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会社設立の基礎知識

資産管理会社はマイクロ法人で設立できる?それぞれの概要や設立手順を解説

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資産管理会社はマイクロ法人で設立できる?それぞれの概要や設立手順を解説

資産運用に関心がある個人投資家等の中には、マイクロ法人で資産管理会社を設立することに興味を持つ方も多いでしょう。マイクロ法人で資産管理会社を設立する上では、メリットとデメリットが存在し、それぞれに理解を深めることが大切です。この記事ではマイクロ法人による資産管理会社設立を検討する方へ、メリット・デメリットや具体的な設立手順等について解説します。

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マイクロ法人とは

マイクロ法人の会社設立に関するイメージ

マイクロ法人とは、会社法に基づいた会社形態という側面を持ちながらも、経営者のみで経営する会社の呼び方のことです。法律による明確な定義こそありませんが、「一人会社」や「プライベートカンパニー」と呼ばれることもあります。

2025年現在では、株式会社や合同会社、合名会社の3種の中から設立可能です。なお合資会社については有限責任者と無限責任者を1名以上必要になるため、1名のみでは設立できません。

メリット・デメリット

マイクロ法人にはメリット・デメリットの両方が存在します。詳細は下表の通りです。

メリットデメリット

・社会保険料、所得税が個人事業主と比べて低く抑えられる

・経費幅が広い

・社会的信用度の向上につながる

・法人手続きを要する

・赤字でも法人住民税が生じる

・税務申告に関する手続きが複雑

マイクロ法人には、個人事業主と比べて社会保険料や所得税が低い、経費に計上できる項目が広いなどのメリットがあります。個人事業主の場合、所得が増えるほど社会保険料が上がります。マイクロ法人として社会保険に加入すれば、役員報酬額を可能な限り下げることで健康保険・厚生年金のそれぞれの保険料を削減可能です。

一方、名前の通り法人であるため、法人手続きが必要になるほか、個人事業主と比べて税務手続きが複雑化しやすいデメリットもあります。資産管理会社を設立する上でマイクロ法人として起業する際は、メリット・デメリットを理解することが大切です。

一般的な法人や個人事業主との違い

マイクロ法人と一般的な法人には、自身を除くと株主や従業員といった事業に関わる人が存在しない違いがあります。また、一般的な法人は事業拡大を目指し、得た利益を出資者である株主等に配分しますが、マイクロ法人は出資者・株主が自分自身です。それぞれを兼任した事業形態であるため、1人でできる範囲で事業を行うケースが多いです。

個人事業主とマイクロ法人では、起業にあたっての手続きや該当する税金、経費範囲に違いがあります。個人事業主の場合「個人事業の開業・廃業等届出書」、いわゆる開業届を提出するのみです。マイクロ法人では、定款の作成をはじめ、法務局で法人登記を行うなど、起業手続きが複雑です。とはいえ、個人事業主よりも節税効果が見込まれるなどのメリットを考慮した結果、マイクロ法人を選ぶ人も一定数います。

資産管理会社とは

資産管理会社とは、個人が所有する不動産・株式等の資産を一元管理する法人のことです。法人化によって効率的に資産運用できることに加えて税負担の軽減が見込めます。

一般的な法人とは違い資産家向けの会社として位置づけられており、基本的には資産管理以外の事業活動は行いません。主な収入源は不動産の賃貸収入と株式所有による配当収入です。

メリット・デメリット

資産管理会社にもメリットとデメリットが存在します。具体的には下表の通りです。

メリットデメリット

・個人所有に比べて納税負担が低い

・所得の分散ができる

・損失や利益を長期にわたって平準化できる

・経費幅が広い

・社会保険に加入できる

・将来的な相続財産を減らせる

・法人手続きが複雑

・起業の際にコストが掛かる

・簡単に廃業できない

資産管理会社設立によるメリットは、資産を個人所有する際に比べて納税負担が少ない点などが挙げられます。所得税は累進税率であり、課税所得が4,000万円を超えると45%適用される仕組みです。

個人事業主であれば所得が増えるだけ納税分も増えますが、資産管理会社は法人です。資本金1億円以下で年所得が800万円の中小法人であれば、軽減税率の特例を適用後、実効税率は約23%になるでしょう。

節税効果が見込まれる資産管理会社ですが、こちらも法人という運用形態です。そのため、起業にあたっては法人登記などの手続きに加えて、登記費用が掛かるデメリットがあります。

資産運用会社との違い

資産管理会社と混同しやすい法人として資産運用会社がありますが、こちらは名前の通り資産運用を目的とした法人です。資産管理会社と異なる点は「資産をどうするか」にあります。

資産管理会社は資産の管理や維持といった「保全」が中心ですが、一方の資産運用会社は運用や投資といった「増加」が目的です。資産運用会社は株式や債券、不動産に投資することが多く、顧客ニーズに応じてリスクの少ない運用を中心に行う特徴にも違いがあります。

資産管理会社設立でマイクロ法人を検討したほうがよい人

マイクロ法人と資産管理会社の特徴を理解できた後は、設立を検討したほうがよい人について見ていきましょう。具体的には下記の4つです。

個人投資家

個人が資産運用を行う場合、利益に対して所得税や住民税が課されますが、所得税は累進課税であるため、利益が増えるほど税率が上がります。一方、マイクロ法人は法人であるため、利益に対して法人税が課税される仕組みです。

法人税の税率は所得に応じて異なるものの、一定以上の所得がある場合、個人の所得税率と比較すると法人税率の方が低くなることがあります。

資産運用や副業するサラリーマン

資産運用や副業を行うサラリーマンも、マイクロ法人での資産管理会社設立によってさまざまなメリットがあります。例えば個人では経費計上できない支出を法人化によって経費幅が広まり、その分だけ利益を残すことが可能です。

また、資産管理会社は基本的に事業活動がないため、本業や副業に影響を及ぼしにくい特徴もあります。したがって、本業・副業に影響を与えることなく資産管理したい方にもおすすめです。

相続を控えている資産家

さまざまな資産を持つ資産家にも有効です。個人が資産相続した場合、所得税や住民税に加えて相続税など多くの税金が生じます。

マイクロ法人で資産管理会社を設立すれば、家族を役員に任命し、資産を移転することが可能です。その結果、所得税や住民税、相続税を節税できます。

会社のオーナー

自社株の相続問題が懸念される会社のオーナーも、マイクロ法人として資産管理会社を設立することで経営方針トラブルを最小限に減らせます。一例としては資産管理会社の株式を普通と無議決権に分ける方法です。

後継者には普通株式を相続させ、他の相続人には無議決権株式を相続させれば、経営に影響を与えずに財産を分配できます。

マイクロ法人で資産管理会社を設立する基準

マイクロ法人で資産管理会社を設立すべき基準金額は一概に言えないのが現状です。しかし一般的には、個人の所得税が20~23%に到達する年収世帯、つまり副業の年間所得が500万円を超えるあたりが基準とされています。

個人所得は累進課税が課され、所得が増えるごとに課税率が増える仕組みです。マイクロ法人での資産管理会社設立は、目的が資産の保守管理であるため、事業活動こそありません。

しかし、事業形態は法人であるため、所得税から法人税に切り替わります。所得によっては所得税よりも低い税率に抑えられるので、年間所得を参考に決めることをおすすめします。

マイクロ法人として資産管理会社を設立|法人化の手順

マイクロ法人の会社設立に関するイメージ

マイクロ法人として資産管理会社を設立することを決めた後は、法人化に必要な手続きを行わなければなりません。ここからは、マイクロ法人を設立するための手順について解説します。各項目を参考にしながら法人化・資産管理会社を設立し、資産の保守を効率的に行いましょう。

会社設立における重要事項の決定

まずは、会社設立における重要事項の決定です。具体的には下表の項目を決めていきましょう。

項目概要

社名

・株式会社、合同会社、合名会社のなかから決める

・イニシャルや名字などを用いても差し支えない

事業目的

・資産管理会社の設立でも問題ない

本店所在地

・一般的には自宅を本店所在地にする

・信用金庫、信用組合、地方銀行は融資基準に本店所在地が営業エリア内であるかを考慮する傾向にある

・融資を受ける場合を見据え、本店所在地は慎重に決める

資本金の額

・1円から設立可能

・特に資産管理会社の場合は事業活動を行わないため、少額で設立しても問題ない

会社設立日

・法務局に登記申請した日

決算月

・特に明確な基準はない

株式会社や合同会社については以下記事で解説していますので、この機会に併せてご覧ください。

会社設立に必要なものの準備

次に会社設立に必要なものを揃えます。

  • 登記書類
  • 青色申告承認申請書
  • 法人用印鑑
  • 定款

定款を作成後は公証役場にて定款の認証を行います。なお、合同会社や合名会社の場合、認証手続きは不要です。また、認証手続きは来所後すぐにできるわけではなく予約制となっています。

会社の本店所在地を管轄する公証役場で訪問日時を予約する点に注意しましょう。定款の認証が済んだ後は、資本金を振り込みます。登記申請の際に必要になるため、通帳の表紙、1ページ目、資本金の振り込み内容が記載されたページをコピーしてください。

会社設立に必要なものはこちらの記事で解説していますので、この機会に併せてご覧ください。

関係機関への届出

最後に法務局で登記申請を行います。このとき、税務署に開業届と青色申告承認申請書も提出することで資産管理会社の設立を円滑に進められます。

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マイクロ法人で資産管理会社を設立する際の注意点

注意

マイクロ法人で資産管理会社を設立する上では、費用面や資産の利用制限、事業承継税制などに注意点が存在します。ここからはマイクロ法人での資産管理会社設立における注意点について解説します。

設立と運営に費用がかかる

マイクロ法人で資産管理会社を設立する際には、初期費用だけでなくランニングコストが生じる点に注意が必要です。設立時は登記費用や定款の認証手数料などがかかります。株式会社であれば約25万円ほど掛かりますが、合同会社であれば半分ほどの費用に抑えることが可能です。

さらに、設立後は法人税や地方法人税、法人住民税などの費用が発生します。マイクロ法人として起業すれば会計処理が複雑化するため、税理士や会計士に依頼するのであればさらに費用が掛かることは念頭に置きましょう。

法人所有資産の個人利用が制限される

マイクロ法人で資産管理会社を設立し、法人名義で資産を所有した場合、その資産を個人で自由に利用できなくなる点にも注意しましょう。法人の資産はあくまで会社の事業のために存在するものです。

例えば、会社名義で購入した不動産や車両を個人的な目的で使用することは原則できません。個人的に利用する場合は会社と賃貸契約を結ぶ、あるいは役員報酬や貸付といった適切な手続きを踏みましょう。

事業承継税制の対象外である

会社のオーナーの場合、マイクロ法人として設立した資産管理会社が事業承継税制の対象外となる可能性についても注意が必要です。事業承継税制は後継者が非上場会社の株式などを相続等で取得した際に、要件を満たすことで相続税等の納税が猶予または免除される制度です。

資産管理会社のように主たる事業活動が資産の保有や運用で実質的な事業活動を行っていない場合、事業承継税制が適用されない場合があります。

マイクロ法人や資産管理会社についての相談は小谷野税理士法人へ

マイクロ法人の資産管理会社設立は、個人投資家や給与所得以外の収入がある方にとって多くのメリットに期待できる方法です。合同会社の選択によって低い初期費用で設立できるため、マイクロ法人化を検討する際は視野に入れておくと良いでしょう。

その一方で、会社の資産を個人で自由に使用できないなどのデメリットも存在します。

マイクロ法人や資産管理会社についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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