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創業融資はいつまで受けられる?廃止された?新規開業資金の概要や注意点を解説

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創業融資はいつまで受けられる?廃止された?新規開業資金の概要や注意点を解説

起業を目指す方や、すでに開業準備を始めている方の多くが利用を検討するのが「創業融資」です。​創業融資は、起業を目指す方や創業間もない事業者にとって重要な資金調達手段となっていますが、その中でも代表的な融資制度である「新創業融資制度」が廃止されたのをご存じでしょうか。今回は、新設された新規開業資金についての概要や、その他起業時に利用できる融資制度についても紹介します。

創業融資とは?

創業融資とは、新たに事業を始める方や、事業を開始して間もない方を対象とした融資制度です。通常の融資とは異なり、事業実績がない、または少ない状況でも、融資を受けやすいように設計されている点が大きな特徴です。

開業に​あたっては​仕入や​人件費、​店舗の​準備費用など、​さまざまな​面でまと​まった​資金が​必要に​なります。​こうした​費用を​全て​自己資金で​まかなうのは​難しいため、創業時の運転資金として​創業融資を利用し、設備資金を調達するのです。

創業融資は起業家の方々の事業をスムーズにスタートさせ、成長を加速させる効果が期待できるでしょう。

関連記事:起業する時に融資を受けるならこれ!起業・独立・開業時に利用したい融資制度をご紹介

創業融資は廃止された?

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、2024年3月31日に制度の取り扱いを終了しています。そのため、新規利用ができなくなっています。新創業融資制度は日本政策金融公庫が提供しており、事業計画書をもとに無担保・無保証人で融資を受けられる点が特徴でした。

制度の見直しにより、より柔軟で利用しやすい制度への移行が求められ、廃止されることとなりました。​2024年4月1日からは、新創業融資制度の廃止にともない「新規開業資金」という新たな融資制度が導入されています。

関連記事:新創業融資制度とは?日本政策金融公庫が提供する融資について解説!

新規開業資金とは

日本政策金融公庫が提供している融資制度の1つで、新たに事業を始める方や事業を始めてからおおむね7年以内の事業者に対して、事業資金のサポートを行い、より円滑なビジネススタートを可能にします。

  • 対象者:これから事業を始める方、および事業開始後おおむね7年以内の方
  • 融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 返済期間:設備資金20年以内、運転資金10年以内(うち据置期間5年以内)
  • 利率:日本政策金融公庫が定める基準利率(一定要件を満たす場合は特別利率)
  • 担保・保証人:原則不要(応相談)

新規開業資金は、民間の金融機関では融資を受けにくいような立場の人でも利用できる融資制度です。たとえば、まだ実績の少ない若者や、以前に会社を倒産させた経歴がある人などでも融資を受けられる可能性があります。

参考:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫

新規開業資金の要件変更・拡充について

新創業融資制度廃止後の新規開業資金は、従来の要件が緩和されるとともに、融資条件が改良されています。具体的な変更点は以下の通りです。

2023年度

2024年度

要件

創業時において、創業資金総額の

1/10以上の自己資金があること等

なし

融資限度額

3,000万円

(うち運転資金1,500万円)

7,200万円

(うち運転資金4,800万円)

返済期間

設備資金:20年以内

運転資金:10年以内

(うち据置期間2年以内)

設備資金:20年以内

運転資金:10年以内

(うち据置期間5年以内)

新創業融資制度が終了したことで、新規開業資金の利用において自己資金の要件が撤廃されました。これにより、自己資金を用意する必要がなくなっています。

2024年4月以降はより柔軟に多くの方が融資を受けやすくなり、なおかつ、大規模な資金調達が可能になりました。

新規開業資金の注意点

新創業融資制度廃止後の新制度では、自己資金の要件が撤廃されたとはいえ、事業計画書の内容や申し込み者の信用情報を厳格に審査されるという点には注意が必要です。

日本政策金融公庫の審査通過率は50~60%程度と言われています。完成度の高い創業計画を立てる、自己資金を用意する、担保を用意する、経営者が保証人になるなどの対策をしてから挑みましょう。

創業時に利用できる他の融資制度はある?

現金(1万円札)を持つ男性

新規開業資金以外にも、創業時に利用できる融資制度は以下のようなものがあります。

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性や若者(35歳未満)、高齢者(55歳以上)といった、融資の申し込みで不利になりやすい方が特別に優遇された金利で利用できる融資制度です。新規開業しようとする方、または新規開業しておおむね7年以内の方に、利率の引き下げを通じて創業を支援します。

融資元である日本政策金融公庫では数多くの種類の融資を取り扱っていますが、年齢制限を設けている融資という点では唯一のものです。通常よりも低い利率で融資を受けられるため、返済負担を軽減できるという大きなメリットがあります。

関連記事:女性若者シニア起業家支援資金完全ガイド!融資や起業時の注意点も解説

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

日本政策金融公庫が行っている融資制度の一つで、廃業歴等があっても再度起業にチャレンジしたいという方でも資金支援を受けられる制度です。自己破産した人や廃業経験者などが対象で、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方の融資をしています。

なんらかの事情があり、廃業せざるを得なかったという経験を持つ方でも、再挑戦のための資金調達が可能です。自己破産してから再挑戦支援資金に申し込む場合は、自己破産後に「免責」を行ってから申し込みましょう。

中小企業経営力強化資金

日本政策金融公庫の融資制度の一つです。中小企業の経営力強化を目的として創設され、多額の借り入れが可能です。融資限度額も大きく、低金利で借りられるため、事業が軌道に乗るまでの資金取得方法として利用されています。

自己資金がなくても融資を受けられる点がメリットですが、誰でも融資を受けられるわけではありません。担保や保証人も必要で、用意できない場合は利用不可となるため注意しましょう。

新事業活動促進資金

経営多角化、事業転換などにより、第二創業を目指す企業を支援するために設けられた、日本政策金融金庫による融資事業です。新事業活動促進資金は、国民生活事業と中小企業事業に分けられ、それぞれ融資基準などが異なります。

新事業活動促進資金を活用するためには、各都道府県の知事から「経営革新計画の承認」を受ける必要があります。承認にはかなりの時間がかかるため、注意が必要です。

地方自治体の制度融資

県や市などの各地方自治体が中心となり金融機関と信用保証協会が連携して行う融資制度です。信用保証協会からの保証があるため、金融機関が融資を実行しやすく、審査が通りやすいメリットがあります。

また、元金の返済がなく利子だけの返済を行う措置期間が1年ほど設定されている場合が多いため、起業したての経営者にとって有利な制度です。ただし、連帯保証人が必要なケースや、融資が実行されるまでに時間がかかるといったデメリットもあります。

民間のビジネスローン

ビジネスローンとは、民間の金融機関や消費者金融が提供する融資サービスです。最大の特徴は、申し込みから融資開始までの期間が銀行の融資などと比較して短く、審査もやさしいため、急ぎで事業資金を調達する場合に役立ちます。

ただし、銀行や日本政策金融公庫、自治体が提供する融資に比べると金利は高めに設定されています。何度も繰り返し利用せず、短期での利用を心がけましょう。

地域の信用金庫・銀行の創業支援ローン

信用金庫は、中小企業や零細企業、個人事業主に対する支援を専門に行っています。そのため、運転資金のみ、設備投資資金のみで1,000万円に満たない場合でも支援してもらえるケースが多いため、安心して相談できるでしょう。ただし、銀行よりも金利は高めに設定されています。

信用保証協会の保証が付いた融資もありますが、保証が付いていない融資もあるため、状況に合わせて選択しましょう。

補助金・助成金との併用もおすすめ

創業時には補助金や助成金も併用可能なため、積極的な活用をおすすめします。補助金受給までの一定期間、資金のつなぎとして融資を借り入れるケースも多いです。補助金と融資を組み合わせた資金調達は、事業の成長を後押しするための新しい手段として注目されています。

補助金・助成金や融資は必ず受けられるものではないため、両方を成功させるためには、綿密な事業計画書の作成が重要です。

関連記事:返済不要!起業時に活用したい、知っておきたい補助金・助成金をご紹介

創業融資を受ける際の注意点

税務署への無料相談が危ないイメージ

創業融資を受ける際の注意点について解説します。

自己資金はしっかり用意する

基本的には、自己資金が少ないほど、受けられる融資額も少なくなる可能性があります。自己資金ゼロといった制度もありますが、実際には、総事業資金の20~30%以上の自己資金があると審査に通りやすいと言われています。

ある程度の自己資金は用意しておくのがおすすめです。

事前に信用情報を確認する

創業融資を受ける際、金融機関は申請者の信用情報をもとに、返済能力や過去の金融取引の履歴を確認しましょう。

過去にクレジットカードの支払いを延滞したり、ローンの返済が滞ったりした記録があると、信用情報にマイナスの影響が出ます。延滞している支払いがある場合、すぐに完済しましょう。

ポイントを押さえた創業計画書を作成する

創業計画書は、自社がどのような事業でどのような方針を持って事業をすすめていくのかを記載する書類です。創業の動機や経営者の略歴、取り扱う商品やサービス、取引先など、融資審査に必要な情報を明確にし、ピンポイントに記載しましょう。

作成に自信がない場合には、税理士などの専門家に依頼するのもおすすめです。

関連記事:税理士に格安で依頼できる?格安で依頼するリスクや注意点を解説

よくある質問

創業融資はいつまで受けられる?

日本政策金融公庫の新創業融資制度は、2024年3月末をもって廃止されています。今後無担保・無保証人で資金調達する際には、新規開業資金の活用を検討しましょう。

それ以外の創業融資に関しては「創業前から創業直後の2期目終了まで」あるいは「創業後7年以内」まで受けられる制度が多いです。

創業融資の審査通過率は?

創業融資の審査通過率は、一般的に50%〜60%程度とされています。審査に通過するためには、まず綿密な事業計画書や収支計画書などを準備しましょう。

創業融資はどのタイミングで申し込むのがいい?

創業融資の審査に通過するためには、創業の2〜3ヵ月前に申し込みを行うのが理想的です。創業前のタイミングでの申し込むと、創業後の申し込みよりも審査が通過しやすくなるメリットがあります。

申し込みには創業計画書が必要です。また、法人の場合は登記も済ませておきましょう。

創業融資を活用して事業を円滑に進めよう

創業融資は、起業を目指す方や創業間もない事業者にとって、事業を成功させるための重要な資金調達手段です。適切な事業計画を策定し、必要な書類を準備して、計画的に融資を活用し、安定した事業運営を目指しましょう。​

起業時の融資は専門機関への相談がおすすめです。相談することで創業融資に関する悩みを解決できたり、融資審査に通りやすくなったりする場合もあります。

初めての創業では「どこに注意すればいいのか」「どう見せれば融資に通るのか」迷うケースも多いはずです。専門家にサポートを受ければ、融資成功率が大きく高まるだけでなく、資金管理や税務面も安心してスタートを切れるでしょう。

創業時の融資や資金調達にお困りの場合は、まずは一度「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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