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業界別の負債比率の平均は?負債比率の目安や計算方法を解説

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業界別の負債比率の平均は?負債比率の目安や計算方法を解説

負債比率は財務の健全性を測る大切な指標で、業界ごとに平均値に差があるのをごぞんじでしょうか。負債比率は、企業における経営や成長に大きく関わる部分であるため、正しく理解を深めておく必要があります。そこで、本記事では、負債比率の意味や計算方法を説明し、業界別の目安や改善のヒントを紹介します。

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負債比率とは何か

お金

負債比率は、企業の資金のうち他人資本が占める割合を示す財務指標です。企業の財務リスクを把握するうえで欠かせない指標であり、経営判断や投資判断にも広く利用されています。

負債比率の基本的な定義

負債比率は、自己資本に対する負債の割合を表す数値で、企業の資本構成のバランスを確認できます。計算式は「負債比率(%)=負債総額 ÷ 自己資本 × 100」です。

負債比率が高い企業は、借入金などの他人資本に依存して事業を運営している状態です。そのため、返済や利息負担のリスクが大きくなる傾向があります。

自己資本が1,000万円で負債が2,000万円の企業の場合、負債比率は200%で、財務上のリスクが高いと判断します。一方で、自己資本と負債が同額であれば、負債比率は100%で、バランスの取れた構成です。

金融機関や投資家は、資金を提供する前に負債比率を確認し、資金供給の判断に役立てています。

負債比率が示す会社の財務状況

企業の負債比率は、財務の健全性や安定性を評価する重要な基準です。高すぎる負債比率は、借入金の返済負担が重くなり、資金繰りが厳しくなるリスクを伴います。

毎月の売上が300万円の企業が、月50万円の利息を支払っている場合、利益の大部分が返済に消える可能性があり、経営を圧迫します。一方で、負債比率が低い企業は自己資本の割合が高く、経済の変動や予期せぬ支出にも柔軟に対応可能です。負債比率が低ければ、一般的に安定した経営基盤を持つと評価されます。

また、成長を目指す企業が、新規事業への投資を目的としてあえて負債を増やすケースもあります。例えば、IT企業が海外展開のために資金を調達し、一時的に負債比率が高くなるような例です。

単純に数値の高さだけでリスクと判断するのではなく、企業の成長戦略や収益モデルをあわせた負債比率の確認が重要です。

さらに、業界によって適正とされる負債比率は異なります。建設業や不動産業では高めに出る傾向がありますが、情報通信業では一般的に低めです。業界平均との比較で、自社の位置づけを把握できます。

経営者や投資家は、自社または投資先の負債比率が業界の平均水準と比べて高いのか低いのかを確認し、将来の資金調達や事業計画の見直しを行いましょう。

負債比率の計算方法

負債比率の計算は、企業の財務状況を把握する基本的な手段です。以下では、計算に必要な要素や具体的な計算例について詳しく説明します。

計算に必要な指標

負債比率の算出には、負債総額と自己資本の2つの数値が必要です。
負債総額とは、流動負債と固定負債を合計した金額です。流動負債には、短期借入金・支払手形・買掛金など、1年以内に返済予定の債務が含まれます。固定負債は、長期借入金や社債など、1年を超えて返済する負債です。

自己資本は企業が保有する純粋な資金です。株主からの出資や、過去の利益の蓄積などが該当し、返済義務がない資金源です。

計算式と具体例

負債比率の計算式は「負債比率(%)=負債総額 ÷ 自己資本 × 100」です。ある企業の負債総額が500万円、自己資本が1,000万円の場合、以下のように計算されます。

負債比率(%)=500万円 ÷ 1,000万円 × 100
結果:50%

つまり、資本のうち50%が借入金などの他人資本です。負債比率が低いほど自己資本の割合が高く、財務的に安定していると評価されます。

ただし、理想的な水準は業種や事業形態によって異なります。そのため、同業他社や業界の平均値との比較が重要です.個別のケースを考慮して、自社の財務体質の客観的な判断を行いましょう。製造業では100%を超えることもありますが、IT業界などでは50%未満が望ましいとされる場合もあります。

また、負債比率が高い状態が続くと、資金調達コストの上収や信用力の低下といった課題が生じる恐れもあります。将来の成長や投資計画を見据えながら負債管理を行いましょう。

負債比率の業界別平均値

業界別の負債比率は、企業の財務健全性を評価する基準として役立ちます。それぞれの業界や個別のケースに合わせて、望ましい基準を設定しましょう。

負債比率の平均値と中央値

以下は、主要業界における負債比率の平均値と中央値をまとめた表です。

業界平均負債比率 (%)中央値 (%)
製造業119.3117
建設業144.9128
小売業176.6140
サービス業136.8201
情報通信業81.1259

参考:中小企業実態基本調査 令和3年確報(令和2年度決算実績) 確報

表の通り、負債比率は業界によって大きく異なります。

製造業の負債比率は平均119.3%、中央値117%と、自己資本の約1.2倍の負債を活用しています。生産設備や技術開発への積極的な投資を行う際に、一定の借入金を利用する傾向があるためです。

建設業はさらに高く、平均144.9%、中央値128%です。大規模なプロジェクトや設備投資のために多額の資金調達が行われるためです。

小売業では平均176.6%、中央値140%と、自己資本を大きく上回る負債を活用している企業が多いのが特徴です。小売業は在庫回転や現金収入の割合が大きい一方、過剰な負債は業績に悪影響を及ぼすリスクもあります。

サービス業や情報通信業も、平均・中央値ともに100%を超える水準となっており、業種や企業規模によってばらつきが大きいのが特徴です。

負債比率を活用して自社の資金調達や財務戦略を見直す際には、同業他社との比較が重要です。

有利子負債比率 業界別の違いと特徴

有利子負債比率は、企業が利息のかかる借入金にどの程度頼って資金を確保しているかを示す指標です。有利子負債比率には、各企業の資金調達の方針やリスク管理の考え方が反映されています。

建設業や小売業では、店舗の新設や在庫の確保といった資金を必要とする投資が多く、その結果、有利子負債比率が高くなる傾向があります。一方、サービス業や技術系企業では、設備投資の規模が比較的小さいため、多くの場合借入金に頼らず自社資金で運営することが可能です。そのため有利子負債比率が低く、財務リスクの抑制にもつながっています。

有利子負債比率を評価する際には、業界ごとの資金調達の状況や経営戦略の違いを踏まえて分析することが重要です。

参考:中小企業実態基本調査 令和3年確報(令和2年度決算実績)

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負債比率が高い企業の課題

建物の減価償却費

負債比率が高い企業では、資金調達の柔軟性が低下し、経営戦略が制限されます。利息負担の増加や信用力の低下といった課題は、長期的な成長にも影響を与えかねません。

高い負債比率が企業に及ぼす影響

高い負債比率は、企業の財務や経営方針に深刻な影響を与えます。利息の支払いが増えると、営業利益があっても手元に現金が残らず、資金繰りが悪化します。

月の売上が1,000万円ある企業が、利息支払いだけで200万円を要する場合、残りの資金では仕入や人件費の支払いが困難でしょう。経済が停滞し、売上が落ち込む局面ではその負担が一気に表面化します。

信用力が低下すれば、金融機関からの借入条件が厳しくなるだけでなく、新規の取引先にも警戒されます。投資家もリスクの高さから出資を控える可能性があり、成長資金の確保が困難になるでしょう。

負債比率が高い状態が続くと、資金繰りだけでなく、企業全体の発展にブレーキがかかるおそれがあります。

企業経営の安定性との関係性

負債比率が高い企業は、経営の安定性を維持するのが困難です。毎月の返済に追われる状態は、家計でいえば、収入の多くがローンやカード返済に消える状況と同じです。

こうした企業では、急な修繕費や人件費の増加といった突発的な出費への対応が難しいでしょう。例えば、設備トラブルで500万円の支出が必要となった場合でも、既存の負債が重ければ金融機関の追加融資を得るのは容易ではありません。

また、資金繰りの見通しが不透明だと、長期的な投資計画や新規事業の立案も困難です。結果として、成長機会を逃すだけでなく、従業員の士気や採用力にも影響が出る恐れがあります。

経営を安定させるためには、中長期の資金計画の見直しと自己資本の強化が重要です。過剰な借入に頼らず、内部留保の充実やコスト管理の徹底により、持続可能な財務体質を築いていきましょう。

負債比率を改善する方法

負債比率の改善は、企業の財務健全性と信用力の向上に直結します。自己資本の強化や利益の内部留保、戦略的な資産活用など、負債比率を改善する具体的な方法を理解しましょう。

自己資本を増加させる方法

自己資本の増加は、負債比率の引き下げに最も直接的な効果をもたらします。主な方法としては、利益剰余金の積み増しです。企業が得た利益を配当として外部に出さず、内部留保に回した場合、自己資本はその分増加し、負債比率は自然と改善されます。

さらに、将来的な利益を見越した投資判断も重要です。利益率の高い新規プロジェクトへの投資は、中長期的に自己資本の増加が見込まれます。

加えて、外部からの増資も有効です。既存株主の理解を得て新株を発行すれば、資金調達と同時に自己資本の構成比を高められます。負債比率が下がれば、金融機関からの信用が向上し、より有利な条件で融資を受けられるという副次的な効果も期待できます。

参考:中小企業投資促進税制

負債削減の具体的な戦略

負債を減らすためには、資産の見直しと支出管理を両軸で進める戦略が有効です。まず、活用していない不動産や遊休設備といった不要資産を売却し、得られた資金で借入金の返済を進める方法があります。

例えば、使用していない倉庫を売却し、その資金を長期借入金の返済に充てれば、一気に負債比率の改善が進む可能性があります。

また、金利が下がっている局面では、既存の借入を金利の低い融資へと借り換えれば、利息支出を抑えながら返済を継続できるメリットが生まれます。

日常の経費についても、支出の見直しとコスト削減を行い、利益の最大化を図りましょう。例えば、業務用電力契約の見直しや業務委託の再交渉によって支出が削減できれば、その分の利益を負債返済に回せます。

売却・借り換え・コスト削減といった複数の施策を組み合わせて、実効性の高い負債削減が期待できます。中長期的に見ても、財務の安定性を高める重要なアプローチとなるでしょう。

負債比率以外で考慮が必要な指標

企業の財務状況を正確に把握するには、負債比率だけでは不十分です。自己資本比率や有利子負債比率などの指標を多角的に組み合わせて分析し、財務の健全性やリスクの全体像を把握しましょう。

自己資本比率の役割

自己資本比率は、企業がどれだけ自己資金で資産をまかなっているかを示す指標です。計算式は「自己資本 ÷ 総資産 × 100」で算出され、数値が高いほど、企業は外部資金に頼らずに経営できていると評価されます。

総資産が5,000万円で自己資本が3,000万円の場合、自己資本比率は60%です。財務の安定性が高い企業とみなされる可能性があります。

自己資本比率が高い企業は、金融機関からの信用も厚く、資金調達の際に有利です。また景気の変動や予期せぬ損失が発生しても、自社資本で一定の吸収力を持っているため、倒産リスクの低減にもつながります。

企業の価値を判断する際には、自己資本比率を負債比率とあわせて確認し、資本構成のバランスが取れているかを見極めましょう。

有利子負債比率の位置づけ

有利子負債比率は、利息が発生する借入金の依存度を示す指標です。計算式は「有利子負債 ÷ 自己資本 × 100」であり、有利子負債比率が高い企業は、借入金に頼っている割合が高くなっていると判断されます。

自己資本が2,000万円で有利子負債が2,400万円の場合、有利子負債比率は120%です。

有利子負債比率が高いと、返済負担が大きく、企業の財務体質は脆弱と評価されます。利息の支払いによって利益が圧迫されかねません。特に、金利の上昇や収益悪化の局面では、資金繰りに大きな影響が出る可能性があります。

一方で、成長段階にある企業が、将来の収益を見越して借入を活用している場合には、単純にリスクと評価せず、事業内容や利益計画を総合的に確認しましょう。

有利子負債比率と負債比率は異なる視点から財務を見るため、複数の指標を組み合わせて分析しましょう。経営リスクの全体像を把握できます。

負債比率の活用における注意点

注意

負債比率は、企業の財務体質を測定するうえで欠かせない指標です。ここでは、負債比率を活用する際の注意点を具体的にみていきましょう。

業界ごとに標準値が異なる

負債比率は、業界によって標準的な数値が大きく異なります。業界による負債比率の違いは、資金調達手法やビジネスモデルによって生じます。

製造業では大型設備の導入が必要であり、初期投資が高額です。そのため、平均して60%前後の負債比率である場合が多いです。一方、サービス業は人件費中心の運営が多く、設備投資も少ないため、負債比率は30%未満であるケースが一般的です。

業種ごとの違いを無視して、単純に数値だけで高い・低いを判断すると、企業の実態を正しく把握できません。業界特性を踏まえたうえで、過去の統計や業界団体のデータなども参考にし、適切な基準との比較によって評価する姿勢が重要です。

他の財務指標とあわせて分析する

負債比率を評価する際には、単独の数値に頼らず、他の財務指標とあわせて分析する視点が重要です。自己資本比率や流動比率を併用すれば、資金繰りの安定性や短期的な支払能力も同時に確認できます。

また、1年だけのデータではなく、過去3年〜5年分の推移を確認しましょう。仮に、前年に大型の設備投資を行った結果として負債比率が一時的に上昇していたとしても、その後の利益回復により安定する可能性があります。一方で、年々負債比率が上昇している場合には、経営効率や利益構造に問題がある可能性もあるため、注意が必要です。

業界平均との比較に加え、指標の相関やトレンドを俯瞰して分析を行いましょう。

負債比率のまとめ

負債比率は、企業がどれだけ他人資本に頼っているかを示す重要な財務指標です。ただし、負債比率だけを見て評価するのではなく、業界特性や市場環境をふまえる視点が欠かせません。

あわせて、自己資本比率や有利子負債比率など、他の指標とのバランスを確認し、より正確な分析を行いましょう。

とはいえ、財務分析については、分析が難しく、数値をもとにどう判断すべきかも迷いやすいものです。

小谷野税理士法人では、そんなお困りごとに真摯に対応しています。

財務分析についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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