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夫婦における役員報酬の配分はどう決める?ポイントや注意点を解説

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夫婦における役員報酬の配分はどう決める?ポイントや注意点を解説

中小企業の経営者にとって、配偶者に役員報酬を支払う際の適切な配分は、重要な課題の一つです。配偶者へ報酬を支払えば、節税効果が期待できる一方で、不適切な報酬額は税務署からの指摘を受けるリスクもあります。この記事では、配偶者に対する役員報酬の適切な設定方法やメリット、注意点などについて、詳しく解説します。

配偶者への役員報酬を適切に設定するためのポイント

夫婦で確定申告をするイメージ

配偶者への役員報酬を適切に設定すれば、税務署からの指摘を回避できます。役員報酬の設定方法は、職務内容に応じた報酬額を決定したり、業績や市場賃金を考慮したりするなどさまざまです。当然ながら、明確な根拠を持って報酬額を設定する必要があります。具体的に、どのようにして設定すべきかは以下にてご紹介します。

明確な基準を設けて役員報酬を決定する

配偶者への役員報酬を適切に設定するためにも、明確な基準を設けることは重要です。しかし、役員報酬の設定には、明確な基準がない場合も少なくありません。

適正な報酬額を設定するためには、まず配偶者の業務内容や負っている責任の度合いを明確にしましょう。その後、市場賃金と照らし合わせて報酬額を決定してください。この過程をしっかりと整理しないと、税務署から過少または過大報酬の疑いをかけられ、指摘を受けるリスクが高まります。

明確に提示できる根拠を持つ

役員報酬の決定においては、根拠を持つことが重要です。例えば、配偶者が担当する業務の内容や業界標準の報酬額、会社の業績などを具体的に示しましょう。

明確な根拠があれば、万が一税務調査が入った際にも、適正な報酬であると説明できます。根拠のない報酬設定は、税務署から過少または過大報酬の指摘を受けるリスクを高めるため、注意が必要です。

定期同額報酬を検討する

配偶者への役員報酬は、税務上のリスクを避けやすい定期同額報酬の形が一般的です。定期同額報酬とは、毎月一定の額を支給する形式の報酬を指します。不定期に変動する報酬は、税務調査の対象になりやすいため注意してください。

関連記事:社長給与の決め方とは?中小企業の役員報酬の相場と節税のコツ

配偶者に役員報酬を支給するメリットとは?

青色専従者給与と配偶者控除の計算をする夫婦

配偶者に役員報酬を支給すると、さまざまなメリットを得られます。会社の倒産リスクの軽減や高額報酬の設定による生活の安定化など、多岐にわたる効果が得られるでしょう。ここからは、配偶者に役員報酬を支給するメリットについて、詳しく解説します。

所得分散して節税できる

配偶者に役員報酬を支給する最大のメリットは、節税効果です。配偶者に役員報酬を支給することで所得分散につながり、個人の所得税率を低く抑えられます。

とくに、高額所得者の場合は、所得税の累進課税により税率が高く設定されています。しかし、配偶者にも所得を分散させれば、それぞれの所得税率を低くできるでしょう。

贈与税・相続税対策につながる

配偶者への役員報酬の支給は、贈与税や相続税の対策としても有効的です。直接的な贈与や相続は、高額な税負担を生じるケースがほとんどです。しかし、役員報酬として分配すれば、合法的に資産を移転できます。この場合、贈与税や相続税の負担が軽減されるため、資産のスムーズな継承が可能です。

老後の年金額増加

配偶者に役員報酬を支給すれば、将来受け取れる年金額を増やせます。特に厚生年金に加入している場合、報酬を支払った額が年金の算定基礎となるため、支給額が増えるでしょう。老後の生活資金をより豊かにできるため、家計の総合的な安定性が向上します。

退職金準備による節税効果

配偶者に役員報酬を支給し、退職金へあてるのも節税手段として有効です。退職金は一般的に退職所得として扱われ、税制上の優遇があります。

倒産リスクへの対応

配偶者に役員報酬を支給すれば、家庭内の経済的なリスク分散が図れます。特に中小企業は、経営が不安定な場合も多く、企業が倒産した際のリスクが高まります。家庭内で収入源が複数あれば、経済リスクを事前に回避できるでしょう。

高額報酬設定の可能性

配偶者への役員報酬を高額に設定した場合、適切な業務内容と責任を持たせる必要があります。高額報酬の設定は、家庭の経済基盤をさらに強固にできる有力な方法です。しかし、税務署からのチェックも厳しくなるため、合理的な根拠を持って報酬額を設定してください。

関連記事:相続税と贈与税の違いとは?控除や節税のポイントも解説

配偶者に役員報酬を支払う際の注意点

役員報酬

配偶者に役員報酬を支払うとさまざまなメリットを得られますが、注意点も存在します。適切に役員報酬を支払わないと、企業の運営や家庭の経済に悪影響を及ぼす可能性があります。この章では、配偶者に役員報酬を支払う際の具体的な注意点について、詳しく解説します。

採用活動への影響が生じやすい

配偶者に役員報酬を支払うと、企業の採用活動に影響を与える可能性があります。外部から見たときに、家族経営が強調されすぎると、スキルの高い社員や役員候補が応募しにくくなるでしょう。適切な職務分担と報酬の根拠を明示して、透明性を確保するのが重要です。

業績によっては役員報酬の負担が大きい

企業の業績が悪化した際、配偶者に対する役員報酬の支払いは重荷になります。特に中小企業では、経営が不安定になるケースも多いでしょう。

そのため、役員報酬を設定する際には、企業の財務状況を十分に考慮してください。必要に応じて、柔軟に対応できる形での契約を検討するのも大切です。

関連記事:法人の役員構成とは?役員の種類や決め方などを解説

常勤役員と非常勤役員の違い

役員報酬

配偶者に役員報酬を設定する際、常勤役員か非常勤役員かによって、報酬の決定方法や業務の内容が異なります。どちらの役職に就けるかは、企業の規模や事業内容、配偶者のスキルと経験などによって決まります。この章では、常勤役員と非常勤役員の違いや、それぞれの報酬の決定方法について、詳しく解説します。

常勤役員の報酬決定方法

常勤役員は、企業の日常業務に従事し、全体の経営活動に深く関与する責任あるポジションです。そのため、報酬も相応に高く設定されます。

報酬決定の基準としては、役員の職務内容や企業の業績、市場賃金などが挙げられます。具体的には、配偶者が担う業務の内容や責任度を明確にし、それに基づいて適正な報酬額を算定してください。また、定期同額報酬の形式で支給するのが一般的で、税務上のリスクを低減可能です。

非常勤役員の報酬決定方法

非常勤役員は、経営の意思決定や特定のプロジェクトに関わる場合が多いポジションです。常勤役員ほど日常業務に深く関与しません。

そのため、報酬も業務に応じた範囲で設定されるケースが多いでしょう。報酬決定の基準は常勤役員とは異なり、非常勤役員としての業務内容や頻度、市場の報酬水準などが挙げられます。

まとめ

配偶者に役員報酬を支給すると、節税効果や相続対策、老後の年金増加などさまざまなメリットを得られます。一方、報酬額に対し適切な基準や根拠を持たなければ、税務署からの指摘リスクも高くなるでしょう。専門家や税理士に相談すれば、法令や税務上のリスクを十分に考慮したうえで、適切な報額を設定できます。

「どこに相談したら良いか分からない」という方は、小谷野税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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