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フリーランスが非課税になる所得はいくらまで?税目別の基準を解説

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フリーランスが非課税になる所得はいくらまで?税目別の基準を解説

フリーランスとして働く方にとって、非課税ラインは重要なポイントです。事業での所得が個人の所得となるため、事業での儲けが所得税や住民税に直接影響を及ぼします。本記事では、所得税・非課税となる具体的な金額や確定申告の必要性、効果的な税金対策までわかりやすく解説します。

フリーランスの税金基礎知識

まず押さえておきたいのが税金の基本的な仕組みです。特に所得税や住民税の理解のためには、収入と所得の違いを正しく知ることが重要です。また、フリーランスが納める税金の概要を知っておくことで、税金対策や申告をスムーズに進められます。

税金計算の大前提:収入≠所得

フリーランスとしての収入は仕事で得た総額、つまり売上です。一方、所得は収入から必要経費を差し引いた金額です。儲けがいくら出たか、と考えるとわかりやすいでしょう。所得税、住民税、個人事業税は基本的に所得に対して課税されます。

経費の適切な計上が節税につながると言われるのは、収入から差し引く経費が大きくなることで、課税対象となる所得が減るためです。パソコン代や通信費など、仕事に必要な支出であり、プライベートと明確に区別できるものは経費として認められます。帳簿をきちんとつけ、収入と経費を正確に把握することが正しい納税の第一歩です。

フリーランスが納める税金の種類

フリーランスが支払う主な税金は所得税住民税個人事業税消費税の4種類です。

所得税は国に納める税金で、1月1日〜12月31日の所得をもとに課税されます。所得が大きいほど税率が段階的に上がる累進課税のしくみです。

住民税は地方自治体に納める税金で、前年の所得をもとに均等割と所得割が課税されます。所得割の税率は一律10%(市町村民税6%+道府県民税4%)です。

個人事業税は事業所得が290万円を超える場合にかかる地方税です。業種によって税率が異なり、システムエンジニアやライターは業務内容によっては事業税がかからない場合もあります。

所得税、住民税、個人事業税は、すべて所得税の確定申告書をもとに計算される場合が多いです。消費税の課税事業者は、消費税の確定申告書も提出します。

関連記事:フリーランスの税金対策4つ!納める税金の種類も解説

フリーランスが非課税になる所得金額はいくらまで?

個人事業主の健康保険の任意継続について

所得がいくらまでなら税金がかからないのかは気になるポイントです。税目ごとの非課税や免税の基準を理解することで、税負担を事前にある程度予想し、余裕をもって納税資金を準備できます。ここではフリーランスが納める可能性のある税目ごとの非課税ラインをわかりやすく解説します。

所得税:年間所得48万円以下で非課税

所得税は基礎控除が48万円(合計所得金額が2,400万円以下の場合)のため、年間の所得が48万円以下であれば非課税です。例えば、収入が100万円で経費が60万円の場合、所得は40万円のため所得税はかかりません。

実際には配偶者控除や扶養控除などの適用により、所得が48万円を超えていても所得税がかからないケースもあります。

ただし、副業の方は会社からの給与と合算される点に注意が必要です。フリーランスの所得が40万円でも、給与所得が300万円あれば、合計で48万円を大幅に超えるため非課税とはなりません。

関連記事:個人事業主の所得はいくらが得?税金対策のボーダーライン

住民税:45万円以下で非課税(地域差あり)

住民税の非課税基準は、所得割だけが非課税になるラインと、均等割も所得割も非課税になるラインの2つがあります。

非課税基準となる所得額は自治体によって若干異なります。扶養親族がいない単身者の場合、おおよそ年間所得45万円以下であれば、均等割所得割ともに非課税となるケースが多いです。

扶養親族がいる場合は、その人数に応じて非課税となる所得の基準は上がります。このときの扶養人数には、16歳未満の人数も含みます。

住民税は、前年の所得に基づいて課税されます。収入が大幅に増えた年の翌年6月以降に税負担が増える可能性があります。逆に今年収入が減っていても、前年の所得に基づいて計算された住民税額は減額されない点にも注意が必要です。

個人事業税:事業所得290万円以下で非課税

個人事業税の対象となるのは事業所得と不動産所得です。事業主控除として290万円を所得から差し引くため、所得が290万円以下の場合は課税されません。青色申告の場合、青色申告特別控除を適用する前の所得額で判断することがポイントです。

関連記事:個人事業税のかからない業種とは?ケースや職業別に解説

消費税:2年前の年間課税売上1,000万円以下で免税

消費税の納税義務は、課税事業者の要件を満たすかどうかにかかっています。

適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)に登録すると、売上高に関わらず自動的に課税事業者となります。インボイス発行事業者ではない場合、原則として2年前の年間課税売上高が1,000万円以下であれば、今年の消費税の納税義務は免除されます。

例えば、2023年の課税売上が900万円の場合、2025年分の消費税の申告と納税は免除されます。ただし、免税事業者は仕入れや経費で支払った消費税の還付を受けられません。

消費税の計算や申告は複雑なため、課税売上が1,000万円に近づいたり、インボイス制度への対応を検討したりする場合は、早めに準備を始めることをおすすめします。

参考:【消費税及び地方消費税の申告等】|国税庁

非課税だからと確定申告しないとどうなる?

フリーランス・個人事業主の確定申告のイメージ

所得が非課税ラインに収まりそうだからと自己判断して確定申告をしないと、思わぬ不利益を被るかもしれません。申告義務がない場合に確定申告をしないとどのようなデメリットがあるかを確認しましょう。

住宅ローン控除が適用できない

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んでマイホームを購入したりリフォームしたりした人が、所得税から直接税額を控除できる制度です。所得税で控除しきれなかった住宅ローン控除額は、住民税からも控除されます。

所得税が非課税かどうかは確定申告書を作成した時点でわかります。しかし、一定の所得がある場合、住民税が非課税かどうかの判断は難しいケースも多いです。せっかく適用できる控除があっても、きちんと申告しなければ適用されません。迷ったら申告するのがおすすめです。

所得を証明できない

補助金、助成金、融資制度は、フリーランスが事業を継続・拡大していく上で重要な支援策です。しかし制度を利用するには、確定申告書の控えなど所得を証明する書類の提出を求められることがほとんどです。

確定申告をしないと所得を公的に証明する書類が手元にありません。いざという時にスムーズな申請ができず、事業展開の選択肢を狭めてしまうリスクがあります。

国民健康保険料が高くなる可能性

本業が会社員でないフリーランスの場合、国民健康保険に加入している方が多いでしょう。国民健康保険の保険料は前年の所得に基づいて算定されます。

もし確定申告をしなかった場合、自治体は正確な所得を把握できません。本来であれば所得が低いために軽減を受けられるはずの世帯であっても、所得が不明なために軽減が適用されない可能性が高いです。非課税ラインの所得であれば、保険料も低く抑えられる場合が多いので、きちんと申告して適切な保険料を支払うことが重要です。

経営状況の把握と改善ができない

事業の状況を理解するには、売上が予定通り入金されているか、何にどのくらいお金を使っているかの定期的な確認が重要です。領収書や請求書の整理や帳簿の記録を普段からこまめに行っていれば、事業の課題にもリアルタイムで気づけます。

一方、確定申告をしなくてよいからと会計や税務をおろそかにしていると、どんぶり勘定になりがちです。確定申告は単なる税務手続きではなく、フリーランスとして事業を健全に運営するための経営管理プロセスであるとも言えます。

【実践編】フリーランスの税金対策と確定申告の始め方

女性の個人事業主

フリーランスとして安定して経営を続けるには、税金の仕組みを理解し、効果的な税金対策を行うことが重要です。ここでは基本的な税金対策と確定申告の手順を解説します。

手取りを増やす基本的な税金対策

税金や会計の専門知識がなくても簡単に始められる基本的な税金対策を3つ紹介します。

まずは確定申告の方法として青色申告を選択し、最大65万円の青色申告特別控除を適用して課税対象となる所得を減らしましょう。青色申告は税務署に青色申告承認申請書を提出することで開始できます。

2つめは、事業に必要な経費を正しく漏れなく計上することです。パソコンひとつでできる職種の方も、通信費やWebサイトの運営費用など、事業に関わる支出は経費として計上できます。

3つめは、所得控除や税額控除を最大限に活用することです。国民年金保険料や国民健康保険料は社会保険料控除の対象となり、支払った全額が所得から差し引かれます。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金も同様に全額が所得控除の対象です。住宅ローン控除や医療費控除も条件に合えば積極的に活用しましょう。

さまざまな方法を組み合わせることで効果的に税負担を減らし、最終的に手元に残るお金を増やすことができます。

関連記事:青色申告のメリット5つ|デメリットや適用をおすすめできる人とは?

初心者でもできる確定申告の基本手順

確定申告は一見難しそうに思えますが、基本的な流れを把握すれば初心者でも問題なく進められます。

まず、日々の業務で発生する収入と経費を整理し、帳簿を作成することから始めましょう。記帳作業にはクラウド会計ソフトの活用がおすすめです。銀行口座やクレジットカードと連携させれば、取引を自動で取り込み仕訳までしてくれるソフトもあります。簿記の知識がなくても簡単に帳簿を作成でき、入力ミスも減らせるのが利点です。

次に、作成した帳簿をもとに国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や市販の会計ソフトを利用して申告書を作成します。この際、源泉徴収票(会社員で副業の場合)や経費の領収書、各種控除証明書(生命保険料控除証明書など)といった必要書類をあらかじめ用意しておきましょう。

確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日までです。e-Taxを利用すれば自宅から手軽に申告でき、還付金も早く受け取れるため便利です。記帳や申告に不安がある場合は、税理士に相談したり、税務署の相談窓口を活用したりするのもよいでしょう。

参考:確定申告書作成コーナー|国税庁

関連記事:帳簿の付け方の基本を徹底解説!正しい納税と経理の効率化をサポート

関連記事:【税理士監修】フリーランスに確定申告は必要?申告のメリットや方法、節税のポイント

確定申告や節税の相談は税理士へ!

フリーランスの方が納める可能性のある税金は、所得税・住民税・個人事業税・所得税があります。それぞれの非課税ラインを把握することでおおよその税負担を予測できますが、正確に見積もるのは難しいものです。

自己判断で「非課税になりそうだから」と確定申告を行わないと、思わぬ不利益を被るリスクがあります。正確な記帳と申告を習慣づけ、事業の状況をリアルタイムで把握することで、適切な節税策を講じやすくなります。自分で行うのが難しい場合は、税理士に相談するのもひとつの方法です。

フリーランスの税金や確定申告についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
  • 会社設立の基礎知識 特集「法人のための確定申告」
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