税務や会計に関する悩みは複雑なことが多く、専門家である税理士に相談したい場面も多いでしょう。一方で、税理士への相談料が気になって一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。実は税理士には無料で相談する方法もあり、電話窓口など手軽な方法でも相談を完結できます。本記事では、税理士に無料相談する方法と内容の範囲、有効活用する注意点を解説します。
税理士への無料相談が気になっているのであれば、小谷野税理士法人の無料WEBお問い合わせフォームもご利用ください。
目次
税理士に無料で相談できる4つの窓口

税理士に無料で相談するには、各税理士事務所や専門機関が用意する無料相談窓口から利用しましょう。税理士に無料で相談できる方法について、詳しく解説します。
税理士事務所・税理士法人の初回無料相談
多くの税理士事務所や税理士法人では、初めて相談する方向けに初回無料相談を受け付けています。初回無料相談は、以下に当てはまる方向けに実施されています。
- 顧問契約を想定して相談しやすい税理士を探している
- 初めての税理士への相談で不安がある
- 税理士への依頼にあたって疑問を解決したい
基本的には、税理士法人のサービス内容や税理士との相性を知ってもらうことを目的に実施されています。相談時間は30分〜1時間が目安で、WEBサイトや電話から予約できる法人がほとんどです。
もちろん実際に税理士へ手続き代行やコンサルティングを依頼したい場合には、無料では対応できません。あくまでもお試しとして、税理士に相談したい方におすすめの相談方法です。
市区町村役場で開催される税務相談会
多くの市区町村では、住民サービスの一環として税理士による無料相談会が開催されています。確定申告時期など税務に関する相談が増える際は常駐、それ以外の時期は事前予約制で個別相談できることがほとんどです。
そのため、市区町村の税務相談会は以下のように考えている方におすすめです。
- 確定申告に悩んでいる小規模な事業者
- 年金や相続、退職金の会計処理に悩んでいる方
市区町村役場では、その地域の住民が身近な税金の疑問を相談できる場として、税理士への無料相談を設けています。そのため、特に確定申告や税金に強い税理士が対応していることも多く、個人事業主や個人に向いている無料相談だといえます。
なお、相談時間は1人あたり20〜30分程度と短いことが多いため、質問したいことはあらかじめ整理しておきましょう。
各地の税理士会が開催する無料相談会
日本税理士会連合会に所属する全国各地の税理士会でも、無料相談会が定期開催されています。相談会は社会貢献活動の一環として実施しており、初めて税理士に相談する方にもおすすめの相談方法です。
適切な申告納税の推進を目的に開催されているため、税務に関する疑問から税理士への依頼相談まで、幅広く利用できるでしょう。なお、相談会は地方や時期により開催方法が異なります。
- 各地方の税理士会支部に常設相談センターを設けて実施
- 定期的に特設会場を設けて相談受付を実施
特に確定申告の時期など、相談が増える時期は特設会場を設ける地方が多く存在します。
商工会議所の事業者向け相談窓口
地域の商工会議所や商工会では、会員を対象とした無料相談窓口が設けられています。会員とは中小企業や個人事業主が中心であり、税務に関する相談から経営支援まで、幅広いサービスを受けられます。
相談対応するのは税理士をはじめ相談内容に関する専門家です。そのため、誰に相談すべきなのかわからない税務や会計、事業の悩みも手軽に相談できるでしょう。
そのため、税理士に初めて相談する方はもちろん、事業者として帳簿付けや節税について相談したい方にもおすすめです。なお、相談は予約制かつ会員であることが条件の場合がほとんどですが、会員でなくても初回は無料利用できる可能性もあります。
税理士への無料相談で聞ける主な内容

税理士への無料相談はあくまでもお試しであり、相談できることは限られている場合がほとんどです。相談料無料で聞ける質問や悩みについて、4つのポイントで解説します。
確定申告や税務手続きにおける基礎的な質問
個人の確定申告に関する基本的な手続きや疑問は、無料相談で解決できる例のひとつです。
主な相談例
- 自分は確定申告する必要があるのか判断が付かない
- 医療費控除や住宅ローン控除を適用する方法がわからない
- ふるさと納税をやってみたい、仕組みが知りたい
個人事業主はもちろん、控除やふるさと納税など個人の税金に関する疑問も相談により解決できます。申告書のどこに何を記入する必要があるのか、添付書類として何を用意すべきかなど、手続きに関する疑問も解決できるでしょう。
ただし、確定申告そのものの代行などの場合は無料相談の範囲を超えてしまいます。そのため、税理士と相談のうえ料金を支払って依頼するかも合わせて検討しましょう。
個人事業主や法人の節税対策に関する疑問
節税に関する基礎的な考え方や一般的な方法についても、無料相談の範囲で税理士にアドバイスを受けられます。
主な相談例
- どのような支出が経費と認められるのか
- 青色申告と白色申告の違いはなにか
- 少額減価償却資産の特例とはなにか
基本的な節税方法や、節税につながる制度に関する質問が該当します。税理士は相談者の事業内容や疑問を聞いたうえで、適用できそうな節税方法について提案できます。
ただし、個々の状況に合わせた具体的な節税プランや詳しいシミュレーションについては、無料相談の範囲を超えてしまうでしょう。
相続に関するおおまかな流れ
相続が発生したり将来の配偶者や子どもの相続に備えたりするための、相続税に関する疑問も無料相談できる内容のひとつです。
主な相談例
- 相続が発生してから申告・納税までの流れが知りたい
- 相続税の基礎控除額を計算する方法が知りたい
- 資産状況から相続税が発生するのか知りたい
- 相続は誰に申告義務があるのか
相続に関する基本的な制度の仕組みや疑問が、無料で相談できる範囲です。あくまでも概算として税理士の意見を聞けるため、相続に備えたい方も相談を検討しましょう。
なお個別の財産評価や財産分割に関する具体的な質問は、詳細資料の確認が必要となるため、無料相談できない場合がほとんどです。
会社設立や開業に関する税務の疑問
個人事業主や事業者が会社を設立するための手続きに関する疑問についても、税理士に無料相談できます。
主な相談例
- 会社設立時に税務署に提出すべき書類の種類を知りたい
- 資本金の設定における考え方が知りたい
- 役員報酬の設定方法を知りたい
- 開業届や青色申告承認申請書の提出方法が知りたい
- 会計ソフトはどれを選ぶべきか専門家に聞きたい
事業を始めるにあたって知っておきたいことを聞けるため、スムーズな会社設立や開業を目指せるでしょう。ただし、実際の手続き代行や開業サポートについては費用が発生するため、税理士との相談のうえ支援を受けることが大切です。
小谷野税理士法人には会社設立に強い税理士が相談を受け付けています。
税理士に相談料無料で話を聞くメリット3つ

税理士への無料相談は、費用を抑えて専門家に知見を聞けることが魅力です。無料相談で税務に関して税理士に質問するメリットとして、3つを紹介します。
複雑な税務に関する疑問を解決するヒントを見つけられる
税務に関する手続きや仕組みは専門用語が多く複雑なため、税理士がいなければ解決は難しい場合も多く存在します。しかし、税理士に無料相談すれば税務に関する疑問や悩みを解決するヒントをもらえるでしょう。
税務に関する課題や問題点も具体的に整理できるため、次に何をすべきかわかりやすくなることが強みです。税制や法的な観点から税理士に課題を指摘してもらえるため、問題の全体像を把握しやすくなるでしょう。
専門家の視点から節税のヒントをもらえる
税法の仕組みや規定は非常に複雑であり、税務について専門的に学んだわけではない方では把握が難しいことも実情です。しかし、無料相談を利用すれば専門家である税理士に節税の疑問を解決してもらえます。
個人事業主であれば経費にできる支出、法人の役員報酬など、自分では気付けなかった節税方法が見つかる可能性もあるでしょう。また、節税にあたって具体的に何をすべきかわかるため、何から手を付けて良いのか分からなくなっている方にもおすすめです。
税理士との相性を確認できる
税理士に業務を依頼するにあたって、顧問契約を結ぶ際は長い付き合いになることも予測されます。そのため、有料で税理士へ業務委託や相談をしたいと考えている場合にも、相性を確かめるため無料相談が役立ちます。
相談したい税務に関する知識や経験はもちろん、コミュニケーションの取りやすさや性格的な相性も重要です。無料相談は実際に税理士と顔を合わせて話せるチャンスでもあるため、相性の良い顧問税理士を探したい方にもおすすめです。
税理士に無料相談する前に知っておきたい注意点
税理士への無料相談には多くのメリットがありますが、利用時は注意点を守る必要があります。税理士への無料相談を利用する注意点について、3つを解説します。
相談時間は30分~1時間程度と限られている
税理士に無料相談できる時間は、一般的に30分から長くても1時間程度に限られます。限られた時間では、複雑な悩みや疑問をすべて解決することは難しいでしょう。
相談が始まってから状況を説明しているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまう可能性もあります。そのため、質問したいことは簡潔かつ明確に伝わるよう、内容を準備しておきましょう。
複雑な質問や相談に関して専門家から具体的なアドバイスや提案を受けたい場合は、有料での相談を視野に入れることも大切です。
個別の具体的な申告書作成などは対応外
無料相談で答えてもらえることは、あくまでも一般的な税務や会計に関するアドバイスです。個別のコンサルティングや申告書の作成代行は、明確に料金が決められている場合が多く無料相談の範囲を超える可能性があります。
同様に、節税効果を算出する具体的なシミュレーションや税務調査への立ち会い、記帳代行などの業務も含まれません。
相談後に契約を強要されることはない
無料相談を利用するにあたって、相談後にしつこく契約を強要されることはありません。大半の税理士事務所では、強引な勧誘やしつこい契約要求がなく、安心して無料相談から利用できます。
無料相談はあくまでも事務所のサービスを知ってもらい、相談者が納得のうえ契約できる環境を用意するためのものです。相談した結果、契約や有料での依頼に至らなくても問題はなく、その場で決断を迫られる心配はありません。
税理士への無料相談を有効活用する準備
税理士への無料相談を有効活用するためには、事前の準備が欠かせません。相談したい内容を整理して、税理士に迅速かつ正確に質問しましょう。
聞きたいことを整理しておく
無料相談は時間が限られているため、思いつくまま質問すると、時間切れで本当に聞きたいことが聞けなくなる恐れがあります。そのため、事前に相談したい内容を整理してリストアップしておくことがおすすめです。
今の悩みや疑問、税理士にどのようなことを頼りたいのかを明確にして、質問や相談内容に優先順位を付けておきましょう。
決算書や源泉徴収票などの資料を揃える
口頭での説明だけでは、税理士も相談者の具体的な状況を正確に判断できません。より具体的な回答を得るには、質問に関連する資料も用意して客観的に税務状況を伝えることが大切です。
確定申告の相談であれば過去の申告書や源泉徴収票を、法人の税務を相談したい場合は決算書や定款を揃えておきましょう。
複数名の税理士に相談して意見を聞く
税金の問題に対するアプローチや考え方は1つとは限りません。税理士によって考え方や解釈は異なるほか、得意分野や経験も異なります。
そのため、最初に相談した1人の意見だけを鵜呑みにするのではなく、2〜3名に同じ相談をしてみることもおすすめです。同じ質問をしてより納得感があったり、性格的な相性が合うと感じた方を選んだりして、有料での相談も検討しましょう。
まとめ
税理士への無料相談は税理士事務所や税理士会などで利用でき、地域を問わず手軽に利用できます。確定申告や節税の基本、相続の悩みなどに専門家からアドバイスを受けられるため、問題解決のきっかけを探せるでしょう。
ただし、無料相談は時間が限られているほか、手続き代行などの具体的な業務は依頼できません。一般的な税務に関連する質問をしながら、税理士との相性を検討できる場として無料相談を活用しましょう。








