現在、より自分に合ったライフスタイルを求め、働き方の多様性が注目されています。そんな中において、0円起業も可能なスモールビジネスは、元手のかからない開業方法として関心を集めています。そこでここでは、そもそもスモールビジネスや0円起業とはどんな開業方法か、成功させるにはどうすべきか、さらには具体的な業種について紹介します。
目次
元手のかからないビジネス「スモールビジネス」とは
元手のかからないビジネスを始めることは、スモールビジネスとも呼ばれています。スモールビジネスとはどのような起業であるかを説明します。
0円起業も可能なスモールビジネス
スモールビジネスとは、小さな規模でスタートできる事業のことを指します。厳密な定義は存在しませんが、一般的には従業員5名以下の事業を指すことが多いです。
法人化している小規模事業者や、個人事業主・フリーランスもスモールビジネスに数えられます。
また、スモールビジネスはその規模の小ささから、起業費用を抑えられるのが特徴で、個人事業主やフリーランスであれば費用0円からの開業も可能です。
0円起業の手続き方法
フリーランスや個人事業主として開業する場合は、税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届は事業を始めてから1ヵ月以内の提出が推奨されており、その手続きには費用がかかりません。
そのため基本的に、個人事業主もフリーランス同様に0円起業が可能です。
小規模で少ない資金でも起業できるビジネスのメリット
小規模で少ない資金で起業できることそのものが、スモールビジネスのメリットです。資金0円から始められることから、融資の必要もありません。
そのため万が一、事業に失敗したとしても、リスクは最小限で抑えられ、借り入れの返済も生じません。
さらには、事業を立ち上げる際の手続きも比較的にシンプルです。
また、スモールビジネスの場合、小さい規模の事業からスタートできることから、自分のペースに合わせて柔軟な働き方をできる点もメリットです。
小規模で少ない資金でも起業できるビジネスのデメリット
スモールビジネスは、個人事業主やフリーランスとして小規模で自由度の高い働き方ができる反面、特に起業したばかりの頃は収入が安定しにくいと言われています。
案件が途切れたり、なかなか集客できなかったり、事業が軌道に乗るまではリスクを伴うかもしれません。
また、少人数で事業を運営することが多いため、案件が増えたり顧客が増加したりすると、そのすべてに対応できず人手不足に陥る可能性があります。
関連記事:0円で起業は可能?成功しやすい業種やポイント、自己資金なしの注意点を解説!
元手のかからないビジネス一覧
ここでは、元手のかからないビジネスの中から、注目の職業を紹介します。
また、具体的にはどのような商材を用いると費用を抑えられ、メリットがあるのか、それぞれの職業別にまとめています。
コンサルティング
コンサルティングとは、さまざまな事柄に対して課題を明らかにし、解決に向けた助言を行う仕事です。その職業に就く人はコンサルタントと呼ばれています。
コンサルティングの強みは、自分の専門分野の知識や経験、スキルをそのまま活かせる点です。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
ITコンサルティング |
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ビジネスコンサルティング |
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自分のスキルアップのため、さらに学びが必要な場合もあるかもしれませんが、基本的に新たにスクールに通ったり、資格を取得したりするための費用がかかりません。
近年では、オンラインによるコンサルティングも急増しているため、国内全域を営業エリアにできます。コンサルタントとユーザーの両者に交通費が発生しないことから、広い範囲からの収益を見込めます。
オンライン講座
オンライン講座もコンサルティング同様に、自分の専門知識や経験を活かせる仕事です。
また、オンラインを通じて講座を開くため、講師と生徒の両方に交通費やアクセスするための時間が発生しません。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
英会話講座 |
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フィットネス講座 |
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オンライン講座を始めるためには、Webカメラとマイク、ヘッドセット、そしてパソコンが必要ですが、もともと持っていれば新たに準備する必要はありません。
また、新しい機材を導入したとしても、初期費用はほかの業種と比べれば抑えられるでしょう。
代行サービス
代行業とも呼ばれる代行サービスは、名称の通り、さまざまな業務を代行する仕事です。
用事があってプライベートな時間の取れない人、高齢のために遠出できない人などが代行を利用します。
代行サービスは元手ゼロから始められ、運営費もほとんどかかりません。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
家事代行 |
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買い物代行 |
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このほかにも、退職代行・モーニングコール代行、さらにはお墓参り代行・お遍路参拝代行など、さまざまな代行サービスがあります。
そのため、いくつかの代行サービスを兼ね、ひとつの業務とする方法もあります。
関連記事:1人で起業は可能?おすすめビジネスモデルやポイントを解説!
ネットショップ運営
ネットショップ運営は、自分で商材を選び、仕入れた商品をオンライン上の店舗で売却する職業です。一般的には既存の出店サービスを利用しますが、専用のサイトを立ち上げることも可能です。
既存のサービスは初期費用0円のところが多いため、ショップ自体は無料で開設できます。ただし、販売する商品の仕入れ費用はかかります。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
中古品販売 |
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輸入品販売 |
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ネットショップで本格的に収益を得ようと考えるのであれば、商品の種類とその仕入れ数の両方を増やす必要があります。
また、その場合、商材によっては資格や許可の申請手続きを行わなければなりません。
アフィリエイト
アフィリエイトとは成功報酬型の広告を差し、アフィリエイトを仕事とする人はアフィリエイターと呼ばれています。
ブログやSNSに広告の対象となるリンクやバナーを設置し、利用者が閲覧したりクリックし商品を購入することで、その対価として報酬を得られます。
無料で利用できるブログやSNSを使えば、費用0円から始められるため、参入リスクの少ない仕事です。
しかし、まとまった利益を生み出すためには、ブログやSNSを充実させ、アクセス数を増やす必要があります。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
ファッション |
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クレジットカード |
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アフィリエイトは、成果が出るまでの期間が長いと言われています。
しかし、その一方で自分のペースで仕事ができ、ブログやSNSを通じ、趣味を楽しみながら行うことも可能です。
観光ガイド
規制緩和により、現在では資格を持っていなくても観光ガイドで収入を得られます。
地元の名所を調査し、自分で観光コースを作成してブログやSNSで集客するため、地域の経済にも貢献できます。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
日本人向け観光ガイド |
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外国人向け観光ガイド |
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注意点として、観光ガイドはホテルや旅館といった宿泊施設の予約や手配を行えません。これらの業務は、旅行業・旅行代理業の登録を必要とします。
また、道路運送法により、自家用車を使って有料の送迎を行うことも原則的に禁止されています。
動画配信
動画配信をビジネスとして始める場合には、2種類の方法があります。視聴者が見る動画のCMで広告収入を得る方法と、ライブ配信を行って投げ銭(おひねり)を得る方法です。
初期費用は、動画の撮影や編集をスマホで行えば元手もかかりません。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
ペット動画 |
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ゲーム実況配信 |
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動画配信は需要が高い一方で、近年は参入者も増加傾向にあります。
そんな中で収入を得るためには、動画の内容自体が視聴者を引きつけるものであり、配信頻度も高く定期的でなければなりません。
Webデザイナー
Webデザイナーはその名称の通り、パソコンを使いサイトをデザインする仕事であり、特別な資格は不要です。
ただし、デザインセンスだけでなく、HTMLやCSSといったサイトをコーディングする知識と技術が必要とされます。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
ホームページのデザイン |
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ECサイトのデザイン |
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Webデザイナーを仕事とする場合は、パソコンやインターネットで用いられる最新技術へと常に目を向けている必要があります。多くの知識を日々アップデートしなければ、クライアントからの要望に応えることが難しくなるためです。
Webライター
Webライターは、Webサイトの記事やSNSの文章を執筆する仕事です。基本的にはパソコンを持っていれば0円起業が可能です。
単発でのライティングのほか、業務契約により継続的に発注されるケースも多く見られます。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
SEOライティング |
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セールスライティング |
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Webライターは、起業する際に初期費用が抑えられるため、気軽に始められる職業です。しかし、その分、参入者も多数存在します。
こうしたことから、文章力だけでなく、サイトへとじかに入力作業を行えるHTMLの知識も身に着けておくと、仕事の幅が広がります。
ハンドメイド販売
ハンドメイド販売は、手先の器用さや趣味を活かし、自分で作った製品を販売する仕事です。制作する品によって材料費はかかりますが、基本的に手作業であるため起業費用は抑えられます。
フリマサイトやハンドメイド品の売買サイトなどがたくさんあり、初心者でも参入しやすい市場です。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
アクセサリー作り |
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バッグ作り |
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ハンドメイド販売の場合、自分でWebサイトを作ったり、SNSを利用したりして商品を売ることも可能です。
ただし、その場合は広告宣伝も自分で行って知名度を上げ、WebサイトやSNSへの訪問客を増やさなくてはなりません。
ペットシッター
ペットシッターは犬や猫などの飼い主の自宅を訪問し、その飼い主に代わってペットの世話をする仕事です。そのため施設や設備などの初期費用は発生しません。
ただし、ペットシッターとして開業するためには、第一種動物取扱業(保管)の登録に料金がかかるほか、動物取扱業責任者の設置が求められています。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
犬の散歩代行 |
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ペットのトイレ掃除 |
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個人事業主やフリーランスとしてペットシッターの仕事を行う場合、利用料金は自分で自由に設定できます。そのため、軌道に乗れば安定した収入を得られる可能性があります。
しかし、そこに至るまでには長い期間がかかる場合もあります。
プログラマー
プログラマーは、プログラミング言語を操り、コンピューターのシステムやソフトウェアを作成するIT関連の職業です。
そのため仕事にパソコンが欠かせませんが、逆に言えば、パソコンとプログラミング知識と技術力さえあればすぐにも起業できます。
元手のかかりにく商材 | 特徴・メリット |
ゲームプログラマー |
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アプリケーションプログラマー |
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プログラミングは高度な専門知識とスキルが求められるため、初心者には敷居が高い職業です。
もともとプログラマーとしての実績がない場合は、まずプログラミングの学習をすることから始めなくてはなりません。
関連記事:女性が自己資金なしで起業することはできる?受けられる融資制度などについて詳しく解説!
元手のかからないビジネスの選び方
元手のかからないビジネスは、初期費用0円でも起業可能ですが、成果につながるまで期間のかかることがあります。
こうした成果が出るまでにビジネスを続けるためにも、まずは選び方が大切です。
モチベーションを保てる仕事を選ぶ
モチベーションは動機や目的意識を意味する言葉です。特にスモールビジネスを行う上では、モチベーションを維持できるかどうかが仕事の成功を左右します。
ただし、そうは言っても収入面や適性、好みなど、モチベーションを感じるポイントは人それぞれです。
仕事を選ぶ際は、自分がその仕事で何をしたいか、年間や月間でどれだけの売上が出したいかなど、目的を前もって立てておくことが大切です。
スキルや実績を活かせる仕事を選ぶ
スモールビジネスを始める際は、自分の得意分野や、スキルや実績を活かせる仕事を選ぶとスムーズ起業できます。
憧れの働き方や職業があったり、流行りの業種に就きたかったりする気持ちも理解できますが、その仕事が自分に合っているとは限りません。
自分のスキルや実績は、ある意味で資産と言えます。小規模な起業を目指すのであれば、まずはその資産を活かすことを考えましょう。
やりがいがある仕事を選ぶ
スモールビジネスは、安定するまでに比較的時間がかかります。そのため、やりがいや達成感がないと、仕事として成功しなかったり、利益が出るまで仕事が続かなかったりしかねません。
やりがいや達成感を覚える瞬間は、報酬・評価・ゴールなど、人それぞれです。そのため、自分がやりがいや達成感を覚える瞬間はどこにあるのか、仕事を選ぶ前に自己分析することも大切です。
経験・知見を活かせる仕事を選ぶ
スモールビジネスは費用を抑えて起業できますが、もともと経験や知見もなしに新たな仕事を始めようとすると、まずその内容を学ぶことからスタートしなくてはなりません。
講座やスクールに通うと料金がかかりますし、何よりも起業するまでに期間がかかってしまいます。
じっくりと時間をかけて学んでから起業する場合をのぞき、スモールビジネスを始めるのであれば、もともと自分に知識や知見が備わっている業種を選びましょう。
関連記事:開業資金が安い業種14選!フランチャイズ業種も紹介
元手のかからないビジネスを成功させるコツ
小規模に開業することでリスクを抑えても、事業が短期間で終わってしまえば、結局損失につながる可能性があります。
元手のかからないビジネスを成功につなげるためにも、小規模起業のコツを抑えておきましょう。
まずは副業としてスタートさせる
小規模な起業は成果が出るまでに時間がかかったり、最初は特に収入が安定しない傾向があります。そこでスモールビジネスを始めるのであれば、副業からスタートするという方法があります。
まずは本業で安定した収入を得ながら、副業としてスモールビジネスを行います。
そして、副業である程度の成果が現れてから転職し、個人事業主やフリーランスとして本格的に開業します。
市場の需要を見極める
例えば、複数のスモールビジネスの候補がある場合には、市場の需要を調査した上で決めましょう。
その際は、市場の規模や競合の有無などをチェックします。
市場を調査した上で、自分が今後立ち上げようと考えているスモールビジネスの中から、より高い需要を見込めるほうを選びましょう。
競合との差別化を図る
事業として成功するためには、どの業種でも独自性が求められます。似たような商品やサービスを提供しても、大手企業や有名ブランドには太刀打ちできません。
スモールビジネスの強みは、顧客のニーズに合わせて迅速に対応できる点にあります。大手企業とは異なるアプローチを用い、差別化を図ることが重要です。
SNSやブログで集客する
一昔前であれば、事業の広告宣伝には費用を支払うことが一般的でした。しかし、現代では、それはSNSやブログで十分に行えます。
スモールビジネスを始めるのであれば、集客のためにSNSやブログを積極的に活用しましょう。商品の販売やサービスの予約も、SNSやブログを通じて行われる可能性があります。
元手のかからないビジネスの成功事例
0円起業などのスモールビジネスは、実際に成功しているのでしょうか?そんな疑問をお持ちの方に、ここでは元手のかからないビジネスの成功例を紹介します。
株式会社yutori
株式会社yutoriは、もともとは創業者の古着好きからスタートした会社です。
古着を紹介した創業者のSNSは、一切の広告費をかけることなく、開設から半年を待たずしてフォロワー10万人を突破しました。
SNSを通じ、自分の好きをなものを表現していった結果として、その後は法人化を果たし、現在では複数のブラントを立ち上げています。
レンタルなんもしない人
「レンタルなんもしない人」とは、その名称を使ったSNSのアカウント名で、まさに何もしないことをサービスに収入を得ています。
何もしないことの内容は依頼によりさまざまで、日常的な会話をのぞき、基本的には本当にただそこにいるだけであることを仕事としています。
その斬新なアイディアと意外な需要が注目を浴び、ドキュメンタリーが放送されたり著作物がドラマ化されたりと、メディアで幾度となく取り上げられています。
関連記事:主婦におすすめな起業15種類!儲けるためのポイントや必要な手続きについて
税理士に相談してから元手のかからないビジネスを始めよう!
0円起業に興味がある場合や、半ば趣味で始めた副業が好調なとき、スモールビジネスを始めようと考えているのであれば、まずは税理士に相談してみましょう。
小規模で、費用を抑えて始められるビジネスあっても、業種によっては複数の手続きや申請・許可が必要な場合もあります。
また、所得が増えると税金も増え、確定申告の義務も生じます。元手のかからないビジネスを始めるのであれば、節税もしっかりと行いたいところです。
そんなとき税金対策のプロである税理士に相談すれば、その都度ごとに適切なアドバイスを受けられます。
私たち小谷野税理士法人でも、個人事業主の開業や会社設立サービスを代行しています。まずは、お気軽にお問い合わせください。