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税理士変更に伴う必要書類とは?トラブルにならないための引継ぎ方と断り方

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税理士変更に伴う必要書類とは?トラブルにならないための引継ぎ方と断り方

税理士変更をスムーズに進めるためのカギは、入念な計画と準備です。この記事では、税理士変更時の必要書類や、トラブルを避けながら顧問を変えるために役立つ、現在の税理士の断り方や流れについて詳しく解説しています。また、新しい税理士の選び方についても触れているので、実際の変更時に役立ててみてください。会計や税務に支障を与えないよう 、税理士変更のポイントを押さえておきましょう。

税理士変更と引継ぎのために用意する必要書類

書類を見比べる男性

現在の税理士から新しい税理士へと変更・引継ぐ際、用意すべき必要書類について説明します。税理士変更をスムーズに行うためにも確認しておきましょう。

確定申告書・決算書

決算に関連する書類は、現在契約している税理士が作成しているため、それらを新しい税理士に引き継ぐ必要があります。

多くの場合、確定申告書・決算書など、決算に関連する書類は決算報告書としてまとめて保管されます。

実際に新しい税理士へと引継ぎをする際には、決算報告書を1期分だけでなく、3期分ほどは必要です。

確定申告書・決算書などには、次のような書類が含まれます。

【決算報告書】

  • 確定申告書
  • 決算書
  • 年末調整に関連する書類
  • 地方税の申告書
  • 消費税の申告書
  • 償却資産税の申告書 など

年末調整に関連する書類は、源泉徴収票・扶養控除等(異動)申告書・保険料控除申告書など、さらに複数の種類に分かれています。

課税事業者の場合は、消費税の申告書が必要です。

課税売上高が、前々年1,000万円超、前年の1月1日から6月30日までに課税売上高と給与総額等が1,000万円を超えていた場合は、消費税の課税対象者とされます。

償却資産税の申告書は、償却資産税の申告対象となる償却資産を保有している場合に提出しましょう。

償却資産の対象は業種にもよりますが、一般的なものでは事業用のパソコン・コピー機・机・椅子などが該当します。

届出書・申請書

税理士変更の際には、各種届出書・申請書も準備しましょう。

会社設立や開業から月日が経過し、移転や改装などにより書類を紛失している場合は、再発行の手続きを行います。

必要とされる届出書・申請書の例は、次の通りです。

  • 法人設立届
  • 青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設・移転届出書
  • 消費税の各種届出書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 外貨建資産等の期末換算方法等の届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 など

上記の、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請とは、源泉所得税の納付回数を減らせる制度です。

通常は給与支払日の翌月10日までに納税しなければならないところを、源泉所得税の納期の特例を受けた場合には、納付を年2回にまで減らせます。

特例の対象は、給与を支払う従業員の人数が常時10人未満である場合です。

会計書類・会計データ

現在の税理士が会社の会計を請け負っている場合は、引継ぎの際に会計書類・会計データをすべて回収しなくてはなりません。

会計を自社で行っているのであれば、次のような会計書類・会計データを新しい税理士へと渡しましょう。

  • 請求書
  • 領収書
  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 試算表 など

上記の総勘定元帳は、1期分だけでなく3期分ほど必要です。

また、会計データの場合、現在の税理士と新しい税理士とでは、使用している会計ソフトが異なっているケースもあるでしょう。

その場合は、CSV形式のExcelに変換することで、データを引き継げる可能性があります。

登記事項証明書

税理士を変更する際には、会社の基本的な情報を伝えるため、登記事項証明書を用意しましょう。

登記事項証明書は、「履歴事項全部証明書(旧呼び名:登記簿謄本)」のことを指します。

また、登記事項証明書は、紙に記載した履歴事項全部証明書が、電子データ化されたものを意味します。

登記事項証明書の内容は、不動産や会社・法人の登記情報です。全国の登記所(法務局)の窓口を訪問するか、郵送やオンラインで取得し、新しい税理士へと渡しましょう。

定款

会社の基本的なルールが記された定款も、新しい税理士へと伝えるために必要な書類です。

定款は、作成・認証された際に、会社と公証役場でそれぞれ1部ずつ保管します。

税理士の引継ぎの際には、定款の原本ではなくコピーを新しい税理士へと渡しましょう。

関連記事:税理士を「超スムーズに」変更する全手順を税理士目線で解説

税理士変更をスムーズにする進め方

起業スケジュールのイメージ

税理士の変更をスムーズに進めるためには、現在の税理士へと配慮した手順であることがが大切です。次のような流れを参考にしてみてください。

現在の税理士との契約を確認

税理士変更を進める前に、必ず現在の税理士との契約を確認しましょう。

顧問契約を結んだ際に、税理士を変更するときの条件や手続きについての記載があるかもしれません。

その場合、契約書を確認しないまま税理士変更の手続きを進めてしまうと、違約金が発生する可能性もあります。

新たな税理士を決める

現在の税理士との契約を解除する前に、新しい税理士を探しましょう。顧問税理士の不在期間が生じてしまうのを、防ぐためです。

また、現在の税理士と新しい税理士の引継ぎに、時間を要する可能性もあります。

例えば、引継ぎに必要な会計書類やデータがなかなかそろわなかったり、新しい税理士がすぐに決まらなかったりする場合です。

事業や会社の税務に悪影響が出ないよう、新しい税理士は早めに見つけておきましょう。

現在の税理士に変更の意思を伝える

新しい税理士が見つかった際には、現在の税理士へと契約解除の意思を伝えます。ただし、契約解除の伝え方には気をつけなければなりません。

現在の税理士が、自分は軽んじられているととらえたり、失礼や態度と不快に感じた場合、トラブルに発展する可能性も考えられます。

また、契約を解除したからと言って、現在の税理士とのやり取りが完全に途絶えるとは限りません。

例えば、事業や会社に税務調査が入った場合、以前に会計を行っていた税理士への問い合わせが必要な場合もあります。

現在の税理士に変更の意思を伝える際には、今後の良好な関係維持のためにも、言葉選びに注意を払いましょう。

現在の税理士に書類を返却してもらう

現在の税理士が契約解除の意思を受け入れてもらえたら、次に預けた書類やデータを返却してもらいましょう。

顧問税理士は、事業や会社の会計・経理・財務に関する書類とデータを多数保管しています。

すべて返却してもらうことで、外部漏洩を防ぎ、新しい税理士への引継ぎにも利用可能です。

また、税理士変更後、仮に税務調査が入った場合、現在の税理士から書類やデータが返却されなかったり、内容物が不足していたりすると、不正を疑われるリスクがあります。

書類やデータをきちんと返却してもらうためにも、もし現在の税理士が応じなかった場合は税理士会に相談しましょう。

新たな税理士との契約と引継ぎ

現在の税理士から書類やデータを回収したら、新たな税理士と契約し、引継ぎを行います。

その際には、なぜ税理士を変更したか、どのような点を改善したいかなど、事前に新しい税理士へと伝えておきましょう。

また、新しい税理士との契約では、業務範囲や報酬額はもちろんのこと、月に面談は何回か、別料金が発生する業務内容など、細かい点についても取り決めておく必要があります。

関連記事:税理士変更の理由とは?税理士を変えるベストタイミングと引継ぎの注意点を解説

トラブル回避になる現在の税理士の断り方

税理士変更の際、悩んだり気をつかったりするのが、現在の税理士に対する契約解除の伝え方ではないでしょうか。

トラブルにならないように配慮した、顧問税理士の断り方を紹介します。

解約時期を明確に伝える

現在の税理士を変更する場合は、解約時期を明確に伝えましょう。

ただし、現在の税理士と取り交わした契約書の契約期間や解約の条件には注意が必要です。

まずは、現在の税理士との契約書を読み返します。例えば、契約書により、顧問が自動更新されるような場合は、更新期間よりも前に解約しなければなりません。

そのため、現在の税理士に解約時期を伝える際は、新しい税理士を見つけ次第、なるべく早めに連絡しましょう。

解約理由はやんわりと伝える

現在の税理士に解約を伝える際には、相手に配慮し、理由をやんわり伝えましょう。

現在の税理士に不満があるため変更する場合でも、その理由を詳しく伝える必要はありません。

予算の都合や業務範囲の見直しなど、現在の税理士に不快感を与えないような言葉選びがポイントです。

変更の意思はメールや文書で伝える

税理士変更の意思は、メールや文書など、記録として残るもので伝えることをおすすめします。

電話で伝えると、契約解除や解約期日について、のちのち話が食い違うリスクがあるためです。

トラブル回避のためにも、現在の税理士には電話以外の方法で解約の意思を伝えましょう。

顧問契約解除合意書を作成する

現在の税理士と話し合い、双方納得の上で契約解除する際には、顧問契約解除合意書を作成することで以降のトラブルが予防可能です。

顧問契約解除合意書は、現在の税理士との話し合いで取り決めたことを書面に起します。

基本となる項目は次の通りです。

  • 解除する契約内容
  • 契約締結日
  • 契約解除日
  • 返却物について
  • 原状回復の内容
  • 清算条項

解除する契約内容とは、現在の税理士との顧問契約とその日付けです。

原状回復の内容には、現在の税理士が保管している会計書類や会計データを、いつ、どのような方法で返却したかを記載します。

清算条項は、原状回復により、会計書類や会計データを返却したことを確認するものです。

税理士変更で注意すべき点

起業スケジュールのイメージ

税理士を変更する際には、特にタイミングや期間への注意が必要です。具体的には、次のような点に注意しましょう。

変更のタイミングに気をつける

顧問が不在の期間を作らないよう、税理士を変更する際はタイミングに気をつけなければなりません。

そのためにも、事前に税理士変更の計画を立てておくことが有効です。

現在の税理士に変更の意思を伝えるタイミング、書類を返却してもらうタイミング、そして新しい税理士との契約や引継ぎをスケジューリングしておきましょう。

税理士の繁忙期は避ける

税理士の繁忙期に顧問の変更を行うと、引継ぎに時間のかかる可能性があるため、避けましょう。

一般的に、決算・年末調整・確定申告が重なる11月から5月にかけては、税理士の繁忙期と言われています。

そのため、税理士変更もなるべく11月から5月を避けたほうが望ましいです。

一方、6月から10月までは税理士の閑散期であることから、税理士変更をスムーズに進めたいのであれば、6月に入ってからを推奨します。

余裕を持って税理士変更する

税理士の変更には、期間に十分な余裕を持たせましょう。

必ずしも、現在の税理士がすぐ変更に対応してくれたり、会計書類や会計データの返却に対し迅速な対応してくれたりするとは限りません。

また、新しい税理士がすぐに見つからない可能性もあります。

税理士変更の計画を立てる際には、スケジュールを過密にしたり、ぎりぎりにしたりしないように気をつけましょう。

決算月から期間を置いて変更する

税理士変更のタイミングは、事業や会社の決算月も考慮した上で決めなくてはなりません。

例えば、会社の決算月が3月であるにも関わらず、2月に顧問を変更してしまうと、処理や手続きが間に合わない可能性があります。

税理士を変更するタイミングは、事業や会社の決算月からなるべく期間を置くのがおすすめです。

関連記事:税理士変更のトラブルは断り方が理由?契約解除の文例や引継ぎ方法を解説

新しい税理士を探すコツ

事業や会社にとって、より有利な業務を進めてもらうことが、税理士変更の目的です。そのためには、どのような税理士を新たに選出すべきか、その見極め方法を紹介します。

実際に会って人柄を見る

新しい税理士を決める際は、人柄を見ること大切です。

顧問税理士とは長年にわたる付き合いとなることから、信頼の置ける人でなければなりません。

また、相性も、自分と合っていなければ、打ち合わせを行ってもお互いにストレスを感じることでしょう。

一時的な業務であれば問題ないかもしれませんが、定期的に面談する税理士との間では、小さなストレスの積み重ねは軽視できません。

このように、新たな税理士を決める際には、まず一度面談してから選ぶことをおすすめします。

得意分野や苦手分野を把握する

新しい税理士の得意分野や苦手分野を把握することも、顧問の変更においては重要です。

特に、現在の税理士に不満点があって変更を決めた場合には、その不満を解消するような能力を持つ新しい税理士が適しています。例えば、ITに強い税理士や、専門分野に強い税理士など、要望はさまざまあるでしょう。

このような要望も、新しい税理士の得意分野を把握していないと、実際にはITにも専門分野にも強くなかったりと、税理士変更をした意味がなくなってしまいます。

また、苦手分野を把握していなければ、税理士は適した業務に就けず、税務の効率も下がることでしょう。

依頼する業務内容を明確にする

新たに選任した税理士には、自分がやって欲しい業務・税務を具体的に提示しましょう。顧問契約を交わす前、業務内容を明確にすることで、お互い食い違いを防げます。

税理士にとっても、力を注ぐべき業務がはっきりするため、要望を理解した上で税務のサポートが可能です。

税理士変更を行う前にまずは新たな税理士に相談を!

現在の税理士へと解約の意思を伝える前に、必ず新しい税理士を見つけ、相談をしておきましょう。

その新しい税理士が、現在の税理士との解約方法や、返却してもらうべき会計書類・会計データについても、詳しくアドバイスをしてくれるはずです。

また、その際に、相談に丁寧に応じてくれるかどうかも、話しやすいかなど、新しい税理士の見極めポイントになるでしょう。

私たち小谷野税理士法人では、税理士変更を考えている方々に、会計・税務を始め、さまざまな問題に対し、ワンストップで対応しています。

税理士をお探しの際には1度お問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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