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飲食店におけるサービス料の勘定科目は?正しい会計処理と仕訳を解説

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飲食店におけるサービス料の勘定科目は?正しい会計処理と仕訳を解説

飲食店でサービス料を設定するケースは多くありますが、その勘定科目や会計処理について正しく理解しているでしょうか。どの勘定科目で計上するのが適切か、処理方法によっては税務や経営管理に影響を及ぼすこともあります。本記事では、飲食店のサービス料の勘定科目や仕訳の考え方を詳しく解説します。後々のトラブルを避けるためにも、適切な勘定科目、仕訳を理解しておきましょう。

飲食店におけるサービス料とは?

飲食店におけるサービス料とは、料理やドリンクの提供とは別に、接客や付加価値のあるサービスの対価として顧客が支払う料金です。

一般的に、会計時に飲食代の一定割合を上乗せして請求されます。特に高級レストランやホテルのダイニングでは広く導入されている一方で、チェーン店やカジュアルな飲食店では採用されていない場合もあるでしょう。

サービス料の会計処理は、売上の一部として計上するのか、独立した収益項目として処理するのかによって異なります。どの勘定科目を選択するかは、税務処理や経営管理に影響を与えるため、適切な処理を行いましょう。

飲食店のサービス料に関する勘定科目

勘定科目

飲食店がサービス料を計上する際の勘定科目は、会計処理の目的や税務上の扱いによって異なりますサービス料をどのように分類するかによって、売上計上の方法や税務処理が変わる可能性があるため、適切な勘定科目を選択することが重要です。

勘定科目

概要

適用例

売上高

サービス料を飲食代と同様に売上として計上

一般的な飲食店でのサービス料の処理

役務提供収益

接客やサービスの提供を独立した収益として計上

高級レストランやホテルのレストラン

雑収入

主業務とは異なる収益として計上

サービス料をメイン業務とは別の収益としたい場合

預り金

サービス料を一時的に預かる科目

一時的に預かった場合

受取手数料

手数料的な性質の収益として処理

クレジットカード利用手数料と併せて処理するケース

販売手数料

サービス提供手数料の一種として計上

特定のサービス提供時に手数料として処理

仮受金

一時的に受け取るが、後に精算が必要な場合

一部返金や調整が予定されているケース

負担金

顧客が負担する特定のサービス料金

独自のサービス料徴収の仕組みを持つ店舗

受託収益

他者からの受託業務として計上

イベントや特別な接客サービスの代行時

販管費

他社に支払う場合のサービス料を経費計上

企業が飲食店のサービス料を負担する際

営業外収益

本業とは直接関係しない収益

メイン事業とは異なる副次的な収益として処理

支払手数料

クレジットカード決済時の手数料として処理

クレジットカード会社への支払いを伴う場合

サービス料の勘定科目として最も一般的なのは「売上高」で、飲食代と同様に計上するシンプルな方法ですが、接客や役務提供の対価として区別する場合は「役務提供収益」を用いることもあるでしょう。

主業務とは異なる収益として処理する場合は「雑収入」を選択し、手数料的な性質を持たせる場合は「受取手数料」を使うこともあるでしょう。

サービス料の計上方法を誤ると、税務調査時に指摘を受ける可能性もあるため、自社の経理方針や業務形態に適した勘定科目を選択し、正確な会計処理を行うよう心掛けましょう。

飲食店におけるサービス料の仕訳例

売掛金と節税に関するイメージ

飲食店におけるサービス料の仕訳処理について、具体的なシチュエーションとともに解説します。

売上高として計上する場合

サービス料を飲食代と一緒に「売上高」として計上する方法で、多くの飲食店で採用されていると考えられます

例)レストランで飲食代10,000円に対し、サービス料10%(1,000円)を加算し、消費税(10%)込みで請求した。

借方

貸方

現金

12,100円

売上高

11,000円

仮受消費税

1,100円

役務提供収益として計上する場合

「役務提供収益」として、飲食代とは別に計上する方法で、高級レストランやホテルのレストランで採用されるケースが多いでしょう

例)ホテルのレストランで、特別なソムリエサービスを提供し、その対価として2,000円のサービス料を受け取った。

借方

貸方

現金

2,200円

役務提供収益

2,000円

仮受消費税

200円

雑収入として計上する場合

本業の売上とは異なる収益として計上する方法で、サービス料をメイン業務と分けたい場合に適用されます

例)飲食店がVIPルームの使用料として、食事代とは別に500円のサービス料を請求した。

借方

貸方

現金

550円

雑収入

500円

仮受消費税

50円

受取手数料として計上する場合

サービス料を「受取手数料」として計上し、手数料収益の一部として扱う方法で、カード決済手数料とともに処理する場合に使用されます

例)飲食店がクレジットカード決済の際に、カード会社に3%の手数料を請求し、その一部をサービス料として受け取った(サービス料700円、消費税70円の場合)。

借方

貸方

現金

770円

受取手数料

700円

仮受消費税

70円

飲食店におけるサービス料の5つの注意点

指差し、ポイント

飲食店におけるサービス料は、適切な会計処理を行わないと、税務リスクの発生やトラブルに繋がる可能性があります。以下5つのポイントに注意しましょう。

  1. サービス料の課税対象
  2. 勘定科目の適切な選択
  3. サービス料の従業員分配ルール
  4. 顧客への明確な説明
  5. 法人税・所得税の影響

サービス料の課税対象

サービス料は消費税の課税対象となるため、税率適用やインボイス制度への対応が求められます。特に、サービス料を「売上高」や「役務提供収益」として計上する場合、飲食代と同様に消費税を計算し、適切に申告する必要があります。

申告漏れや誤った税率適用は、税務調査時の指摘対象となるため、仕訳処理を正確に行うことが重要です。また、インボイス制度の導入後は、適格請求書の発行要件を満たしているかを確認し、適切な対応を行いましょう。

関連記事:【税理士監修】インボイス制度と消費税の基礎知識!計算方法や納付の仕組みについても解説!

関連記事:個人事業主における消費税の確定申告は?納税義務や申告方法について

勘定科目の適切な選択

サービス料を「売上高」として処理するのか、「役務提供収益」や「雑収入」として別枠で計上するのかは、店舗の経営方針や税務処理の方針によって異なります。

例えば、高級レストランやホテルでは、サービス料を独立した「役務提供収益」として扱うことが多いですが、一般的な飲食店では「売上高」に含めるのが一般的でしょう。

勘定科目を誤って設定すると、法人税や消費税の計算に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に判断する必要があります必要に応じて、税理士などの専門家に相談するのも有効な対策です。

顧客への明確な説明

サービス料を導入する場合は、メニューやレシート、公式サイトなどに明確な記載を行い、顧客に事前に伝えることも重要です。特に、サービス料の割合や適用条件が不明確だと、会計時にトラブルが発生しやすくなるでしょう。

「思っていたより高額になった」「なぜサービス料がかかるのかわからない」といったクレームを防ぐためにも、分かりやすく明記することが大切です。さらに、店舗スタッフが適切に説明できるよう、事前に周知・トレーニングを行っておくことも有効でしょう。

法人税・所得税の影響

サービス料の計上方法によっては、法人税や所得税の計算に影響を及ぼす可能性があるため、適切な処理が求められます。例えば、サービス料を「雑収入」や「役務提供収益」として処理する場合、売上高とは別の項目で計上されるため、損益計算書の見え方が変わることがあります。

また、従業員への分配を行う場合は、給与扱いとなるかどうかを確認し、源泉徴収や社会保険の適用対象になるかをチェックしておきましょう。税務リスクを回避するためにも、会計処理は慎重に行う必要があります。

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飲食店におけるサービス料の勘定科目でお悩みの方は専門家に相談

サービス料の勘定科目の選択や仕訳処理は、税務申告や経営管理に大きな影響を与える重要な要素です。

不適切な処理を行うと、税務調査での指摘を受けるリスクや、消費税・法人税計算の誤りに繋がる可能性があります。正確な会計処理を行うためには、専門家のアドバイスを受けることが有効です。

小谷野税理士法人では、飲食店の税務・会計に精通した専門家が最適な処理方法を提案します。サービス料の適切な会計処理についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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