事業をするうえで、資金調達に関する悩みはつきものでしょう。返済不要な資金調達方法を利用すれば、リスクなく投資や運営資金として利用できます。利用に関して不明な点がある場合、プロの力を頼るのが賢明です。本記事では、返済不要な資金調達方法の特徴やメリットとデメリットを解説します。最後まで読めば、返済不要の資金調達方法に関する疑問点を解消できるでしょう。
目次
返済不要の資金調達方法はある
個人事業主や法人として事業を運営するときに、さまざまな方法で返済不要の資金調達ができます。条件を満たしたり時間や労力などをかけたりする必要はあるものの、事業を始めたり発展させたりするときに役立つでしょう。
お金があると余裕を持った企業運営を実現できたり、資金繰りで頭を悩ませにくくなったりします。資金調達方法について知ったあとは、実際に行動を起こすことがポイントです。「難しそう」だと感じると、やる前から諦めたくなるかも知れません。
条件や流れをリサーチしたうえで、利用するのか検討するとよいでしょう。以下の表の通り、個人事業主と法人とでは利用できる資金調達の方法が異なります。
資金調達方法 | 個人事業主 | 法人 |
クラウドファンディング | ◯ | ◯ |
補助金・助成金 | ◯ | ◯ |
ファクタリング | ◯ | ◯ |
出資 | ☓ | ◯ |
株式発行 | ☓ | ◯ |
事業譲渡 | ◯ | ◯ |
個人事業主として事業をしている場合は、利用できる資金調達方法が限られます。選択肢は限られるものの、個人事業主の方も資金調達できる可能性があります。
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返済不要の資金調達方法5つ
以下の通り、資金調達したあとで、返済しなくてもよいものは6つあります。
- クラウドファンディング
- 補助金・助成金
- ファクタリング
- 株式発行
- 事業譲渡
それぞれについて、ここから詳しく見ていきましょう。
クラウドファンディング
返済しなくてもよい資金調達方法の一つは、クラウドファンディングです。クラウドファンディングとは、インターネットのサイトを通して資金を募る方法で、現代ならではのものです。
2011年の東日本大震災をきっかけに、寄付型のクラウドファンディングが広まったとされています。クラウドファンディングのメリットとデメリットは、以下の表の通りです。
メリット | デメリット |
|
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リターンや手数料などの費用が発生する一方で、クラウドファンディングには多くのメリットもあります。資金を募る目的を明確にし、適切にアピールすることで、想像以上の金額を集められる可能性があるためです。
クラウドファンディングを通し、支援者との関係性を構築できたり、事業継続のモチベーションアップにつながったりする効果が期待できます。
クラウドファンディングには炎上するリスクもある一方で、拡散されると多くの資金調達が可能です。
補助金・助成金
返済不要の資金調達方法は補助金と助成金を活用することです。補助金・助成金とは国や地方公共団体などからもらえるお金で、条件を満たせばまとまった金額を受け取ることができます。
補助金と助成金の特徴は以下の通りです。
- 補助金:先着順や抽選などによって選ばれ、条件を満たしていても受給できないケースがある
- 助成金:条件を満たせば受給できる可能性は高い
助成金に比べると、補助金の方がタイミングや運などにも左右されやすいと言えます。補助金と助成金のメリットとデメリットについては、以下の表の表の通りです。
メリット | デメリット |
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申込から入金までに数カ月かかるケースがあるものの、社会的な信用を得られたり、得た資金を自由に使えたりと多くのメリットがあります。募集要項をチェックし、該当する場合は補助金と助成金の利用を検討するとよいでしょう。
ファクタリング
返済不要な資金調達法の一つはファクタリングです。ファクタリングとは、持っている売掛金を専門の業者に売ることで、資金を調達するのが特徴です。
違法ではないかと思う方がいるかも知れませんが、平成10年制定の「債権譲渡登記制度」によって利用が認められています。
以下の通り、ファクタリングは2つにわけられます。
- 2社間ファクタリング:専門の業者とのみやり取りをする
- 3社間ファクタリング:売掛先と専門の業者とやり取りをする
2社間ファクタリング、3社間ファクタリングにはそれぞれメリットとデメリットがあり、具体的には以下の表の通りです。
2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング | |
メリット |
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デメリット | 金融機関の融資に比べ、手数料が高い |
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メリットとデメリットを比較検討し、どちらのファクタリングを利用するか検討するのがポイントです。
貸金業法の対象外となることから、ファクタリングサービスの提供会社の中には、法外な手数料を請求してくるケースもあります。口コミや実績などをよくチェックしたうえで、ファクタリング会社を選ぶとよいでしょう。
株式発行
株式を発行し出資を受けると、返済しなくてもよい資金を調達できる可能性があります。出資とは、個人投資家やベンチャーキャピタルから資金を調達することで、会社の将来性などが判断材料となります。
- 個人投資家:これから事業を始める会社や、ベンチャー企業などを対象に投資する
- ベンチャーキャピタル:未上場企業を対象に投資する会社
投資家とベンチャーキャピタルから出資を受けるメリット・デメリットは、以下の表の通りです。
個人投資家 | ベンチャーキャピタル | |
メリット |
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デメリット |
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株式発行によって出資を受けることで、自己資本比率が上昇し、倒産しにくい会社だと社会的な評価を得られます。
出資相手によっては経営に過干渉してくるリスクがあるものの、有効なアドバイスを受けられる可能性があります。数字には表せられないメリットを得られることが、株式発行の魅力的なポイントの一つです。
事業譲渡
返済不要な資金調達の方法として選べるものの一つは、事業譲渡です。事業譲渡とは、事業全体か一部を他の会社に引き渡すことで、対価としてお金を得ることです。事業に含むものとして、会社を運営する権利やスタッフ、取引先などがあげられます。
事業譲渡のメリットとデメリットは、具体的に以下の表の通りです。
メリット | デメリット |
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事業譲渡をうまく活用することによって、会社の抱えるネガティブな面を一気に解消できる可能性があります。
メリットがある一方で、デメリットもあることから、慎重な判断が求められます。M&Aの専門会社や専門家などのサポートを受けるのも一つの方法です。
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返済不要な資金調達に関する相談も税理士へ
ここまで、返済不要の資金調達方法について解説してきました。事業を運営するにあたり、資金量は生命線とも言えます。
返済不要な資金を活用することで、資金ショートのリスクや精神的な負担などを抑えやすくなるでしょう。いずれにしても、メリットとデメリットがあり、それぞれの特徴をしっかりと理解しておくのがポイントです。
プロの力をかりたい場合、小谷野税理士法人を利用するのが一つの方法です。