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日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)とは?必要書類や申し込みの流れなどを詳しく解説!

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日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)とは?必要書類や申し込みの流れなどを詳しく解説!

創業したいと考えている方にとって、大きな壁となる資金の問題。銀行からの融資を受けたくても、実績のない創業時には審査のハードルが高くなってしまいます。そこで活用したいのが、国の政策として創業融資を行っている日本政策金融公庫です。今回は、日本政策金融公庫の創業融資について、必要書類や申し込みの流れなどを詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫が担う3つの役割

地域活性化への貢献

地域経済を支える中小企業や小規模事業者、農林漁業者を支援することによって、地域活性化へ貢献することが日本政策金融公庫の役割のひとつです。民間の金融機関とも連携することで、地域プロジェクトへの参画なども行っています。日本政策金融公庫の持つ役割は、地域への貢献を考えている事業者とも関わりが深いといえるでしょう。

セーフティネットとしての機能を発揮

自然災害や経済環境の変化、感染症の流行などによるセーフティネット需要に対して、機動的に対処する役割があります。新型コロナウイルス感染症によって事業者が影響を受けた際にも、特別な貸付プランを用意するなどの対応を行っています。

日本経済の成長・発展への貢献

国の政策にもとづいた新たな事業の創生や事業再生、事業承継などを支援することによって、日本経済の成長・発展に貢献することも日本政策金融公庫の役割です。また、農林水産業の新事業展開や環境対策、事業再構築などの支援も行っています。

日本政策金融公庫が行う3つの事業

国民生活事業

国民生活事業では、主に事業支援や融資を行うことで国民の生活や創業、事業承継などを支援しています。事業融資については、小規模事業者や創業者を対象とした小口融資が中心です。また、創業者や小規模事業者に対して、経営に関する情報提供なども実施しています。なお、日本政策金融公庫の創業融資は、国民生活事業にあたる融資制度です。

農林水産事業

農林水産事業では、農林漁業や食品産業の支援を行っています。これらの支援を行うことで、日本国内の農林水産業の強化と、良質な食糧の安定的な供給を実現することが目的です。また、農林水産業者の経営の多角化や、事業拡大などのサポートも行っています。

中小企業事業

中小企業事業では、融資業務に加えて信用保険や証券化支援業務など、さまざまな企業活動の支援を行っています。既に軌道に乗っている企業や事業の更なる発展を支援することが中心で、長期資金を専門に取り扱っていることが特徴です。

日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)の概要

日本政策金融公庫の創業融資とは、創業者に対して事業開始に必要な設備資金や運転資金を支援する制度です。創業融資の融資限度額や返済期間などの概要については以下のとおりとなっています。

資金用途

新たに事業を開始するため、

または事業開始後に必要な設備資金・運転資金

融資限度額

3.000万円(うち運転資金1,500万円)

返済期間

各融資制度に定められた返済期間に準ずる

担保・保証人の条件

不要

※ただし、法人の代表者が連帯保証人となることを希望する場合、利率を0.1%軽減。

また、日本政策金融公庫が実施する創業融資の特徴には以下の3つが挙げられます。

  • 日本政策金融公庫が実施する他の融資制度と組み合わせて利用しなければならない

日本政策金融公庫の創業融資は単独での申し込みができず、他の融資制度と組み合わせることではじめて利用できる制度です。創業融資の利用を希望する方は、まずベースとなる融資制度を決定しなければなりません。具体的には、以下の融資制度などが挙げられます。

  • 新事業活動促進資金
  • 新規開業資金
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金

ただし、日本政策金融公庫の融資を申し込む際には、申込人が融資制度を指定することはできません。融資担当者が申込人の創業計画や状況などを確認し、利用可能な融資制度を総合的に判断します。日本政策金融公庫の融資を希望している方は、予備知識として覚えておきましょう。

  • 無担保・無保証人で融資を受けることが可能

日本政策金融公庫の創業融資は、実績の乏しい創業者であったとしても無担保・無保証人で融資を受けられることが魅力です。民間の金融機関であれば、融資を受ける際は原則として担保の提供を求められます。また、法人の代表者が連帯保証人となることも求められるため、会社が倒産した場合のリスクを代表者が負わなければなりません。

しかし、日本政策金融公庫の創業融資であれば、法人の代表者が自ら希望する場合を除いて担保・保証人は不要となっています。不動産などの担保を提供する必要がなく、もし事業がうまくいかなかった場合のリスクも抑えられる点は、大きなメリットであるといえるでしょう。

  • 金利が変動することに注意

日本政策金融公庫の創業融資は、物価や経済状況などの影響を受けるため金利が変動します。例えば、令和4年3月1日時点での金利は年2.37~3.05%となっていますが、今後変更される可能性があるため注意が必要です。創業融資を利用する際は、公式サイトに記載されている利率と異なる場合があることを把握しておきましょう。

日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)を利用する要件

日本政策金融公庫の創業融資を利用するためには、以下2つの要件をいずれも満たす必要があります。

  • 創業資金総額の1/10以上の自己資金を保有していること

事業資金として預金口座に貯めたお金や有価証券など、創業資金総額の1/10以上にあたる自己資金を確認できる必要があります。自己資金の種類によっては資金の出所について証明を求められるため、預貯金が望ましいといえるでしょう。なお、現在の企業で継続して6年以上勤めている場合など、自己資金がなくても要件を満たしたことになるケースがあります。自己資金が貯まっていないという方は、創業融資を利用できるか事前に問い合わせておきましょう。

  • 新たに事業を始める方・事業開始後、税務申告を2期終えていない方

日本政策金融公庫の創業融資は、創業前で実績のない方でも利用できる点が魅力です。また、創業後であっても税務申告を2期終えていない場合には申し込むことができます。ただし、適正な事業計画を策定し、その計画の実行能力があると認められる必要があります。要件を満たしたとしても、日本政策金融公庫の創業融資を利用するには審査を通過しなければならない点に注意しましょう。

創業融資(新創業融資)の必要書類とは

借入申込書

創業融資を申し込む際には、まず借入申込書を作成する必要があります。申込人の氏名・名称や借入希望日、借入希望金額などの基本事項を記入していきましょう。なお、用紙は日本政策金融公庫の各支店で入手できるほか、公式サイトからダウンロードすることも可能です。

創業計画書

創業計画書とは、創業者の経歴や事業内容、創業に必要な資金などを記載する書類のことを指します。創業融資を受けるためには審査を通過する必要がありますが、創業計画書は審査担当者が最も重視する書類です。各支店で記入例などを用意している場合があるため、利用予定の支店に確認しておきましょう。

資金繰り計画書

資金繰り計画書には、創業後の月別仕入高や売上高、人件費や家賃などの経費、利益やその金額の算出根拠などを記載する書類のことを指します。月別収支計画書ともいいますが、こちらは必ずしも作成しなければならないわけではありません。しかし、資金繰り計画書を作成することによって収支計画を見つめ直すことができ、創業計画書にも説得力を持たせることができます。

見積書

創業融資の資金用途に設備資金が含まれる場合、導入予定の設備に関する見積書を提出する必要があります。よって、資金用途が運転資金のみの場合は提出不要です。

履歴事項全部証明書・原本

創業融資の申込人が法人の場合のみ、法人の履歴事項全部証明書が必要になります。法人の名称や本店所在地のほか、代表者に関する情報を確認するために提出する書類です。法務局で取得するほか、「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」を利用することでオンライン申請も可能です。

不動産の登記簿謄本または登記事項証明書

不動産の担保差し入れを希望する場合には、登記事項証明書の提出が必要になります。取得方法は、法人の履歴事項全部証明書と同様です。

創業融資(新創業融資)面談時の必要書類の事例

預金通帳

直近6か月以上の内容が記帳された預金通帳が必要になります。提出する預金通帳は住居費や公共料金、クレジットカードの引き落とし口座として設定しているものを用意しましょう。また、住居費や公共料金の引き落としを家族名義の口座から行っている場合、家族名義の預金通帳も必要になることに注意が必要です。

各種ローン支払い明細

住宅ローンや自動車ローンなどを利用している場合、それらの返済額や残高を確認できる書類を提出する必要があります。

創業計画書・月別収支計画書

作成した創業計画書・月別収支計画書も面談時に提出します。また、月別収支計画書の算出根拠となる資料があれば、それらも別途用意しておきましょう。

自己資金の金額や蓄積を確認できる書類

預金通帳を提出しますが、有価証券などの金融資産を所有している場合はそれらの金額が確認できる書類を用意しておきましょう。

固定資産課税明細書及び固定資産税領収書

 

不動産を所有している場合、固定資産課税明細書および固定資産税の支払いが確認できる領収書を提出します。

勤務時の源泉徴収票

創業済みの方で、かつ前職が被雇用者である場合には勤務時の源泉徴収票を提出します。なお、創業前で現在勤務中の方は、現職の源泉徴収票を用意しましょう。

賃貸借契約書

自宅や事務所、店舗が賃貸の場合、賃貸借契約書も提出します。これから賃貸借契約を締結するという方は、賃貸借予約契約書を準備しましょう。

運転免許証などの本人確認資料

運転免許証やパスワードなど、顔写真付きの公的書類を本人確認資料として提出します。

なお、ここまでご紹介してきた必要書類はあくまでも一例であり、各支店によっては追加で書類の提出を求められる場合があります。面談に臨む際は、事前に必要書類を確認しておきましょう。

日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)の流れ

融資の相談を行う

まずは、創業する事業内容が融資対象に該当するのか、各支店の融資相談係に相談しましょう。風俗事業など、内容によっては融資対象外の事業もあるため注意が必要です。なお、日本政策金融公庫の創業融資は、原則として創業場所を管轄する支店に申し込むため、管轄支店へ問い合わせることをおすすめします。

申し込みを行う

日本政策金融公庫の創業融資の申し込みは、窓口のほか郵送でも可能です。忙しい場合には郵送での申し込みが便利ですが、書類内容に不備のないよう支店担当者へ事前に確認しておきましょう。

面談を受ける

申し込みが完了すると、審査担当者から面談通知が発送されます。面談日程や必要書類が記載されているため、確認して書類漏れのないよう準備しましょう。面談当日は、創業への熱意や創業計画をどれだけ落とし込めているかといった点が重視される傾向にあります。創業計画書には記載していない事柄についても質問される場合があるため、事前準備が非常に重要です。ただし、創業計画にしっかり向き合うことができていれば特に問題ないため、必要以上に恐れる必要はありません。

実地確認

面談後、審査担当者が創業予定場所や店舗、自宅などを実際に訪れて実地確認をします。実地確認では創業計画の実現可能性などの確認を行うため、もし創業計画書に変更が生じた場合には必ず審査担当者へ申し出るようにしましょう。

審査結果が通知される

面談や実地確認が完了すると、遅くとも1週間程度で審査結果が通知されます。ただし、遠方にある不動産を担保として差し入れる場合や、年末などの繁忙期には審査に時間を要する場合があるため注意しましょう。

融資実行決定後の手続きを行う

審査に通過し、借用証書などの融資実行に必要な書類が届いたら手続きを進めていきます。創業融資と組み合わせる融資制度独自の書類なども必要になる場合があるため、不明点があれば支店担当者へ確認しましょう。

借用証書を用意する

借用証書には、借入金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。収入印紙には必ず割印を行い、債務者が署名捺印します。なお、他の融資制度において連帯保証人の存在が融資条件となっている場合には、連帯保証人の署名捺印も必要です。

預金口座利用届(複写式)を用意する

預金口座利用届(複写式)とは、創業融資の返済で利用する口座引き落としのために必要な書類です。必要事項の記入と銀行印での押印を行い、銀行と日本政策金融公庫に提出します。これらの書類に加えて、債務者の印鑑証明書や借入金振込口座の通帳のコピーなどを発送し、融資実行決定後の手続きは完了です。その後、書類に不備がなければ1週間程度で資金が振り込まれます。

日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)の審査期間はどれくらい?

日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合、一般的には申し込みから審査終了までに1か月程度の期間を要します。ただし、上述のとおり遠方の不動産を担保として提供した場合や、年末などの繁忙期には審査が遅れる可能性があるため注意が必要です。創業融資を利用して事業を開始したいと考えている方は、スケジュールに余裕を持った創業計画を策定しましょう。

日本政策金融公庫の創業融資(新創業融資)を有効活用したい場合は専門家にも相談

今回は、日本政策金融公庫の創業融資について、必要書類や融資実行までの流れを解説してきました。創業融資は、無担保・無保証人で資金調達できる点が大きな魅力ですが、日本政策金融公庫が用意している他の融資制度と組み合わせる必要があります。創業融資を活用して事業を開始したいという方は、専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
税理士「今野 靖丈」

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