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会社設立の基礎知識

会社設立の流れとは?法人化・株式会社起業をお考えの方へ基礎知識をご紹介

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会社法改正による最低資本金制度の撤廃や、商法改正によって株券不発行が原則となったことなどにより、法改正前と比較して会社設立のハードルは低くなっています。そこで、事業を始めるにあたり法人化や起業を検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、会社設立には様々な手続きが必要であるため、事前に設立までの流れをよく確認しておく必要があります。本稿では、会社設立までの流れや基礎知識などについて、詳しく解説していきます。

会社設立のメリットとは

事業を始める際には、まず個人事業主か会社を設立するか、事業形態を選択しなければなりません。個人事業主として事業を行う場合、原則として事業を開始してから1ヶ月以内に納税地を管轄する税務署に開業届を提出する必要があります。

一方、会社を設立する場合には法令に基づいた様々な手続きや費用が必要となります。作成する書類の内容も複雑になるため、個人事業主の開業手順と比較してハードルが高く感じるかもしれません。しかし、会社を設立することによって税務面や信用面などで様々な恩恵を受けることが可能です。会社設立を行うことによって受けられるメリットには、下記などが挙げられます。

社会的な信用を得られる

会社を設立する場合、商号・目的・本店所在地・資本金・役員の氏名及び住所など、様々な情報を法務局に申請する設立登記を行うことが必要になります。これらの情報は商業登記簿に記載され、一般に公示されることで誰でもその会社の情報を閲覧できるようになります。

つまり、会社としての責任が公となることで社会的信用を得られるといった効果が期待できます。社会的信用を得られるメリットとしては、資金調達を行いやすくなることなどが挙げられます。事業を拡大するために多額の資金調達が必要となった場合、個人事業主と比較して選択肢が広がる可能性は高くなるでしょう。

また、会社と個人事業主では取引先などの心象にも差が出る場合があり、法人でなければ契約をせず、規模が大きな取引も行わないといったケースが存在します。会社を設立することによって得られる社会的信用は、設立手続きの手間を差し引いたとしても非常に大きなメリットであると言えるでしょう。

決算月を自由に設定できる

会社を設立する場合には事業年度を設定し、定款に記載します。個人事業主の場合には事業年度は1月~12月と定められているのに対し、法人は自由に設定することが可能です。つまり、決算月を自由に設定することができるため、会社設立のタイミングや繁忙期などの都合に合わせた調整ができることがメリットとして挙げられます。

節税を考えることができる

個人事業主の場合は所得税、法人の場合は法人税が課されることとなり、両者には異なる仕組みが設けられています。所得税は累進課税制度が導入されているため、所得の増加に比例して税率も高くなり、最大で45%にまで上ります。

一方、法人税に関しては資本金1億円以下で所得が800万円以下であれば、税率は15%で一定となります。さらに、所得が800万円以上の場合は税率が23.20%で一定となるため、所得が増えれば増えるほど高い節税効果が見込めることになります。

その他に、会社を設立することで給与を役員報酬として受け取ることができ、経費として法人税の課税対象外とすることが可能です。役員報酬には給与として所得税が課税されますが、給与所得控除が適用された後に税率がかけられるため、節税メリットを享受することが可能です。会社の場合は役員報酬以外にも様々な費用を経費として計上することができるため、個人事業主と比較して税務面でのメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

有限責任になる

事業上の責任には「無限責任」と「有限責任」の2種類があります。無限責任とは、事業を行ううえで取引先や金融機関などへの債務不履行が発生した場合、債務者個人の財産にまで差押えなどの効力が及びます。個人事業主や合名会社の社員、合資会社の無限責任社員などがこの責任を負わなければなりません。

対して有限責任とは、出資額の範囲内においてのみ責任を負うことを指し、株式会社や合同会社の役員は有限責任にあたります。つまり、会社債権者は債務不履行が生じた場合にも役員個人の財産を差し押さえることはできず、資本金からのみ返済されることになります。

清算時に出資額を超える残債務があった場合、出資した金銭は返還されないことになりますが、個人の資産を守ることは可能です。万が一の際にリスクを最小限に抑えることができるため、会社設立によって得られる大きなメリットであると言えるでしょう。

会社設立に必要な費用はどれくらい?

株式会社を設立する場合、まず定款用の収入印紙代4万円と、定款認証を公証役場で受ける費用として5万円が必要になります。また、定款の謄本手数料として2,000円も必要です。定款認証が終わると設立登記の申請に移りますが、登記申請時の登録免許税として最低15万円を納付しなければなりません。電子定款を利用する場合や司法書士などの専門家に依頼する場合は費用が増減しますが、約25万円程度の費用で株式会社を設立することが可能です。

会社設立の流れとは

会社概要を決める

会社を設立する場合、まずはどのような会社を設立したいのか概要を決定する必要があります。具体的には、「商号」「目的」「本店所在地」「発起人」「設立に際して出資される財産の価額またはその最低額」「資本金の額」「発行可能株式総数」「株式譲渡制限に関する規定」「公告方法」「事業年度」「設立時取締役及び設立時代表取締役」などが挙げられます。

定款作成を行って認証を受ける

定款とは、会社の基本情報や規則が記載された文書のことを指します。決定した会社概要に沿って定款を作成し、公証役場で認証を受ける必要があります。また、定款へ記載する事項は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類に分類されます。これらの内、定款に「絶対的記載事項」が全て記載されているかという点について注意が必要です。

会社法で定められている絶対的記載事項とは「商号」「目的」「本店所在地」「設立に際して出資される財産の価額またはその最低額」「発起人の氏名または名称及び住所」の5つです。定款に絶対的記載事項が記載されていない場合、有効な定款として取扱われないため確実に記載するようにしましょう。

資本金を払い込む

発起人全員または出資者全員が、代表者個人の口座に出資金の払い込みを行います。払い込みを行った出資者の名前と金額が判断できるよう、必ず振込みを行う必要があることに注意しましょう。払い込み完了後、出資金が入金された通帳のコピーや、インターネットバンキングの場合は明細書ページの印刷を行います。その後、発起人または設立時代表取締役が払込証明書を作成し、通帳のコピーなどと合綴することで出資の事実を証明する書類となります。

登記申請書類を作成する

次に、設立登記の申請書類を作成していきます。株式会社を設立する際に「登記すべき事項」として定められているものは「商号」「目的」「本店所在地」「公告の方法」「資本金の額」「株式の譲渡制限に関する定め」「発行可能株式総数」「発行済株式総数」「役員に関する事項」となりますが、定款の内容によっては更に登記すべき事項が含まれている場合もあります。

会社設立登記を行う

申請書類が揃ったら、いよいよ設立登記を申請します。会社は設立登記を行うことによって初めて成立し、これは自然人でいうところの出生にあたります。登記申請日=会社設立日となるため、申請を行う日付には注意が必要です。また、設立登記の申請と同時に会社実印の届出と印鑑カードの交付申出も行うことを忘れないようにしておきましょう。登記申請後、1週間程度で印鑑カードなどが交付されます。

会社設立の流れの後に行うべき手続きとは

会社で利用する銀行口座を開設する

会社の設立完了後、速やかに会社名義の銀行口座開設手続きを行いましょう。個人の口座を開設する場合よりも必要書類の準備や審査に時間を要する傾向にあるため注意が必要です。基本的な必要書類としては、会社の登記簿謄本・定款・銀行届出印・代表者の実印及び印鑑証明書・本人確認資料などが挙げられます。事前に金融機関へ必要書類や口座開設までの流れを確認しておきましょう。

関係各所に法人設立届出書を提出する

会社設立後、2ヶ月以内に法人設立届出書を都道府県税事務所・市区町村役場・税務署へ提出しなければなりません。また、同時に青色申告承認申請書も提出しておくことで欠損金の繰越控除などのメリットを享受することができるようになるため、忘れずに行うようにしましょう。

従業員を雇うならば各書類を整備して提出する

従業員を雇用する場合には、様々な書類を関係各所へ提出して整備を行う必要があります。まず、税務署への「給与支払事務所等の開設届出書」が挙げられます。その他に労働基準監督署での労災保険の加入手続き、社会保険事務所での社会保険関係の手続き、ハローワークでの雇用保険への加入手続きなどを行う必要があります。

会社設立が不安な場合は専門家への依頼も検討する

本稿では、法人化や起業を検討している方に向けて、会社設立の流れや基礎知識について詳しく解説してきました。会社を設立することにより、個人事業主と比較して様々な恩恵を受けられることがご理解いただけたかと思います。しかし、手続きの煩雑さや法令の知識が必要であることから、設立までに多くの労力と時間を要する場合も考えられます。会社設立が不安に感じる場合は、専門家に依頼することも検討の余地があると言えるでしょう。これから法人化や起業を検討している方々にとって、本稿がお役に立てれば幸いです。

この記事の監修者

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