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銀行融資の担保のありなしでは何が違う?特徴や種類を徹底解説!

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銀行融資の担保のありなしでは何が違う?特徴や種類を徹底解説!

銀行融資を受けるとき、担保ありと無担保では借り入れできる金額や返済期間、借り入れのしやすさなどの面で異なるのが特徴です。融資を受けるときはそれぞれの特徴を正しく把握しておくと、納得の行く結果に結びつけられます。今回は、担保あり融資と無担保融資の特徴とメリット・デメリット、担保にできないものなどを解説します。最後まで読めば、銀行融資の担保に関する疑問点を解消できるでしょう。

銀行の担保あり融資とは

家と借金

銀行の担保あり融資とは、借入金の返済をできなくなった場合に備え、不動産などの担保を提供する融資を示します。担保は人的担保と物的担保にわけられ、一般的に担保とは物的担保を指す傾向にあります。

融資を受けるときに担保ありにすると、より多くの金額を借り入れできたり、返済期間を長く設定しやすくなったりするのが特徴です。

一方で、事業所や家、設備などを失うと事業活動や生活などに大きな支障をきたすリスクがあります。

不動産を持っていない事業者の場合、売掛債権担保融資(ABL)を担保として利用できるケースがあります。機械設備や商品在庫、原材料、売掛債権などを担保にする融資で、一般的には所有権利のみ移転し、利用権利は失いません。

自治体によっては事業資金の借り入れ制度を設けているので、うまく活用するとよいでしょう。例えば、東京都の場合は、以下の通り「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」があります。

東京都の融資制度

活用できる資産

制度のポイント

東京都動産・債権担保融資(ABL)制度

  • 機械設備:車両・建設機械・工作機械など
  • 再生可能エネルギー発電設備:太陽光発電設備など
  • 売掛債権:売掛金、受取手形など
  • 在庫:商品、製品、原材料など
  • 1企業あたり最大で2億5,000万円借り入れできる
  • 機械設備を担保:7年以内or15年以内の借り入れができる
  • 売掛債権・在庫担保:1年以内の借り入れができる
  • 借り入れに必要な保証料や、評価費用などの一部を都に負担してもらえる

自治体の融資制度を受けられれば、さまざまなメリットを得られます。民間の金融機関に問い合わせる前に、まずは住んでいる地域の自治体の融資制度をチェックするのが望ましいです。

参考:「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」東京都産業労働局

銀行の無担保融資とは

銀行の無担保融資とは、事業者の信用や返済能力などによって審査決定するもので、担保がないのが特徴です。無担保融資を実施しているのは、具体的に以下の金融機関です。

  • 信用保証協会:直接融資を受けられるわけではないものの、融資を受けやすくなるようサポートしてもらえる公的機関
  • 日本政策金融公庫:政府系の金融機関で、「創業融資」を無担保で利用できる

それぞれの特徴は、以下の表にまとめました。

信用保証協会の信用保証協会制度融資

  • 無担保の事業者が融資を受けるとき、市区町村の信用保証協会に公的な保証人となってもらえる
  • 9割以上の融資が無担保で利用できる
  • 借入金額や保証料率、借入期間、返済方法によって保証料が決まる
  • 融資先に対して代位弁済(肩代わりで返済)してもらった場合は、信用保証協会に返済すればよい

日本政策金融公庫

【創業融資】

  • 無担保・無保証人で融資を受けられる制度
  • 新たに事業を始めたり事業開始から2期終了していない事業者は各融資制度を無担保・無保証人で利用できる※利率を一律で0.65%(雇用拡大目的:0.9%)引き下げてもらえる
  • 長期返済計画に対応:設備資金・20年以内、運転資金・10年以内

信用保証協会制度融資や創業融資を利用する場合、借りやすかったり金利が低かったりするのがメリットです。民間の金融機関でも無担保融資を受けられるケースがあるものの、まずは上記制度の利用を検討するとよいでしょう。

参考:「創業融資のご案内」日本政策金融公庫

参考:「初めての融資と信用保証」全国信用保証協会連合会

関連記事:「​​無利子・無担保での融資(ゼロゼロ融資)とは?いつまで利用できるのか・期間の延長はあるのかなど解説!」

銀行融資の担保の種類と特徴

銀行融資の担保は人的担保と物的担保にわけられ、それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 人的担保:契約者本人以外の第三者を担保にすることで、民法上の保証を意味するもの
  • 物的担保:債務不履行になった場合、提供した物品の売却代金によって債権を回収するもの

人的担保と物的担保の種類と特徴は、具体的に以下の表の通りです。

人的担保

  • 連帯保証:債務不履行時に保証人が代わりに責任を負うこと
  • 根保証:債権を特定せずに、全体的に保証すること
  • 単純保証:連帯保証や根保証に該当しないもの

物的担保

  • 抵当権:住宅ローンなどを利用するとき、購入する土地や建物を担保に設定する
  • 質権:動産や権利などに設定されるもので、返済できないときは換金によって債務が回収される
  • 先取特権:特定の債権を持つ方が、優先弁済権を得られる
  • 留置権:債権の支払い完了まで、債権者の動産や不動産などを留置できる
  • 譲渡担保:債権確保のために、債権者などの財産権を債権者に一旦譲り渡す

人的担保の場合、担保する人の信用などによって影響されることから、銀行にとってはリスクが高いといえます。

一方、物的担保においては物の価値が一定である限り、担保としての役割を果たせるのが特徴です。一般的には、人的担保よりも物的担保の方が重要視される傾向にあります。

関連記事:「法人が融資を受けるときには保証人が必要?連帯保証人にならない方法とは」

銀行融資で担保にできないもの

銀行融資では担保にしにくいものが決められており、具体的には以下の通りです。

  • 有価証券
  • 一部不動産

銀行によって異なるものの、有価証券を担保にできないケースがあります。不動産担保に比べると価値の変動性が高く、株価の下落によって価値がゼロになるリスクがあるためです。

2010年に日本航空が事実上倒産するなど、東証一部の企業であっても安定した経営は難しいのが現状だといえます。有価証券を担保とする融資は銀行にとってリスクが高く、避けたいと考える傾向にあります。

不動産も同様で、以下の条件を満たす場合は担保にできない可能性が高いです。

  • 管理や建て替えが制限されるもの:農地や再建築不可物件、市街化調整区域内の物件など
  • 自由に売買できないもの:代物弁済予約がある物件や、買戻特約付きの売買契約がある物件

代物弁済予約とは、他の金融機関の借り入れ時に、担保としてすでに契約している物件を示します。

一方、買戻特約付きの売買契約とは、契約後でも売り主の判断によって不動産を買い戻せる契約を示します。銀行側の行動が制限されたりリスクがあったりするものは、担保にできない可能性が高いです。

銀行の担保あり融資のメリットとデメリット

親子間の賃借における税務のイメージ

​銀行の担保あり融資にはメリットとデメリットの両方があり、それぞれ詳しく知っておくのがポイントです。担保あり融資のメリットとデメリットについて、詳しくは以下の表の通りです。

メリット

  • 無担保融資よりも多くの金額を借り入れしやすい:評価額に応じて各金融機関で決定される
  • 低金利で融資を受けられ、毎月の返済額を抑えられる:不動産担保の場合、金利の相場は1%から10%程度である
  • 信用情報が十分ではない場合でも、大口の融資を受けられる可能性がある:担保によって信頼性の不足部分を補ってもらえる
  • 借入期間を長く設定しやすく、ゆとりを持って返済できる:不動産担保の場合最長で30年程度融資を受けられる

デメリット

  • 不動産や機械などの場合、資産価値を評価するため、資金調達までに時間がかかる:目安として1週間から1ヵ月程度かかる
  • 希望金額に満たないケースがある:提供資産の評価額によって融資の金額が決まる
  • 不動産の場合、登記手続きの費用が発生する可能性がある:不動産の価値によって一定の割合を支払う必要がある
  • 事務手数料が高額になる傾向にある:不動産担保の場合、2%から3%程度手数料として支払う可能性がある
  • 自宅を担保に入れた場合、住まいを失うリスクがある:無担保ローンに比べ、リスクがあるケースもある

担保あり融資のデメリットは、融資を受けられるまでに時間や労力がかかったり、手数料が発生したりすることです。返済できない場合、担保として設定した物件や設備などを失うリスクがあり、慎重な判断が求められるでしょう。

一方で、信用情報が不足している場合でも、大口の融資や長期間の融資を受けられる可能性があります。開業して間もない事業者も、担保あり融資によって恩恵を受けられるケースがあるでしょう。

無担保融資のメリットとデメリット

無担保融資も同様に、メリットとデメリットの両方があります。無担保融資のメリットとデメリットについて、詳しくは以下の表の通りです。

メリット

  • 資金調達までに時間がかからない:最短で当日融資を受けられる
  • 担保や保証人がいらない:不動産を失ったり保証人に迷惑をかけたりするリスクがない
  • 手続きが簡単:担保設定の手続きがなく、時間や労力を節約できる
  • WEBで完結できる:申込みから借り入れ、返済までインターネット上で完結できるケースがある

デメリット

  • 金額に上限がある:希望する金額を借り入れできない可能性がある
  • 適用条件が厳しく設定されている:金融機関の審査に通らないと融資を受けられない
  • 金利が高い:一般的なカードローンの場合、金利の目安は最大20%程度である

無担保融資の場合、融資を受けるための審査の条件が厳しくなったり、金利が高くなったりする点がデメリットとしてあげられます。

銀行にとってリスクがある取引になることから、担保あり融資に比べると不利な条件になりやすいといえます。

一方で、無担保融資を利用する場合、審査に時間がかからなかったり、手続きに時間や手間がかかりにくい点がメリットです。すぐにまとまったお金を必要とする事業者の場合は特に、無担保融資の利用にメリットを感じられるでしょう。

資金繰りに関する相談は税理士へ

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銀行融資の担保ありとなしの違いや、それぞれのメリットとデメリット、担保の種類、担保にできないものについて解説しました。銀行の融資を受けるとき、担保のありなしによって、負うリスクや返済の負担などが異なります。

どちらを利用するのが適しているのかは、事業者の置かれている業界や状況などによります。借り入れのリスクを不安に思ったり手続きに関して不明な点がある場合、銀行員のほかに税理士を頼るとよいでしょう。

融資を始めとする資金繰りに関してのお困り事やご相談は、ぜひ実績ある「小谷野税理士法人」までお気軽にご相談ください。

関連記事:「赤字決算の資金調達方法は?融資のデメリットとメリットを解説!

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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