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公開会社と非公開会社の違いとは?メリット・デメリットについても紹介!

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公開会社と非公開会社の違いとは?メリット・デメリットについても紹介!

株式会社を設立する際は、「公開会社と非公開会社」の違いを理解することが重要です。その名の通り、公開会社は株式を市場で一般公開し、非公開会社は一般公開はしないという違いがあります。どちらの選択が正解かは、企業としての方針や規模によって異なります。

本記事では、株式会社を設立する事業者向けに、公開会社と非公開会社の特徴やメリットやデメリットについて解説していきます。

公開会社と非公開会社の特徴

公開会社と非公開会社には、株式の公開に様々あります。それぞれのメリットやデメリットを比較して理解することで、自社の事業方針や成長戦略を立てるヒントになるでしょう。以下よりそれぞれの形態の特徴と利点について、詳しく見ていきましょう。

公開会社の特徴

公開会社は株式を市場で公開している会社です。一般の投資家向けに株式を発行して証券取引所で取引ができます。投資家から集まった資金を事業の運転資金とすることで事業運営を行います。上場会社と混同されがちですが、公開会社のすべてが上場しているわけではありません

一般的には事業規模の大きい企業が公開会社であることが多いです。また、多額な資金を集めたい企業は公開会社を選択する傾向にあります。

非公開会社の特徴

非公開会社は株式を市場で一般に公開せず、特定の株主間でのみ保有・取引する形態の会社を指します。基本的には「非上場会社」と同義で捉えられています。

株主となるのは、経営者とその親族、親会社や従業員であることが一般的で、そのほかでは一部の取引先など限定的です。

非公開会社を選択するのは、比較的小規模または中小企業であることが多いですが、なかにはサントリーホールディングスや佐川急便、竹中工務店など、敢えて非公開会社としている企業もあります。

公開会社と非公開会社の違い

先ほど公開会社と非公開会社それぞれの特徴について解説しましたが、以下ではさらに項目別の比較表にまとめました。それぞれの違いを見比べてみましょう。

公開会社

非公開会社

資金調達方法

外部の投資家から調達可能

限られた投資家からのみ調達可能

経営陣の意思決定の自由度

株主の意向を無視しづらく自由度が低い

株主が限定されているため自由度が高い

情報開示義務

貸借対照表
損益計算書
※資産および負債の部の記載必須

貸借対照表

取締役会

3名以上の設置が必要

設置は任意。取締役も1人でOK

監査役

設置が必須

取締役会の設置があれば会計参与か監査役が必要

監査役の権限

業務監査と会計監査

会計監査のみを行う監査役を設置できる

取締役・監査役の任期

取締役2年が最大、監査役4年が最大

10年まで伸長可能

発行可能株式総数

発行済株式の4倍まで

発行済株式の何倍でもOK

株主総会の招集通知

原則2週間前

原則1週間前

募集株式発行の決議

取締役会

株主総会

株主提案権

株式を6ヵ月以上保有している株主のみ

株式の保有期間による制限なし

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公開会社のメリットとデメリット

自己株式のみなし配当

公開会社と非公開会社と比較したうえで、以下より公開会社の具体的なメリットとデメリットについて解説をします。

公開会社のメリット

公開会社のメリットとして、次のような点が挙げられます。

投資家からの資金調達がしやすい

公開会社には資金調達をしやすいというメリットがあり、これにより多くの投資家から幅広く資金を募ることが可能になります
大規模なプロジェクトや事業拡大など多額な資金が必要な企業にとっては、迅速に資金を集められる事業形態といえます。

透明性や株主の資産流動性が確保され、投資対象になりやすい

公開会社は経営情報を定期的に開示する義務があるため、第三者にとって透明性が高い点が特徴です。経営の透明性が高いと、株主や投資家からの信頼を得やすくなるため、長期的な事業成長の基盤を築くことに繋がります。
取引所での株式取引によって株主には資産の流動性が確保されるため、非公開会社と比べて投資対象になる確率が高くなる点が大きなメリットです。

ブランドイメージや企業認知度が高まりやすい

公開会社は株式市場での取引を通じて公共の場で評価を受けることで、ブランドイメージや認知度を向上させる可能性があります。ブランドや認知度が高まれば、様々な企業・団体とのパートナーシップや顧客の獲得が促進され、企業の競争力が強化されます。
公開会社であることは、非公開会社では得られにくい社会的信用や広範な事業機会をもたらします。事業を長期的に成長させたい会社には大きなメリットとなります。

公開会社のデメリット

公開会社のデメリットとしては、次のような点が挙げられます。

規制や報告義務に伴う負担がかかりやすい

上場を果たした公開会社の場合、定期的な財務報告や広範な監査を行う必要があるため、多額のコストが発生します
また、公開会社では透明性を確保するために多くの規定に従わなければならず、経営の意思決定に時間がかかったり自由度が限られてしまうでしょう。

経営方針が株主の期待や市場評価に左右されやすい

公開会社の経営者は株主の期待に応える責任を負うため、短期的にも利益追求を優先しなくてはなりません。結果として、長期的な視点から投資や改革を行うといった経営判断が難しくなる可能性があります。
また、株主構造の多様化により、経営全体が株主の意向や市場からの評価に強く影響を受けるケースもあります。

市場の評価と連動して企業の戦略が外部に左右されやすいため、企業側が独断での経営判断ができない可能性もあります。
企業間での競争環境において、柔軟な対応を行えなくなることで、思い切ったビジネス革新を行いにくくなる可能性もあります。

非公開会社のメリットとデメリット

パソコンを前に打ち合わせをする男性3人

非公開会社にも独自のメリットとデメリットが存在します。

非公開会社のメリット

証券取引所に株式を上場していない非公開会社のメリットとして、次のような点が挙げられます。

経営判断の自由度が高い

非公開会社は株式の発行が制限されているため、経営者は外部の株主変更や経営方針に対する圧力による影響を受けにくいというメリットがあります。

株主は経営者や経営基盤に関わる者が大半のため、会社の方針や計画に対しても、より経営者視点での自由な判断をしやすく、長期的な経営計画も実行しやすいでしょう。
独自で定款を変更できるため、役員の任期や内部運営ルールなども自由に設定ができます。

情報開示義務の内容が限定的で、競合に情報が漏れにくい

非公開会社は情報開示義務の内容が限定されています。公開会社よりも事業内容や財務状況を外部に公開しなければならない部分が少ないため、競合他社に対する情報の流出リスクを軽減できます
独自の事業戦略を秘匿しつつ、業界の特性に合わせた柔軟な対応を取ることも可能です。

スピーディーな事業経営が可能

非公開会社は株主構成が少人数になりやすいという特徴があります。株主総会や取締役会、経営方針の意思決定にまつわる各種手続きが簡潔になります。市場の変化や緊急時の対応が求められた際、迅速な行動が可能です。
スピーディーな経営判断と実行が可能なため、時勢を逃さず対応ができる点が強みでしょう。

非公開会社のデメリット

非公開会社のデメリットとしては次のような点が挙げられます。非公開会社を選ぶ場合は、デメリットも視野に入れて経営方針や長期的な事業戦略を計画しましょう。

資金調達がしにくい

非公開会社は経営の自由度が高い一方で、外部評価を受けにくく、透明性の確保が課題となりがちです。公開会社に比べると開示すべき情報が少ないため、投資家から企業としての信頼性を懸念されやすく資金を集めにくいというデメリットがあります。

上場を目指すなら各種手続き・要件を満たす必要がある

非公開会社の事業が成長して上場を目指す際には、新たな手続きや要件を満たす必要があります。上場を果たした公開会社への移行には、経営体制や機関設計の見直しが必要になる場合もあり、その準備に時間やコストがかかるでしょう。

また、株式上場に伴う規制・報告義務株式の譲渡には制限が設けられているため、上場にあたっての資本金集めについても、投資家からの資金調達が難しい点が挙げられます。

公開会社から非公開会社への移行手続き

法人設立届出書

ここまで公開会社と非公開会社の違いやメリット・デメリットについて解説してきましたが、なかには事業規模や経営方針の変化から、事業形態を切り替えることを検討するケースもあるかもしれません。

一般的に非公開会社が公開会社に移行するケースはよくありますが、なかには敢えて公開会社から非公開会社に移行する方がメリットと感じる会社もあるでしょう。ここでは、このような非公開会社への移行手続きについて解説をします。

非公開会社に移行する際は、主に以下のような手続きが必要です。

  1. 株主総会の開催(公開会社から非公開会社に移行することの説明)
  2. 以降に関する議案の提示と、過半数の株主からの賛成の取得
  3. 反対株主がいた場合は非公開会社への移行を通知
  4. 会社の形態変更に伴う定款の修正
  5. 非公開会社として、全ての株式について譲渡制限を設定
  6. 変更後の定款を法務局へ提出、登記申請

通常は株主総会の招集通知は2週間前までが発送期限とされています。しかし、会社が発行する株式に譲渡制限を設定する場合の通知期限は20日前までとなるため注意しましょう。株式の譲渡制限が設けられたら、定款変更が決められた日から2週間以内に株主総会議事録や株主リストなどを登記しなければなりません。

各株主の意向を汲んで先回りした通知の準備や、登記のための時間・費用がかかるため、公開会社から非公開会社に移行する際は、移行完了日から逆算してスケジューリングしましょう。

公開会社と非公開会社の違いを理解して経営に活用しよう

公開会社と非公開会社には、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあることを解説してきました。株式会社を設立する際は、この2つの違いを正しく理解することが重要です。

公開会社は資金を集めやすい一方、株主となる投資家とのさまざまな利害と向き合っていかなければなりません。非公開会社は自由度の高い経営ができる一方、いざというときの資金調達について十分調整をする必要があります。

株式会社を設立する際に、自社の事業方針や経営計画に合った形態を選択することが成功につながる第一歩となります。

最適な事業形態の選択や資金調達方法で迷った際は、会社設立に強い専門家や税理士に相談をすることをおすすめします。特に税理士は、税務の観点から全体の資金調達から返済計画も含めてサポートが可能です。

株式会社設立における手続きや資金調達に困ったら、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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