税理士への相談は、必要なときにだけ1時間単位で相談できる単発相談（スポット相談）の選択肢もあります。相談料は依頼内容によって異なりますが、単発相談の費用相場を把握すれば、必要なときにアドバイスを受けられるでしょう。本記事では、税理士への単発相談の費用相場や活用シーンについて解説します。
税理士に税務や会計の悩みを相談したいのであれば、小谷野税理士法人へお気軽にお問い合わせください。無料WEB相談より受け付けています。
目次
税理士への単発相談は1時間10,000円からが相場
税理士への単発相談にかかる料金は、1時間10,000〜30,000円ほどが相場です。ただし、相談料はあくまでも目安であり、相談内容や税理士の経験年数・専門分野により、複雑に変動します。
以下より、税理士への単発相談にかかる料金相場と対応内容について、詳しく解説します。
有料相談と無料相談の違い
多くの税理士は無料相談を受け付けていますが、有料と無料では受けられるサポートの範囲が異なります。
無料相談の対応内容は、主に契約を検討している方向けの初回面談や、一般的な税法の解説に限られます。個別の状況に基づいた節税アドバイスや手続き代行は、無料では対応できない場合がほとんどです。
一方で、有料相談では個別の状況に応じた専門的なアドバイスも受けられます。持参した決算書や確定申告書などの資料を基に、悩みに応じた専門的なアドバイスを受けられます。
そのため、税務や会計に関して具体的な解決策を求める場合は、有料相談の利用が選択肢に入るでしょう。
税理士への報酬は契約体系により変動
税理士との契約体系は、大きく分けると単発契約（スポット契約）と顧問契約の2種類であり、報酬体系も異なります。
単発契約（スポット契約）は確定申告書の作成や税務調査の立ち会いなど、依頼したい業務ごとに報酬が発生します。相談のみの場合も単発契約でき、1時間単位で料金が設定されていることがほとんどです。
一方で顧問契約は月額の顧問料を支払って、日々の経理チェックや節税対策、経営について相談できます。相談回数に制限はなく、契約期間中は何度でも相談できるため、自社に適した契約体系を選びましょう。
税理士への単発相談で解決できること
税理士への単発相談では、税務や会計・経営に至るまでさまざまな悩みを相談できます。単発相談で税理士の力を借りられる悩みの代表例を紹介します。
開業や法人設立に関する手続き
単発相談を利用すれば、新たに事業を始める際の手続きや方針について、税理士から専門的なアドバイスを受けられます。
- 個人事業主として開業すべきか法人設立すべきか
- 法人設立における定款作成や登記申請の手続き方法
- 資本金や役員報酬はどのように決めるべきか
単発相談すれば起業方法それぞれのメリット・デメリットや、事業に応じた適切な手続き内容について、アドバイスを受けられます。開業届や青色申告承認申請書など、税務署への提出が必要な書類の作成や提出タイミングを確認できることも強みです。
税務で有利な選択をするための具体的な提案を受けられるため、税務に詳しくない方でもより良い方法で事業を始められるでしょう。
確定申告や帳簿付けの確認
確定申告における疑問や適切な手続き方法についても、税理士へ相談できます。
- 日々の帳簿付けが適切にできているか
- この支出は経費になるのか
- 減価償却の計算方法は適切であるか
複雑な確定申告における疑問や不安も、単発相談できます。個人の取引に基づく仕訳方法や経費計上の可否について、専門的な回答を得られるでしょう。
また、普段は自分で確定申告している方でも、自分が作成した確定申告書や決算書の内容に問題がないかチェックしてもらえます。控除の漏れがないか確認してもらうことで、適切かつ節税につながる確定申告を目指せます。
税金に関する初歩的な質問
税金のなかでも相続や贈与に関するものは頻繁に経験するものではないため、いざ直面した際の疑問や不安は多いでしょう。税理士への単発相談では、相続税や贈与税、ふるさと納税など税金に関する初歩的な質問も解決してもらえます。
- 自分に相続税はかかるのか
- 生前贈与したいものの注意点が知りたい
- 初めてのふるさと納税で申告が必要か分からない
税金の計算方法や基礎控除、特例の適用方法など、税理士に単発相談すれば制度の概要から詳しく説明してもらえます。
もちろん、本格的な相続税申告代行などの場合は別途依頼が必要です。しかし、現状を把握し対策方針を練る第一歩として、単発相談は役立つでしょう。
税務調査の準備や立ち会い
単発相談では、突然の税務調査の立ち会い準備も依頼できます。
- 税務調査までにどのような準備をすべきか
- 税務調査で想定される質問や指摘事項の相談
- 当日の対応方法
税理士に相談すれば、税務調査において想定される質問や指摘を、事業者個人の状況から想定してもらえます。単発相談とは別途で税務調査の立ち会いそのものを依頼できる場合もあるため、依頼したい内容をもとに税理士に相談しましょう。
税理士が立ち会えば、税務調査官との専門的なやりとりも任せられるため、精神的な負担を減らせます。相談者本人にとって不利にならないよう、法的根拠に基づいて適切に主張を代弁してもらえることが大きな強みです。
創業融資を申し込む際の手続き相談
事業を始める際の資金調達に向けて、創業融資を申し込むための手続きサポートも、単発相談で依頼できます。
融資審査では、事業計画書の説得力が審査通過可否を大きく左右します。そのため、税理士の監修を受けて事業計画書を作成すれば、説得力のある手続き資料を作成できるでしょう。
税理士は多くの企業の財務状況を見ているため、どのような事業計画書が評価されるのか、要点を熟知しています。売上予測の立て方や必要な運転資金・設備投資費の見積もりに基づいた計画書作りをサポートしてもらえます。
税理士の単発相談も利用すれば創業融資を受けるための事業計画書も、より効率的かつ高い成功率で制作できるでしょう。
小谷野税理士法人では会社設立から確定申告のお悩みまで、広く相談を受け付けています。税理士の手を借りたいとお考えの方は、まずは無料相談よりご利用ください。
税理士への単発相談がおすすめの人5選
税理士への単発相談は、顧問契約を結ぶほどではないものの税務の専門家からのアドバイスが欲しい方におすすめです。ここでは、どのような方が単発相談に向いているのか、具体的な特徴を5つ紹介します。
起業にあたって何から始めるべきか分からない
起業や独立を決心したものの、具体的な手続きや税務に関する知識がなく、最初の一歩を踏み出せない方に単発相談はおすすめです。税理士に単発相談すれば、事業開始にあたって何をすべきか、具体的な手続きや手順を教えてもらえます。
個人事業主または法人として事業を始めるべきか、それぞれどのような手続きが必要なのか、全体像を把握できるでしょう。
自分の税務知識が正しいか確認したい
税務や会計に関する知識は、インターネットや書籍でも情報を手軽に収集できます。しかし、税法は随時更新されているほか、自分の事業における手続き方法までは個人で判断できない場合もあるでしょう。
誤った解釈のまま税務手続きや確定申告をすれば、後から追徴課税などのペナルティを受ける恐れもあります。そのため、自分で学んだ税務知識や判断が誤っていないか、単発相談で税理士に相談することもおすすめです。
確定申告の際だけ税理士に確認してほしい
会計ソフトの普及により、記帳や確定申告における個人の負担も軽減されています。しかし、作成した内容が本当に正しいのか、節税に有効な手続き方法であるか不安を感じることもあるでしょう。
そのため、確定申告の直前などで単発相談を利用して、作成した帳簿や決算書を税理士に確認してもらうことがおすすめです。プロの視点で申し込み内容に問題がないか確認してもらえば、確定申告の不安を減らせます。
特定の取引における税務上の扱いを知りたい
事業において、普段は発生しない特殊な取引や経費計上に直面することもあるでしょう。
- 事業用の不動産を売却した
- 高額な機械装置を購入した
- 海外企業との取引が発生した
通常の仕訳や経費計上とは異なる対応が必要な取引では、税務上の処理も複雑になりがちです。そのため、特殊な取引は税理士に単発相談して対応方法のアドバイスを受けるのも良いでしょう。
事業規模が小さく顧問契約するほどではない
起業して間もない段階や副業の確定申告など、まだ副業として事業を進めている場合など、売上規模が大きくない段階の方にもおすすめです。月額の顧問料を支払うには負担が大きい事業でも、単発相談で税理士に専門的に相談できます。
日々の取引は自分で十分に管理でき、不明点が出たときだけ相談したい際には、単発相談が役立つでしょう。単発相談は時間単位で料金が発生する場合が多いため、コストを最小限に抑えられる可能性があります。
もちろん、事業が成長し税務が複雑化したタイミングで、単発依頼から顧問契約に移行する選択肢もあります。事業のステージに合わせた柔軟な取引ができることが、単発相談の魅力です。
税理士への単発相談の料金を抑える準備
税理士への単発相談は時間や回数単位で発生するため、回数や時間を絞りつつ適格に相談することが大切です。以下より、税理士へ単発相談する際の料金を抑えるポイントについて解説します。
相談したい内容を事前に整理しておく
相談時間を有効活用するため、事前に相談したい内容を整理して、質問をリストアップしておきましょう。どのような状況で、何に困っているのかを簡潔かつ第三者視点で分かるように整理しておくことが大切です。
「この支出が経費として認められるのか知りたい」という相談の場合も、支出が発生した経緯を整理しておくことがポイントです。支出が発生した経緯と金額を順序立てて説明できるよう準備しておけば、短時間で適切な回答を得られるでしょう。
質問に優先順位を付けて相談する
疑問は整理して、質問の優先順位を付けて聞いておきましょう。税理士への単発相談は時間単位で決まっている場合が多いため、聞きたい内容に優先順位を付けることが大切です。
話が盛り上がったり1つの質問に対する説明が長引いたりした際は、優先度の低い質問を切り捨てることも選択肢の1つです。相談時間を意識しつつ、解決したい内容から質問して回答を明らかにして、単発相談を有効活用しましょう。
決算書や確定申告書を持参する
税理士に状況に応じた的確なアドバイスをしてもらうには、情報源が必要です。そのため、相談内容に関連する税務や会計書類は、可能な限り整理して持参しましょう。
- 過去の確定申告書の控え
- 自分で作成した提出予定の確定申告書
- 決算書
- 総勘定元帳
- 不動産の売買契約書や納税通知書
口頭では説明できない財務状況も、資料があれば第三者である税理士にも伝えられます。資料があれば一般的な回答ではなく、個別の状況に即した具体的なアドバイスを得られるでしょう。
税理士への単発相談は状況を整理して伝えよう
税理士への単発相談は1時間10,000〜30,000円ほどが相場で、顧問契約を結んでいなくても専門的なアドバイスを受けられます。確定申告や開業手続きのサポートも受けられるため、税務や会計における疑問や不安を手軽に解決できるでしょう。
相談する際は、事前に疑問や不安を整理して、関連資料を揃えておくことが大切です。自分の事業ステージや悩みに合わせて、単発相談を有効活用しましょう。
