会社の清算とは、法人が業務を停止して会社を解散し、所有資産・負債を処分するための法的手続きのことです。会社解散や清算の手続きは複雑で、各企業の状況に応じて、税務上の手続きや法的な義務もこなさなければなりません。迅速かつ適切に手続きを進めるためには、事前の準備がポイントになります。本記事では、中小企業向けの会社の清算方法や費用に関する内容について詳しく解説をします。
目次
会社(法人)の清算とは
会社の清算とは、資産と負債を整理して法人を処分させる手続きのことをいいます。企業の経営者や法人を運営する個人にとって避けられない手続きになります。
清算手続きには債務整理、資産の売却、最終決算報告が含まれ、法務局への解散登記や税務署への申告も必要です。各手続きには時間だけではなく費用もかかるため、あらかじめ段取りをする必要があります。
会社(法人)の清算では「清算決了登記」の手続きが必要
会社の解散を行う中小企業の経営者や法人は、「清算結了登記の手続き」が必要です。清算結了登記は、清算が終わった後に行う最終ステップです。これにより法的に解散が認められ、すべての債務が清算されたことを証明します。
清算結了登記を行うと、会社の登記・法人格は消滅し、ふたたび復活はできなくなります。この手続きを適切に進めないと、法的リスクや無駄な費用が発生する可能性があります。
清算結了登記にかかる費用や具体的な手続きの流れは複雑ですから、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
会社(法人)の解散から清算結了までの流れ
会社を解散する際は、まず解散登記を行った後で清算手続きを開始します。具体的な流れについて見ていきましょう。
会社の解散
会社を正式に解散するには解散手続きが必要です。まずは株主総会で解散を決議することが第一歩です。解散決議では特別決議として、全株主の2/3以上の賛成を得なければなりません。
その後、法務局にて解散登記を行います。会社の解散登記には、定款、株主総会議事録、解散登記申請書、印鑑証明書が必要です。登記後に債権者に解散の通知を送ることで、会社の法的な解散状態が確定します。
また、解散に伴う清算業務も重要です。会社が解散したら2週間以内に解散の登記を行い、清算人と代表清算人を選んで登記を行います。
会社解散に関する手続きには専門知識が必要なため、法律の専門家に相談することも視野に入れましょう。
財産の調査及び債務者の把握
解散決議や清算人の登記が終わると、財産の調査及び債務者の把握をします。財産の調査では、会社の全資産を正確に把握し、債務者の数や額を確認することでトラブルを未然に防止します。
財産の清算
解散決議の成立後は財産の清算を行います。具体的には、会社の財産を整理し、負債の支払いを終えて残余財産を株主に分配するのです。
税務署や市町村役場への届出も忘れず行います。最終的な清算結了登記を完了させることで、正式な解散手続きは終了です。
財産の清算手続きには費用や期間が必要なため、事前に十分な情報収集と準備をしておきましょう。
関連記事:会社の解散手順は?手続きや清算期間、流れについて紹介
法人の解散にかかる費用
法人を解散する際、経営者は具体的にどのような費用が発生するのかを把握しておきましょう。必要費用をすべて見積もることで、現実的な予算計画を立てやすくなり、法人解散の経済的リスクを最小限に抑えられます。
登録免許税
法人の解散登記を行う際に必要なのが登録免許税として約3万円程度かかります。法人の解散を法務局に申請するための必須の費用になります。
また、解散登記の他にも清算人の就任登記に9,000円程度の登録免許税もかかります。
専門家への依頼費用
法人の解散手続きには複雑な法的手順が多く含まれます。企業運営の経験がある経営者でも、手早く解散手続きを進めるためには、専門家の助けを借りた方がよいケースもあるでしょう。弁護士や税理士、司法書士に依頼する際の費用についても把握しておきましょう。
例えば、弁護士に依頼する場合は一般的に数10万円から数100万円程度が相場です。税理士の費用は業務内容によって変動しますが、解散手続き全体で数10万円程度が目安になります。弁護士費用は事案の複雑さや地域によりますが、手続き費用に加えて相談・アドバイスなども費用に含まれるため、通常は数10万円が相場です。
会社の清算まとめ
中小企業の経営者や法人が会社を解散する際に、会社の清算は避けて通ることはできません。会社の清算には、本記事で解説しました解散手続き以外にも税務申告や官報公告も忘れずに行うことがポイントです。
会社の清算にあたっては複雑で、専門知識や費用・時間がかかります。会社の解散を検討する際は、まずは弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。