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会社設立の基礎知識

休業届の手続き|タイミングや書き方、確定申告の対応

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休業届の手続き|タイミングや書き方、確定申告の対応

企業にとって経済的な変化や環境面の変化は、休業(休眠)を検討するきっかけとなることがあります。休業とは一時的な事業停止であり、法的、税務的手続きを伴います。本記事では、休業(休眠)の意味、必要な手続き、及び考慮すべき点について詳しく解説します。

そもそも会社の休業(休眠)とは

休業届けの手続きに関するイメージ

会社が一時的に事業活動を止めることを休業または休眠と呼びます。経済的な理由や天災、経営戦略の見直しにより、一定期間、事業を継続することが困難もしくは不要と判断された場合に行われます

休業状態の会社は基本的に収益を上げる活動を停止するため、従業員に対する給与の支払いや商品・サービスの提供が途絶えることになるのです。しかし、企業が一方的に休業の判断を下すことはできません。休業を決定する際には、株主や関係者に対してその状況と理由を適切に通知する必要があります。

また、会社の休業とは、事業活動を一時的に停止することを指します。休業は廃業や精算と異なり、将来的に事業を再開することが前提です。

対照的に、廃業は事業活動の完全な終了を意味し、事業が再開される可能性はありません。精算は、会社が解散した後に資産と負債を清算することです。なお、廃業や精算は、事業が再開される意図がなく、会社がその法的存在を終了させることを意味します。

会社の休業届が必要なケース

休業届けの手続きに関するイメージ

企業活動の中で、さまざまな事情により会社の休業を決定することがあります。そんな状況で必要な手続きが、休業届の提出です。この休業届は、従業員を守るためだけでなく、諸手続きを円滑に行うためにも重要です。

たとえば、自然災害や緊急事態の宣言が出された際、または経営難による一時的な事業の中止、あるいはリニューアルのための長期間の事業停止などにおいて、会社側は休業届を出すことが必要です。

その他にも、広範な事業構造の再構築や経営の方針変更による一時的な業務停止時にも、休業届の提出は欠かせません。休業届は、公的機関に対する手続きのみならず、会社と従業員、そして取引先や顧客に対する情報の共有という意味でも、必要な手続きです。

会社を休業させる際に必要な手続き

休業届けの手続きに関するイメージ

一時的な状況から休業することを決断した際、いくつか必要な手続きがあります。特に、税務関連の書類や社会保険の調整といった、時間に厳格な作業が多くあります。休業に伴う手続きは、後になるほど複雑かつ手間がかかりますから、事前にしっかりと計画を立てる必要があるでしょう。ここでは、休業にあたって欠かせない手続きについて詳しく解説します。

税務署への手続き

会社を休業する際には、まず休業届けの提出、税務上の影響の説明などの税務署への手続きが求められます。税務署への手続きは、休業の事実を通知するだけではなく、今後の税金処理への対応も含まれています。

具体的には、休業を決めた日から1か月以内に休業届を提出することが必要です。休業届は、異動届出書に休業する旨を記載します。

また、税務署には給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書の提出も必要で、廃止の欄の休業のところにチェックを入れて提出します。

さらに、確定申告に関しては、休業に先立つ期間の収支に関する最終申告を提出します。正確な収入や損益の情報を整え、税務署へ提出することにより、休業期間中の税金の処理や今後の経営再開に備えた税務計画をスムーズに進められます。

市区町村役場への手続き

続いて必要になるのが、市区町村役場への手続きです。主に、住民税や事業所税に関わる変更届を提出しなければなりません。事業の規模にもよりますが、市区町村により課税が変わるため、異動届出書に休業する旨を記載し、休業の事実をきちんと届け出ておくことが必要です。

住民税や事業所税は、基本的に事業活動があった期間に対して計算されるため、休業期間中は各税金が減少するかもしれません。ただし、事業用の不動産を持つ場合には、固定資産税などの納税義務が継続するため、忘れずに確認しておきましょう。

都道府県税事務所への手続き

都道府県税事務所に対する手続きも異動届出書に休業する旨を記載し、休業の事実を届け出ることが必要です。自動車税や不動産取得税など、都道府県独自の税金についての手続きが主となります。さらに、休業することで従業員を解雇する場合は、雇用調整助成金に関する相談も必要でしょう。都道府県によっては様々な補助制度が設けられていることもありますので、休業前にどのような支援を受けられるかを、しっかりリサーチしておくことが大切です。

労働基準監督署への手続き

労働問題に関連する手続きとして、労働保険確定保険料申告書など、労働基準監督署への届け出があります。休業期間が長期に及ぶ場合、従業員に対する休業手当の支払いや、解雇予告など、適切な法的措置を講じることが必要です。

また、労働法に基づく適正な手続きを怠ると、将来的に不利益を被ることも考えられるため、法律的なアドバイスを受けた上での行動が求められます。

年金事務所への手続き

休業によって従業員が退職する形となった場合、健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届、資格喪失届など、年金事務所への届け出が必要です。国民年金や厚生年金の手続きに関して、正確な情報を提供し、従業員の年金権利を守ることが大事です。

また、会社が休業する場合でも、会社の側で支払いの必要がある保険料があるかどうか、確認・清算を行います。

ハローワークへの手続き

雇用保険適用事業所廃止届、資格喪失届など、ハローワークへの届け出も欠かせません。休業や事業縮小に伴い、職を失う従業員に対して失業保険の申請を手助けするためにも、事業主として適切な手続きを進めるべきです。従業員が円滑に新たな就職先を見つけられるよう、支援する立場を貫くことが、社会的責任とも言えるでしょう。

会社の休業中に必要な手続きとは

休業届けの手続きに関するイメージ

会社を一時的に休業する場合、ただ単に業務を停止するだけでなく、法的な手続きを踏まえることが必要です。ここからは、会社の休業中に必要な手続きについて解説します。

税務申告

会社休業の際には、税務申告は重要な手続きのひとつです。特に、確定申告においては、休業する前年度の商業活動を反映した所得を正しく申告しなければなりません。休業を決定したら、速やかに税務署に連絡を取り、申告期限内に全ての必要書類を提出する必要があります。

また、休業中の税務申告の要否や方法についても税務署や税理士の指導を仰ぎ、適切に対応することが大切です。法人税は、収益がない場合には納税義務が生じませんが、地方の法人税である均等割については納税が求められることがあります。

ただし、企業が休業している状況においては、自治体によっては均等割の支払いが免除される可能性があるため、具体的な状況は各自治体に確認が必要です。また、青色申告制度を利用している企業は、収益がない場合でも、2年連続で税務申告を怠ると、青色申告の資格を失うリスクがあるため注意が必要です。

地方の法人税である均等割や青色申告制度ついてもきちんと理解し、予期せぬトラブルを避けましょう。

「休業(休眠)の手続きについて相談したいけれど、どこに相談したら良いかわからない」「顧問税理士がいない」という方は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。

役員変更登記

休業中であっても、会社の役員に変更が生じた場合は、その事実を法務局へと届け出ることが必要です。役員変更登記は、会社法に基づく手続きであり、登記がされないとその役員の任命は法的な効力を持たないことになりかねません

休業中に新しい役員が就任したり、既存の役員が退任するなど、役員に関わる変更があった場合は、すみやかに法務局に登記しましょう。また、この登記には期限が設けられているため、変更があったことを知った時点から2週間以内に手続きを完了させることが法律で定められています。

適切な手続きを行うためには、変更後の役員状況を示す議事録や登記に必要な書類を事前に準備しておきましょう。

会社の休業における注意点

一時的に事業を休むとしても、法的な責務や、税務上の義務が伴います。適切な手続きや申告を怠ると想定外のペナルティを受ける可能性があります。ここでは、どのようなことに気を付ければ良いのか解説していきます。

休業中も固定資産税が課される

会社が休業状態にあるとしても、固定資産税の支払いは必要です。たとえ不動産を利用していない期間があっても、固定資産として登録されていれば税金はかかります。税額はその資産の所在する自治体によって異なるため、各自の所在地の役所で確認しておきましょう。

休業中でも会社の情報に変更があれば申告が必要

会社が休業している間でも、会社に変更があれば適切な申告が必要です。たとえば、役員の変更や住所の変更などが発生した場合、これらの情報は法人登記に関連しています。そのため、その都度登記を行うことが必要です。

また、会社の事業内容に変化があった場合なども、更新の手続きが必須です。休業の期間が予定よりも長くなる可能性がある場合は、定款の変更が求められることもありますので、法的なアドバイスを得ながら適切に対応しましょう。

最後の登記から12年経過すると見なし解散の対象になる

休業をしている法人は、最後の登記から12年が経過すると「見なし解散」となる可能性があります。これは日本の商法に基づくもので、実質的な事業活動がない法人に対して、一定期間の経過をもって自動的に解散させる制度です。

この期間内に事業再開の兆しがない場合、法人は登記された権利義務を失い、清算手続きに移行しなければなりません。したがって、長期にわたって休業する際には、このルールを念頭に置いておくことが重要です。計画的に休業から復帰する場合や解散を避けるための措置を講じる必要が生じるかもしれません。

休業届けについて正しく理解しよう

休業を考える際は、正しい手続きを理解し実行することが大切です。休業届の提出は法的義務であり、税務署、市区町村役場、都道府県税事務所、労働基準監督署、年金事務所、ハローワーク等の関連公的機関に必要に応じて行わなければなりません。とはいえ、会社の休業には、多くの法的手続きと税務上の義務があります。手続きを正確に理解し、適切に進めていくのは大変な作業でしょう。

私たち小谷野税理士法人税は、長年の経験を持ち豊富な知識を備え、スムーズな休業プロセスを確保します。専門家として企業ごとに適切にアドバイスを行うため、安心して休業へと進めやすくなります。

「休業(休眠)の手続きについて相談したいけれど、どの税理士に相談したら良いかわからない」「顧問税理士がいない」という方は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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