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会社設立の基礎知識

公務員でも起業できる?在職中に起業する方法や退職して独立するポイントを解説!

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公務員でも起業できる?在職中に起業する方法や退職して独立するポイントを解説!

公務員は安定した職業であると言われていますが、収入に不満を感じる人も多く、独立して起業しようと考える方も少なくありません。また、許可を得て副業するケースや、条件を満たして在職中に起業するケースもあります。この記事では、公務員が起業するためのポイントや成功事例をご紹介します。

公務員の現状と課題から見る起業志向

公務員による企業のイメージ

公務員として働くことは、安定した収入や福利厚生の面で魅力的な選択肢です。しかし、最近では公務員における現状や課題について注目が集まっています。その中で、起業を検討する人が増えている理由について考えてみましょう。

公務員から独立起業するケースが増えている

公務員は、国や地方自治体の行政機関で働くことが一般的です。安定した雇用や給与体系、キャリアアップの機会があり、多くの人々にとって魅力的な職業でしょう。しかし、給与や待遇の面では、民間企業と比べるとやや低いという声もあり、転職や独立を考える人も少なくありません。

また、公務員は官僚的な組織文化や縦割り行政の問題に直面しています。意思決定の遅さや煩雑な手続き、上下関係の厳しさなどが、働きにくさやモチベーションの低下につながることもあります。公務員の仕事は社会的な責任が伴うため、ストレスや負担も大きいと言えるでしょう。

公務員が起業するメリット

公務員の方にとって、起業することにはさまざまなメリットがあります。具体的には以下の通りです。

自己実現の機会が得られる

公務員では、組織のルールや制約に縛られることが多いですが、起業することで自分のアイデアやビジョンを実現しやすくなります。自分の意思で事業を展開し、成果を収めることで、自己成長や達成感を得られるでしょう。

収入アップのチャンスがある

公務員の給与は一定の基準に基づいて決まるため、昇給やボーナスの幅が限られています。一方、起業することで、自分の努力次第で収入を増やすことも期待できます。仮に公務員を辞めて起業し、成功すれば、公務員時代以上の収入を得ることも可能です。

働き方の自由度が高まる

公務員は、基本的には定時勤務や休暇制度が整っていますが、一方で働き方の自由度は制約されています。起業することで、自分の時間や場所を自由に選べるでしょう。自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるのは、起業の魅力の一つです。

ただし、起業にはリスクも伴いますので、慎重に準備を進めることが重要です。公務員と起業の選択肢を比較し、自身の将来や目標に合った道を見極めなければなりません。

公務員は副業もNG?

公務員による企業のイメージ

公務員にとって、副業は一般的な会社員とは異なる扱いを受けます。職務の公正性と専念を確保するため、法律によって厳しく制限されているのです。しかし、その一方で、社会の変化に伴い、副業が許可されるケースも増えてきています。

公務員の副業は原則禁止

日本では、公務員の副業は原則として禁止されています。これは、公務員が職務に専念し、公正かつ効率的な行政運営を確保するためです。具体的には、国家公務員法と地方公務員法によって規定されています。

国家公務員法

  • 第103条:国家公務員は、営利を目的とする企業や団体の職を兼ねること、自ら営利企業を営むことが禁じられています。
  • 第104条:国家公務員が報酬を得て兼業を行う場合、内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可が必要です。

地方公務員法

  • 第38条:地方公務員も、許可を受けなければ営利を目的とする企業や団体の職を兼ねたり、自ら営利企業を営んだりすることはできません。

公務員が無許可で副業を行った場合は処分の対象となり、免職・停職・減給・戒告などの処分が科される可能性があります。具体的な処分事例として、無許可での営利活動や勤務時間中の副業の執筆作業などが報告されています。許可を得ていないのであれば、副業はやめましょう。

公務員の副業に関する規制は、公務員がその職務に専念し、公共の利益を最優先する原則に基づいています。しかし、社会の変化や公務員のニーズに応じて、自治体によっては副業に関する規制の緩和や許可基準の明確化が進んでいる傾向にあります。

参考:8.国家公務員法(昭和22年法律第120号)-抄-|文部科学省

参考:10.地方公務員法(昭和25年法律第261号) -抄-|文部科学省

公務員が副業してはいけない理由

公務員の副業が禁止されている理由は、いくつかあります。まず、公務員は公共の利益を守るための仕事です。そのため、副業によって公的な立場に影響を及ぼす可能性があることが問題とされているのです。

また、公務員は税金などの公共の資金を管理・運用している立場にあります。副業によって得た収入が公的な立場に影響を及ぼすことで、公正な判断や行動が難しくなる可能性があるため、副業が禁止されています。

さらに、公務員は公共の利益を守るために業務に専念する必要があります。副業をしていると、本業に対する集中力や能力が分散される可能性があり、副業によって公務員の仕事に対するモチベーションが低下することもあるかもしれません。これらの理由から、公務員の副業は禁止されているのです。

公務員の副業が認められる場合

原則として禁止されているものの、特定の条件下で副業が許可されることがあります。例えば以下のケースが挙げられます。

  • 不動産投資:

公務員が不動産投資を行う場合、決められた基準内であれば問題ありません。ただし、不動産の管理は自分で行わず、委託会社に任せる必要があります。

  • 投資/資産運用:

投資活動は副業とはみなされず、公務員も許可なく行えます。株式の売買で利益を得た場合、確定申告は必要ですが、運用自体に制限はありません。

  • 小規模農業:

自給目的でない小規模な農業は、公務員が許可なく行えます。ただし、作物を販売する場合は営利目的とみなされ、副業として扱われます。

  • 家業の手伝い:

実家で農業や飲食店を営んでいる場合、家業の手伝いとして副業が可能です。ただし、上司や職場の許可が必要で、本業に集中できなくなると禁止される可能性があります。

  • 社会貢献活動:

NPO活動など、公益性のある活動は許可を得ていれば公務員でも可能です。これには、地域活性化や障がい者支援などが該当します。

  • 教育活動:

教育分野での活動も許可されることがあります。例えば、無料学習塾の講師としての活動が認められた事例があります。

これらの例は、公務の遂行に支障が生じないこと・職務の公正を確保できること・職務の品位を損ねないことが必要です。

公務員の副業に関する規制は、公務員としての信用や職務専念、守秘義務の観点から設けられています。しかし、社会の変化や公務員のニーズに応じて、副業に関する規制の緩和や許可基準の明確化が進んでいる傾向にあります。

公務員を続けながら起業する方法はある?

公務員による企業のイメージ

法律上の制約により、公務員は副業が原則禁止とされています。しかし、限定的ではあるものの、以下の方法であれば起業が可能です。

公務員としての職に就いたまま起業するには、以下の方法が考えられます。

  • 所属先の許可を得る
  • 非営利企業として報酬を受け取らない
  • 家族を役員にする

公務員が自らの名義で会社を設立する場合、所属する組織から許可を得る必要があります。許可を得るためには、業種や業務内容、勤務先のルール、上司の考え方などを考慮し、提案を行うことが重要です。

例えば、地域社会の活性化を目指すNPO法人を設立した場合、公務員としての経験を活かして活動できます。この場合、所属先の許可が必要になることが多いです。

また、一般社団法人を設立し、教育や文化などの振興に関わる活動を行うことも一つの方法です。こちらも所属先の許可を取りましょう。

さらに、家族名義で会社を設立し、自身は役員に名を連ねずに運営に関わる方法もあります。ただし、家族が経営に関わることで、公務員としての職務との間に利益相反が生じる可能性があります。また、公務員本人が直接関与していないとしても、家族が経営する企業との関係が公になった場合、信用問題が生じるリスクがある点に注意が必要です。

公務員が起業する際には、職務の公正性や専念義務を損なわないような配慮が重要です。また、所属先の許可を得ることや、設立後の運営においても、公務員としての立場を考慮した行動が求められます。

さらに、起業を成功させるためには、公務員特有の制約を理解し、それに適した方法の選択が不可欠です。

公務員を辞めて独立起業する際のポイント

公務員の職に就きながら起業する方法には制約があります。そのため、個人事業主や、法人として会社設立を検討する場合、公務員を辞める選択を迫られるでしょう。安定性の高い公務員を辞めるからには、企業で失敗しないために、以下のポイントを押さえましょう。

経験を活かす

公務員としての経験は、起業において貴重なものです。公務員として培ったスキルや知識を活かし、自分のビジネスに生かすことは、事業の差別化を図る上でも有利に働くでしょう。

例えば、公務員としての経験から得た法律や規制に関する知識は、ビジネスの運営において役立つと考えられます。公務員から独立起業し、コンサルタントや司法書士などの職につくケースも多いです。

ビジネスプランの作成

独立起業する際には、しっかりとしたビジネスプランの作成が必要です。将来のビジョン・目標・戦略・財務計画などを明確にしましょう。

起業は簡単なことではなく、予期せぬ事態に遭遇する可能性もあります。思うように営業活動が成功しなかったり、取引先とトラブルを起こしたりするなど、公務員として在職中には経験しなかったような問題も想定しておく必要があります。

また、ビジネスプランは起業資金の調達やビジネスの運営においても重要です。作成にあたっては、税理士などの専門家のサポートを受けることも有効です。

ネットワークの活用

起業を成功させるためには、公務員としての経験を活かした広い人脈を持つことも有効です。公務員としてのつながりや関係性を活用し、ビジネスにつなげられれば、成功への道も開けるでしょう。

また、起業家やビジネス関係者との交流を積極的に行い、新たなビジネスチャンスを見つけることも大切です。

リスク管理の徹底

起業には、リスクがつきものです。公務員としての安定した収入を捨て、不確定な未来に飛び込む覚悟が求められます。

あらかじめリスクを想定しておくことで、失敗を最小限に抑えることにつながります。事前にリスクを洗い出し、対策を立てることが重要です。失敗に対する柔軟性を持ち、失敗から学びながらビジネスを進めましょう。

公務員から起業して成功した事例

公務員による企業のイメージ

ここからは、公務員から独立起業して成功した事例として、以下の3つのケースをご紹介します。起業を検討している公務員の方は、ぜひ参考にしてください。

ふるさと納税担当者だった黒瀬さんの事例

元公務員であり、長崎県平戸市役所職員として勤務していた 黒瀬啓介さんは、ふるさと納税の担当に就任後、わずか 3年で「寄附金額日本一」を達成しました。その後、株式会社トラストバンクへ出向を経て平戸市役所に戻るも、2019年3月に退職し、フリーランスとして独立しました。現在は東京を拠点に活動しています。

黒瀬さんは、独立後も公務員の仕事を尊重し、将来は公務員に戻りたいと考えていることも明らかにしています。黒瀬さんの事例は、公務員として培った経験が、民間企業での成功に直結する可能性があることを示しています。

20年間の公務員生活から起業した角勝さんの事例

島根県出身の角さんは、1995年に大阪市役所に入庁し、税務課での勤務を経て、福祉局での多岐にわたる業務に従事しました。特に、2012年には大阪イノベーションハブの立ち上げを担当し、企業や起業家、自治体との幅広いネットワークを築き上げます。

その経験を活かし、2015年には20年間勤めた市役所を退職し、わずか9日後に株式会社フィラメントを設立。公務員として培った知識と人脈を駆使して、起業家としての第二のキャリアを成功させた角さんのストーリーは、多くの人にとって刺激となるでしょう。

元消防士から年商1,000万を超える起業家になった小藪さんの事例

元消防士の小藪宗博さんが公務員を辞めて起業家に転身し、わずか1年で年商1000万円を達成した背景には、彼の独自性あふれるビジネス戦略があります。

公務員としての安定した生活を捨て、未知の世界へと飛び込んだ彼は、消防士時代に培った危機管理能力と人命を救う強い使命感を活かし、独自のUSP(ユニーク・セリング・ポジション)を打ち出しました。

彼の事業は、人々の安全という社会的価値を提供することで差別化を図り、市場において独自の地位を築いたのです。その結果、起業後間もなくして多くの顧客の信頼を勝ち取り、成功へと導かれました。

公務員でも起業を成功させることは可能

公務員としての安定したキャリアを持ちながらも、起業への道を進むことは、多くの方にとって魅力的な選択です。この記事では、公務員の方が起業によって新たな可能性を開く方法を探りました。

公務員の立場からの独立は、計画的に、そして法的な枠組みの中で進める必要があります。起業をお考えの公務員の方や、起業に関しての専門的なアドバイスをお求めの方は、私たち「小谷野税理士法人」が全力でサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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