ビジネスをスタートする際には多くの費用が発生し、リスクも高いイメージがあります。しかし、中には低開業資金で開業が可能な業種も多くあります。今回は開業資金が安い業種や開業資金を抑え、リスクを低くするコツなどを紹介します。
目次
開業資金が安い業種は多い
開業というと莫大な資金が必要なイメージがあるのではないでしょうか。しかし、安い開業資金で始められる業種はたくさんあります。また、開業資金が安いことに加えて、低リスクである業種を選択しビジネスを興す人も多いです。そのため、リスクを抑えつつ、開業資金も抑えたいといった方は、さまざまな選択肢があることを覚えておきましょう。
開業資金を安くするメリット
開業資金が安い業種でビジネスをスタートさせるメリットは多くあります。開業資金が安い方が良いメリットについて紹介します。
開業までの時間を短縮できる
開業資金を抑えてビジネスをスタートさせることは、貯金する期間の短縮になります。事業の開始日が早められるので、開業までの道のりが短くなります。
初期投資を回収しやすい
初期投資でかかった金額は早く回収したいものです。開業資金を安くおさえてビジネスをスタートさせた場合は、初期投資分の金額を回収しやすいというメリットがあります。また、初期投資費用を早い段階で回収できることは、売上を事業拡大の資金にしたり、不測の事態に備えることにもつながります。
事業失敗の際の損失が少ない
開業資金が少ない(安い)ということは、失敗した際のリスクも少なく済みます。開業資金が安く抑えられているので、その分損失も抑えることが可能です。
借入れの手間がない
融資審査には資料の作成や面談の準備といった手続きがあります。しかし、自分の貯金だけで開業資金をまかなう場合は、融資を受ける必要がないので、こういった融資手続きとは無縁です。また、融資を受ける場合は審査結果が出るまでに約1ヶ月かかりますので、手続きや待つ時間の手間を省けることは大きなメリットとなるでしょう。
開業資金が安い業種14選
開業資金が安いことはメリットが多くおすすめ度が高いです。実際に開業資金が安い業種について業種別に紹介していきます。開業をお考えの方は、参考にしてみてください。
開業資金0円〜フリーランスの業種
開業資金が安い業種は多く、なかには0円から始められる業種もあります。主にフリーランスの業種は0円で独立が可能です。比較的、始めやすいフリーランスの業種は下記の通りです。
開業資金が安い業種① ライター
0円で開業できるフリーランスの業種の中でも、特にお金がかからずスタートできるのがライターです。記事を書くためにはパソコンが必要ですが、高性能な端末である必要はありません。使用するのはWordとExcelで、記事のキーワードなどを検索する際にインターネットが使えるインターネット接続環境であれば問題なく仕事ができます。
また、開業する際に資格も必要なく、未経験でも始められます。未経験の場合、開業し始めた頃は、あまり稼げないかもしれませんが、経験を積むことでスキルアップとともに収入も増えていきます。未経験の場合は「初心者も可」の求人や、ライタースキルがアップするよう「フィードバックが充実している」といった求人から探してみてください。
開業資金が安い業種② プログラマー・エンジニア
前述のライターに比べてプログラマー・エンジニアの場合は高性能なパソコンやソフトが必要となるため、やや費用がかかります。しかし、他の業種に比べれば初期費用がかからず開業できます。また、店舗やオフィスを持つ必要がないので、作業スペースに費用がかかりません。
また、ソースコードを書くプログラマーから、システムの設計をするエンジニア、その進捗を管理するディレクターなど業務の幅も広く、経験を積んでいくうちにキャリアアップも可能です。社会からのニーズが高いので、これからも存続していく業種になるでしょう。
開業資金が安い業種③ デザイナー/イラストレーター
独自のセンスや特技を活かして独立できるのが、デザイナーやイラストレーターです。
「絵を描くのが好き」、「アルバイトの際にPOPの作成を任されていた」といった自身では気づいていなかったかもしれないスキルが役立ちます。もともとイラストやデザインを描いたり考えたりすることが好き、得意であることはプロのアドバイスがあれば上達も早いでしょう。開業して間もないうちは、もらえる額が少ないかもしれません。しかし、絵を描くことが好きで、それを仕事にしたい人には特におすすめの業種です。
開業資金が安い業種④ オンラインサロン運営
フリーランス経験や特定の業界、業種での経験が多い人は、自身のスキルや業界の動向、そのビジネスに大切なマインドなどを伝えるオンラインサロンの運営も可能でしょう。
オンラインサロン運営の場合、自宅の空いているスペースを利用するなど場所代がかからず、どこでも低開業資金でスタートが可能です。
一般的なチャットツールとして利用されている「Discord」は無料で使用できるので、オンラインサロンを開業する際におすすめです。
開業資金が安い業種⑤ 動画クリエイター/ブロガー
動画クリエイターとブロガーの場合も、場所を選ばずに作業ができるので、低開業資金でスタートが可能です。(作業にはパソコンや編集ソフトが必要です)
デザイナーやイラストレーターと同じく、センスを活かすことできるのが、動画クリエイターとブロガーです。自身の持つスキルやアイデア、特定の趣味や知識などをコンテンツにし、発信することでファンが増えていくでしょう。
動画配信やSNS、You Tubeの収益化には一定のチャンネル登録者数や動画再生回数といった条件があるため、時間がかかる場合もあります。
また、ブロガーの場合も記事を読んでもらうためにSEOやマーケティングなどを考える必要があり、収益が出るまでに時間を要する場合もあります。
自宅が使える、設備費用のみで開業できる業種
自宅を使用することで、設備費用のみで開業できる業種があります。自宅の空いたスペースを使用したり、少しの道具を揃えるだけで開業できる2つの業種を紹介します。
開業資金が安い業種⑥ ECサイト運営
ECサイト運営の場合、実店舗がなくてもインターネット上での販売が可能なので、開業資金はハンドメイドの材料費や、仕入れの費用、インターネット接続環境のみで開業が可能です。
最近はハンドメイド雑貨や、独自で輸入した商品などを販売するECサイトを運営する人が増えています。好きなものを作って販売したり、商品を輸入して販売する楽しさもあります。
開業資金が安い業種⑦ 習いごと教室の運営
特技や知識を活かして教室を運営することは、賃料や物件取得にかかる費用が抑えられるので自宅開業と相性が良く、安い費用で開業が可能です。一般的なものには、英会話や音楽教室などがありますが、最近ではビジネス関連やコミュニケーション、恋愛を指南する講座なども多く開講されています。
ビデオミーティングツールを使用することで、オンライン上で教室を開くことができ、全国から生徒を募ることも可能です。
開業資金が安いフランチャイズ業種
前述のようなクリエイティブな業種やECサイトの運営、教室の運営の場合は経験や知識が豊富でないと難しい場合もあります。しかし、フランチャイズの場合は運営元が知識不足を補ってくれたり、開業に必要なものを揃えてくれるなど開業資金を抑えて、ビジネスをスタートすることが可能です。開業資金が安いフランチャイズの業種を7つ紹介します。
開業資金が安い業種⑧ ハウスクリーニング
ハウスクリーニングは開業資金も少なく、作業した分だけ収入を得ることができる業種です。少子化や共働き世帯の増加などの影響で、ハウスクリーニングを含む家事代行といったサービスの需要は高まっています。宿泊施設や企業に依頼された場合は、規模が大きいので一回あたりの単価が高く効率よく収入を得られるでしょう。
開業資金が安い業種⑨ 介護
介護業界は高齢化により年々、ニーズが高まっています。介護業界といえば老人ホームなどの大きな施設をイメージする方も多いですが、高齢者向けの家事代行や生活のサポート、介護タクシーなど少ない開業資金で始められるビジネスもあります。「社会の役に立ちたい」という人にもおすすめの業種です。
開業資金が安い業種⑩ 飲食
一から自身のお店を開業するのは費用も多くかかってしまいますが、フランチャイズを利用すれば比較的少ない費用で開業することができます。最近ではキッチンカーのフランチャイズなど、より費用がかからないものも増えています。また、フードデリバリーのニーズも高まっていますので、一定の収入は見込める可能性が高いでしょう。
開業資金が安い業種⑪ 学習塾・教育塾
勉強が得意な人や子どもが好きな人には、学習塾や教育塾の開業がおすすめです。塾や教室の運営は広いスペースが必要なイメージですが、オンラインでの開講も可能なのでスペースが必要ない場合もあります。
また、フランチャイズを活用することでカリキュラムや教材といった独自のノウハウを得ることができ、集客などもサポートしてもらえます。自身が教える必要がない場合もあり、そういった場合には経営に専念できるでしょう。
開業資金が安い業種⑫ 軽貨物運送
運転免許と車を持っていれば開業資金を抑えて、軽貨物運送のビジネスをスタートすることが可能です。フランチャイズで展開する場合は、本部が指定したルートを担当することが多く時間配分もしやすい働き方です。業務で使用する車両は、リースしている場合も多いため、低開業資金で開業することで、万が一ビジネスが失敗した際の損失も抑えられます。
開業資金が安い業種⑬ 便利屋
便利屋は日常生活においての困りごとを解決したり、助けたりする仕事です。具体的には粗大ゴミの運搬、草刈り、電気工事、水道修理、遺品整理などと仕事内容は多岐に渡ります。
商品を売る訳ではないので在庫を抱える心配もなく、依頼主から感謝されるやりがいのある仕事です。個人で開業する人もいますが、フランチャイズを展開している場合もあります。
フランチャイズの方が、集客や依頼の管理をしてくれる場合が多いので業務に集中できるでしょう。
開業資金が安い業種⑭ 配食サービス
高齢者や共働きで忙しい家庭などに安全な食事を配達するサービスは開業資金を安価に抑えやすい事業の一つです。配食サービスを提供するにあたり、フランチャイズの場合は既に調理された料理を配達するため、調理経験は必要ありません。前述にもあった通り日本は将来的に高齢化が進む見込みとなっているため、今後のニーズはますます高まるでしょう。
開業資金を少なく、リスクを減らすには
安い開業資金でビジネスをスタートさせることは、リスクヘッジにも繋がります。しかし、始めることよりも続けることが大事であるのがビジネスです。長く続けるためのコツについて紹介します。
今あるものを活用する
開業費用を抑えるには自身が既に持っているものを活用することです。開業の際には意識も高まり、新しい設備や高いツールなどを求める人もいらっしゃいます。しかし、そういったものは必要ない場合がほとんどです。今あるものには、自宅や車、知識や経験なども含まれますので、開業の際には一度、自身の持っているものについて確認してみましょう。
副業からスタートする
低開業資金で始めたビジネスもリスクは少なからず発生します。ビジネスが失敗するリスクを抑えるためにも副業からのスタートがおすすめです。いきなり本業として開業してしまうと利益が出なかった際に、生活資金に困ってしまうこともあります。すぐに利益が出ない場合もあるので、まずは副業からスタートしてみましょう。
また、副業として始めることで自身が、その業種に向いているかも判断することができます。これまで紹介した業種のほとんどは副業からスタートが可能です。
特にフリーランスの場合は、副業からスタートし軌道に乗ったら本業にするという人も多いです。
ピンチの際には他の方法で働く
ビジネスを長く続けるということは大変難しいことです。多くの場合、お金(資金)に困るとビジネスは立ち行かなくなってしまいます。そのため、時にはプライドを捨てることも重要です。お金(資金)が尽きてしまっては自身の生活資金も危ぶまれてしまいます。
そういった場合にはプライドを捨てて、一時的にアルバイトをするといった対策も必要です。苦しい状態が続いた場合にも、なんとか続けていれば明るい兆しが見えてくるでしょう。
開業資金にお悩みの方は税理士への相談もあり
少ない開業資金でスタートできる業種は意外と多くあります。開業というと難しいことが多いように思えますが、自身の経験や知識、持っているものを利用して始められるものも多いのです。とはいえ、開業にはさまざまな不安がつきものでしょう。ぜひ、安心して開業するためにも、不明点や不安なことがある方は、一度小谷野税理士法人にご相談ください。