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修正申告で延滞税がかからないケースとは?判断のポイントを解説

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修正申告で延滞税がかからないケースとは?判断のポイントを解説

修正申告をすると、申告漏れや計算ミスによる税金の不足分に対して延滞税が課される場合がありますが、申告の方法やタイミングによっては延滞税が発生しないケースも存在します。本記事では、延滞税がかかる場合とかからない場合の違いや、その判断に役立つポイントをわかりやすく解説します修正申告と延滞税の仕組みを知りたい方は最後までご覧ください。

修正申告とは?

消費税 仕組み

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修正申告とは、確定申告後に申告漏れや計算ミスが判明し、本来より少ない税額を申告していた場合に行う訂正手続きです。

不足分の税金には、延滞税や加算税が課される可能性があります。延滞税は納期限の翌日から自動的に発生するため、誤りに気づいたら速やかに対応する必要があります。

参考:【申告が間違っていた場合】|国税庁

関連記事:修正申告とは?税務調査で修正申告が発生するのはどんな時なのか詳しく解説

延滞税がかかる条件

延滞税のイメージ

延滞税は、税金の納付が法定期限を過ぎた場合に発生する利息のような性質を持つ税金です。延滞税が実際にかかる具体的なケースを紹介します。

本来の納付期限までに納付が行われなかった場合

本来納めるべき税金が、法定の納期限までに納付されなかった場合、延滞税が自動的に課されます。

これはたとえ後日修正申告を行って不足分を納付したとしても、納期限の翌日から納付日までの期間に応じて延滞税が発生するためです。延滞税は年利で計算され、納付が遅れるほど負担が増す仕組みになっています。

参考:No.9205 延滞税について|国税庁

誤りに気づいていながら修正申告をせず過少申告や無申告を指摘された場合

申告内容に誤りがあると気づいていながら、税務署からの指摘を受けるまで修正申告を行わなかった場合、延滞税だけでなく加算税も課される可能性があります。

特に、税務調査などで指摘された場合には、納付遅れに対する延滞税に加え、過少申告加算税や無申告加算税が加わる場合もあります。

参考:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁

参考:加算税制度の概要①(基本情報)|国税庁

延滞税の計算方法

税金の計算をする男性

延滞税はただ遅れたからといって一律に課されるわけではなく、遅延の期間や時期によって税率や金額が変わってきます。延滞税の仕組みや計算方法について解説します。

延滞税の計算ルール

延滞税は「未納税額 × 延滞税率 × 延滞日数 ÷ 365日」で計算されます延滞税率は毎年変動し、納付の遅れた日数に応じて段階的に適用される仕組みです。

納期限の翌日から実際の納付日までが「延滞日数」となり、1日でも遅れると延滞税の対象になります。正確な税額を求めるには、対象年の特例基準割合を確認し、日割計算で算出しましょう。

参考:延滞税の割合|国税庁

関連記事:確定申告で納税し忘れたら延滞税はいくら?具体例と早見表で解説

納期限から2ヵ月以内に納付した場合

延滞が納期限から2ヵ月以内の場合、税率は「特例基準割合 + 1.0%」または「年7.3%」のいずれか低い方が適用されます

例えば、特例基準割合が0.4%の場合、税率は「0.4%+ 1.0%=1.4%」と「7.3%」の低い方なので1.4%が採用されます。

このとき、未納額10万円を30日遅れて納付した場合の延滞税は、10万円 × 1.4% × 30日 ÷ 365日 ≒ 115円となります。(延滞税は100円未満が切り捨てられるため、本ケースの延滞税額は実際には100円です。)ただし、延滞税の額が1,000円未満である場合、延滞税はかかりません。

延滞税は日割計算で日数に応じて増えるため、気づいたらすぐ納付しましょう。

参考:延滞税の計算方法|国税庁

納期限から2ヵ月を超えて納付した場合

納期限から2ヵ月を超えた場合、最初の2ヵ月分は前述の税率で計算し、それ以降の期間は「特例基準割合 + 7.3%」または「年14.6%」のうち低い税率を適用し、その日数分を計算します。

例えば、特例基準割合が0.4%の年に、未納額10万円を100日遅れで納付した場合の延滞税は、以下のように計算し、合計約1,074円となります。(延滞税は100円未満が切り捨てられるため、実際の支払額は1,000円です。)

  • 最初の60日(税率1.4%):10万円 × 1.4% × 60日 ÷ 365日 ≒ 230円
  • 残り40日(税率7.7%):10万円 × 7.7% × 40日 ÷ 365日 ≒ 844円

2ヵ月以内の納付時よりも延滞税の負担がさらに大きくなるため、注意しましょう。

修正申告しても延滞税が「かからない」ケースとは?

修正申告を行えば必ず延滞税が課されるとは限りません。制度上または実務上で延滞税が「かからない」とされる代表的なケースを紹介します。

自主的に修正申告した場合

自主的に修正申告を行った場合、「更正の予知がない」とされ、過少申告加算税などのペナルティが課されないケースがあります

「更正の予知がない」とは、税務署がまだ申告内容の誤りに気づいていない状態を指し、例えば、税務調査の連絡が届く前や、誤りを指摘される前のタイミングで、自ら間違いに気づき正しい申告をした場合がこれに該当します。

また、災害や病気など「やむを得ない理由」により納付が困難な場合には、税務署に「災害による申告・納付等の期限延長申請書」を提出することで、納付期限自体を延長できる制度も存在します。

申請は「理由がやんだ後、相当の期間内(おおむね1ヵ月以内)」に行う必要があり、延長が認められた期間中は延滞税が発生しません。

参考:C1-15、H1-22 災害による申告、納付等の期限延長申請|国税庁

納付遅れが少額・短期間の場合

延滞税の金額が1,000円未満であれば納付は不要とされています。100円未満の端数は切り捨てとなるため、納付額や日数によっては実質的に延滞税が0円になるケースがあります

制度上の免除ではなく、計算結果として発生しないという実務上の取り扱いです。

参考:振替納付日について/期限内に納付できなかった場合は|国税庁

本税が発生しない場合

延滞税は、本来納期限までに納めるべき税金が未納であることを前提として課されるため、修正申告を行っても追加で納付すべき税額(本税)が0円であれば、延滞税の計算対象自体が存在せず、課税されません

あくまで「本来納めるべき税金があるかどうか」が判断基準となるため、誤って多く納めていた場合の修正でも延滞税は生じません。

還付申告に修正があった場合

もともと還付を受けるための申告であった場合、その内容に修正があっても、追加納税が発生しなければ延滞税が課されない可能性があります

還付申告は税金の返還を求める手続きであり、延滞税の対象である「未納税金」とは無関係です。ただし、すでに還付を受けている場合は、延滞税が発生する可能性があるため中しましょう。

延滞税を回避するために知っておきたい5つのポイント

延滞税は、気づかないうちに発生しやすい税金のひとつですが、日頃の注意と対策で未然に回避できます。延滞税を防ぐために実践したい5つのポイントを紹介します。

  1. 確定申告後も内容を再確認する習慣をつける
  2. 誤りに気づいたら速やかに修正申告を行う
  3. ダイレクト納付などで早期に納付を完了させる
  4. 源泉徴収票や支払調書を早めに確認する
  5. 領収書や帳簿の管理を日頃から徹底する

確定申告後も内容を再確認する習慣をつける

申告書を提出して終わりではなく、後日あらためて控除漏れや計算ミス、添付書類の不備がないかを再確認する習慣をつけましょう

提出後の見直しによって早期にミスに気づければ、自主的な修正申告によって延滞税や加算税のリスクを回避できます。

誤りに気づいたら速やかに修正申告を行う

延滞税は、納付期限の翌日から納付日までの日数に応じて増加するため、誤りに気づいた時点ですぐに修正申告と納税を行いましょう

税務署の調査や指摘が入る前であれば、過少申告加算税が免除される可能性もあるため、スピーディーな対応が重要です。

ダイレクト納付などで早期に納付を完了させる

ダイレクト納付、スマホアプリ納付を活用すれば、即時に納税が完了できるため、うっかり納付が遅れて延滞税が発生するリスクを抑えられるでしょう

特に口座引落型の「ダイレクト納付」は手間が少なく、納期限ギリギリの対応にも有効です。

参考:G-2-2 ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続|国税庁

参考:G-2-5 スマホアプリ納付の手続|国税庁

源泉徴収票や支払調書を早めに確認する

申告漏れや二重計上を防ぐために、源泉徴収票や支払調書を事前にすべて確認しましょう。特に複数の収入がある場合は、支払者ごとに資料が発行されるため、申告前に集めて内容を把握しておけば、ミスのない正確な申告に繋がります。

関連記事:【税理士監修】支払調書と源泉徴収票|その違いと使い方を徹底解説!

領収書や帳簿の管理を日頃から徹底する

経費計上の際にミスがあると、正しい納税額が計算できず延滞税のリスクが生じます。日頃から帳簿をこまめに記録し、領収書や請求書の保管を徹底すれば、正確な申告と納付に繋がり、余計な税負担を回避できるでしょう。

修正申告の流れ

修正申告の手続きに進む前に、必要となる書類や提出方法、提出期限について整理しておきましょう。

必要書類

修正申告に必要な書類は、提出方法によって一部異なります。以下に、紙で提出する場合とe-Taxで提出する場合の違いをまとめます。

区分

必要書類

共通

  • 確定申告書 第一表・第二表
  • 訂正の根拠となる証明書類(源泉徴収票、領収書、帳簿など)

  • 本人確認書類の写し(運転免許証、マイナンバーカードなど)

e-Tax

  • 本人確認書類の提出は不要
  • 証明書類の提出も原則不要(税務署から求められる可能性あり)

e-Taxではマイナンバーカードなどによる電子認証が行われるため、紙での本人確認書類は不要です。また、書類によっては提出を省略できますが、後日税務署から提示を求められる場合があるため、申告内容に関する書類は必ず保管しておきましょう。

参考:申告に誤りがあった場合など|国税庁

提出方法

修正申告の提出方法についても、紙とe-Taxで、それぞれ手続きの流れや完了のタイミングに違いがあります

区分

提出方法

手続き完了のタイミング

税務署へ郵送または窓口で提出

税務署が受理・処理した時点で完了

e-Tax

インターネット上で電子申告

送信後すぐに受付完了が確認可能

e-Taxはインターネット経由で申告でき、受付完了通知も即時に確認できるため、迅速かつ確実な手続きが可能ですが、紙で提出する場合は、郵送や窓口提出の手間がかかり、処理完了までに一定の時間を要します。

スピードや利便性を重視するなら、e-Taxの利用がおすすめです。

提出期限

修正申告には、法令上の明確な提出期限は定められていません。

ただし、税務署から調査の連絡を受ける前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税が課されない場合があるため、誤りに気づいた時点で、できるだけ速やかに対応することが望ましいでしょう。

修正申告で延滞税がかかるか不安な方は専門家に相談

延滞税の有無や金額、加算税との関係は専門的な判断が必要です。誤った対応をすると余計な税負担や追徴課税を招くおそれがあります。特に高額な取引や複数年にわたる修正申告など、判断に迷う場面では、税務の専門家に相談するのが賢明でしょう

小谷野税理士法人では、修正申告や延滞税に関するご相談に対応しており、初めての方でも安心してサポートを受けられます。修正申告や延滞税について不安をお持ちの方は、ぜひ一度、小谷野税理士法人までご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
  • 会社設立の基礎知識 特集「法人のための確定申告」
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