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キッチンカーで開業届は必要?出すタイミングやメリット・注意点も解説

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キッチンカーで開業届は必要?出すタイミングやメリット・注意点も解説

お祭りや公園などで見かけるキッチンカーですが、最近ではお昼時のオフィス街などでお弁当やコーヒーを販売するケースも増え、キッチンカーで事業をしたいと検討している方もいるのではないでしょうか。キッチンカーで営業をする際には開業届を出さないといけないことをご存じでしょうか。今回は、キッチンカーで開業届の提出をするメリットや注意点、出さなかった場合のデメリットなどを解説します。

そもそも開業届とは?

個人で新たに事業を始める際に、税務署に提出する書類のことをいいます。開業届は、事業の開始を正式に通知するための重要な手続きです。書類を出すことで、事業を始めたことを申告するのと同時に、所得税を納税すると通知する役割があります。

【税理士監修】開業届とは?書き方や必要書類、提出方法までの完全ガイド

開業届の提出は義務

開業届の提出は、事業を始めた日から1ヵ月以内の提出が推奨されています。ただし出さなくても罰則などのリスクがないため、出さない、もしくは知らずに事業をしているケースもあるでしょう。

開業届を出さずとも、税務署から催促されることはないかもしれません。ですが、罰則がないからといって開業届を出さなくても良いわけではありません。個人で新たに事業を始める場合、開業届を税務署に出すことが法律で義務付けられています。

個人事業主として働く自覚を持つためにも、開業届を提出するのが望ましいでしょう。

開業届の提出タイミングはいつがベスト?期限や出さないデメリットを解説!

キッチンカーの開業届を出さないとどうなる?

個人事業主の開業・廃業届出書と青色申告承認申請書

上記で説明した通り、開業届を提出しないからといってキッチンカーが営業停止になるなどのリスクはありません。ただし、提出しなかった場合以下のデメリットが生じる可能性があります。

  1. 青色申告ができない
  2. 融資を受けられない
  3. 銀行口座を開設できない

順を追って解説します。

青色申告ができない

確定申告を青色申告で行うには、開業届の提出が必須です。青色申告は確定申告書の種類のことで、確定申告の際に最大65万円の所得控除が受けられるメリットがあります。そのため、節税効果を狙うなら開業届を出して青色申告を選択したほうが良いでしょう。

融資を受けられない

開業届を提出していない場合、個人事業主として認められず融資を受けられる範囲が大幅に狭くなるケースがあります。

開業届を出さない場合はフリーランスとして扱われるようになり、融資を受けられる方法が限定的になったり、ビジネスローンなどのサービスが利用できなくなったりするため、事業開始時の資金調達に困る可能性があるでしょう。

銀行口座を開設できない

開業届に記載した名義を使えば、銀行口座を開くことが可能です。具体的な手続きやルールは金融機関によって異なりますが、通常、開業届を出した後でなければ屋号での口座開設はできません。

開業届を出して事業専用の銀行口座を作り、事業に関連する出入金をその口座で行えば、チェックの手間が省け経費管理も簡単になります。

キッチンカーの開業届を提出するメリット

キッチンカー

開業届を出すことには、個人事業主にとって以下のような様々なメリットがあります。

  1. 開業の公的証明になる
  2. クレジットカードが作れる
  3. 小規模企業共済に加入できる
  4. 補助金や助成金が申請できる

では具体的に解説していきます。

開業の公的証明になる

個人事業主は法人登記ができません。そのため、個人事業主として事業を行っていることを客観的に証明することは難しいでしょう。そこで、開業届を出すことによって「個人事業主として事業を始めた」ということを証明できるようになります。

保育園などの申込みには、働いていることを証明する書類の提出が必須です。個人事業主の場合は、開業届の控えがその代わりとなります。

クレジットカードが作れる

開業届を出すと、法人向けクレジットカードが作成できます。フリーランスでクレジットカードを申し込む場合、収入の不安定さを懸念され審査に通りにくいケースがありますが、開業届を出すことで社会的な信用が増し、カードを作りやすくなります。

プライベートとの出費をより分かりやすく区別するため、開業届の提出と合わせて法人専用のクレジットカードを作るのがおすすめです。

小規模企業共済に加入できる

小規模企業共済とは、個人事業主などが加入できる共済です。毎月積み立てた掛け金に応じて、退職時や廃業時に共済金を受け取れる仕組みのことをいいます。

小規模企業共済の申込みには、開業届の提出が必須です。掛金は全額所得控除の対象になるため、節税対策にもなります。将来のためにも加入したい方は出しておきましょう。

補助金や助成金が申請できる

補助金や助成金などの公的な支援制度の申請に、開業届の提出が必要な場合があります。開業の際の資金調達に融資を検討する方も多いと思いますが、助成金は返済する必要がないため、金銭的な負担やリスクを負うことなく資金調達が可能です。

補助金や助成金の申請には、開業届の他に事業内容や目的などを示す書類の提出が必要です。

個人事業主が利用できる開業助成金とは?種類や金額について解説

開業届を出すタイミング

開業届のイメージ

開業届を出すタイミングは、個人で事業を始めてから1ヵ月以内と決められています。ですが、期限後も提出は可能です。販売を開始した日や、キッチンカーの準備が終わり、働ける体制が整った日などを事業の開始日として設定するケースもあります。

もし副業として始めて本業にしたいと検討している場合は、そのタイミングで開業届を出しましょう。収入が安定し、事業を拡大する意志がある場合は、早めに手続きを行うのがおすすめです。

キッチンカーの開業届に関する注意点

開業届を出すことで得られるメリット・デメリットがありますが、ここでは開業届に関しての注意点を確認しておきましょう。

開業届の控えを取っておく

銀行口座の作成や小規模企業共済への加入などの際に、開業届の控えの提出を求められることがあります。そのため、申請の際には必ず忘れないようにしておきましょう。原本をあらかじめコピーしておかないと控えをもらえない場合があるため、注意が必要です。

  • 窓口:原本と一緒にコピーを持っていくと受領印を押してもらえる
  • 郵送:開業届のコピーと返信用封筒を同封して送ると返送される
  • オンライン:受信通知と申請データが控えの代わりになる

オンラインで申請後、書面で開業届の控えの提出を求められた場合は、e-Taxシステムから受信した受信通知を印刷したものを提出しましょう。

青色申告を希望するなら青色申告承認申請書の提出が必要

開業届の提出の際に、合わせて青色申告承認申請書を提出することで、確定申告で青色申告が可能になります。申請書は税務署の窓口や国税庁のWebサイトから入手可能です。

申請書の提出には期限があり、それを過ぎると自動的に白色申告をすることとなります。期限は原則として、確定申告をする年の3月15日までです。1月16日以降に事業を始めた場合は、その日から2ヵ月以内に申請書を出す必要があるためご注意ください。

失業手当をもらえなくなる可能性がある

失業した状態で開業を検討している方は、開業届を提出するタイミングに注意が必要です。失業手当の受給期間中に開業届を出すと、失業手当を受け取る条件の1つである「求職状態」を満たせず、受給資格を失う可能性があります。

あくまで次の仕事が見つかるまでの間の生活をサポートするための制度のため、事業を始める場合はタイミングに注意しましょう。

キッチンカーの開業届に関するよくある質問

キッチンカーの開業届に関して、よくある質問を解説していきます。

開業から2ヵ月過ぎたけど青色申告できる?

上記の注意点で解説しましたが、原則として事業を始めた日から2ヵ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しなければ青色申告はできません。そのため、過ぎてしまった場合は開業した次の年から青色申告が可能になります。

開業届を出してから2ヵ月過ぎたけど青色申告できる?例外も解説

売上がなくても開業届は出した方がいい?

キッチンカーを営業し始めてもすぐは売上が発生しない場合がありますが、その場合でも開業届は提出しましょう。開業届を出していれば、個人事業主として対象になる助成金や補助金などの給付金を受けることができます。

開業届は事業を始めた旨を税務署に報告するための書類のため、売上や事業の状態に関わらず、提出を行いましょう。

開業や節税・確定申告にお悩みの方は税理士に相談も

今回の記事では、キッチンカーの開業届について詳しく解説しました。キッチンカーを営業するには開業届の提出が必要です。

提出しなくても罰則はありませんが、開業届を提出することで受けられる様々なメリットがありますし、節税効果の高い青色申告を希望する場合は、申請期限があるため注意が必要です。

事業を始めたばかりの時は様々な手続きで忙しいですが、相談窓口などもうまく活用しながら準備をすすめましょう。青色申告の帳簿付けや、節税に関する専門的な知識が必要な場合は、税理士に相談することで良いアドバイスがもらえるでしょう。

節税対策や確定申告などのお困りごとやご相談があれば、「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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