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税金滞納で配偶者の財産も差し押さえられる?知っておきたい影響と対策を解説

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税金滞納で配偶者の財産も差し押さえられる?知っておきたい影響と対策を解説

税金を滞納したことで、財産を差し押さえられるのではないかと不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に、本人の財産だけでなく配偶者や家族の財産にまで影響が及ぶのかどうかは、多くの人にとって不安材料でもあるでしょう。本記事では、税金滞納による差押えが配偶者や家族の財産に及ぶケースとその影響や、万が一の対処法についても解説します。

税金滞納で財産が差し押さえられる場合とは

差押予告

税金を滞納すると、最終的に財産が差し押さえられる可能性があります。差押えとは、滞納している税金などを回収するために、税務署や地方自治体が法的手続きに基づいて財産を強制的に処分することです。

税金の徴収における最終手段であり、滞納から実際に差し押さえに至るまでには一定の法的な流れが存在します。

税金滞納を放置した場合の流れ

税金を滞納すると、まず納付期限から約20日以内に「督促状」が送付されるのが一般的です。法的効力を持つ納付の催促であり、発送日から10日が経過しても支払われない場合、理論上は差押えが可能となります。

実際にはすぐに差押えが行われるわけではありませんが、この段階で税務署や役所は滞納者の財産調査を始めることがあります。その後、「催告書」や「差押予告通知書」が送付され、それでも納税されなければ、最終的に差押えが実施されるのが基本的な流れです。

関連記事:税金滞納し続けたら全額免除になる?納税できないときの対処法を解説

差し押さえの対象となる財産

税金滞納による差押えの対象となる財産は多岐にわたります。代表的なものは以下の通りです。

  • 現金、預貯金
  • 給与
  • 不動産(家や土地など)
  • 自動車
  • 有価証券(株式や投資信託など)
  • 生命保険の解約返戻金
  • 売掛金などの金銭債権
  • 宝石や貴金属、骨董品など換価価値の高い動産

これらの財産は、最終的には換価(売却など)されて税金に充当される可能性があるのです。

給与が差し押さえられる場合は、原則として手取り額の4分の1までが対象となりますが、手取り額によってはそれ以上の金額が差し押さえられることもあるのでご注意ください。

預金口座については、滞納額および差し押さえにかかる費用の範囲で、口座残高の全額が対象になる場合もあります。

差し押さえの対象にならない財産

一方で、法律上、差押えが禁止されている財産もあることを覚えておくと良いでしょう。これは、滞納者の最低限の生活を守るための措置です。差押えが認められていない主な財産には以下が含まれます。

  • 衣服、寝具、家具、台所用具などの生活必需品
  • 仕事に必要な道具や機材
  • 当面の生活資金としての現金(66万円まで)

ただし、年金や生活保護費などの公的給付金が振り込まれた預金口座であっても、入金後は差し押さえの対象となる可能性がある点には注意が必要です。生命保険については、解約返戻金の有無や保険の種類によって差し押さえの可否が異なるため、内容の確認が必要です。

なお、一部の差押禁止財産については、適切な手続きを行うことで保護される場合があります。差押禁止財産の範囲や詳細は、個々の状況や財産の性質によって異なる場合があるため、専門家へ相談するのがおすすめです。

配偶者や家族の財産は差し押さえの対象になる?

高齢化税理士における体験談イメージ

税金を滞納した場合、ご自身の財産が差押えの対象となることは説明した通りです。では、配偶者や家族名義の財産も対象となるのでしょうか。

ここでは、住民税などの税金を滞納した場合、家族にどのような影響があるのかをまとめました。

原則として本人の財産のみが対象

税金の支払い義務はあくまで納税者本人にあるため、原則として差押えは本人名義の財産に限られます。そのため、夫が税金を滞納した場合でも、妻や子供名義の預金や不動産、車などが差押えの対象外です。

法人が税金を滞納した場合も同様に、対象となるのは法人の財産であり、代表者個人やその家族の財産が差し押さえられることはありません。住民税などの地方税についても、基本的にはこの原則が適用されます。

例外的に配偶者の財産が対象になるケース

一方で、以下のようなケースでは、家族名義の財産が差し押さえられる可能性があります。

  • 資産の隠ぺい行為があった場合
    納税者が自身の財産を意図的に配偶者名義の口座に財産を写して税金の徴収を逃れようとするなど、実質的に本人の財産であると判断されるケースでは、本人以外の財産も差し押さえの対象となり得ます。
  • 連帯保証や連帯納付義務がある場合
    家族が連帯保証人になっている場合や、国民年金保険料のように、世帯主や配偶者に連帯納付義務がある場合には、本人以外の財産も差し押さえの対象となることがあります。
  • 共有名義の財産がある場合
    不動産などが共有名義になっている場合は、納税者の持分に相当する範囲で差し押さえが行われる可能性があります。
  • 法人代表者が連帯保証している場合
    法人の滞納であっても、代表者が税務上の責任を負っている場合や連帯保証人になっている場合は、代表者個人の財産が対象となるケースがあるため注意が必要です。

ただし、配偶者が婚姻前から所有していた財産や、婚姻中に自己の名義で得た財産は原則として差し押さえ対象外です。誤って家族の財産が差し押さえられた場合、「第三者異議の訴え」などで取り戻せる可能性があります。

税金滞納による差し押さえが家族に与える影響は?

東京で会社設立する際の補助金のイメージ

税金を滞納し差押えに至った場合、納税義務者本人だけでなく、家族にも多くの影響を与える可能性があります。

まず、経済的な面では、給与や預金が差し押さえられることで、家計に大きな打撃を与えるでしょう。特に、滞納者が家計の中心的な収入源である場合、生活費や教育費、住宅費の確保が困難となるケースがあります。

また、自宅が差し押さえられ競売にかけられた場合、住まいを失うことになり、家族全員が引っ越しを余儀なくされる可能性もあるのです。これにより、子どもの転校など生活環境の大きな変化が生じることが考えられます。

さらに、差押えの事実が勤務先に伝わることで、職場での信用に影響が出たり、精神的な負担が増したりすることもあるでしょう。こうした状況は、家族間の信頼関係や心理面にも悪影響を与えてしまうのです。

このように、税金滞納は家族の生活全体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早期の相談・対応が極めて重要だと言えるのです。

税金滞納で差し押さえを避けるための方法

税金を滞納し、「このままでは差押えに至るのでは」と不安を感じている場合は、早めに行動を起こすことが大切です。差押えまでには一定の手続きがありますが、適切な対応を取ることで回避できる可能性があります。ここでは主な対処法を3つご紹介します。

税務署や役所に相談する

税金の滞納が発覚したら、まず放置せず速やかに税務署や市区町村の税務課窓口に相談しましょう。支払いが困難な事情を正直に話すことで、分割納付や猶予制度活用など、柔軟な対応が受けられることがあります。

相談を通じて、納税者が誠意を持って対応していることが伝われば、差押えのリスクを軽減できる場合もあります。自己判断で黙っていることが最も危険です。

猶予制度の活用

税金には、納税が困難な状況にある場合に利用できる「猶予制度」が設けられています。

  • 納税の猶予:一定期間、税金の支払いを延期できる制度
  • 換価の猶予:差し押さえた財産の売却(換価)を一時的に保留できる制度

これらの制度を利用するには申請が必要で、所定の要件を満たす必要があります。税務署や役所の担当者に相談し、自身の状況で猶予制度が活用可能かどうかを確認してみましょう。猶予が認められれば、差押えを回避できる可能性もあります。

債務整理をする

納税が困難である際、税金以外の借金が原因となっているケースもあるでしょう。その場合、債務整理を検討するのも1つの方法です。債務整理には、以下の方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

債務整理をすることで、借金の減額や免除、支払期間の延長などが可能になる場合があります。ただし、税金は原則として債務整理の対象外であり、減額や免除の対象にはなりません。それでも、税金の支払いに充てる資金を確保できる可能性があります。

債務整理を検討する際は、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、ご自身の状況に合った方法を選択しましょう。

関連記事:税金滞納分は自己破産してもなくならない!対処法を紹介

差し押さえられてしまった場合の対応

万が一、税金の滞納により財産を差し押さえられてしまった場合でも、取るべき対応策は残されています。冷静に状況を確認し、速やかに行動することが大切です。

差し押さえの内容を確認する

まずは、どの財産が差し押さえられたのかを正確に確認しましょう。差し押さえ通知書には対象となる財産の情報が記載されています。内容に誤りがないか、対象となった財産が生活必需品や法的に差し押さえが禁止されているものではないかも確認が必要です。

早急に税務署・役所へ連絡する

差押え後であっても、財産がまだ換価処分(売却など)されていない段階であれば、滞納している税金を全額納付することで差し押さえが解除され、財産が返還される可能性があります。

このため、できるだけ早く税務署や役所の担当窓口に連絡し、支払いの意思や具体的な納付方法について相談することが重要です。

関連記事:差し押さえを解除するには?手続きと解除にかかる日数について

疑問がある場合は専門家へ相談する

また、差し押さえられた財産の中に、本来差し押さえが禁止されているものが含まれている場合や、手続きに疑問がある場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

正当な手続きでない場合、差し押さえの取消しを求めることができる可能性もあるのです。

差押え後であっても、状況に応じた適切な対応を取ることで、財産の保全や問題の解決に繋がるケースがあります。「もう遅い」と諦めず、早めに行動することが重要です。

関連記事:税理士は顧問契約とスポット契約のどちらがおすすめ?メリット・デメリット

まとめ

税金滞納は、財産の差し押さえという深刻な結果を招く可能性があります。原則として対象は本人の財産ですが、状況によっては配偶者や家族の財産にも影響が及ぶケースがあります。差し押さえは、本人だけでなく家族の生活や精神面にも大きな影響を与えかねません。

税金滞納に気づいたら放置せず、まずは税務署や役所に相談することも重要です。猶予制度の活用や、必要に応じた債務整理など、状況に応じた対策を早めに検討しましょう。

税金差し押さえについてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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