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年収別の所得税の税率まとめ|計算方法・節税方法も解説

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年収別の所得税の税率まとめ|計算方法・節税方法も解説

所得税は、所得が増えるほど段階的に高い税率が適用される累進課税制度が採用されています。ただし、所得税率は額面上の年収ではなく、課税対象となる所得に応じて決まるため、課税所得の計算方法の理解が大切です。年収に応じた所得税率の目安や税額の計算方法を把握しておけば、収支バランスを考慮した生活設計が可能となるでしょう。本記事では、年収別の所得税率や所得税の計算方法、効果的な節税方法を解説します。

年収別の所得税の税率

接待交際費がいくらまでなのかのイメージ

所得税率は課税所得の金額に応じて異なります。課税所得の算出方法は以下の通りです。

課税所得=年収(額面)−各種控除

給与を受け取っている人に適用される控除として、給与所得控除が挙げられます。ここからは、年収に応じた所得税の税率を確認していきましょう。以下の条件で年収に応じた所得税率を紹介します。

  • 給与所得のみを得ている40歳未満の独身者
  • 控除は給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除のみを考慮する

社会保険料は年収に応じて異なるのに加え、上限金額が設定されているので、以下の通り計算します。

  • 年収770万円未満は年収の約14%
  • 年収770万円〜1,700万円未満は健康保険料5%、厚生年金保険料71万4,000円
  • 年収1,700万円以上は一律154万円

ただし、実際の社会保険料は加入する健康保険組合によっても異なるため、詳細は加入する組合の規定を確認しましょう。

年収200万円~400万円の所得税の税率

年収200万円から400万円の給与所得者の場合、所得税率は最も低い5%に収まるでしょう。年収に占める税金・社会保険料の割合が低いため、手取り額を多く確保できます。

例えば、年収300万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収300万円−188万円(控除額)=112万円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:300万円×30%+8万円=98万円
  • 社会保険料控除:300万円×14%=42万円
  • 基礎控除:48万円

課税所得が195万円以下であるため、所得税率は5%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=112万円×5%=5万6,000円

年収300万円の人は所得税額が5万6,000円で、年収の約1.8%を所得税として収めることになります。

年収410万円~600万円の所得税の税率

年収410万円から600万円にかけては、税負担が徐々に増える傾向にあります。所得税は5〜10%となり、負担の増加を実感することが増えるでしょう。

例えば、年収500万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収500万円−262万円(控除額)=238万円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:500万円×20%+44万円=144万円
  • 社会保険料控除:500万円×14%=70万円
  • 基礎控除:48万円

課税所得が238万円であるため、所得税率は5〜10%となります。所得税は超過累進税率が適用されるため、195万円までは5%、それ以上は10%が課されます。所得税額は以下の通りです。

所得税額=9万7,500円+(238万円−195万円)×10%=14万500円

年収500万円の人は所得税額が14万500円で、年収の約2.8%を所得税として収めることになります。

さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約7.6%です。収入と支出のバランスを考慮し、しっかりと計画を立てれば、安定した生活と貯蓄を両立させられるでしょう。

年収610万円~800万円の所得税の税率

年収610万から800万の層は、所得税率が住民税率を上回り、所得税率20%が適用され始めるラインです。また、年収が770万円を超えると厚生年金保険料の上限に達します。税負担はもちろん、社会保険料負担の大きさも感じるでしょう。

例えば、年収700万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収700万円−326万円(控除額)=374万円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:700万円×10%+110万円=180万円
  • 社会保険料控除:700万円×14%=98万円
  • 基礎控除:48万円

課税所得が374万円であるため、所得税率は最高20%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=23万2,500円+(374万円-330万円)×20%=32万500円

年収700万円の人は所得税額が32万500円で、年収の約4.5%を所得税として収めることになります。さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約10%です。

税負担の増加によって手取りが思うように増えないと感じるかもしれません。そのため、効果的な節税対策の検討や税負担を考慮した家計管理が重要です。

関連記事:サラリーマンの節税・税金対策とは?知っておきたい節税方法や裏ワザを大公開!

年収810万円~1,000万円の所得税の税率

年収810万円から1,000万円の範囲は、実質的な税負担が非常に大きくなるゾーンです。年収が高くなるほど所得税率20%が適用される範囲が増え、社会保険料も考慮すると、年収に占める手取りの割合は75%を切ることが多いでしょう。

例えば、年収900万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収900万円−359万4,000円(控除額)=540万6,000円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:195万円(上限)
  • 社会保険料控除:900万円×5%+71万4,000円=116万4,000円
  • 基礎控除:48万円

課税所得が540万6,000円であるため、所得税率は最高20%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=23万2,500円+(540万6,000円-330万円)×20%=65万3,700円

年収900万円の人は所得税額が65万3,700円で、年収の約7.2%を所得税として収めることになります。さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約13.2%です。

年収に占める手取りの割合は低くなっていくものの、支出を適切に抑えれば貯蓄や投資に回せる金額を十分に捻出できるでしょう。会社員にもできる節税対策を行いながら、長期的な資産形成に取り組むことが大切です。

関連記事:年収1,000万円の手取り額・税金はいくら?1,000万円プレイヤーの税金対策を解説!

年収1,050万円~2,000万円の所得税の税率

年収1,050万円から2,000万円の所得者は、所得税の最高税率が20〜33%に達するゾーンです。高い税率の適用により税負担が大きく、手取りが年収の70%を切る人も増えるでしょう。

例えば、年収1,500万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収1,500万円−389万4,000円(控除額)=1,110万6,000円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:195万円(上限)
  • 社会保険料控除:1,500万円×5%+71万4,000円=146万4,000円
  • 基礎控除:48万円

課税所得が1,110万6,000円であるため、所得税率は最高33%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=143万4,000円+(1,110万6,000円ー900万円)×33%=212万8,900円

年収1,500万円の人は所得税額が212万8,900円で、年収の約14.1%を所得税として収めることになります。さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約21.6%にも及びます。

年収2,000万円を超える給与所得者は確定申告が必須となるため、必要に応じて税理士への相談も検討しましょう。小谷野税理士法人では、個人の方の税務相談にも対応していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

関連記事:【税理士監修】確定申告のやり方ガイド!いつからいつまでの収入?郵送のケースや必要書類・マイナンバーカードについて

年収2,100万円~4,000万円の所得税の税率

年収が2,100万円から4,000万円に達する場合、所得税率は最高40%です。効果的な節税対策をしなければ、年収に占める手取りの割合は55〜65%程度になる人もいるでしょう。また、合計所得金額が2,500万円を超えると基礎控除の適用がなくなります。

例えば、年収3,000万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収3,000万円−349万円(控除額)=2,651万円

控除額の内訳は以下の通りです。

  • 給与所得控除:195万円(上限)
  • 社会保険料控除:154万円(上限)

課税所得が2,651万円であるため、所得税率は最高40%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=440万4,000円+(2,651万円−1,800万円)×40%=780万8,000円

年収3,000万円の人は所得税額が780万8,000円で、年収の約26%を所得税として収めることになります。さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約35%です。

実質的な手取り額が大幅に減るため、税金対策として投資商品の検討や控除の活用がより重要になります。必要に応じて生命保険や不動産投資、相続税対策を検討しましょう。高所得者は、経済的な安定を保つためにも税金関連の知識が重要です。

年収4,100万円~5,000万円の所得税の税率

年収が4,100万円から5,000万円に差し掛かると、最高税率の45%に達する人も出てきます。

例えば、年収4,500万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収4,500万円−349万円(控除額)=4,151万円

※控除額の内訳は年収2,100万円〜4,000万円の場合と同様

課税所得が4,151万円であるため、所得税率は最高45%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=1,320万4,000円+(4,151万円−4,000万円)×45%=1,388万3,500円

年収4,500万円の人は所得税額が1,388万3,500円で、年収の約31%を所得税として収めることになります。

さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約40%です。節税対策や資産管理のために、ファイナンシャルプランナーへの相談を検討するのも有効です。

年収5,500万円~1億円の所得税の税率

年収が5,500万円から1億円という水準になると所得税率は最高税率の45%、手取りは単純計算で年収の50%台になる人もいます。

例えば、年収8,000万円の場合の課税所得は以下の通りです。

課税所得=年収8,000万円−349万円(控除額)=7,651万円

※控除額の内訳は年収2,100万円〜4,000万円の場合と同様

課税所得が7,651万円であるため、所得税率は最高45%となります。所得税額は以下の通りです。

所得税額=1,320万4,000円+(7,651万円−4,000万円)×45%=2,963万3,500円

年収8,000万円の人は所得税額が2,963万3,500円と、年収の約37%を所得税として収めることになります。さらに、住民税が一律で10%課されるため、税負担は年収の約46%です。

今回の例では控除額を最低限としているため、実際にはもう少し負担が抑えられる可能性が高いでしょう。年収が高くなるにつれて税負担が上がることや税率の変わる年収ラインを押さえておけば、手取り割合の増加につなげられます。

関連記事:税金で一番得する年収、損する年収はいくら?

課税所得を基にした所得税・住民税の計算方法

寄付金控除の上限に関するイメージ

所得税や住民税額を正確に把握するには、課税所得の計算がポイントです。課税所得とは、総所得から各種控除を差し引いた額であり、所得税率を決める重要な金額です。ここからは課税所得の求め方や所得税・住民税の計算方法を確認しましょう。

課税所得の求め方と計算ステップ

課税所得を計算するには、総所得金額から経費を差し引く必要があります。給与所得者の場合は、必要経費に相当するものとして給与所得控除が適用され、年収に応じて計算方法が異なります。年収別の給与所得控除額の計算方法は、以下の通りです。

収入金額

給与所得控除額

162万5,000円まで

55万円

162万5,001円〜180万円まで

年収×40%−10万円

180万1円〜360万円まで

年収×30%+8万円

360万1円〜660万円まで

年収×20%+44万円

660万1円〜850万円まで

年収×10%+110万円

850万1円以上

195万円

給与所得から給与所得控除に加え、基礎控除や社会保険料控除といった各種所得控除を差し引いて、課税所得を計算します。各種控除や計算方法を正確に把握すれば、適切な申告を行えます。

参考:給与所得者と税|国税庁

所得税率を基にした課税額の計算方法

課税所得を求めたら、所得税率をもとに所得税の計算を行います。日本では累進課税制度が採用されており、課税所得が一定額を超えると税率が段階的に高くなる仕組みです。税率は5%から最高45%まで設定されています。

課税所得金額に応じた所得税の税率は以下の通りです。

課税所得金額

所得税の税率

194万9,000円まで

5%

195万円〜329万9,000円

10%

330万円〜694万9,000円

20%

695万円〜899万9,000円

23%

900万円〜1,799万9,000円

33%

1,800万円〜3,999万9,000円

40%

4,000万円以上

45%

所得税計算では、課税所得に税率を掛けて算出します。所得税率や計算方法を正しく理解して適切な納税額を把握し、課税制度への理解を深めましょう。

参考:給与所得者と税|国税庁

住民税のシミュレーションと計算の仕組み

住民税は、居住する地域の自治体により課税される税金です。住民税は基本的に均等割と所得割に分かれていて、所得割は課税所得に対して一律10%が適用されます。均等割は所得に関係なく、一定額が課税されます。

所得税の節税を実現するための具体的な方法

所得税負担を軽減する方法はいくつかあります。扶養控除や医療費控除など、各種控除を活用すれば、納税額の減額ができるでしょう。また、給与所得以外の所得があれば、法人化の検討も有効です。所得税の節税方法を紹介します。

所得控除や税額控除を活用する

所得控除や税額控除は、税負担を軽減するのに役立つ控除です。所得控除の例としては、以下が挙げられます。

  • 基礎控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 扶養控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 寡婦控除
  • 配偶者控除 など

これらを適切に活用すれば、課税対象となる所得を減額でき、節税につながります。

一方、税額控除は税金から直接差し引ける控除で、さらなる節税効果が期待できます。税額控除の例は以下の通りです。

  • 住宅借入金等特別控除
  • 配当控除
  • 外国税額控除
  • 住宅耐震改修特別控除 など

控除が適用できる場合は積極的に取り入れ、税負担を賢く抑えましょう。

関連記事:税金の控除とは?節税のために知っておきたい種類や目的を詳しく解説!

給与所得以外が多ければ会社設立を検討する

給与所得だけでなく、他の収入源が多い場合は、会社設立を視野に入れれば、節税効果が期待できます。会社員として働きながら副業や不動産所得などが増えた場合、法人化により様々な経費計上が可能となり、課税対象となる所得を減額できる可能性があります。

法人の場合は、業務に関連する経費が幅広く認められる可能性が高いです。また、中小企業に対する税制優遇措置を活用すれば、通常の税率よりも低い特例が適用されるケースもあります。

給与所得があり、年末調整による税金精算を行っていても、その他の所得が増加したタイミングで会社設立を検討するのも有効でしょう。

関連記事:会社設立は税金対策に効果的?期待できる節税効果と会社設立のポイント

まとめ

高齢化税理士を変更しにくいイメージ

税負担を適切に把握するには、所得税や住民税への理解が大切です。年収に応じた税率の目安や具体的な計算方法を知ることで、納税額や手取り金額の見積もりが可能です。

高所得者の場合は所得税の税率が最大で45%にまで達することがあり、負担が大きくなるため、正確な情報をもとに対策を検討しましょう。効果的な節税のためには、専門家への相談も有効です。

小谷野税理士法人では、効果的な節税対策や法人化のご相談にも対応していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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