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農業の共同経営とは?運営方法から注意点まで詳しく解説

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農業の共同経営とは?運営方法から注意点まで詳しく解説

農業の共同経営についてご存じでしょうか?就農までのハードルの高さや経営の難しさなどを理由に、就農をためらっている人も多いでしょう。農業といえば個人で営むイメージがありますが、さまざまなメリットが期待できることから共同経営に対する注目度が高まっています。この記事では、農業の共同経営とは何か、共同経営のメリット、円滑な運営のためのコツなどを詳しく説明します。

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農業の共同経営とは?

農地を相続する男性

農業の共同経営とは、複数の人や世帯、企業などが協力して農業経営を行うことです。農地や労働力、資本を共有し、作物の生産から販売まで農業経営にかかわるすべてのことを共同で行います。

また、共同経営により事業規模の拡大、経営の効率化も可能です。さらに、複数の経営者が協力することで、経営の安定化やリスクの軽減に役立ちます。日本の農業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つことから、農業の共同経営が注目されています。

共同経営と個人経営の違い

農業を個人経営する場合、資金から人材の調達、農作業や販売といった一連の業務をすべて個人で担います。一方で、農業の共同経営は、他の人や世帯、企業と協力して業務を行うことにより、安定した経営が期待できます。ここでは、共同経営と個人経営の主な違いについて詳しく説明します。

資金調達

個人経営よりも共同経営の方が、事業開始と経営に必要な資金の調達が円滑に進みやすいです。農業を始める際には、農地や農機具などを用意するための設備資金と農業経営にかかる運転資金が必要です。

経営規模や品目(酪農や米、野菜など)によって前後しますが、農業を始めるための資金として数百万円の費用がかかると言われています。

共同経営では複数の経営者が自己資金を出し合い、金融機関からの融資で資金を調達できることから、個人経営よりも多くの資金を集めやすいでしょう。

人材確保

共同経営は、個人経営よりも労働力を確保しやすいです。機械を使っても農作業には複数の人の力を必要とする場面が多々あります。個人経営の場合、家族や親戚に手伝いを頼むことはあっても、原則一人で作業を行います。

共同経営は複数人で農作業を分担できるため、効率よく農作業を進められる可能性が高いです。

技術導入

共同経営の方が新たな技術を導入する際にも有利になることがあります。新たな技術や設備を導入する際には相当の資金が必要です。

共同経営は個人経営よりも必要な額の資金を調達しやすいため、求める設備や技術を導入できる可能性が高いです。技術や設備の導入により、作業負担の軽減や業務効率化が期待できます。

販路拡大

個人経営では販路に限りが出やすいですが、共同経営にすることで販路を拡大しやすくなります。複数の経営者が協力することで、より高い利益が期待できる販路の開拓、営業活動、SNSの運用といった売上アップにつながるさまざまな活動を分担して行えるからです。

課題解決

個人では対応が難しい課題についても、共同経営者と協力することにより課題に向き合い経営の安定につなげることが可能です。また、共同経営では経営の意思決定や労働、収益を複数人で分担することも個人経営との違いです。

農業の共同経営の経営形態

農家、農業を営む夫婦

共同経営の形態も多様です。家族や親族だけでなく、友人や地域住民、農業関連の企業、異業種の企業などその組み合わせはさまざまです。

形態概要

家族経営

いわゆる専業農家で、昔からある共同経営の形態の一つです。夫婦、親子、親族などで役割分担をして作業を行います。

複数の個人事業主による経営

地域住民や友人同士で共同経営を行います。

組合経営

複数の農業経営者が出資して組合を作り共同経営を行います。農事組合法人や農地所有適格法人などが該当します。

法人経営

株式会社や合同会社を設立して、共同出資で農業経営を行います。

特に決まった経営形態がないため、すでに土地や農業機器を所有していれば家族や親族もしくは、親しい友人同士で農業に新規参入するなど、ある程度自由に経営形態を選べます。また、共同経営による法人化も可能です。

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農業の共同経営が注目される背景

近年、農業の共同経営が注目されるようになりました。それは、共同経営が現代の日本の農業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つ可能性が関係しています。ここでは、共同経営の注目度が高まっている背景と関係が深い農業の課題について紹介します。

就農人口の減少

農業の共同経営により、労働力不足の解消が期待できます。農業従事者は年々減少しているだけでなく、高齢化や後継者不足問題も深刻です。

共同経営により労働力の確保や農機具のシェアなどが可能となるため、労働力不足の緩和につながります。また、個人で農業経営をしていると経営者自身が病気やケガをしたときに、農業の一時的な休止や事業の継続自体が困難となるでしょう。

他に農作業や販売を担当してくれる人がいれば、万が一の事態が起こったときも事業の継続が可能です。

耕作放棄地や遊休農地の増加

農業に従事する人口の減少や高齢化によって増えた耕作放棄地や遊休農地の有効活用が、期待できます。

例えば、複数の田畑を所有していても、すべての田畑が集約されていないケースが見られます。特に、自宅から遠方の田畑に農機具を運んで作業するのは手間も時間もかかるため、個人経営の場合は効率の悪い場所にある田畑は耕作放棄地になりやすいです。

また、高齢化などを理由に農業を続けられずそのまま放置されている農地も見受けられます。共同経営により人材確保と経営効率の向上が実現できれば、耕作放棄地や遊休農地の有効活用につながります。

新規就農のハードルの高さ

共同経営により、新規で農業に参入したい人が就農しやすい環境をつくれます。新規就農の際には、次のものが必要です。

  • 資金
  • 農地や住宅
  • 農業機器
  • 技術
  • 知識やノウハウ

相応の費用や技術、農地が必要なことから、ハードルが高く就農をあきらめる人もいます。しかし、共同経営により上記の負担を緩和できれば、就農希望者が農業を始めやすくなるでしょう。

農業を共同経営するメリット

共同経営で農業をすることには、さまざまなメリットが期待できます。ここでは、主なメリットについて詳しく紹介します。

初期投資の負担を軽減できる

農業を始める際にかかる費用や設備、土地といった初期投資の負担を軽減できます。個人で就農する場合、500万~1,000万円程度の費用がかかると言われています。例えば、稲作をメインとする場合の準備金として約630万円、主に野菜を栽培する場合は約510万円が相場です。

新規で事業を始めるときは、業種を問わず相当の資金が必要ですが、複数人で初期投資を分散できれば、少ない負担で農業を始められます。

それぞれの専門性を活かせる

経営者それぞれの得意分野を活かし、不得意分野を補えます。例えば、農園で働くなど農業の知識やノウハウを持っている人と、企業経営の経験がある人が共同経営を行ったとします。

農作物を育てる知識を持っているため、質の高い農作物を収穫できる可能性が高く、経営の知識を活かした効果的な販売対策を組み合わせれば売上アップが期待できるのです。

一人では難しい農業経営も、さまざまな専門性を持つ人が集まって作業、経営ことにより、効率よく利益を出せる可能性が高まります。

肉体的・精神的負担を軽減できる

労働力を補い合えるため、無理のない経営が可能です。ある程度機械化が進んでいるとはいえ、農業は肉体的な負荷が大きく、一人ですべての作業をこなすのは困難な場面が多々あります。

また、肉体的に無理をして農業を続けた場合、身体を痛めることもあるでしょう。複数人で重労働を分散できれば、個人にかかる肉体的負担を軽減できます。

さらに、精神的な負担を軽減できることも無理のない経営に結び付きます。農業は天候などの外部要因に収穫量や収穫物の質が左右されるため、精神的な負担や不安要素が大きいです。

一人では孤独やストレスを感じやすくても、一緒に働く仲間がいれば悩みや不安を共有できるため、働きやすい環境が整います。

農業の共同経営によるデメリット

デメリット

農業を共同経営する際には、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットも理解したうえで、農業の共同経営を始めることが安定した経営につながります。ここでは、主なデメリットについて紹介します。

意見の対立が起こり得る

複数人で経営を行う際に、経営者同士の間で意見の相違が生じることがあります。例えば、経営方針、販路、作業の進め方などで意見の食い違いが出てしまうと、今後の農作業や経営に悪影響が出ることもあるでしょう。

円滑かつ円満な経営を進めるためにも、経営者同士の間で価値観や優先順位を共有し、意思決定についてもルールを決めることが大切です。

不公平によるトラブルが生じる

さまざまな点において不公平が生じると、不満や不信感につながりやすいです。例えば、特定の人に重労働が集中したり、収益の配分に差があったりすると、他の経営者に対して不満を抱くでしょう。

共同経営では誰がどれだけ働いたのか、どのように事業に貢献したのかといった個人に対する明確な評価が難しいことが多いです。

共同経営を始める前に、経営者それぞれの分配や個人の評価について明確なルールを設けることで不公平感の解消に努めます。また、一度決めたルールでも、状況の変化に応じて見直しや修正が必要です。

責任の所在が曖昧になる

事前に業務を分担していても、責任の所在が曖昧であると問題やトラブル発生時に揉める原因です。例えば、取引先との契約を1人の経営者の独断で変更したり、他の経営者の承認を得ずに資金を使ったりといった事態が起こると、信頼関係に亀裂が入る可能性が高いでしょう。

役割を分担しても責任の所在が明確でなければ、経営者同士の間でトラブルが起こります。責任の所在を明確にすること、重大な意思決定については他の経営者の承認を得るなど、ルールを明確にしておくことでトラブル予防に結び付けます。

離脱や解散のリスク

経営者の1人が脱退したり、共同経営自体をやめたりする場合、その後の処理でトラブルが発生する可能性が高いです。

例えば、農業経営のために共同購入した設備、農地、取引先との契約などの処置について、経営者同士で意見が割れることがあります。

離脱や解散が起こったときのルール、手続きについても事前に話し合い、明文化することで感情的な言い争いや法的なトラブルを軽減できるでしょう。

農業の円滑な共同経営のためにやっておきたいこと

できるだけトラブルを避け、円滑な農業の共同経営を実現するためには、事前の準備とルールの整備が重要です。ここでは、円滑な経営のためにやっておきたいことを詳しく説明します。

経営方針やビジョンを共有する

共同経営を始める前に、他の経営者たちと経営方針やビジョンを共有しておきましょう。方向性にズレがあると、事業開始後のトラブルの原因となるからです。例えば、次のような項目を具体的に話し合います。

  • ビジョンや目標
  • 販売戦略
  • 経営方針と経営戦略
  • リスク管理

など、経営において重要な要素を話し合い、お互いの考えを共有しておくことが大切です。話し合いの段階で経営方針やビジョンなどに相違やズレが見つかったときは、じっくり話し合う、妥協点を見つけるなどして相違点の解消に努めましょう。

役割分担と責任の所在を明確にする

それぞれの業務の役割、責任の所在についても明確にしておきましょう。業務の役割を決めることで、個々のスキルや経験を活かした効果的な経営が可能になるからです。また、責任の所在を明確にすると、トラブルや問題が発生したときに適切に対処できるだけでなく、他の経営者も協力しやすいからです。

役割分担や責任の所在について文章にまとめるなどして、共有しておきます。また、変更が必要になったときは、その都度話し合いの場を設けて柔軟に対応することが、トラブルの予防に結び付きます。

利益の配分と損失の負担について決める

利益が出たときの配分方法や割合について決めておくことです。平等に利益を分けるという方法もありますが、業務内容が異なる場合は配分において不公平が生じやすいです。

そこで、業務内容や利益への貢献度応じて配分率を決めるなどお互いが納得する配分方法を決めましょう。

また、事業をしている限り損失の発生が起こり得ます。損失の負担や割合、損失発生時の対応についても話し合うことで、損失発生時にもスムーズに対応できます。

利益の配分や損失の負担については、契約書を作成するなどして文書として残しておくことで、トラブルの発生を防ぎましょう。

解散や離脱時のルールを決めておく

複数の経営者がいる場合、解散や離脱の可能性もあり得るため、解散と離脱時のルールを決めておくことです。

経営不振や意見の相違などを理由に事業の解散に至ったとき、農地や農業機器、債務などの処理が定まっていないと、深刻なトラブルに発展するリスクが高いです。

また、経営者のうち誰かが離脱したときも同様のことが起こり得ます。そこで、解散や離脱といった事態が発生したときも、滞りなく処理を進めるように以下の点について決めておくことです。

    • 事業解散の条件
    • 清算手続き
    • 残余資産の処理や分配

    経営者間で経営方針やビジョンを共有していても、解散や離脱時に対する考え方まで同じとは限りません。事業運営において起こり得るさまざまなリスクを想定し、適切な対策を考えておくことです。

    コミュニケーションを意識的にとる

    事業前だけでなく、事業開始後も経営者同士が意識的にコミュニケーションをとりましょう。事業における意見の対立、誤解といったトラブルの原因は、話し合いによって解消できる可能性が高いからです。

    また、実際に事業を始めてみると、事前に共有した経営方針やビジョンに対して改善点や懸念が出てくることもあり得ます。事業がスタートすると、経営者がそれぞれの仕事に忙しく話し合いの時間を取ることが難しいかもしれません。

    そこで、定期的にミーティングを開催し、担当業務の進捗状況、業務上の課題や改善点、懸念事項などを共有しましょう。自身の業務以外の状況を詳しく把握することで、経営の安定や目標達成のためには何が必要かを経営者全員で考える機会を持てます。

    専門家のサポートを受ける

    法人化するとき、確定申告手続きの際には専門家のサポートやアドバイスがあると安心です。

    確定申告では正しい納税が求められるため、日々の経理業務から専門家に相談できる体制を整えておくと、スムーズかつ正確な申告を実現できます。

    また、節税においても税の専門知識を持つ税理士に相談することで、経営や財務状況、要望に合わせた節税対策を提案してもらえます。さらに、資金繰りについて相談し、アドバイスに従うことで、資金不足による経営難や廃業を防ぐのに効果的です。

    農業の共同経営の成功は事前のルールづくりが大切

    共同経営で農業をすることは、事業開始時の資金負担の軽減、労働力やスキルを補い合えるなどさまざまなメリットが期待できます。しかし、経営者同士で経営方針やビジョンなどを共有しておかなければ、トラブルの発生につながります。農業の共同経営を成功させるためにも、事前のルールづくりやこまめなコミュニケーションに努めましょう。

    農業の共同経営に関する悩みや相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください

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    この記事の監修者
    池田 大吾小谷野税理士法人
    カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
    会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
    銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
    • 会社設立の基礎知識 特集「法人のための確定申告」
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