0120-469-383平日 9:00~18:00 税理士に相談(相談無料)
会社設立の基礎知識

事業承継補助金・引き継ぎ補助金とは?対象経費や対象者について解説

公開日:

最終更新日:

事業承継補助金・引き継ぎ補助金とは?対象経費や対象者について解説

事業承継補助金・引き継ぎ補助金は、事業承継と、その引き継ぎを機に経営の改革を狙う中小企業を支援する制度です。補助金の審査を通過する割合も高いため、積極的な活用をおすすめします。ここでは、その事業承継補助金・引き継ぎ補助金について、種類・対象経費・対象者を説明します。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金とは

事業承継補助金とはのイメージ

「事業承継補助金」は、国内における経済活性の促進を目的として、設けられた補助金制度です。「事業承継・引継ぎ補助金」とも呼ばれています。

事業承継補助金は、事業の承継や引き継ぎにかかる費用、または事業再編・統合に伴う新たな取り組みにかかる一部の費用を補助するものです。具体的にはM&Aの費用がこれに該当します。

補助金は、通年で公募されていますが、申請の締切は3〜4か月ごとに設定されています。

また、注意点として、M&Aで事業承継補助金を利用する場合など、デューデリジェンスを始めとしたさまざまな手続きに時間のかかることが挙げられます。

「デューデリジェンス」とはM&Aを行う際、買収側が売却対象の実態や状況を把握し、価格・取引において適切な判断をするための事前調査です。

必ずしも計画通りに進むとは限らないため、事業承継補助金を円滑に受け取るには事前計画がとても重要です。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金の種類

事業承継補助金・引継ぎ補助金は次の3種類に分けられています。

経営革新事業

事業承継補助金・引継ぎ補助金の1種である「経営革新事業」には、事業承継やM&Aを契機に設備投資・販路開拓など新たに始める場合が該当します。

経営革新事業の補助上限額は600万円で、賃上げの実施によって上限が800万円に引き上げられる場合もあります。補助率は補助対象ごとに異なり、3分の1と3分の2のいずれかが適用されます。

経営革新事業はさらに3つのタイプに分かれています。

創業支援型(Ⅰ類)

創業支援型(Ⅰ類)は、創業後に引き継いだ資源を使い、経営の改革などに取り組む中小企業・小規模事業者を支援する補助金制度です。

創業支援型の補助金を受けられるのは、廃業予定の事業者から「有機的一体として機能する経営資源」を引き継いだ創業して間もない中小企業・小規模事業者です。

さらには、産業協力強化法によって定められた認定市区町村、もしくは認定連携創業支援事業者から特定創業支援事業を受ける者であるなど、実績と知識を持っていることが条件です。

また、その際の「有機的一体として機能する経営資源」とは、設備・従業員・資産・負債、そして顧客などの事業全体に関わる要素です。特定の設備だけを引き継ぐようなケースは条件に該当しません。

経営者交代型(Ⅱ類)

経営者交代型(Ⅱ類)は事業承継をきっかけにして経営の改革などに取り組む中小企業・小規模事業者を支援する補助金制度です。

経営者交代型に該当するのは、事業再生を含め、家族から後継者を選ぶ「親族内承継」や、従業員の誰かに事業を引き継ぐ「従業員承継」を行った場合に限られています。

また、産業協力法に基づいた認定市町村、もしくは認定連携創業支援事業者から特定創業支援事業を受けている者であるなど、実績・知識を保有していることが条件です。

M&A型(Ⅲ類)

M&A型(Ⅲ類)は、事業の再編・統合を機に経営の改革に取り組む中小企業や小規模事業者が受けられる補助金制度です。

交付を受けるための条件は創業支援型や経営者交代型と同様に、産業協力強化法に基づいた認定市区町村、もしくは認定連携創業支援事業者によって特定創業支援事業を受けている者でなくてはなりません。また、経営に関する実績や知識なども必要です。

専門家活用事業

「専門家活用事業」は、M&Aを行う際に相談したFA(ファイナンシャル・アドバイザー)や仲介業者への手数料、デューデリジェンスに発生する専門家費用、セカンドオピニオン費用などへの補助金制度です。

補助率は3分の1か3分の2のいずれかが適用され、補助上限額は600万円。M&Aが未成立だった場合も上限300万円の補助金を受けられます。

専門家活用事業の種類は買い手側と売り手側の2タイプに分かれています。

買い手支援型

買い手支援型の補助金を利用するためには、事業の再編や統合で経営資源の引き継ぎを受ける対象者が、次の2つの条件を満たしている必要があります。

まず1つが、経営資源の引き継ぎ後に、複数の人が協力することで高い効果を生む「シナジー」を活かした経営改革などが期待されること。

もう1つが、経営資源の引き継ぎ後に、地域の雇用や全体的な経済を促進する事業展開が期待されることです。

売り手支援型

売り手支援型の条件は、M&Aによって第三者に事業を引き継いだあとも、すでに展開している地域の雇用を促す事業や、経済の活性化が継続される見通しのあることです。

廃業・再チャレンジ事業

「廃業・再チャレンジ事業」は事業承継や事業の再編を行う際に、廃業に伴う費用の一部を補助する制度です。補助上限額は150万円で、補助率は3分の1、もしくは3分の2であり、大きく2つのタイプに分かれています。

併用申請型

併用申請型はその名の通り、経営革新事業や専門家活用事業との併用が可能な制度です。

経営革新事業や専門家活用事業の買い手支援型では、引き継いだ事業や既存事業の一部を廃業する場合にも申請できます。

また、専門家活用事業の売り手支援型と併用する場合は、M&Aなどによって事業を譲渡したのち、残った事業を廃業する際にも申請可能です。

再チャレンジ申請型

再チャレンジ申請型は、M&Aなどで事業の引き継ぎに取り組んだものの実際には成立しなかったときに申請するのが特徴です。不成立であった際、地域の新しい雇用創出や経済活性化に挑戦するため、既存の事業を廃業する際に申請可能です。

ただし、申請はM&Aマッチングサイトや支援機関に登録していることが条件であり、自分でM&Aに着手した場合は適用されないので注意が必要です。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金の対象経費

事業承継補助金・引き継ぎ補助金を受けられる対象経費を種類ごとに説明します。

経営革新事業の場合

経営革新事業の補助対象となる経費は次の通りです。

  • 人件費
  • 設備費
  • 広告費
  • 工事費
  • 店舗家賃
  • 交通費
  • 宿泊費
  • マーケティング調査費
  • 原材料費 など

原材料費はサンプルや試供品に限られ、販売品の製造に用いる原材料費は対象外とされています。

専門家活用事業の場合

専門家活用事業では、買い手支援型・売り手支援型ともに以下のような経費が対象とされます。

  • 謝金
  • 委託費
  • システム利用料
  • 外注費
  • 交通費
  • 宿泊費
  • 保険料 など

謝金は弁護士や税理士など専門家に支払う経費、委託費は仲介業者への成功報酬などが該当します。
また、マッチングサイトなどのシステム利用料も専門家活用事業の経費に含まれます。

廃業・再チャレンジ事業の場合

廃業・再チャレンジ事業の対象経費は次のようなものが挙げられます。

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • 移転・移設費用

廃業支援費の上限は50万円です。
また、移転・移設費用は併用申請の場合のみ対象経費として認められています。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金の対象者

事業承継補助金とはのイメージ

事業承継補助金・引き継ぎ補助金の対象者となるのは、次のような条件に該当する場合です。

経営革新事業の場合

経営革新事業の補助対象は、経営資源引き継ぎ型創業や、親族内承継などの事業承継を行った者、その予定のある者、M&Aを過去に行った者、または補助事業の期間中に実施する予定のある者とされています。

専門家活用事業の場合

専門家活用事業の場合は、M&Aによって他者から事業を引き継ぐ買い手側の者、そして同じくM&Aによって事業を他者へと売却する側が対象です。

また、専門家活用事業では、M&A支援機関登録制度に登録している機関への費用のみ補助対象経費です。

廃業・再チャレンジ事業の場合

廃業・再チャレンジ事業は、既存の事業を廃業し、新たな事業にチャンレンジする者を対象としています。
事業承継やM&Aで事業を譲り受けたあとの廃業、M&Aで事業を譲り受ける過程での廃業、M&Aで事業を譲り渡せなかった際の廃業や再チャレンジが該当します。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金は中小企業・個人事業主も対象

事業承継補助金とはのイメージ

事業承継補助金・引き継ぎ補助金は、中小企業や個人事業主も対象ですが、一定の条件があるため解説します。

個人事業主の場合は「青色申告の申請」が用件

個人事業主が事業承継補助金・引き継ぎ補助金を申し込む場合、白色申告は対象外とされています。そのため青色申告の申請が必要です。
また、その青色申告も、専門家活用事業の場合は青色申告を開始してから5年経過していないと申請できません。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金の活用を考えている個人事業主は、早めに白色申告から青色申告に切り替えておきましょう。

個人事業主に限り「3年以上の経験」が必要

経営革新事業での申請要件には経営経験が求められています。経営経験とは、監査役を除く会社役員としての経験を指します。ただし、これには3年以上の個人事業主としての経験も含まれています。

事業承継補助金・引き継ぎ補助金での疑問は税理士へ相談を

事業承継補助金とはのイメージ

ここでは事業承継補助金・引き継ぎ補助金の概要と種類・対象経費・対象者を説明しました。

補助金の審査を通過する割合も高い制度であるため、事業承継を行う際には積極的に活用したい補助金の1つです。

しかし、解説した通り、補助金は特定の条件に当てはまらなければ受けられません。

また、補助金制度の条件は更新されることもあるため、最新情報に精通している税理士にまず相談することをおすすめします。

小谷野税理士法人では会社設立サービスを提供しており、事業承継の補助金についても手厚い対応をしています。ぜひ利用してみてください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

会社設立専門の税理士による
オンライン面談を実施中!

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

相談無料会社設立の相談をする 24時間受付中

税理士変更のご検討は
オンライン面談でもお受けします

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

税理士変更の相談をする 24時間受付中
オンライン面談