0120-469-383平日 9:00~18:00 税理士に相談(相談無料)
会社設立の基礎知識

一族経営のメリット・デメリットとは?成功させる方法・注意点について

公開日:

一族経営のメリット・デメリットとは?成功させる方法・注意点について

一族経営とは、家族が事業における主要な役職を占め、経営の方向性を家族間で議論・決定し運営する企業形態を指します。この記事では、一族経営の概要やメリットとデメリット、注意点などについて、詳しく解説します。現在一族経営をされている方や、将来的に一族経営を行いたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

一族経営とは?

資本提携で握手をするビジネスパーソン

一族経営とは、家族が企業の主要な役職をつとめ、家族間で事業の方向性を議論・決定し企業を運営していく経営形態です。一族経営では多くの場合、創業者が経営の中心で、次世代にわたり事業が引き継がれるのが特徴です。

一族経営は、家族の絆や信頼関係が企業運営の基盤です。そのため、家族の価値観やビジョンが企業の方向性に影響すると考えられます。

一族経営のメリット

一族経営は、家族が持つ特有の強みを活かせるため、企業運営を有利に進められる複数のメリットがあります。この章では、一族経営で得られる具体的なメリットについて、詳しく解説します。

企業と経営者の一体化

一族経営では、企業と経営者が一体化して運営されるケースがほとんどです。企業と経営者が同じ方向を向けるため、統一感を持って事業を進められるでしょう。企業のビジョンやミッションの実現がスムーズになるのではないでしょうか。

例えば、事業の規模拡大や新商品の開発などにおいて、家族全員が一致団結して動くため、目的達成までのプロセスが円滑に進行すると考えられます。

意思決定の迅速化

一族経営のメリットの一つに、迅速な意思決定が可能である点が挙げられます。他の経営形態とは異なり、一族経営は家族間での意思疎通が密に行われます。そのため、企業運営や事業における重要な決定がスムーズに進むでしょう。市場の変化や競合他社への対応も迅速に行えるため、企業の競争力を維持できます。

家族間で築かれる信頼関係

家族間の強固な信頼関係は、一族経営におけるメリットの一つです。信頼関係は経営上のリスクヘッジを容易化し、共通の目標に向かって協力して取り組む体制作りに繋がります。

例えば、新しいプロジェクトを始める際、家族全員が成功のために一丸となって動けば、プロジェクト推進力が高まるのではないでしょうか。

長期視点での経営戦略が可能

一族経営では、短期的な利益確保よりも、長期的な視点での経営戦略が重視されがちです。家族の次世代への事業継承を念頭に置くため、持続可能で安定した成長を目指す傾向があります。そのため、急激な市場変動に対しても柔軟に対応できる体制が整いやすく、企業の持続的成長に寄与すると考えられます。

経営の安定性と戦略の一貫性

一族経営では、企業や事業運営における長期的なビジョンや戦略が家族全体で共有されます。そのため、経営の安定性と戦略の一貫性が保ちやすいでしょう。経営の方向性が一定であり、家族間での価値観や目標が一致していると、外部環境の変化にもぶれずに対応できます。企業は堅実な成長を続けられるのではないでしょうか。

関連記事:夫婦で起業するなら個人事業主?法人?それぞれの節税対策を解説

一族経営のデメリット

賃上げ税制における教育訓練費のイメージ

一族経営にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットや課題も存在します。この章では、一族経営における具体的なデメリットについて、詳しく解説します。

ワンマン経営のリスク

一族経営では、特定の家族メンバーへ権力が集約し、ワンマン経営になるリスクがあります。ワンマン経営では、客観的な意見が排除される可能性が高く、経営判断が偏りやすくなるでしょう。例えば、重要な市場動向や社員の声が無視されてしまうと、企業の成長が停滞する恐れがあります。

専従者給与に関する問題

一族経営では専従者、つまり経営に専念する家族メンバーへの給与設定が問題となる可能性があります。家族だからといって、役職や働きに見合わない膨大な額の給与を設定すると、他の社員からの反感を買ってしまいます。また、経営資金の使い方が偏ってしまうと、財務状況に悪影響を及ぼす場合もあるでしょう。

後継者と相続の課題

一族経営において、後継者問題は避けられない課題です。適切な後継者を選ぶ際、家族間の利害関係や感情が絡み、複雑化するケースがあります。さらに、相続時には遺産分割や税金の問題も発生するため、場合によっては企業存続が危うくなるでしょう。

家族間の人間関係

一族経営では、家族間の人間関係がビジネスに直接影響を与える場合があります。家族内で意見が対立したり、不満が募ったりすると、企業の経営に支障をきたすでしょう。例えば、親子間の対立や兄弟間の競争が激化すると、経営判断が滞る可能性があります。

人材確保の難しさ

一族経営の企業は、外部から優秀な人材を確保するのが難しい場合があります。家族が企業における主要な役職を占めるため、外部の専門家や経験豊富な人材が入る余地が限られてしまいます。そのため、経営の多様性が失われ、革新が難航する可能性があるでしょう。

一族経営で起こりやすい問題

一族経営は、他の経営形態と比べ、特有の問題が発生しやすいのが特徴です。具体的に、どのような問題や課題が起こりやすいのでしょうか?この章では、一族経営にまつわるさまざまな問題について、詳しく解説します。

経営の私物化問題

一族経営では、経営資源や経営方針が家族の私的な利益として利用される「経営の私物化」問題が生じやすいのが特徴です。例えば、企業の資金を個人的な用途に使ったり、家族間での利益分配が公平でなかったりすると、企業の財務状況や社員の士気低下に繋がる可能性があります。外部関係者からの信頼も損なう場合があり、最終的には企業の存続に関わる重大なリスクとなり得るでしょう。

社員の定着率の低下

一族経営では、家族以外の社員が馴染みにくい環境が生まれやすく、定着率の低下に繋がる可能性があります。経営における意思決定のプロセスは家族が中心のため、家族以外の社員は疎外感を感じてしまいます。家族以外の社員は企業の方針に共感しづらいため、モチベーションも低下しやすいのではないでしょうか。

そのため、人材の流出や労働環境の悪化を引き起こす可能性があります。社員の定着率の低下は、企業の成長も妨げられてしまうため、迅速に対応してください。

関連記事:みなし役員の判定基準とは?親族関係がもたらす影響を解説

一族経営を成功させるためのコツ

個人事業税がかからない業種のイメージ

一族経営には、さまざまな問題がつきものです。一族経営を成功させるためには、特有の課題を克服しつつ、強みを活かす必要があります。この章では、一族経営の具体的な成功のコツについて、詳しく解説します。

私物化を防ぐための環境作り

前述でご紹介した「経営の私物化」問題を防ぐためには、企業の健全な運営体制を強化し、透明性の高い経営を心がける必要があります。具体的には、家族だけでなく、外部の専門家を経営に参加させ、客観的な視点を取り入れると良いでしょう。

また、企業の財務状況や意思決定プロセスを公正に管理するため、内部監査制度を整備するのも有効的です。経営資源が適切に使用され、家族以外の関係者からの信頼を確保できるでしょう。

関連記事:経営計画とは?作るメリットと策定方法をご紹介

透明性のある意思決定プロセス

一族経営では、透明性のある意思決定プロセスの確立が必須です。経営上の重要な決定を行う際は、家族間で十分な情報共有と協議を行いましょう。さらに、外部の意見も取り入れれば、偏った判断を避けられるのではないでしょうか。

例えば、定期的な会議や報告書の作成は、意思決定の過程を明確にでき、全社員に対して透明性を保てるはずです。企業の信頼感が高まり、より健全な組織運営が可能になるでしょう。

家族と社員の平等な待遇

一族経営を成功に導くためには、家族と家族以外の社員を平等に扱いましょう。家族だけが特別扱いされてしまうと、社員のモチベーションが低下し、生産性や企業の成長性が低下してしまいます。そのため、給与や福利厚生、昇進の機会などにおいて、家族と家族以外の社員を平等に扱う必要があります。

また、公平な評価制度を導入すれば、全社員が自らの役割や貢献度に応じて公正に評価される環境を作れます。社員全体が企業の目標に向かって一丸となり取り組む姿勢が生まれるのではないでしょうか。

一族経営についてよくある質問

現在一族経営をされている方や、将来的に一族経営を行いたいとお考えの方は、一族経営に関する疑問や不安が多いのではないでしょうか。この章では、一族経営にまつわるよくある質問と回答をご紹介します。

一族経営の反対概念は?

一族経営の反対概念として「プロフェッショナルマネジメント」が挙げられます。プロフェッショナルマネジメントとは、家族外の専門家が経営陣に就任し、企業を運営する形態を指します。プロフェッショナルマネジメントは経営の私物化が起こりにくく、専門家の知識や経験を活かした客観的な判断が期待できるでしょう。

一方で、一族経営は家族の価値観や視点が反映されやすいため、持続的な成長が見込めると考えられています。どちらの形式にもメリットとデメリットがあるため、企業の状況や目標に応じて、最適な形態を選ぶ必要があるでしょう。

革新を起こしにくい?

一族経営では、企業の運営や事業における革新が起こりにくいとされています。家族内の伝統や既存のやり方に固執しがちで、外部の新しいアイデアや視点が取り入れにくいためです。問題を克服するためには、外部の専門家やアドバイザーを積極的に迎え入れるのが有効的でしょう。

例えば、経営会議に外部の専門家を交えれば、新しい視点やアイデアが生まれやすいのではないでしょうか。組織全体がより柔軟に対応できる環境を作れるはずです。また、家族以外の社員に対しても意見を求めれば、多様な視点を持てるのではないでしょうか。

まとめ

一族経営には多くのメリットが得られますが、ワンマン経営や後継者問題、経営の私物化などのデメリットも存在します。一族経営を成功へ導くためには、透明性のある意思決定プロセスの確保や平等な待遇などの工夫が必要です。その他にも、経営や事業に関してのお悩みを抱えている方は、中小企業サポートのプロフェッショナルである小谷野税理士法人まで、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

会社設立専門の税理士による
オンライン面談を実施中!

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

相談無料会社設立の相談をする 24時間受付中

税理士変更のご検討は
オンライン面談でもお受けします

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

税理士変更の相談をする 24時間受付中
オンライン面談