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【個人事業主向け】銀行口座で資金移動をしたときの仕訳例を紹介

公開日:

【個人事業主向け】銀行口座で資金移動をしたときの仕訳例を紹介

個人事業主にとって、銀行口座を使った資金移動の仕訳は経理の基本です。正しい勘定科目を使って資金の流れを記録することで、財務状況を把握しやすくなり、経営判断にも役立ちます。本記事では、よくある資金移動のパターン別に、仕訳例をわかりやすく解説します。

銀行口座間で資金移動を行った際の基本的な仕訳

個人事業主が銀行口座間で資金を移動する際は、振替伝票を使って正しく記帳することが大切です。ここでは、手数料の有無に応じた仕訳方法を紹介します。

振込手数料やその他の手数料が発生しない場合の仕訳

銀行口座間の資金移動を行う際、振込手数料やその他の手数料が発生しない場合は、通常の振替仕訳を行うだけで問題ありません。

たとえば、A銀行からB銀行に10万円を移動した場合の仕訳は以下の通りです。

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金
(B銀行)

100,000円

普通預金
(A銀行)

100,000円

A銀行からB銀行へ資金振替

この仕訳では、口座ごとの残高が正確に把握でき、経理処理もスムーズに行えます。

手数料が発生した場合の仕訳

銀行口座間の資金移動において手数料が発生した場合、複合仕訳が必要になります。

たとえば、A銀行からB銀行に10万円を移動し、手数料が500円かかった場合の仕訳は下記の通りです。

たとえばB銀行に10万円ちょうど入金されるように、A銀行から10万円+手数料500円を振り込んだ場合は、以下のような仕訳を行います。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金
(B銀行)

100,000円

普通預金
(A銀行)

100,500円

A銀行からB銀行へ資金振替

支払手数料

500円

振込手数料(A銀行で引落)

また、A銀行から10万円降り出してB銀行には手数料が差し引かれた99,500円が入金された場合の仕訳は以下のとおりです。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金
(B銀行)

99,500円

普通預金
(A銀行)

100,000円

A銀行からB銀行へ資金振替

支払手数料

500円

振込手数料(A銀行で引落)

関連記事:【2025年】個人事業主におすすめの補助金 | 助成金との違いや申請時の注意点 | 会社設立の基礎知識

手数料は費用科目として計上します。手数料を考慮せずに仕訳を行うと、入金額や経費の計上に誤差が生じます。そのため、入金額から手数料を差し引いた正確な金額を記帳しましょう。

事業用口座への入金処理をしたときの仕訳

帳簿付けをする男性従業員

事業用口座への入金処理は、経理業務の中でも重要です。資金の流入を正確に帳簿へ記録することで、事業全体の財務状況を正しく把握できます。

入金が現金で行われた場合と、売上金を現金で回収してから口座に入金する場合では仕訳方法が異なるため注意が必要です。状況に応じた適切な仕訳を行うことで、帳簿の正確性が保たれ、経理上のミスや誤解を防ぐことができます。

ここでは、事業用口座に現金を入金した場合と売上を現金で回収して口座に入金した場合、それぞれの仕訳について解説します。

現金を口座に入金した場合の仕訳

現金を事業用口座に入金する場合、仕訳の方法はシンプルです。

たとえば、事業用口座に10万円を入金した場合は、以下のように仕訳を行います。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金

100,000円

現金

100,000円

現金を事業用口座に入金

この記録によって、口座残高は正確に更新され、事業の資金状況がより分かりやすくなります。また、現金の入金は頻繁に行われる取引であり、仕訳の正確性を高めることが事業運営の円滑さにつながります。

売上を現金で回収し、その後口座に入金した場合の仕訳

現金で売上を回収し、それを事業用口座に入金する際の仕訳については2段階に分けて記録するのが基本です。

仮に売上を現金で回収した場合は以下のように仕訳を行います。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

現金

50,000円

売上

50,000円

売上代金を現金で回収

次に、回収した現金を事業用口座へ入金する際には、下記の仕訳が必要です。

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金

50,000円

現金

50,000円

現金を事業用口座に入金

現金で5万円の売上を回収し、その額を全額事業用口座に入金した場合、最初に売上発生を記録し、その後口座への入金手続きを仕訳として反映させます。

このように現金の回収とその後の口座への入金記録を適切に行うことで、企業の財務状況の把握が円滑になります。

関連記事:個人事業主でも退職金を受け取れる?3つの方法と退職金を受け取る注意点を解説! | 会社設立の基礎知識

事業用口座から現金を引き出した場合の仕訳

事業用口座から現金を引き出す際においても適切な仕訳を行うことが重要です。

たとえば、事業用口座から10万円の現金を引き出した場合の仕訳は下記の通りです。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

現金

100,000円

普通預金

100,000円

事業用口座から現金を引き出した

この仕訳で、取引が帳簿に的確に反映されるため、後の経営判断に活用できるデータとして保存されます。

引き出した現金を経費支払いに使用した場合の仕訳

さらに、引き出した現金の使途に応じた仕訳が必要となる場合があります。

先ほど引き出した現金のうち、3万円を消耗品の支払いに使用する際には、該当する内容を帳簿へ追加で記録します。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

消耗品費

30,000円

現金

30,000円

引き出した現金で消耗品を購入

資金の使用目的を明確にすることは、財務報告における正確性と信頼性を向上させる重要なポイントです。

関連記事:個人事業主の経費比率はどれくらいが適切?経費はいくらまで認められる? | 会社設立の基礎知識

プライベート用口座との資金移動に関する仕訳

預金通帳、銀行の通帳

個人事業主にとって、プライベート資金と事業資金をきちんと区別することは、会計の透明性を保つうえでとても重要です。特に、プライベート用の口座と事業用口座の間で資金を移動したときは、適切な勘定科目を使って仕訳することが必須です。

たとえば、プライベート口座から事業用口座にお金を移した場合、「事業主借」、反対に事業用口座からプライベートに移す場合は「事業主貸」を使います。

また、銀行明細などを活用して、金額・日付・目的をしっかり記録しておくことで、税務調査や確定申告でも安心です。ここでは、プライベート用口座と事業用口座間の資金移動の際の仕訳について解説します。

プライベート用口座から事業用口座へ資金を移動した場合の仕訳

プライベート用口座から事業用口座へ資金を移動する場合、仕訳は個人事業主にとって重要な手続きの一つです。

たとえば、プライベート用の口座から5万円を事業用口座へ移動させた場合の仕訳は下記の通りです。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

普通預金

50,000円

事業主借

50,000円

プライベート口座から資金移動

この仕訳により、事業用の口座管理が明瞭化され、後に税務署からの調査があった場合でも、適切な資金の流れを示すことができます。また、個人事業主としての事業の資金管理を徹底することで、事業運営の効率を高めるだけでなく、税務上のリスク回避にもつながります。

また、必要に応じて領収書や振込明細書を保管しておくことも推奨されます。これにより、個人事業主としての責任ある会計管理が実現し、事業の信頼性を高めることが可能になります。

事業用口座からプライベート用口座へ資金を移動した場合の仕訳

事業用口座からプライベート用口座へ資金を移動する際の仕訳についても帳簿管理を正確に行うことが重要です。

たとえば、事業用口座から5万円をプライベート口座に移動した場合の仕訳は下記の通りです。

<仕訳例>

日付

借方

金額

貸方

金額

摘要

◯年◯月◯日

事業主貸

50,000円

普通預金

50,000円

プライベート口座から資金移動

このように正確に記録することで、プライベートでの資金利用が帳簿上明確になり、経理業務の適正性を維持することができます。

関連記事:個人事業主こそ節税対策は税理士に相談!依頼するメリット・デメリット | 会社設立の基礎知識

まとめ

個人事業をしていると、お金を別の銀行口座に移したり、現金を出し入れしたり、プライベート用の口座と事業用の口座の間で資金を動かしたりすることがよくあります。こうしたお金の動きがあったときに、帳簿へ正しく記録する「仕訳」はとても大切です。

仕訳をきちんとしておくことで、お金の流れがはっきりとわかるようになります。これによって、将来的に税務署から調査が入ったときにも、資金の使い道をきちんと説明することができます。また、仕訳が正確であればあるほど、経理の透明性が高まり、経営の判断をするうえでも役立ちます。

大事なことは、お金を動かすたびに、その都度きちんと帳簿に記録することです。少し面倒に感じるかもしれませんが、こまめに仕訳をしておくことで、後々の困りごとや問題を防げます。日々のこうした積み重ねが、事業のスムーズな運営にもつながっていきます。

しかし取引が多くなると、このような仕訳も煩雑になりミスが起きやすくなります。本来の事業と並行してこれらの経理処理を行うのが困難な場合は、専門家である税理士に依頼することも検討しましょう。

資金移動の仕訳についての困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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