に対応しているか
経理業務の効率化を目的に会計ソフトを導入する企業が急速に増えています。自社で会計ソフトの利用を考えている場合、そのソフトに対応している税理士を選ぶことも大切です。
税理士側も、同じシステムの利用によって、リアルタイムでのデータ共有や迅速なアドバイスが実現できます。また、チャットツールやWeb会議システムなどを活用する税理士であれば、コミュニケーションが円滑に進み、業務効率化にも期待できるでしょう。
近年、多くの企業で活用が増える会計ソフトをはじめとするITツールは、小谷野会計事務所に在籍する税理士も多数使用しています。どのようなツールを用いてどのようなサポートを行っているのかについて興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
税理士への相談は小谷野税理士法人まで
法人成りに関する税理士への相談に、法的な義務はありません。書籍やインターネットの情報を参考に、すべて自身で行えるのであれば、相談する必要はないと言えるでしょう。しかし、個人事業主から法人成りを検討する場合、所得額などを考慮し、最適なタイミングであるかの判断が求められます。
その際は、所得額の詳細にとどまらず、ベストなタイミングについてもさらに調べる必要があり、労力や時間がかかることが予想されます。
法人成りにおける最適なタイミングをはじめとした自社に有利な情報を収集したいときは、税理士への相談を検討しましょう。速やかに税理士に相談したい方は、小谷野税理士法人までお気軽にお問い合わせください。









