追徴課税とは、納税者の確定申告の漏れや誤った計算により課される税金を指します。追徴課税を防ぐためには、正しい確定申告や期限内の納税が必須です。この記事では、追徴課税の概要や時効、追徴課税を支払えない場合の対処法などについて、詳しくご紹介します。
目次
追徴課税とは？
追徴課税とは、納税者の確定申告が不正確または不完全だった場合に追加として課される税金です。
追徴課税が適用される具体的なケースとして、過少申告や意図的な隠蔽行為などが挙げられます。追徴課税が発生すると、納税者は本来納付すべき税金よりも多い金額を支払う必要があるでしょう。
追徴課税の時効は何年？
追徴課税の時効は、原則として5年と定められています。しかし、税務署が税務調査を開始した場合、時効が一時的に停止する可能性があるため注意してください。この章では、追徴課税の時効について、詳しくご紹介します。
原則として5年
追徴課税の時効は、基本的に5年です。5年を過ぎると追徴課税の権利は消失し、正当な理由がない限り、納税者は一定の保護を受けられます。
時効は、納税者の権利を守りつつ、適正かつ公平な課税を実現するために定められています。納税者が正しい確定申告を行えば、追徴課税を未然に防げるでしょう。
悪質な不正行為などが疑われる場合は7年
追徴課税の時効は、納税者による虚偽の確定申告や脱税などの悪質な不正行為があった場合、通常の5年から7年に延長される可能性があります。7年の時効延長が適用される条件は、納税者が行った行為の内容や状況によって異なります。
納税者による不正行為が疑われる場合、税務署による税務調査が進められるでしょう。納税者による不正行為は税務署の監視が強まり、時間の経過だけでは問題を解消できないため注意してください。
追徴課税の時効は法人・個人ともに同じ
追徴課税の時効は、法人と個人ともに同様です。法人と個人ともに、基本的な時効は5年、悪質な行為があった場合には7年に延長されるルールが存在します。時効の同一性は、法人・個人に関わらず、適切な納税を促すために設けられています。
追徴課税の発生を防ぐには、法人・個人ともに税務知識を深め、確定申告の不備を避けるのが重要です。税務にまつわる正しい認識を持てば、追徴課税が発生するリスクを最小限に抑えられるでしょう。
【注意】追徴課税の時効の成立を待つのはほぼ不可能である
税務署から追徴課税を課された場合、時効の成立を待つのは難しいのが現状です。特に、税務調査の期間中は時効が停止する可能性があるため、時効の適用は困難でしょう。そのため、追徴課税が発生した場合は、時効までただ待つのではなく、迅速な支払いが必要でしょう。
追徴課税を支払えないとどうなる？
追徴課税を支払えない場合、さまざまな影響が生じます。具体的には、延滞税の発生や税務署からの督促などが挙げられます。税務署からの督促を放置した場合、財産の差し押さえをはじめとしたリスクが生じるため注意してください。
延滞税がかかり続ける
追徴課税の支払いを放置していると、新たに延滞税が発生します。延滞税は、納税期限を過ぎた税額に対して算出されます。特に、相続税や贈与税が未納だと、多額の延滞税が発生する可能性があるでしょう。
延滞税の支払いを放置すれば税額は増え続け、支払いが遅れるほど支払い額が膨れ上がります。事態の悪化を防ぐためにも、期限内の納付を行ってください。
参考：延滞税の計算方法
財産を差し押さえられる恐れがある
追徴課税の支払いをせず、確定申告の内容が悪質または無申告の場合、税務署から財産を差し押さえられる可能性があります。差し押さえの対象は財産だけでなく、不動産や預金も対象です。特に、事業を運営している場合、資産の差し押さえは経営に直結するでしょう。実際に差し押さえを受けると、財産が売却されるリスクも高まるため注意してください。
差し押さえは、事業の継続や日常生活にも悪影響を及ぼします。例えば、事業用の機材や設備が差し押さえられると、営業活動の維持が困難です。差し押さえを防ぐために、追徴課税が発生した段階で早急に納税する必要があります。
また、確定申告の内容が悪質または無申告の場合、税務署から厳しい処分を受ける可能性があるため、税理士をはじめとした専門家に相談するのもおすすめです。税に関する専門的なサポートを受ければ、状況を改善する方法を見つけられるのではないでしょうか。
追徴課税を払えない場合の対処法
追徴課税の支払いが難しい場合、税務署から追徴課税の通知を受けた段階で、すぐに対応する必要があります。税務署に追徴課税を支払えない理由を正直に説明すれば、具体的な解決策が提示される場合があるでしょう。
例えば、追徴課税が高額で一括納付が難しい場合、納付の猶予申請が可能です。納付の猶予を希望する際は、必要書類を揃えたうえで申請してください。追徴課税を滞納する時間が長いほど、延滞税が加算されるリスクが高まります。
また、税務署からの督促を放置すると、財産の差し押さえが生じる可能性があるため、早めに対策を行ってください。
まとめ
追徴課税に関する知識は、個人や法人が税務リスクを避けるために重要です。特に、税金の滞納が発生し、税務署からの通知を受けた際には、速やかに行動を起こす必要があります。
追徴課税の支払いが困難な場合は、まず自らの状況を正確に把握し、適切な対策を講じましょう。税務調査や追徴課税についてのお困りごとやご相談は、ぜひ小谷野税理士法人までお気軽にお問い合わせください。
