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開業届の提出タイミングはいつがベスト?期限や出さないデメリットを解説!

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開業届の提出タイミングはいつがベスト?期限や出さないデメリットを解説!

個人事業主としてビジネスを開始する際、開業届を提出することで税務上のメリットや事業の信用度を高められます。しかし、開業届はいつ提出すればいいのでしょうか?この記事では、個人事業主が開業届を出すタイミングについて、分かりやすく解説します。個人事業主として開業を目指している人や、すでに事業を始めた人、開業届を出さないまま期間が空いてしまった人など、開業届の提出時期について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

開業届とは

休業届けの手続きに関するイメージ

開業届とは、個人事業主としてビジネスを始めたことを税務署に届け出ることをいいます。開業届は、開業日から1ヶ月以内に提出することが推奨されていますが、それより早く出しても問題ありません。また、開業届を出さなくても罰金や罰則等はありません。しかし、開業届を出すことには、さまざまなメリットがあります。

開業届を出すことで得られるメリット

開業届を出すことで、以下のメリットが得られます。

  • 青色申告特別控除が使用できる

青色申告とは、個人事業主が自分で経理を行い、収支を明確にすることをいいます。青色申告をするには、開業届とともに「青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、所得税の計算で65万円の特別控除が受けられます。これは、白色申告と比べて、大きな差があります。

  • 開業していることの公的証明になる

個人事業主には、法人のように登記をすることができません。そのため、個人事業主として事業を営んでいることを客観的に証明することは難しいと言えます。しかし、開業届を提出することにより「個人事業主として開業をしている」ことの公的な証明となります。

  • 屋号で銀行口座を開設できる

開業届の控えを持っていれば、屋号で銀行口座を開設することが可能です。屋号での銀行口座を持つと、ビジネスの収支管理がしやすくなりますし、取引先からの信頼度アップも期待できます。

  • 個人名義で事業資金融資を受けられる

開業届を提出していれば、個人名義で低金利の事業資金融資を受けられます。事業資金融資とは、銀行や信用金庫などの金融機関から、事業の運営に必要な資金を借りることをいいます。事業資金融資は、法人のみならず、個人事業主でも借り入れが可能です。ただし、事業計画書や収支予測書などの書類が必要で、銀行や信用金庫の審査に通らなければなりません。

  • 補助金・助成金等の申請に必要になることも

補助金や助成金などの公的な支援制度の申請に、開業届の提出が必要になることもあります。補助金や助成金とは、国や地方自治体などが、事業の立ち上げや拡大に必要な費用の一部を支援することをいいます。補助金や助成金の申請には、開業届のほか、事業内容や目的、効果などを示す書類が必要です。

関連記事:【税理士監修】開業届とは?書き方や必要書類、提出方法までの完全ガイド

開業届のタイミングはいつがベスト?

開業届を出すタイミングは「1ヶ月以内がベスト」と言われていますが「この日を過ぎたら提出できない」という明確な期日はありません。そのため、開業届を出すタイミングが曖昧で、いつ出せばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、開業届を提出するタイミングについて、解説します。

開業届の提出は開業日から1ヶ月以内がベスト

所得税法第229条では、事業開始日から1ヶ月以内に開業届を提出することが義務付けられています。

(開業等の届出)

第二百二十九条 居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

引用:e-Gov法令検索|所得税法 第二百二十九条 開業等の届出

開業届を1ヶ月以内に提出することで、事業の正式なスタートを税務署に認知してもらい、今後の事業運営におけるさまざまな手続きがスムーズに進むでしょう。

開業届を提出することは、事業主としての社会的な責任を果たす行為であり、税務上のメリットを享受するための第一歩でもあります。

売上がゼロや赤字でも出した方がいい?

事業を開始してもすぐに売上が発生しない場合や、赤字が出ている場合でも、開業届を提出することが推奨されます。

開業届と青色申告承認申請書を提出することで、青色申告控除や給与の経費計上、赤字の繰り越しなど、税務上のメリットを享受することが可能です。これらのメリットは、事業の初期段階で資金繰りが厳しい時に特に重要であり、将来的な税金の負担を軽減できます。

開業届を出し忘れたらどうなる?

開業届は開業日から1ヶ月以内に提出するのがベストですが、開業届の提出を忘れてしまった場合でも、提出することが可能です。しかし、開業届を提出しなくても罰則がないとはいえ、開業届は事業をはじめてから1ヶ月以内に出すことが所得税法で定められています。

また、青色申告承認申請書は開業から2ヶ月以内に提出しないと、初年度の青色申告ができません。青色申告承認申請書だけを提出する人も多いですが、開業届を提出しないと原則として青色申告はできない点にも注意が必要です。

新規開業と同時に青色申告承認申請書を出す場合は、開業時期によって提出期限が次のように変わります。

  • 1月1日~1月15日に開業した場合:3月15日までに提出
  • 1月16日以降に開業した場合・開業から2ヶ月以内に提出

青色申告を行うことで税務上の大きなメリットを得られるため、開業したら開業届と青色申告承認申請書の提出はできるだけ早めに行うことが望ましいでしょう。

開業日の決め方は自由

開業日は自由に設定できます。縁起の良い日や思い入れのある日を選ぶことも可能ですが、開業日によって経理処理に影響が出ることもあるため、注意が必要です。

開業届の提出は、事業の成功に向けての第一歩です。適切なタイミングでの提出が、事業運営の基盤を固める上で非常に重要となります。

関連記事:開業届を出してから2ヵ月過ぎたけど青色申告できる?例外も解説

自分に合ったタイミングで開業届を提出するポイント

出資比率のイメージ

独立してビジネスを始める際、開業届の提出は重要な手続きの一つです。しかし、開業届を提出するタイミングは個人の裁量に任されている部分も多く、そのタイミングを見極めることは意外と難しいもの。ここからは、個人事業主の方が自分に合ったタイミングで開業届を提出するポイントを解説します。

開業届を提出するデメリットもある

開業届を提出することでさまざまなメリットが得られる一方、提出することによるデメリットもあります。開業届を提出するタイミングを迷っている方は、メリットと合わせてデメリットについても確認した上で判断するようにしましょう。

開業届を出すことで、具体的には以下の問題が生じる可能性があります。

  • 失業保険が受けられなくなる

会社を辞めて事業を始めた場合、開業届を出すと失業保険の給付資格を失います。たとえ収入がなくても、個人事業主として公的に認定されると、失業者とは見なされなくなるためです。

  • 扶養から外される可能性がある

健康保険の規約で開業者を扶養から外す場合があります。事業を始めて開業届を出したら、収入が130万円未満でも扶養家族として認められないことがあります。

開業届を提出しないと補助金や助成金の申請ができなくなるなどのデメリットもありますが、提出するメリット・デメリット、提出しないメリット・デメリットを確認しておくことが重要です。

副業ではなく本業になったタイミングで提出

副業として始めたビジネスが本業になったら、開業届を提出するタイミングです。本業としての収入が安定し、事業を拡大する意志がある場合は、早めに手続きを行うことが推奨されます。副業から本業への移行を考える際のポイントは以下の通りです。

  • 収入の安定

副業から得られる収入が本業を上回るようになったら、本業としての事業登録を考えた方がいいでしょう。安定した収入は、事業の持続可能性を示す重要な指標となります。

  • 事業の拡大

事業を拡大し、新たなサービスや商品を市場に投入する計画がある場合は、開業届の提出が推奨されます。これにより、個人事業主としての社会的信用を得ることが期待できます。

  • 専業への意志

副業から本業への移行は、そのビジネスに対するコミットメントを示すものです。専業としての事業に全力を注ぐ意志がある場合は、開業届を提出することが望ましいです。

売上が少なくても提出した方が良い

少額でも事業を行っているなら、開業届を提出することが大切です。売上が少ない場合でも開業届を提出するべき理由は以下の通りです。

  • 正式な事業主としての認識

たとえ売上が少なくても、開業届を提出することで、税務署に正式な事業主として認識されます。これにより、将来的に事業が拡大した際にもスムーズに手続きを進められるでしょう。

  • 税務上のメリット

開業届とともに青色申告承認申請書を提出することで、税務上のさまざまなメリットを享受することが可能です。たとえば、必要経費の計上や税金の控除などが挙げられます。

  • 事業の正当性

事業を行っていることを公的に証明するためにも、開業届は重要です。これにより、取引先や顧客からの信頼を得ることが期待できます。

関連記事:個人事業主と起業の違いは?メリットや手続き、税金の違いも解説

初期費用が多い場合は開業日を早めに設定しよう

初期投資が多額になるビジネスの場合、開業日を早めに設定することで、税金の控除や経費計上を有利に進めることが期待できます。計画的に開業届を提出し、税務上のメリットを最大限に活用しましょう。

初期費用が多い場合の開業日設定のポイントは以下の通りです。

  • 税金の控除

多額の初期投資を行った場合、開業日を早めに設定することで、その年度の税金から控除を受けられます。これにより、事業の初期段階での負担を軽減することが可能です。

  • 経費計上のタイミング

初期投資に関連する経費を、事業開始日から計上できます。これにより、税務上の経費として認められる範囲を広げられます。

  • 資金繰りの計画

開業日を早めに設定することで、資金繰りの計画を立てやすくなります。事業計画に沿って、効率的な資金運用を行うことが重要です。

初期費用が少ない場合は開業日を遅めに設定しよう

初期費用が少ないビジネスの場合は、開業日を遅めに設定することで、必要な準備期間を確保し、事業計画を練り直す時間を持てます。また、市場の動向を見極めながら、より良いスタートを切るための戦略を立てることが可能です。

以下に、初期費用が少ない場合の開業日設定の具体的なメリットを挙げます。

  • 準備期間の確保

開業日を遅らせることで、事業計画の精度を高めるための準備期間を十分に確保できます。この期間を利用して、市場調査を徹底的に行い、ビジネスプランを練り直すことも可能です。

  • 資金調達の機会

開業日を後ろにずらすことで、必要な資金を調達するための時間が増えます。クラウドファンディングや投資家からの資金調達など、さまざまな方法で資金を集められるようになります。

  • 市場の変化への対応

市場は常に変化しています。開業日を遅らせることで、最新の市場動向や消費者のニーズに合わせて、ビジネスモデルを調整する柔軟性を持てるでしょう。

開業届の入手方法と作成のコツ

インボイスの経過措置のイメージ

ここからは、開業届の入手方法と作成時のコツについて解説します。開業届をどこで入手すれば良いのかわからない方や、作成方法に疑問がある方は参考にしてみてください。

開業届は税務署やホームページから入手できる

開業届は、最寄りの税務署で直接受け取れます。また、国税庁のホームページからもダウンロードして印刷することが可能です。国税庁のホームページでは、書き方も提供されているため、それを参考にしながら正確に記入しましょう。

参考:国税庁|A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

開業届はスマホでも提出可能

スマートフォンを使用して開業届を提出することも可能です。国税庁の電子申告・納税システム(e-Tax)を利用すると、オンラインで簡単に提出が完了します。e-Taxの利用には、マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンとマイナンバーカードが必要です。

開業届の作成の流れ

開業届の作成には、以下のステップを踏みます。

1.必要事項の確認

開業届には、事業の内容・開業日・事業所の所在地など、必要な情報を記入します。

2.書類の準備

開業届の他に、必要に応じて青色申告承認申請書や消費税の課税事業者選択届出書も準備します。

3.提出

書類が揃ったら、税務署に直接提出するか、e-Taxでオンライン提出します。

開業届の書き方について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。

関連記事:個人事業主の入門編!青色申告とは?メリットと手続き方法をわかりやすく解説

開業届の作成に手間がかかる場合は代行サービスを利用しよう

開業届の作成が難しいと感じる場合は、専門の代行サービスを利用するのも一つの方法です。これらのサービスは有料のものが多いですが、書類作成の手間を省き、時間を節約できます。

個人事業主として開業をするなら税理士のサポートを受けよう

開業届は、新たなビジネスを始める際の重要なステップです。この記事では、開業届の基本から、最適な提出タイミング、さらには提出方法と作成のコツまでを詳しく解説しました。

しかし、開業届の提出だけでは不十分な場合もあります。税務に関する複雑な問題や、事業の拡大に伴う法的な課題など、専門的な知識が必要な状況も多々あります。そうした時、税理士のアドバイスが有効です。

開業届の提出は、事業の第一歩です。ビジネスを成功に導くためには、税理士と共に、適切な税務管理と戦略的なビジネスプランニングが不可欠です。今後のビジネス展開に向けて、税理士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。私たち「小谷野税理士法人」が全力でサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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