税務署から突然電話が掛かってきたら焦りますよね。税務署からの電話は、まず詐欺ではないか確認してください。詐欺でなければ、税務署職員の指示通りに真摯に対応することが重要です。税務署からの電話の内容は、確定申告の確認や、税務調査の事前連絡であることが多いです。この記事では「なぜ税務署から電話が来るのか」「税務署からの電話にどう対応したらいいのか」を解説します。
目次
本当に税務署からの電話?「還付金」「アンケート」は詐欺
税務署の職員から電話が来たら、以下の3点を最初に確認して一旦電話を切ってください。
- 税務署名と所属部署
- 氏名
- 電話番号
その後、管轄の税務署に自分から電話し直して、電話を掛けた職員が実在するか確かめましょう。
税務署の職員を名乗る詐欺があります。特に、還付金やアンケートに関する内容は詐欺を疑ってください。
税務署は、還付金の受け取りや納付のために口座振込を求めることはありません。また、電話によるアンケートで個人情報を聞くこともありません。
なぜ税務署から電話?確定申告の確認などが主な理由
税務署が電話を掛けてくる理由は様々ですが、中でも主流なケースを4つ紹介します。
- 確定申告の確認
- 税金の納付確認
- 税務調査の事前連絡
- 取引先の反面調査
確定申告の確認
確定申告に不備がある場合、税務署から確認の電話が来ることがあります。これは「お尋ね」とも呼ばれます。
例えば、申告の際に添付すべき書類が不足している場合や、記入ミスがある場合、申告漏れがある場合などです。
税務署のお尋ねの確率とは?いつ来るのか・時期や内容・無視した場合のリスクなどについて解説!
税金の納付確認
税金の納付状況を確認するために、税務署から電話が来ることがあります。例えば、残高不足で口座振替での納付ができなかった場合や、未納の税金がある場合などです。
税務調査の事前連絡
税務署が税務調査を行う前に、税務署から電話が来ることがあります。電話では、調査の日程や訪問場所、調査対象となる期間などが伝えられます。
税務調査とは、税務署などが納税者の申告内容を帳簿などで確認する調査です。誤りがあった場合は修正を求められたり、ペナルティを支払うよう指示されたりします。税務調査は任意と言われますが、実際には協力する義務があります。
関連記事:税務調査とは?どこまで・何を調べる?流れや個人・法人の対応方法などについて詳しく解説
取引先の反面調査
反面調査とは、税務調査の一環として、税務署が納税者の取引先に対して行う調査のことです。自分の取引先が税務調査を受けている際、税務署から電話が来ることがあります。
関連記事:税務署の反面調査とは?反面調査を最小限にする方法も解説
税務署からの電話に、折り返しは必要?基本的な対応方法
ここでは、税務署から電話が来た時の基本的な対応方法を解説します。
無視や放置はNG:留守電機能が無ければ折り返し電話をする
税務署からの電話が取れなかった時、留守電サービスを設定している場合はメッセージが残っていることがあります。内容を聞き、必要があれば折り返しましょう。
留守電が無い場合は、不在着信が残ります。税務署からの電話は代表の電話番号から掛かってきます。その番号に折り返し、音声案内に従って担当者に接続してください。
折り返しには電話代が掛かりますが、無視や放置はおすすめしません。無視した場合、状況次第では税務署職員が自宅や職場へ突然訪問してくることもあります。
メモを用意:相手の連絡先や調査対象を記録する
税務署の職員と話す際は、必ず内容をメモしましょう。必要書類や日程など、多くの重要事項を聞いただけで覚えるのは困難です。メモできる状態でなければ、相手の所属や名前だけ聞き、後で折り返しましょう。
最低限、以下の情報をメモしてください。
まず確認する情報 |
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確定申告や納付状況の確認だったら |
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税務調査の事前連絡だったら |
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税金関連は、聞き慣れない言葉も多くあります。内容が分かりづらい時や聞き取りづらい時は、遠慮なく聞き直して正確な情報を把握しましょう。
税務調査は日程調整が可能:税理士とも調整する
税務調査の日程は調整できます。自分の都合を考慮し、無理のない日程を提案してください。
税理士がいない場合、税務に詳しくない方は、税理士に相談するのがおすすめです。税理士は税務調査の対応に慣れているため、適切なアドバイスでペナルティを最小限にできます。
よくある質問
サラリーマンなのに税務署から電話が来た。なぜ?
税務署がサラリーマンに電話を掛ける理由として代表的なものを、以下にまとめました。
電話の理由 | 内容の一例 |
確定申告や控除の確認 | ・医療費控除や住宅ローン控除などの不備 ・不動産売買や副業などで所得がある場合、その申告が正確に行われているかの確認 |
所得税の還付金に関する通知 | 還付金取得に関する確認や案内 (還付金を口座振り込みで求めることはありません) |
納税の確認 | 納税通知や督促の連絡 |
個人情報の確認 | 住所変更など個人情報の更新が必要な場合、その確認や案内のための連絡 (すでに提出した内容をもとに確認することはあっても、新たな個人情報を電話で聞き出すことはありません) |
個人事業主だが、税務署からの電話はどんな要件が多い?
税務署が個人事業主に電話する理由は、確定申告の確認や税務調査の事前連絡が大半です。以下に、個人事業主にとって参考になる関連記事を紹介します。
税務調査は個人事業主も対象になる?疑われやすい人の特徴や対処法を解説
個人事業主で税務調査が入る金額の目安と確率は?どれだけ遡って調べられる?
税務署からの電話を無視するとどうなる?
税務署からの電話を無視もしくは放置すると、予告なく税務調査が実施される可能性があります。その場合、税務署の職員が自宅や事務所を突然訪問してきます。
税務調査で指摘されてから不備を修正すると、電話を受けた段階で不備を修正していた場合と比べて、ペナルティが大きくなるケースがあります。
税務署から電話が来たら税理士に相談を
この記事では、税務署から電話が来る理由と、電話が来た時の対応方法を解説しました。
税務署からの電話は、誰にとっても嫌なものです。しかし、まずは落ち着いて対応しましょう。相手の所属や連絡先など、必要な情報のメモを忘れず行ってください。
電話の内容が確定申告の修正であろうと、税務調査であろうと、自分の小さなミスで大きなペナルティが科せられるケースがあります。被害を最小限にしたい方は、税理士にフォローを依頼しましょう。