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青色申告の控除額の違いとは?どの控除額を選ぶべきかポイントも解説

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青色申告の控除額の違いとは?どの控除額を選ぶべきかポイントも解説

青色申告は、個人事業主やフリーランスの方にとって重要な税制優遇制度です。正確な帳簿管理や条件を満たすことで大きな節税効果を得られる一方、複雑なルールや控除額の違いに戸惑う方も多いのではないでしょうか。本記事では、青色申告の基本から控除額ごとの特徴や選び方まで、分かりやすく解説します。青色申告に興味がある方や適切な控除額を知りたい方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひご覧ください。

青色申告とは?

青色申告は、個人事業主やフリーランスが利用できる税制優遇制度で、正確な帳簿管理を行うことを条件に、青色申告特別控除などを受けられる仕組みです。控除額が大きくなるほど節税効果が期待できるため、多くの事業者がこの制度を活用しています。

また青色申告は、白色申告と比較して多くのメリットがあり、例えば赤字の繰越控除や家族への給与が経費として計上できる点は、事業の安定性を高める大きな助けとなるでしょう。一方で、条件や手続きに少し手間がかかるため、計画的な準備が必要です。

青色申告のメリットや白色申告との違いについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

青色申告のメリット5つ|デメリットや適用をおすすめできる人とは?

白色申告すべきサラリーマンとは?必要なケース・必要ないケースを解説

控除額の種類とその背景

青色申告の控除額には「65万円」「55万円」「10万円」の3つがあり、それぞれ適用条件が異なります。この制度は、納税者が正確な帳簿管理を行い、税務に積極的に対応することを促すために設けられました。

最も節税効果が高い65万円控除は、高度な帳簿管理スキルが求められる一方、最も節税効果が低い10万円控除は、比較的緩やかな帳簿管理条件となっています。これにより、事業の規模や状況に応じて事業者が適切な控除を選択できる仕組みになっています。

この仕組みは、税務署が申告内容の正確性を確保しやすくなると同時に、納税者も節税の恩恵を受けられるため、両者にとってメリットがあると言えるでしょう。

青色申告控除額ごとの特徴と違い

青色申告の「65万円控除」「55万円控除」「10万円控除」の3つの控除額における特徴と違いを解説します。

65万円控除

青色申告の中で最も節税効果が高い控除が65万円控除です。

この控除を受けるためには、複式簿記による正確な記帳が求められるほか、e-Taxを利用した電子申告または優良な電子帳簿の保存が必須条件となります。また、必要書類として貸借対照表と損益計算書を作成し、確定申告時に提出してください。

この控除は、事業規模がある程度大きく、帳簿管理が正確に行える事業者に向いています。また、節税効果が大きい分、記帳や申告の準備に手間がかかるため、計画的に取り組むことが重要でしょう。

55万円控除

55万円控除は、65万円控除と同様に複式簿記での記帳が必要で、貸借対照表と損益計算書の作成・提出も求められます。ただし、e-Taxによる電子申告や優良な電子帳簿の保存が難しい場合でも、紙での申告が認められる点が特徴です。

要件が65万円控除よりも緩やかであるため、電子申告に対応できない事業者や、IT環境が整っていない事業者に適しているでしょう。紙申告が可能な点で手間が軽減されるものの、節税効果は65万円控除に比べてやや低い点を理解しておいてください。

10万円控除

青色申告の中で最も節税効果が低い控除が10万円控除です。

10万円控除は、単式簿記での記帳が認められるため、青色申告の中では最も簡易的に利用できる控除です。また、電子申告の必要がないため、初めて青色申告を行う方や、小規模事業者にとって利用しやすい制度と言えるでしょう。

必要書類としては損益計算書のみが求められ、貸借対照表の作成や提出は不要です。複式簿記や電子申告に対応する時間的・技術的余裕がない事業者が節税を始める第一歩として最適な選択肢と言えます。

しかし、節税効果は65万円控除や55万円控除よりも限定的であるため、事業規模が拡大した際にはステップアップの検討をおすすめします。

自分に適した青色申告控除額を選ぶための3つのポイント

個人事業主と起業の違いに関するイメージ

青色申告を行う際、控除額の選択は事業規模や管理能力に応じて慎重に行う必要があります。以下の3つのポイントを参考に、自分に最適な控除額を選択してください。

  1. 事業規模と帳簿管理能力の把握
  2. 電子申告や帳簿保存の対応状況
  3. 専門家に相談するタイミング

1. 事業規模と帳簿管理能力の把握

控除額を選ぶ際は、まず自身の事業規模と帳簿管理能力を客観的に把握することが重要です。収益規模が大きい場合や、取引が多岐にわたる場合は、複式簿記を用いて正確に帳簿を管理する必要があり、65万円控除が適しているでしょう。

一方、収益規模が小さく、取引も比較的単純な場合には、10万円控除が現実的な選択肢となる場合があります。事業の状況に応じて、無理のない範囲で最適な控除額を選択しましょう。

2. 電子申告や帳簿保存の対応状況

電子申告や帳簿の長期保存に対応できるかどうかも、控除額の選択に大きく影響します。65万円控除を受けるにはe-Taxを利用した電子申告が必須ですが、これが難しい場合は55万円控除が現実的な選択肢となります。

特にIT設備やスキルが不足している場合には、紙申告が可能な55万円控除か10万円控除が選択肢となります。自身の環境やスキルを確認し、それに見合った控除額を選択しましょう。

3. 専門家に相談するタイミング

複雑な税務処理や控除額の条件に迷った場合、税理士など専門家への相談を検討しましょう。税務のプロフェッショナルからアドバイスを受けることで、正確な帳簿管理の方法や控除条件を効率的に満たすためのポイントを把握できます。

また、適切な控除額を選ぶだけでなく、税務調査への備えも含めた総合的なサポートを受けられるため、安心して青色申告を進められます。迷った際は、全て自力で行うのではなく、専門家の力を借りることも視野に入れておきましょう。

控除額以外の青色申告のメリット

白色申告・青色申告イメージ

青色申告は、控除額による節税効果だけでなく、事業運営をサポートするさまざまなメリットがありますので、いくつかご紹介します。

  • 赤字の繰越控除で将来の税負担を軽減
  • 家族への給与を経費として計上できる
  • 正確な帳簿管理で資金繰りの改善が可能

赤字の繰越控除で将来の税負担を軽減

青色申告では、事業所得などが赤字になった場合、その損失を最大3年間繰り越し、将来の黒字と相殺することができます。この仕組みにより、翌年以降の所得税額を軽減し、事業の収益が安定するまでの税務リスクを大幅に軽減できるでしょう。

特に、新規開業者や不安定な収益状況にある事業者にとって、損失の繰越控除は資金的な余裕を生み出す重要な制度です。このメリットを最大限に活かすためには、正確な帳簿管理が欠かせません。

家族への給与を経費として計上できる

青色申告では、「青色事業専従者給与」という制度を利用して、事業を手伝う配偶者や家族に支払う給与を経費として計上することが認められています。この制度により、課税所得を減らし、結果として節税効果を得られます。

ただし、給与額が適正であることや、家族が専従者として実際に事業に従事している事実を証明する必要があるため、事前に仕事内容や給与額を計画的に設定し、税務調査に備えた書類を準備しておきましょう。

正確な帳簿管理で資金繰りの改善が可能

青色申告では、正確な帳簿管理が求められるため、日々の収支や経費を詳細に把握する習慣が身につきます。この習慣により、無駄な支出を抑え、事業の収益性を向上させることに繋がります。

また、金融機関から融資を受ける際には、信頼性の高い帳簿が助けとなり、有利な条件で資金調達を行うことも可能でしょう。正確な帳簿管理は、節税だけでなく、事業運営全般を効率化し、成長を後押しする要素となります。

青色申告の流れ

青色申告をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが重要です。青色申告のプロセスを以下5つのステップに分けて解説します。

ステップ

内容

1. 事前準備

青色申告承認申請書を提出し、帳簿を用意

2. 日々の記帳

収支や経費を帳簿に記録

3. 決算書類の作成

損益計算書や貸借対照表を作成

4. 確定申告書の作成

必要な情報をもとに確定申告書を作成

5. 申告と提出

e-Taxまたは税務署窓口で書類を提出

必要な書類については以下の関連記事を確認してください。

青色申告特別控除の「65万円控除」の条件とは?

ステップ1: 事前準備

青色申告を始めるには、まず税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。新規開業の場合は、開業日から2か月以内、それ以外の場合は申告年度の3月15日までに提出してください。

同時に、記帳のための帳簿を用意し、自分の事業に適した記帳方法(複式簿記または単式簿記)を選択します。記帳方法の選択は、控除額にも影響するため慎重に検討しましょう。

ステップ2: 日々の記帳

青色申告では、日々の収支や経費を帳簿に記録していくことが求められます。複式簿記の場合は、取引ごとに借方と貸方の両方を記録する必要があり、正確な記帳が欠かせません。一方、単式簿記は簡易的な記録で済むため、小規模事業者に適しています。

正確な記帳は、後の決算書類作成や申告手続きのスムーズな進行に繋がります。

ステップ3: 決算書類の作成

年度末には、損益計算書と貸借対照表を作成します。特に、65万円または55万円控除を受ける場合は、この2つの書類が必須です。

正確な記帳データが整っていれば、これらの書類は会計ソフトを利用することで簡単に作成できるでしょう。これらの書類は税務署への提出が義務付けられているため、間違いのないよう注意してください。

ステップ4: 確定申告書の作成

損益計算書や貸借対照表の情報をもとに確定申告書を作成します。

申告書作成時のミスを防ぐためには、専用ソフトや税理士のサポートを活用すると安心でしょう。特に初めて申告を行う場合や、大規模な事業を運営している場合には、専門家の助けを借りることでスムーズに作業を進められます。

ステップ5: 申告と提出

完成した申告書類は、e-Taxを利用して電子申告するか、税務署の窓口で提出します。

青色申告の確定申告書の提出期限は、通常毎年3月15日までです。ただし、3月15日が土日祝日に当たる場合は、その翌営業日が期限となります。期限を過ぎてしまうと、青色申告特別控除を受けられなくなる可能性があるため、計画的に準備を進めましょう。

確定申告の詳細な流れについては、以下の関連記事を確認してください。

【税理士監修】確定申告のやり方ガイド!いつからいつまでの収入?郵送のケースや必要書類・マイナンバーカードについて

青色申告で控除額選びにお悩みの方は専門家に相談

青色申告で適切な控除額を選ぶためには、自身の事業規模や税務の状況を正確に把握することが重要です。しかし、条件が複雑な場合や初めて申告を行う場合、専門家のサポートを受けることで安心して進められるでしょう。

小谷野税理士法人では、青色申告に関する豊富な知識と経験を持つ専門家が、あなたに最適な控除額の選び方や申告手続きのサポートを提供します。まずはお気軽に小谷野税理士法人にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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