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会社設立の基礎知識

法人・個人で銀行から借入を受けるには?審査やメリット・デメリットなどについて詳しく解説!

更新日:2023.2.21

 

一口に銀行からの借入といっても、借入の形態や種類にはさまざまなものがあります。法人や個人が銀行からの借入を有効活用するためには、その特性を正しく理解しておくことが重要です。この記事では銀行借入に関する基礎知識や審査の流れ、メリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。

銀行融資とは

銀行融資とは「資金の借入を行うこと」で、主に個人事業主や法人が事業用の融資を受けることを意味します。銀行融資は、分割払いで長期間返済していく方法が主流であることから、安定した返済を見込める方に適した資金調達方法です。よって、融資を行う銀行側は債務者に安定的な返済能力が見込めるかを審査します。また、融資を受けた債務者は「元本に利息を加えた額」を返済していくことが一般的です。

なお、銀行融資には主に4つの融資形態があります。それぞれにどのような定義や特徴があるのか、実際に見ていきましょう。

当座貸越

当座貸越とは、当座貸越契約で融資限度額と利用期間を設定し、契約内容の範囲内で繰り返し融資を受けられる借入形式のことを指します。利用期間内であればいつでも借入と返済を行うことができ、借入のたびに銀行の審査を受ける必要がない点がメリットです。しかし、当座貸越契約を締結する際には審査を通過する必要があり、希望する融資限度額が大きければ審査が厳しくなる傾向にあります。当座貸越を上手く活用できれば資金繰りを安定させることができますが、借りすぎには注意しましょう。

手形貸付

手形貸付とは、約束手形を振り出すことによって融資を受ける方法です。この約束手形には融資額と返済期日が記載されており、原則として債務者は期日までに一括返済する必要があります。また、手形貸付は返済期間1年以内の短期融資でよく利用されている方法です。融資実行までのスピードも早いため、一時的に借入が必要なケースに適した融資形態といえるでしょう。

手形割引

手形割引とは、取引先から受け取った返済期日前の約束手形を担保に、銀行から融資を受ける方法を指します。割引料という手数料を支払う必要はありますが、手形貸付と同様にスピーディーな資金調達を行うことが可能です。ただし、約束手形を発行した取引先の信用力も審査されるため、発行元の経営状況等によっては審査を通過できない場合もあります。

証書貸付

証書貸付は、銀行との金銭消費貸借契約を締結することで融資を受ける方法のことを指します。手形貸付と比べて長期の返済期間が設定されることが多く、低金利で多額の資金調達が可能な点が特徴です。反面、借入のたびに審査を通過する必要があるというデメリットがあります。証書貸付は、ある程度まとまった資金調達が必要な方に向いている融資形態といえるでしょう。

銀行から借入を受けるメリット

信頼度が高い

銀行には、メガバンクなどの都市銀行や各都道府県を中心に展開している地方銀行のほか、実店舗を持たないネット銀行など、さまざまな種類があります。なかでも、メガバンクやよく耳にするネット銀行などは信頼度が高く、安心して借入を行うことができるでしょう。

金利が低い

銀行から借入を行う場合、元本だけでなく利息の支払い義務も生じるケースがほとんどです。この金利は金融機関によって異なりますが、特にノンバンクの場合は金利が非常に高いケースが多くなっています。なぜノンバンクの金利が高いかというと、ノンバンクは銀行から資金調達することで利用者に資金を貸しており、銀行の金利以上に高く設定しなければ利益が出ないからです。

一方、銀行は預金によって財源を確保しているため、ノンバンクのように金利を高く設定しなくても融資を行うことが可能です。そのため、銀行からの借入は金利が低いというメリットがあります。

総量規制の対象外となる

総量規制とは「貸金業者による貸付は、債務者の年収に対して1/3の金額を超えてはならない」という法律上の規制のことを指します。つまり、借入を希望する立場から考えると「年収の1/3にあたる金額までしかお金を借りられない」ということです。

この総量規制は貸金業者からの借入を対象とした規制であるため、銀行は対象外となっています。ただし、総量規制の対象外であれば制限なく借入を行えるというわけではなく、銀行内部での規制ラインが設定されているケースがほとんどです。銀行からの借入を希望する際には、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

銀行から借入を受けるデメリット

審査が厳しい

銀行から借入を行う際のデメリットとしては、厳しい審査を通過しなければならない点が挙げられます。民間の金融機関である銀行は、預金という形で調達した資金を融資に回しているため、貸し倒れのリスクに対して非常に敏感です。そのため、銀行からの借入は審査が厳しいことを理解しておきましょう。

借入までに時間がかかる

銀行からの借入は審査が厳しいため、審査完了までに時間を要するというデメリットもあります。カードローンなどでは早ければ即日結果が出るというケースもありますが、銀行からの借入では申し込みから融資実行までに1か月程度の期間を要する場合も少なくありません。早急に借入を行う必要がある場合には、銀行からの借入は向いていないといえるでしょう。

法人が銀行借入を受ける場合の種類とは

ビジネスローン

ビジネスローンとは、個人事業主や法人を対象とした事業資金専用のローンのことを指します。通常の融資に比べて審査が簡易的で、すぐに事業資金が必要なケースなどに向いている借入方法です。ビジネスローンの内容は取り扱う銀行によっても異なりますが、主な概要は以下のとおりとなっています。

借入上限額

数百万円~1,000万円程度

審査期間

即日~3日程度

申し込み必要書類

事業計画書・貸借対照表・損益計算書・履歴事項全部証明書など

ビジネスローンは、無担保・無保証人でも利用することができるため、起業後間もない事業者にとっても便利な商品といえるでしょう。

信用保証協会の保証付き融資

信用保証協会の保証付き融資とは、銀行からの融資を受ける際に信用保証協会が債務者の保証人となる融資制度です。保証付き融資では、債務者が返済困難な状況に陥った場合に信用保証協会が代わりに弁済を行います。信用保証協会への保証料を支払う必要がありますが、融資の審査を通過しやすくなるという点がメリットのひとつです。まだ銀行との信頼関係が構築できていない事業者には、おすすめの借入方法といえるでしょう。

借入上限額

2億8,000万円

審査期間

1か月~1か月半程度

申し込み必要書類

信用保証委託契約書・信用保証依頼書・決算書類など

不動産担保融資

不動産担保融資とは、不動産を担保として提供することで銀行から借入を行う方法のことを指します。無担保で借入を行う場合に比べて、低金利で利用できることが特徴です。不動産担保融資の概要は以下のとおりとなっています。

借入上限額

数億円程度

審査期間

1週間~1か月程度

申し込み必要書類

物件概要書・物件の売買契約書・登記事項証明書など

不動産担保融資は返済期間も長く設定できるため、まとまった資金の借入を希望する方におすすめといえます。ただし、返済が困難となった場合には、担保に提供した不動産が差し押さえられてしまうため注意が必要です。

プロパー融資

プロパー融資とは、銀行からの直接融資のことを指します。信用保証協会の保証付き融資と違い、銀行と直接取引を行うため借入限度額に制限がありません。しかし、利用するには銀行と深い信頼関係を構築する必要があり、審査を通過するのが難しいという特徴があります。

借入上限額

原則として上限なし

審査期間

2~3週間程度

申し込み必要書類

借入申込書・決算書類・税務報告書・納税証明書など

起業して間もない法人では利用することが困難ですが、銀行との信頼関係があり、経営状況が好調な法人であれば利用できる可能性があります。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資とは、取引先への請求書などを担保として提供することで借入を行う方法のことを指します。売掛債権担保融資を利用して借入を行うには、取引先への通知や承諾を求められるケースがほとんどです。そのため、取引先によっては売掛債権担保融資を利用することを承諾しない可能性があります。なお、混同しがちなサービスに「ファクタリング」がありますが、ファクタリングは売掛債権を譲渡することによって現金化するものであるため、銀行からの借入とは異なることを覚えておきましょう。

借入上限額

100万円~2億円程度

審査期間

1週間~1か月程度

申し込み必要書類

売掛債権を確認できる請求書や契約書・個人情報取扱同意書など

カードローン

カードローンは、ネットやATMから簡単に借入を行うことができるローンのことを指します。無担保・無保証人で利用することができ、早急に一時的な資金の借入を行いたい場合などに便利です。その代わり、他の借入方法よりも金利が高く設定されているため、借入コストが多くかかるというデメリットがあります。カードローンは、少額の資金を短期間で返済する場合などにおすすめの資金調達方法といえるでしょう。

借入上限額

数百万円~2,000万円程度

審査期間

即日~1週間程度

申し込み必要書類

決算書類・本人確認書類・履歴事項全部証明書など

個人が銀行借入を受ける場合の種類とは

住宅ローン

個人が銀行から借入を行う方法として、まず住宅ローンが挙げられます。個人が住宅を購入・建築・改築する場合などに利用することができ、最長35年までの返済期間を設定することが可能です。借入可能額は、本人の収入や担保として提供する物件の価値によって変動します。

借入上限額

本人の収入や不動産の担保価値によって変動

審査期間

1~3週間程度

申し込み必要書類

物件関連資料・収入証明書・本人確認書類など

教育ローン

教育ローンとは、高校や大学、専門学校などの費用として利用する資金の借入を行えるローンのことを指します。子ども自身が借入を行う奨学金とは違い、教育ローンは保護者が債務者として借入を行う点が特徴です。借入可能額は金融機関によっても異なりますが、最大で3,000万円程度まで借入可能な銀行もあります。なお、中学校以上の教育機関への就学が対象となっているため、義務教育期間の費用としては利用できない点に注意しましょう。

借入上限額

10万円~3,000万円程度

審査期間

10日程度

申し込み必要書類

借入申込書・住民票の写し・確定申告書・資金使途確認資料など

カーローン

カーローンとは、自動車の購入費用などに利用できるローンのことを指します。新車の購入費用以外にも、自動車の修理費用や車検費用、車庫の建設費用などにも利用することが可能です。借入可能額はローン会社によって異なり、本人の収入などによって上下します。

借入上限額

1,000万円程度

審査期間

1週間程度

申し込み必要書類

借入申込書・収入証明書・資金使途確認資料・本人確認書類など

カードローン

法人が利用できる銀行からの借入方法としてご紹介しましたが、カードローンであれば個人でも利用可能です。原則として資金用途は自由であるため、生活費として利用するために借入を行うこともできます。短期間で資金を調達することができるため、すぐに資金が必要な場合などにおすすめの借入方法といえるでしょう。

フリーローン

フリーローンとは、カードローン同様に資金用途が定められていないローンのことを指します。資金用途が定められていない他の個人向け融資に比べ、低金利で利用できるという点が特徴です。なお、カードローンは銀行以外に消費者金融などでも取り扱われていますが、フリーローンは主に銀行で取り扱われているサービスであるという違いがあります。

借入上限額

10万円~500万円程度

審査期間

1~2週間程度

申し込み必要書類

借入申込書・収入証明書・本人確認書類など

銀行借入を受ける際の審査の流れ

事前相談

銀行借入をスムーズに行うためには、事前に銀行に相談することが重要です。また、利用する銀行によって必要書類や把握しておきたい情報が異なるため、事前に確認しておく必要があります。銀行にとっても事前相談を行う方がスムーズに手続きを進めることができるため、快く対応してくれるでしょう。

書類準備・書類提出

事前相談にて必要書類を確認したら、各書類の準備を進めていきましょう。代表的な書類は以下のとおりです。

  • 事業計画書
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 資金繰り表
  • 本人確認書類

必要書類を揃えたら申し込みを行い、銀行借入の審査がスタートします。

審査

銀行借入に申し込める要件を満たしたとしても、審査を通過できなければ借入を行うことはできません。審査が進んでいくなかで追加資料を求められる場合もあるため、しっかり対応していきましょう。また、審査期間は利用する銀行や借入方法によって異なるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

契約

無事に審査を通過できたら、いよいよ借入の契約にうつります。そこで契約書の内容に不備がなければ、晴れて融資が実行されるという仕組みです。なお、書類に不備がなかったとしても、申し込みから融資実行までには2週間程度の期間を要します。必要なタイミングで確実に借入を行うためにも、早めの準備を心掛けましょう。

銀行からの借入を効率的に検討したい場合は専門家に相談も検討

今回は、銀行からの借入に関する基礎知識やメリット・デメリットについてご紹介してきました。銀行からの借入にはいくつもの種類があるため、利用者や資金用途によって適切な借入方法は異なります。本稿でご紹介した借入方法の特性などを把握したうえで、利用できそうなものを選択していきましょう。また、銀行からの借入を効率的に行いたいという方は、専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

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今野 靖丈

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