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会社設立の基礎知識

自己資金なしでも創業融資を受けることは可能?自己資金なしで起業・創業を成功させるポイントを解説!

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自分名義の銀行口座に貯めたお金は自己資金にあたります。貯金ができるということは、返済もしっかりできると金融機関が判断するため、融資の審査において有利となります。また、創業に向けて資金の準備ができていることから、経営者としても優れていると評価されるでしょう。

ここで重要なポイントは、現金を手元に置いておくタンス預金ではなく「預金通帳で入出金履歴を確認できる」という点です。この「資金の出所を証明できるか」という点は、自己資金に該当するかを検討するうえで共通の論点となるため、必ず覚えておきましょう。

なお、同一世帯である配偶者名義の預金も自己資金に含むことが可能です。その場合は預金通帳の提示を求められるため、事前に配偶者の同意を得ておく必要があります。自分名義の預貯金だけでは自己資金が足りないという方は、配偶者に相談することも選択肢のひとつです。

相続した資金

相続によって承継した資金も、自己資金に含まれます。こちらも上述した預貯金と同じく、預金通帳で承継の事実が確認できる必要があります。相続が発生する前に預貯金を引き出して自宅で保管しているケースがありますが、この場合は自己資金として認められないため注意が必要です。また、相続財産に有価証券が含まれており、こちらを売却して現金化した場合も同様となります。

退職金

退職金も資金の出所がはっきりしているため、自己資金に該当します。早期退職や定年退職によってまとまった金額が支給されるため、退職金を元手に起業・創業を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、一気に高額の現金が振り込まれるため、経緯を証明できなければ自己資金として認められない可能性があります。なぜなら、一時的に借り入れた金銭を自己資金に見せかけているのではないかという疑いを持たれる場合があるからです。もし証明書類を求められた場合は、源泉徴収票などを提出しましょう。

また、現在就業中で退職後に起業する予定という方は、事前に退職金の額を確認しておくことで資金計画の目処が立ちやすくなります。

生命保険の解約金

保険の解約返戻金も、自己資金に該当する場合があります。例えば、積み立て型の生命保険に加入していた場合、受け取った解約返戻金は自己資金として認められます。また、お子さんがいる家庭では学資保険の解約返戻金も同様です。保険の加入状況を確認し、これら以外にも解約返戻金を受け取っている場合は自己資金として認められる可能性が高いといえるでしょう。

不動産などの売却益

不動産や自動車、貴金属などを所有している場合、これらを売却して得た金銭も自己資金として認められます。これらは自分で資産形成を進めてきた結果として受け取った金銭にあたるため、金融機関から「資産形成ができている」と評価される傾向にあります。

ただし、保有資産を売却した際も証明書類の提出を求められます。売買契約書や領収書等、売却の事実を証明できる書類を保管しておく必要があることを覚えておきましょう。

第三者割当増資

既に会社を経営している方で、第三者割当による増資を行った場合も自己資金に該当します。この第三者割当増資とは、株式会社の資金調達方法のひとつです。増資には「株主割当増資」「第三者割当増資」「公募増資」の3つの方法があり、既存株主ではない特定の第三者に新株購入の権利を与えることを第三者割当増資といいます。新株の割当を受けた第三者は、出資金の払い込みと引き換えに株式を取得することが可能です。

会社を経営している方で自己資金が足りない場合は、新たに株式を発行して第三者に引き受けてもらうことも選択肢のひとつといえるでしょう。

みなし自己資金

みなし自己資金とは、創業準備のために支出した金銭のことを指します。用途にもよりますが、融資を受ける前に設備投資などを行っていた場合には自己資金として認められることがあります。

例えば、機械設備・工具・店舗の内装費用といった事業との関連性が判断しやすいものは、みなし自己資金に該当する可能性が高いといえるでしょう。また、金融機関によっては会社設立費用も含まれる場合があります。一方、広告宣伝費や交際費など、事業との関連性を証明することが難しい経費はみなし自己資金として認められません。

みなし自己資金に該当する基準は金融機関によって異なるため、気になる方は事前に確認しておくことをおすすめします。

自己資金なしでも起業・創業はできる?

結論、利用する金融機関や融資制度によっては自己資金なしでも起業・創業することが可能です。一般的に、融資を受ける際は「3割程度の自己資金が必要」とされています。しかし、融資制度によっては自己資金要件を設けておらず、事業計画がしっかりしていれば融資を実施しているケースがあります。

このような制度を利用することによって、自己資金がない方でも融資を受けることが可能です。ここからは、具体的にどの制度が自己資金なしでも利用できるのかについてご紹介していきます。

自己資金なしで起業のための融資を受ける方法

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は企業の成長をサポートし、民間の金融機関ではカバーできない部分にも対応している公的機関です。このような役割を持っていることから、実績のない方が自己資金なしでも利用できる融資制度を実施しています。具体的には、以下の融資制度などが挙げられます。

  • 新創業融資制度
  • 挑戦支援資本強化特例制度
  • 中小企業経営力強化資金

これらの融資制度は、自己資金なしでも申請可能です。各制度によって申請条件が異なるため、事業内容や事業規模に応じて利用を検討していきましょう。

信用保証協会の制度融資

信用保証協会が保証人を引き受ける「制度融資」を活用するという選択肢もあります。制度融資とは、地方自治体・信用保証協会・金融機関が連携することで、まだ実績のない方でも融資を受けられるようサポートすることを目的とした制度です。

金融機関から融資を受けるためには審査を通過する必要がありますが、実績や社会的信用度のない起業時にはハードルが高くなりがちです。しかし、制度融資であれば信用保証協会が保証人となるため、審査を有利に進めることができます。

制度内容は各地方自治体によって異なるため、気になる方は申込条件を確認しておきましょう。

自己資金なしで融資を受けるデメリット

融資金額が少額になる可能性がある

自己資金なしでも融資を受けられる場合はありますが、希望どおりの価額で融資を受けられるとは限りません。基本的には、自己資金の額によって融資額も変動します。日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を例に挙げると、自己資金の2倍程度が融資額の平均となっています。高額な融資を希望する場合は、ある程度の自己資金も必要になることに注意が必要です。

金利が高くなる可能性がある

融資を受ける際の金利は、融資額や返済期間などに応じて変動します。自己資金なしの場合は金利が高くなる傾向にあり、場合によっては上限値で設定されることもあります。また、上述した信用保証協会を利用する場合、信用保証協会から金融機関に対して金利の設定範囲を通知します。そして、金融機関は申込者の様々な要素を考慮したうえで、その範囲内で金利を決定していくという流れです。

自己資金なしでも融資は受けられますが、金利負担が大きくなるリスクも把握しておきましょう。

審査に通りにくい場合がある

当然のことながら、自己資金が潤沢な場合と比較して審査では不利となります。自己資金要件がない融資制度は多数ありますが、多少の自己資金を用意しておくほうが安心といえるでしょう。自己資金なしで起用・創業をする際は、これらのデメリットを理解したうえで慎重に資金計画を立てることが重要です。

自己資金なしで融資を受ける際の注意点

自己資金の誤魔化しはダメ

知人などから一時的に資金を借り入れ、あたかも自己資金があるように見せかける行為をしてはいけません。融資を受ける際は、自己資金の出所について説明する必要があるからです。仮に自己資金を誤魔化したことが判明した場合、将来にわたって金融機関から融資を受けられなくなるリスクがあります。

借入金を申告してはならない

借入金など「返済義務がある資金」は自己資金に該当しません。金融機関や親族から借りた現金は、自己資金として認められないため注意が必要です。ただし、第三者から資金援助を受けた場合、返済義務のない「贈与された資金」であれば自己資金に含まれる可能性があります。贈与を受けた場合は、その経緯について証明できる書類を必ず準備しておきましょう。

タンス預金を申告してはならない

冒頭でも述べたとおり、タンス預金は自己資金として認められません。預金口座に貯めた資金であれば自己資金に該当しますが、タンス預金は資金の出所が証明できないからです。起業・創業に向けて貯金する際は、必ず自分名義の銀行口座へ入金するようにしましょう。

自己資金なしでも起業・創業は可能だが、用意できる方が有利

自己資金なしでも起業・創業することは可能です。しかし、ある程度の自己資金を用意していたほうが有利と言わざるを得ません。融資の審査が厳しいことや金利負担が大きいことなど、様々なデメリットがあります。まったくのゼロではなく、少しでも自己資金を用意できるよう工夫することが重要だといえるでしょう。

自己資金を増やすための工夫

事業への出資者を募る

投資家への出資依頼やクラウドファンディングなど、出資を募る様々な方法があります。特にクラウドファンディングは認知度が上がっており、低リスクで資金調達することが可能です。ただし、出資してもらうためには事業計画やストーリー性などをしっかりアピールすることが重要です。テストマーケティングとしても有効なので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

家族や親族からの贈与を受ける

家族や親族から「贈与」された資金は、自己資金として認められます。ただし、資金援助を受ける際は必ず贈与契約書を作成しましょう。贈与契約書がない場合、金融機関に資金の出所を説明することができません。なお、契約書は贈与者との関係性や金額によらず作成が必要です。

不動産などを現物資産として申告する

自己資金として申告できるものは、現金だけではありません。不動産や自動車、有価証券など資産価値があるものは申告可能です。これらの資産を出資することを「現物出資」といい、時価相場と同等の価額で評価されます。また、融資を申し込む際に不動産などを担保にすることで、審査を有利に進めることができるでしょう。ただし、現物資産を現金化するには時間を要するため、すぐに使用できる資金も用意しておくことをおすすめします。

起業・創業の自己資金がない場合は、専門家へ相談して良い方法を模索することも重要

自己資金がなかったとしても、本稿でご紹介してきた融資制度を活用して起業・創業することは可能です。しかし、「審査のハードルが高い」「融資額が少ない」「金利が高くなる」など、様々な問題があります。自己資金なしで起業・創業することにはデメリットがありますが、メリットはないことを認識しておかなければなりません。何が自己資金にあたるのかを踏まえたうえで、起業・創業に向けた準備を進めていきましょう。また、自己資金がない場合は専門家に相談することで解決策が見つかる場合もあるため、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

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