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【税理士監修】美術品で節税ができる?絵画やアートにおける税金対策

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【税理士監修】美術品で節税ができる?絵画やアートにおける税金対策

企業のエントランスやロビーを飾る美術品は、税金対策に利用できます。しかし、その事実は、まだ広く知られていません。とはいえ、単に美術品を購入すれば節税になるわけではないため注意が必要です。税制の対象となるためには、価格や確定申告などの条件をクリアする必要があります。この記事では、美術品の購入で実現できる節税について説明します。

美術品が節税になる理由

美術品における節税のイメージ

美術品は減価償却資産の対象であるため、事業経費として計上することで節税が可能です。企業の利益で美術品を購入すれば法人税を抑えられます。

また、節税になるだけでなく、企業・クリニックのロビーやフロアに絵画や彫刻などの美術品を飾れば、訪問者の目を楽しませることもできます。

美術品は美的な価値を持ちながらも、事業に有益な設備として活用されています。

美術品で節税する際のルール

美術品で節税するためには、その作品が減価償却資産の対象であるかどうかがポイントです。

減価償却とは、長期間に渡って使用する比較的に高額な資産の購入金額を、その資産ごとに設定された耐用年数に基づき、年ごとに分割して経費計上することです。減価償却として経費計上するためにも、美術品を購入した場合は次の2点を押さえておきましょう。

事業内で使用することが前提

企業が美術品を節税対策として購入した場合は、必ず事業内で使用しましょう。

会社のロビーやフロア、さらには応接室や会議室などに作品を展示する必要があります。展示することで設備として経費計上できます。ただ単に美術品を所有しているだけでは事業に活用していると認められないので注意しましょう。

期間が経過すると価値が下がると思われる美術品が該当

国税庁では減価償却資産として取り扱われる美術品を「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」と定義しています。その具体例として、次の事項を全て満たす美術品を挙げています。

  • ロビーやホールなど不特定多数の人が出入りする施設を装飾・展示する作品
  • 移設することが難しく、その用途だけに使われているもの
  • 仮にほかの用途に転用したとしても、設置状況や使用状況から美術品としての市場価値が見込まれないもの

これらの事項に全て該当していれば、それは時間経過によって価値の下がる減価償却の対象と見なされます。

参考:美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ|国税庁

美術品を経費計上する際の基準

美術品における節税のイメージ

節税のため美術品を減価償却資産の対象とするには、経費として計上する必要があります。美術品を経費計上するにあたって、具体的にどのような基準が設けられているのか説明します。

一括償却が可能な基準

会社で美術品を購入する場合、1点30万円未満であれば一括償却が可能です。

ただし、資産金が1億円以上の企業の場合は1点20万円未満の美術品が一括償却の対象とされます。

美術品を複数購入した際も、年度内の合計金額が300万円までであれば少額減価償却資産として経費計上できます。一括償却資産は減価償却に関わるルールの一種です。

一括償却資産では個別に減価償却を行うことなく、その年に一括で計上した償却資産の合計金額の3分の1を、美術品を使い始めてから3年間に渡り経費にできます。

参考:【確定申告書等作成コーナー】-一括償却資産とは|国税庁

減価償却が可能な基準

前述した通り、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」が、国税庁で減価償却資産の対象としている美術品の定義です。

こうしたことから美術品を転売しても利益を得られない場合には、減価償却の対象であると言えます。

絵画やアートにおける具体的な税金対策法

美術品における節税のイメージ

絵画やアートは、購入金額ごとに経費計上における扱いが変わります。そのため、それぞれの価格に適した税金対策が必要です。価格別に節税つながる具体的な方法を説明しましょう。

10万円未満の美術品は「消耗品費」として計上

消耗品費は税法に厳密な定義が定めらておらず、美術品を10万円未満で購入した場合は、この消耗品費としての経費計上が可能です。

消耗品費として経費計上できる美術品は、ほかに使用可能な期間が1年未満のものが挙げられます。

また、10万円未満の美術品は、年度内における上限が設定されていないため、無制限に経費として計上できます。

美術品を複数購入した場合も1点10万円以下ならば税務では「損金」になり、それぞれ消耗品費として扱われます。

損金とは、法人税の「課税所得」を導き出す際に「益金」(収益)から差し引かれるもので、会計上の費用に該当します。

20万円未満の美術品は「少額減価償却資産」or「一括償却資産」として計上

20万円未満の美術品を購入した場合、一括償却資産のほかに少額減価償却資産として経費計上する方法があります。

一括償却資産は前述した通り、1点20万円未満で購入した美術品をその年に一括で計上し、償却資産の合計3分の1を3年間にわたり経費とするものです。

また、この一括償却資産は、中小企業はもちろん全ての事業者が利用できるのが特徴です。

一方の少額減価償却資産には、計上するためには条件が存在します。少額減価償却資産については次の項目で詳しく説明します。

30万円未満の美術品は「少額減価償却資産」として計上

美術品の購入金額が30万円未満であれば、「少額減価償却資産」として経費にできます。少額減価償却資産は、その年度内において上限300万円まで一括での計上が可能です。

ただし、少額減価償却資産の適用には条件があります。確定申告を青色申告書で提出していることがまず1つです。

さらに、資本金か出資金が1億円以下であること、常時使用している従業員数が1,000人以下であることを満たしている場合に限り適用できます。

100万円未満の美術品は「減価償却資産」として計上

100万円未満の美術品を購入した場合は、減価償却資産として経費計上が可能です。ただし、美術品の耐用年数は各作品の材料や構造によって異なるため注意が必要です。

耐用年数とは、その美術品が何年にわたって役立つものなのか、減価償却資産を使用できる期間を指します。減価償却費を計算する際に欠かせない数値です。国税庁では美術品の耐用年数を次のように定めています。

  • 室内装飾品のうち主として金属製のもの:15年
  • 室内装飾品のうちその他のもの:8年

金属製の美術品としては彫刻などが該当します。金属製ではない美術品は、絵画・陶磁器、そして金属を材料としない彫刻などが当てはまります。

参考:美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ|国税庁

美術品でかしこく節税しよう

美術品における節税のイメージ

企業やクリニックのロビー・フロアに飾られている美術品からは、経営者のセンスや感性が伝わってきます。

経営者の気に入っている絵画や彫刻を会社に飾るのも良いですが、節税を意識することで、さらなるメリットを得られます。

しかし、美術品を節税に活かそうと思っても、予想以上に税制が複雑であったり、わかりにくく感じることもあるのではないでしょうか。しかも、その税制は年々更新されています。

こうしたことからも、美術品を購入して節税したいと考えた場合には税理士に相談してみてください。

会計・税務の代行サービスなどをしている小谷野税理士法人では、節税についても経験豊富な専門家が適切なアドバイスを行っています。ぜひ税金対策についての相談をお気軽に問い合わせください。

この記事の監修者
今野 靖丈小谷野税理士法人 税理士
1997年中央大学経済学部卒業後、東京国税局に入所しました。法人の税務調査の現場では税の議論だけでなく、企業の経理体制の優れた点の説明や、改善すべき点をアドバイスしてきました。国税徴収に関わる部門では、多くの中小企業の経営者、個人事業主と財務に関わる面談をし、資金操計画の作成アドバイスを行ってきました。
会計・財務・税務に関する様々な相談に対応し、提案をすることをライフワークと考えています。お気軽にご増段下さい。
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