東京都のスタートアップは、条件を満たすと制度融資や融資あっせん制度などを活用できます。他の資金調達方法に比べると、低金利であったり無担保で利用できたりするものに厳選しました。今回は、東京都のスタートアップが利用できる融資の特徴や条件、限度額、返済期間などを解説します。最後まで読めば、東京都のスタートアップが優先的に利用したい融資について理解できるでしょう。
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目次
東京都のスタートアップが対象の融資4選
東京都のスタートアップが申請できる融資は4つあり、具体的には以下の通りです。
- 東京都中小企業制度融資「創業」
- 東京都制度融資 「創業経営者保証不要型(略称:創業経保)」
- 東京都「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」
- 市区町村で行っている中小企業事業資金融資あっせん制度
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
東京都中小企業制度融資「創業」
東京都のスタートアップが利用できる融資の1つは、東京都中小企業制度融資「創業」です。
制度融資とは、各自治体が設けている融資制度のことで、金融機関・信用保証協会との連携により低金利での融資を実現しています。本融資の特徴に関しては、以下の表にまとめました。
対象 |
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限度額 | 3,500万円 |
利率 | 1.5%以内から2.5%以内 |
返済期間 |
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連帯保証人 | 場合によって必要 |
担保 |
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信用保証料 | 信用保証協会に支払う費用※都が3分の2を補助 【責任共有制度の対象】
【責任共有制度の対象外】
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融資を利用するには、創業計画添付書や創業計画書などの提出が求められます。
参考:「第4 新たな事業展開資金」東京都産業労働局 東京都創業NET
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東京都制度融資「創業経営者保証不要型(略称:創業経保)」
東京都のスタートアップは「創業経営者保証不要型」の制度融資を活用できるケースがあります。前述の「創業」と対象者や限度額は同じである一方、以下の特徴があります。
返済期限 | 10年(据置期間1年以内or3年以内) |
利率 | 【固定金利】
【変動金利】 「短期プライムレート+0.2%」以内 |
信用保証料 | 信用保証料に0.2%加えた額のうち、3分の2を都に補助してもらえる |
保証人 | 不要 |
担保 | 不要 |
融資を受けるには、スタートアップ創出促進保証制度用の創業計画書などを作成する必要があります。必要な創業計画書に関しては、中小企業庁か東京信用保証協会の公式サイトよりダウンロードできます。
参考:「第4 新たな事業展開資金」東京都産業労働局 東京都創業NET
東京都「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」
東京都のスタートアップは、「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」を通して、融資を受けられる可能性があります。地域に根ざした創業をサポートするのを目的とする事業で、以下の通り低金利・無担保の融資を受けられるためです。
対象 |
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限度額 | 1,500万円(女性:2,000万円) ※運転資金のみ:750万円(女性:1,000万円) |
固定金利 | 1%以内 |
担保 | なし |
返済期間 | 10年(据置期間3年以内) |
保証人 |
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経営サポート |
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参考:「女性・若者・シニア創業サポート2.0」東京都産業労働局 東京都創業NET
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市区町村で行っている中小企業事業資金融資あっせん制度
市区町村が主体で、中小事業者などへの資金融資あっせん制度があり、東京都のスタートアップも活用できます。
都ではなく、区が金融機関や信用保証協会へ仲介の役割を果たし、特別な条件で融資を受けられるのがメリットです。以下の通り、渋谷区を例に本制度を紹介します。
条件 | 【原油・物価高騰対策資金】
【運転資金】 商品や原材料の購入、諸経費の支払いなどに該当する資金 |
限度額 |
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利率 |
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期間 |
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本制度を利用するうえでは、住所を管轄する各自治体に問い合わせるのがポイントです。
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日本政策金融公庫でもスタートアップ向けの融資を受けられる
政府系金融機関である日本政策金融公庫でも、条件を満たせばスタートアップを対象とする融資「新規開業資金」を利用できます。本融資の特徴に関しては、以下の表にまとめました。
使途 |
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対象者 |
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限度額 | 7,200万円※うち運転資金4,800万円 |
返済期間 |
※据置期間とは、利子のみの支払いでよい期間 |
利率 | 基準利率を適用
※女性や35歳未満などの条件に該当する場合、特別利率が適用される |
担保・保証人 | 要相談 |
東京都での起業に関する相談は税理士へ
東京都でスタートアップが利用できる融資制度について紹介しました。
東京都では制度融資や創業サポート事業などが設けられており、条件を満たせば融資や経営サポートを受けられるケースがあります。低金利や担保不要など好条件の融資を選ぶと、事業を始めるうえで資金難に陥るリスクを回避しやすくなるでしょう。
一方で、融資を利用するには書類作成など適切な対応が求められます。スタートアップにとって優先度が特に高いのは、事業に集中することです。融資などのお金に関するものは、税理士に任せるのが賢明だといえます。
小谷野税理士法人では、東京都のスタートアップをサポートしてきた実績が豊富で、設立手数料0円で対応できるケースがあります。