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法人化のタイミングはいつが最適?年収目安やメリット・デメリットも解説

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法人化のタイミングはいつが最適?年収目安やメリット・デメリットも解説

法人化は、事業を飛躍的に成長させるための重要な選択肢の1つです。しかし、タイミングやメリット・デメリットを理解せずに安易に法人化してしまうと逆に負担が増え、後々後悔することになりかねないので注意しましょう。今回は個人事業主から法人へ切り替える具体的なタイミングや、法人化するメリット・デメリットについて解説します。

法人化すべきタイミング

個人事業主の法人化は義務ではありません。しかし事業を続けていく限り、いつか法人化を考えるタイミングがやって来ます。ここでは「このケースは法人化を考えたほうがいい」というタイミングについて解説します。

所得が800万円を超えた

一般的に、年間所得が800万円を超えた時点で法人化を考えるのが良いとされています。これは個人事業主やフリーランスの場合と比較して、法人税、事業税、住民税の総合的な税率が個人の納税額より少なくなる可能性があるためです。

所得が800万円を超えると、個人事業主やフリーランスの税率が法人税率を上回り始めるため、税負担を減らすためには法人化が有利になります。法人化を検討している場合、税負担額や法人化費用などを総合的にシミュレーションして慎重に検討しましょう。

参考:No.5759 法人税の税率|国税庁

年間の売上が1,000万円を超えた

通常は売上が1,000万円以下の事業者は、免税事業者になり消費税の納税を免除されますが、課税売上高が1,000万円を超えた2年後から課税事業者と消費税の納税が義務付けられています。

しかし、個人事業主から法人化すると個人と法人は別人格のため、課税売上高が1,000万円を超えた翌年に法人化すれば、最長2年間は消費税が免税される可能性があります。

ただし、インボイス制度によって売上1000万円以下でも課税事業者になるケースが増えてきていることから、そういった個人事業主の場合は、売上1,000万円が法人化の目安とはなりません。

さらにビジネスを拡大させたい

事業拡大の目処がある、もしくは事業拡大しているのであれば法人化のタイミングと言えます。事業拡大には資金も必要です。法人化すると資金調達の選択肢が増え、信用度が増し、より大規模な事業展開が可能になります。

企業によっては取引を法人のみに限定しているケースもあります。事業が一定の規模や安定性を持ち始め、外部からの資金調達や新規事業の展開を考える段階になると、法人化したほうがビジネスをしやすくなるはずです。

従業員を雇用する

事業の拡大などに伴い従業員を雇用する予定がある場合、法人化すると社会保険の整備や雇用管理がしやすくなります。

従業員を雇用すると、雇用保険への加入や社会保険の加入が義務として発生します。法人化すると税制上のメリットや社会保険の適用範囲が広がるため、従業員の雇用を予定している方は法人化を検討しましょう。

取引先から求められた

大手企業や公的機関との取引を行う場合、法人であることを求められるケースがあります。ビジネスを拡大していくなかで、取引先やクライアントとの関係性は非常に重要です。相手の都合にあわせて臨機応変に対応するケースも必要でしょう。

また、契約の際に法人としての信用や安定性が評価される場合もあります。取引先の要望や条件に応じて、適切なタイミングで法人化を検討することは、ビジネスの安定性を高めるうえで有効な手段です。

インボイス登録を行う

インボイス制度では、原則としてインボイスがないと納税額の計算にあたって控除できません。免税事業者はインボイスを発行できず、取引先は支払った消費税の控除を受けられないことになります。

場合によっては、取引を控えたいと考える取引先が増える可能性もあるでしょう。そのため、法人化しインボイス登録を行う個人事業主が増加傾向にあるのです。

関連記事:【税理士監修】インボイス制度で免税事業者はどうなる?個人事業主が知っておきたい取引のポイントをわかりやすく解説!

個人事業主と法人の違い

マイクロ法人の会社設立に関するイメージ

個人事業主と法人の最大の違いは、課される税負担の種類が異なることです。一般的には個人事業主は「所得税」、法人は「法人税」の支払い義務があります。

開業届の提出のみで事業を開始できる個人事業主とは異なり、法人の設立には登記が必要となり、手続きのためにはお金が必要です。

さらに、個人事業主は所得金額に応じた累進課税のため、所得が増えるごとに支払う税金も増えます。対する法人税は、課税対象となる所得金額に対して、規定の法人税率を掛けて計算されます。

個人事業主が法人化するとどのような変化が生じるのか、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

法人化のメリット

法人化で得られるメリットは様々ですが、ここでは代表的なものを紹介します。

給料や退職金など、経費にできる費用が増える

個人事業主よりも経費の幅が広いのが法人化のメリットです。たとえば、社宅契約を結べば居住用の自宅の家賃を一部経費にできます。生命保険料や日当なども計上の対象です。

法人化すれば給料や退職金も経費にできる上、給与所得控除も利用できます。不当に高い報酬・退職金は認められませんが、適切な金額なら節税につながるのが嬉しいポイントです。

社会的な信用が高まる

法人化すると会社として社会的に認められ、対外的な信用力が高まります。法人登記には費用と労力が必要なため、発注元や取引先から本気で事業に取り組んでいると判断されやすくなります。

取引先を法人に限定している企業もあり、法人化によって受注先が増え、事業の幅が広がるケースもあるでしょう。銀行融資や取引先との契約、人材採用などビジネス活動において有利に働く場合があります。

決算月を自由に決められる

法人は決算月を自由に設定可能ですが、個人事業主の決算月は12月と決まっており、変更はできません。12月末が決算日となり、翌年2月~3月に確定申告を行います。

そのため、個人事業主は決算月の設定で迷う可能性はありません。一方で法人は、設立から1年以内であれば自由に決算期を決められます。そのため、決算月をいつに設定するかが重要になってきます。

関連記事:会社設立をしたら決算月はいつがおすすめ?節税を考えた決め方

法人化のデメリット

法人化には、多くのメリットがある一方デメリットも存在します。法人化を検討する際は、あらかじめデメリットについても理解しておきましょう。

会社設立には費用がかかる

会社を設立する場合、設立登記などの手続きに費用が発生します。形態により費用が違いますが、株式会社で20万円程度、合同会社で10万円程度となります。また、設立の手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、専門家への報酬も発生します。

個人事業主から法人化する際は、事業の規模や予算に応じて、どの会社形態を選ぶか検討することが重要です。

社会保険に加入する必要がある

個人事業主では国民健康保険に加入していても、法人化した場合は社会保険に加入しなければなりません。役員や従業員の人数には関係なく、一人社長の場合でも条件を満たせば法人化と同時に加入義務があります。

しかしその分、国民年金よりももらえる年金の支給額が多くなり、遺族年金や障害年金などの国民健康保険では受けられない生活保障制度が活用できるメリットもあります。

会計や事務手続きの負担が増える

法人化すると、個人事業主の時よりも事務作業や会計業務が複雑になります。具体的には、法人税の申告、決算書の作成、社会保険関係の手続きなどが新たに必要となります。

また、複式簿記による帳簿作成が必要となるため、会計知識がない場合は専門家に依頼するか、自ら学ぶ必要があります。これらの業務は定期的に発生するため、時間的な負担も大きくなるでしょう。

法人化までの流れ

投資家が法人化する目安のイメージ

法人化すると決めたら、具体的には以下のような流れで行います。

  1. 会社の概要を決める
  2. 定款を作成し、認証を受ける
  3. 出資金(資本金)を払う
  4. 登記申請書類を作成し、法務局で申請する
  5. 税務・労務で開始手続き

手続きに関しては別記事に詳細をまとめていますので、そちらも併せてご参照ください。

関連記事:法人成りの手続きに必要な5ステップについて詳しく解説

法人化した後は、下記のような手続きも必要です。税金や社会保険等に関わる重要な手続きや、提出期限が短いものがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

  • 会社名義の銀行口座を開設する
  • 個人事業の廃業手続きを行う
  • 登記事項証明書、印鑑証明書を取得する
  • 法人設立届出書を提出する
  • 労働保険、社会保険の加入手続きを行う

また、法律上の許認可手続きが必要になる事業の場合は、行政書士などに依頼して手続きを行う必要があります。

法人化のタイミングに関してよくある質問

法人化のタイミングについて、よくある質問を回答と共に紹介します。

売上が安定しない場合でも法人化した方が良い?

売上が安定していない場合、法人化は慎重に検討しましょう。法人化した後にかかる住民税や社会保険料は、以前の実績からシミュレーションできます。一時的な売上だけを見て法人化すると、のちのち支払いに苦しめられてしまう可能性があるためご注意ください。

法人化のタイミングを誤った場合の救済措置はある?

法人化のタイミングを誤ったとしても、設立登記が完了した場合は変更できません。もしタイミングを間違えると不必要な費用がかかったり、消費税の免除期間が短くなったりする場合もあります。法人化のタイミングは慎重に判断しましょう。

関連記事:個人事業主の法人成りに最適なタイミング3つについて解説

法人化のタイミングは専門家に相談がおすすめ

個人事業主が法人化した場合には多くのメリットが得られる可能性がありますが、どのタイミングで行うかによっても結果が大きく左右されます。

またメリットだけでなくデメリットもあるため、あらかじめ慎重に検討しておかないと「個人事業のままの方がよかった」ということにもなりかねません。

個人事業主のままでいるか、法人化すべきかなのかは、手元資金や家族形態、業種、今後の売上の見通しなど、個々の状況によって異なります。判断が難しい場合には、起業相談に対応してくれる税理士などに相談してサポートを受けるのもおすすめです。

当事務所では、法人化の相談も承っております。創業・独立でお悩みの方はぜひ一度「小谷野税理士法人」までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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