0120-469-383平日 9:00~18:00 税理士に相談(相談無料)
会社設立の基礎知識

フリーランスの屋号とは?メリットや決めるポイントを解説

公開日:

フリーランスの屋号とは?メリットや決めるポイントを解説

企業が会社名を使うように、フリーランスも仕事で用いる本名以外の名称を使用できます。それが屋号です。本名の代わりに屋号を用いることで、フリーランスの仕事はどのように変わり、周囲にどんな影響を与えるのでしょう。また、屋号のつけ方で集客に変化はあるのでしょうか。ここでは屋号のメリットや、名称をつける際のポイントなどを説明します。

そもそも屋号とは?フリーランスに必要?

フリーランスの屋号のイメージ

屋号は、フリーランスや個人事業主が用いる事業名です。屋号は必ずつけたほうが良いのか、使う場面や名前をつけるタイミングなどを説明します。

屋号は便利な面もあるが必須ではない

フリーランスが屋号をつけなくてはならないという法律上の決まりはありません。屋号がなくても問題なく仕事を続けられます。

ただし、事務所や店舗を開いている場合など、仕事の内容次第では屋号を使ったほうが取引先からの信頼を得やすく、集客アップにつながる可能性があります。

その一方で、屋号の必要性が低い業種もあります。例えば、税理士・弁護士などの士業や、ライター・ITエンジニア・プログラマー・翻訳家といった自由業です。

士業や自由業の職業は、屋号を使わずとも肩書きで何の仕事をしているか相手につたわりやすいためです。

また、逆に屋号を複数持つことも可能です。フリーランスが異なる業種を2つ以上持っている場合は、それぞれの仕事ごとに屋号を使い分けられます。

屋号を使う場面とは

フリーランスが実際に屋号を使う場面としては、名刺を渡すとき、領収書・請求書・見積書・契約書を発行するときなどが挙げられますまた、確定申告書や開業届には屋号を記載する欄が設けられています。

開業届とは、フリーランスが個人事業主として開業したことを税務署に届け出るための書類です。開業届を提出したあとに青色申告承認申請書を提出すると、節税に有利な青色申告での確定申告を行えます。

屋号をつけるタイミング

屋号の使用は任意であり、名づけるタイミングは特に決められておらず、どの時点からでも使い始めてかまいません。

また、一旦名乗った屋号を変更する場合を含め、屋号を名づけた際の届出は不要です。

フリーランスが屋号を持つことのメリット

フリーランスの屋号のイメージ

屋号を持つかどうかは自由に選べますが、使っているほうがメリットを得られるケースもあります。屋号を持つとどのような場合に有利に働くかを説明します。

経理で仕事とプライベートとの区別を明確にできる

屋号を使うことで、本名を用いたプライベートでの支出と仕事の経費とを明確に分けられます。

例えば、領収書を受け取る際、仕事のための経費に屋号を、生活のための費用に本名を使えば、経理の際にはっきり区別できます。

将来的に個人事業主や会社設立を目指すときに便利

まず、フリーランスとして仕事を始め、将来的に個人事業の開業や会社設立につなげたいと考えている場合は、最初から屋号を使ったほうがフリーランスの段階から積み上げた実績をフルに活かせます

また、個人事業主として開業すれば、その屋号を使った屋号付き口座も開設できるため、取引先からの信頼度がさらに高まる可能性があります。

本名を使うメリットもある

業種によっては、本名を使い続けたほうがメリットを得られるケースもあります。例えば、弁護士・ITエンジニア・プログラマーなど、屋号ではなく肩書きで何の仕事かをアピールできる場合には、屋号をつけないほうが手間を軽減できます。

また、奇をてらった屋号を安易に名づけてしまうと、伝わりづらいだけでなくセンスがないと受けとめられ、返って取引先から信用を失う可能性があります。

次の項目で、フリーランスが屋号をつける際のポイントを説明しているので参考にしてみてください。

フリーランスの屋号をつけるときのポイント

フリーランスの屋号のイメージ

フリーランスとして屋号を使ったほうが便利ではあるものの、適した名称をなかなか選べない場合もあるのではないでしょうか。その場合は、次のようなポイントを参考にして決めましょう。

屋号で事業内容をアピールする

屋号を使うことで、本名だけでは分かりにくい事業の内容をアピール可能です。例えば、商品を制作しているのであれば○○工房、美容に関するお店なら○○サロン、デザイナーであれば○○デザインなどを屋号に使うと、業種が明確に伝わります。

また、事業内容がはっきりするだけでなく、その業種に仕事を依頼したい顧客の目にも屋号のほうが留まりやすいです。

長すぎず覚えやすいものにする

屋号は自由に名づけられますが、あまり長すぎると顧客に覚えてもらいにくいです。取引先などが書類に屋号を記入する際も、長いと書きにくいと思われてしまいます。

屋号をつける際はなるべく簡潔で覚えやすいものにしましょう。

ほかの個人事業や会社とかぶらないようにする

屋号を簡潔な名称にしたい場合であっても、もし、すでにほかのフリーランスや個人事業主が名乗っているようであれば、かぶらないほかのものを選びましょう。

似たような屋号だった場合、混同されるなどトラブルが生じかねません。また、全く同じ名称であれば、先に名乗っていたほうからなりすましなどの疑いをかけられるリスクがあります。

つけたい屋号がある場合は、その名称をほかのフリーランスや個人事業主がすでに名乗っていないかを事前に必ず調べましょう。

フリーランスが屋号にできる言葉・できない言葉

フリーランスの屋号のイメージ

フリーランスが屋号をつける際には、どんな文字や言葉を選んでも良いのでしょうか?屋号をつける際に使用できる文字や言葉と、その理由についてここでは説明しています。

屋号・雅号・商号の違い

屋号のような事業名のほかにも、本名以外を名乗る名称に雅号や商号があります。

雅号は、作家・画家の筆名(ペンネーム)や、歌手・俳優の芸名などを指します。事業名や店名などに用いられる屋号とは異なり、雅号は個人の別名として利用されています。

雅号は屋号と同じく任意であり、申請や届出が定められているものではありません。一方の商号は、屋号や雅号は異なる点が複数あります。

商号は任意で用いることのできる屋号や雅号とは違い、会社を設立する際の必須要項です。「○○株式会社」「△△合同会社」などが挙げられます。また、商号は法人登記が必要であるため、フリーランスや個人事業主は使うことができないという特徴を持っています。

屋号に使用できない文字

フリーランスや個人事業主の場合、屋号には使用できない文字などの制限は設けられていません。また、雅号についても同様です。

しかし、会社名となる商号には、登記に用いることのできる文字が定められています。

商号に使用できる文字は、漢字・カタカナ・ひらがなのほか、ローマ字の大文字・小文字、アラビア数字、そして一部の記号(符号)です。

その一部の記号とは、次の6つです。

  • &(アンパサンド)
  • ’(アポストロフィー)
  • ,(コンマ)
  • ‐(ハイフン)
  • .(ピリオド)
  • ・(中点)

商号に用いられる上記の記号は、文字と文字を区切る際にのみ使用可能です。そのため商号の先頭や末尾には使えません。

ただし、「.」(ピリオド)のみ、省略を意味する記号として商号の末尾に用いることが認められています。

将来的に会社設立を目指し、フリーランス時代の名乗りを活かしたいのであれば、商号を意識した屋号をつけましょう。

参考:法務省:商号にローマ字等を用いることについて

フリーランスが屋号にできる言葉

フリーランスの屋号には、目標や理念、地名や好きな単語などさまざまな言葉を使用可能です。また、その名称に事業内容を表す言葉を組み合わせると、より顧客にアピールできます。

例えば、店舗であれば○○商店、パンを作っていれば○○ベーカリー、事務系ならば○○オフィスなどが挙げられます。ほかにも、○○屋・○○堂・○○本舗・○○家・○○スタジオ・○○制作などの言葉を屋号に使用できます。

フリーランスが屋号にできない言葉

フリーランスや個人事業主は、屋号に○○会社や○○法人といった会社・企業などの法人を表す言葉は使えません。

また、○○銀行・○○証券・○○保険など、特定の業種に関わる名称をつけることも禁じられています。

屋号をほかのフリーランスや個人事業主、企業などが商標登録していた場合も、商標権を侵害する怖れがあるため使用するのはやめましょう。

屋号が商標として登録されているかどうかは、特許庁が紹介している特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索可能です。

参考:商標を検索してみましょう | 経済産業省 特許庁

事業の今後を考えるなら屋号についても税理士と相談を!

フリーランスの仕事が軌道に乗ると、その先の個人事業の開業や会社設立など、さらなる展開も視野に入ってくるのではないでしょうか。

屋号もその一環と考えると、将来を見据えた名称を選びたいところです。しかし、フリーランスから個人事業主、さらに会社設立と事業の形態を変えていくと、確定申告など特に税務の面には違いが現れます。

小谷野税理士法人では、フリーランスの屋号についての相談から会社設立まで、幅広いサポートをしています。

事業の今後やさらなる展開をお考えの際は、気軽にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

会社設立専門の税理士による
オンライン面談を実施中!

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

相談無料会社設立の相談をする 24時間受付中

税理士変更のご検討は
オンライン面談でもお受けします

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

税理士変更の相談をする 24時間受付中
オンライン面談