シニア起業において、補助金をもらえる可能性があります。補助金は返還する必要がないため、要件を満たす場合は積極的に申請するとよいでしょう。事業を発展させたい事業者にとって、補助金は強い味方です。今回は、シニア起業でもらえる国の補助金と東京都の融資制度、成功例、やってはいけないことを解説します。最後まで読めば、シニア起業において活用できる補助金を理解できるでしょう。
目次
シニア起業で補助金がもらえる
シニア起業をした後、条件を満たすと補助金をもらえるので経営を安定させやすくなります。原則として、補助金を申請できるのは起業前でなく、起業後です。
起業前に資金調達したい場合、日本政策金融公庫の新規開業資金など、融資制度を活用できる可能性があります。補助金は返還する必要がなく、100万円以上のお金をもらえるケースがあるのはありがたいものでしょう。
一方で、補助金を申請するには、要件を満たしたり書類を作成したりするなど、時間や労力がかかります。公募期間は通常1ヵ月ほどであったり、審査があったりすることに注意が必要です。
補助金は内容が変更されるケースもあり、申請するときは最新情報のチェックが求められます。本記事で紹介している補助金の概要は、2025年1月時点のものです。
関連記事:シニア起業時に活用できる助成金・補助金とは?条件や金額を解説!
シニア起業で活用できる国の補助金
シニア起業では、以下の通り国の補助金を活用できます。
- 新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 持続化補助金
- IT導入補助金
- 創業支援等事業者補助金
ここから詳しく見ていきましょう。
新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
これから起業したり起業後おおむね7年以内であったりするシニアの方は、新規開業資金を通して融資を受けられる可能性があります。民間金融機関の補完を目的とする日本政策金融公庫から提供されるのが特徴で、概要は以下の表にまとめました。
融資限度額 | 7,200万円※うち運転資金4,800万円 |
返済期間 |
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利率 | 55歳以上の方:特別利率A ※要件に該当する場合、特別利率を適用 |
担保・保証人 | 要相談 |
併用可能な制度 | 経営者保証免除特例制度など |
シニア起業のほか、女性や若者の起業時も活用できるケースがあります。返済期間や担保の有無などによって、適用される利率が異なると知っておくとよいでしょう。
事業再構築補助金
シニア起業で活用できる補助金の1つは、事業再構築補助金です。本補助金は、ポストコロナに対応するために、以下の通り事業者が実施する新しい取り組みのサポートを目的としてきました。
- 和食レストラン:コロナをきっかけにデリバリー専門の寿司屋になる
- ヨガ教室:コロナをきっかけにオンラインでのヨガ教室になるなど
本補助金の概要は以下の表にまとめます。
基本要件 |
※類型による ※付加価値額とは、営業利益と減価償却費、人件費を足したもの
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対象経費 | 建物費や運搬費など、事業拡大につながるもの ※従業員の旅費人件費、不動産購入費、通信費などは対象外 |
類型 |
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上限 | 従業員数によって異なる
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補助率 | 事業者の規模による
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申請方法 | 電子申請 |
参考:「事業再構築補助金 第13回公募の概要」経済産業省 中小企業庁
ものづくり補助金
シニア起業後、設備投資やシステム構築などをするときに活用できるのが、ものづくり補助金です。補助金の名前から「製造業を対象とするのでは?」と思うかも知れませんが、事業の生産性や収益アップにつながる経費が対象です。
商業やサービス業などの事業をしている場合も申請できます。本補助金の概要は以下の表にまとめました。
基本要件 |
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申請枠 |
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上限 | 従業員数による
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補助率 |
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対象経費 | 機械設備とシステム構築費など |
前回と比較すると、給与アップの条件が厳しくなるなど変更点があります。給与アップなどをしっかり検討したうえで申請するのがポイントです。
関連記事:ものづくり補助金とは?公募要項や採択事例などをわかりやすく解説
持続化補助金
シニア起業後は持続化補助金を活用できる可能性があります。持続的経営に向け、経営計画を作成したうえで実施する販路開拓や、生産性アップなどのサポートが本補助金の目的です。
1度限りではなく、本補助金は何度も受給できるのが特徴で、概要は以下の表にまとめました。
対象 | 以下に該当する法人や個人事業、特定非営利活動法人
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対象者の要件 |
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類型 |
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対象経費 |
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補助上限 |
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補助率 | 3分の2※賃金引上げ枠で赤字事業者は4分の3 |
インボイス特例 | 50万円 |
人気のある補助金の1つで、シニア起業後に前向きに申請を検討したいところです。書類を作成後、管轄の商工会か商工会議所から「様式4」の書類を発行してもらう必要があります。
本補助金の締切1週間前が、様式4の発行依頼締切となっているため、特に早めに手続きを進めるのがポイントです。
参考:「小規模事業者持続化補助金 ガイドブック」小規模事業者持続化補助金
IT導入補助金
シニア起業後に活用できる補助金の1つIT導入補助金とは、自社の課題を解決するITツールの導入サポートをしてもらえる補助金のことです。ITツールとはソフトウェアやクラウドサービスなどを示し、事務局の審査を経て登録されたものであるのがポイントです。
本補助金の概要は以下の表にまとめました。
要件 |
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申請枠 |
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上限 |
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補助率 |
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ITに対して苦手意識を持っているシニアの方もいるかも知れませんが、生産性をあげるうえで、ITの果たす役割は今後ますます増えるでしょう。
IT活用での初歩的な悩みや相談などに関しては、中小機構が運営するIT経営サポートセンターを利用するのが1つの方法です。
シニア起業で活用できる東京都の融資
東京都で起業するシニアの方は、女性・若者・シニア創業サポート2.0を活用できる可能性があります。本制度の主な特徴は以下の2点です。
- 信用組合・信用金庫からの低金利・無担保融資
- 専門家による経営サポート
本制度の概要は、以下の表の通りです。
対象 |
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融資上限 |
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固定金利 | 1%以内 |
返済期間 | 10年(据置期間3年以内) |
保証人 |
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開催セミナー |
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本制度では、地域創業アドバイザーの経営サポートが含まれているため、初めて起業するシニアの方にとって心強いものとなるでしょう。
関連記事:女性が東京都で起業時に活用できる融資・助成金・経営サポート解説!
参考:「女性・若者・シニア創業サポート2.0」東京都創業NET
シニア起業でやってはいけないこと
シニア起業をするのであれば、これまでの経験を活かせる事業に取り組むのが良いでしょう。
また、高額な初期投資をする、1人で経営を抱え込むのも負担が増えるので、あまりおすすめできません。
シニア起業でやってはいけないことは、主に下記の通りです。
- 好きや得意ではないことをする
- 高額な初期投資をする
- 政治や経済状況のせいにする
- 1人で抱え込む
- 無駄なプライドを持つ
シニア起業により働く時間や場所、仕事内容などを自分ですべて決められる反面、自己管理能力や素直さなどが求められます。経験や実績があるシニア世代が起業で成功するうえで、「また仕事をしたい」と思われる人柄やコミュニケーション力なども重要です。
何歳になっても素直に学び続ける姿勢を持っている方は、シニア起業で成功しやすいといえます。
シニア起業の補助金に関する相談は税理士へ
シニア起業でもらえる国の補助金と東京都の融資制度、成功例、やってはいけないことを解説しました。シニア起業では補助金や融資制度をうまく活用すると、思うように事業を発展させやすくなるでしょう。
原則として、補助金を申請できるのは起業後であると知っておくのがポイントです。年齢とともに、体力や精神面での衰えを感じやすくなるシニア世代にとって、いかに効率的にビジネスを発展させるのかは重要だと言えます。
ポイントを押さえると補助金の申請に通る可能性をあげるためには、税理士に依頼すると効果的です。税務全般を始め、税理士には経営に関する相談もできます。
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