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妻の役員報酬はいくらが得?節税効果を最大化する最適な金額を解説

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妻の役員報酬はいくらが得?節税効果を最大化する最適な金額を解説

会社の社長が妻に役員報酬を支払う際に、いくらに設定するのが一番節税できるのかは重要です。役員報酬の設定次第では、会社の法人税だけでなく、世帯全体で納める所得税や住民税の金額も大きく変わります。場合によっては、社長一人が高額な報酬を受け取るよりも高い節税効果が得られるため、役員報酬の仕組みと最適な金額を理解しましょう。この記事では、妻への役員報酬を活用した節税の具体的な方法や、メリットとデメリット、さらに金額設定の注意点についても解説します。

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目次

妻への役員報酬で会社の節税が可能!所得分散の仕組みとは

役員報酬

社長一人が高額な役員報酬を受け取ると、所得税の超過累進課税により報酬の一部に高い税率が適用されます。

しかし、報酬全額を社長が得るのではなく、妻への役員報酬として分散させることで世帯全体の税負担を低く抑えられるかもしれません。

例えば、社長の年収が2,000万円の場合と、社長1,500万円と妻500万円に所得を分散した場合では、後者の方が世帯全体で支払う所得税や住民税が少なくなる可能性があります。

このように、所得を一人に集中させずに、家族に分散させるのが節税の基本的な仕組みです。

妻を役員にすることで得られる4つのメリット

妻を役員にすると、単に所得を分散させるだけでなく、さまざまなメリットをもたらします。

会社の法人税負担の軽減に加えて、世帯全体の手取り収入を増やす効果も期待できます。

また、妻自身も社会保険に加入することで将来の保障が手厚くなり、将来的には役員退職金の支給も可能です。

メリットを最大限に活かすと、会社の財務基盤を強化しつつ、家族の資産形成にもつなげられます。

会社の利益を圧縮して法人税を軽減できる

妻に支払う役員報酬は、会社の経費(損金)として計上できます。

損金算入により会社の利益が圧縮されて課税対象となる所得が減少するため、結果として会社の法人税の負担を減らす効果があります。

また、役員報酬を受け取るには、対象者の社会保険加入が必要となるでしょう。

従業員の社会保険料は会社が半分を負担しますが、この会社負担分の社会保険料も同様に損金として処理できます。

妻の貢献に見合った適切な報酬額の設定により、会社のキャッシュフローを改善して、健全な経営にも貢献します。

所得を分散して世帯全体の手取り額を増やせる

所得税は、収入が高くなるほど税率も上がる超過累進課税が導入されています。

つまり、社長一人に所得が集中すると高い税率が課されますが、妻に役員報酬を支払って所得を分散させると、それぞれに低い税率が適用されて世帯全体での納税額を抑えられます。

例えば、妻への役員報酬を月額80,000円程度に設定すると、年間の収入は約96万円となり、所得税や住民税の負担は比較的軽いです。

よって、夫の扶養内で働くパートタイムとは異なり、世帯の手取り収入を効果的に増やせます。

妻も社会保険に加入でき将来の年金額が増える

法人の常勤役員が役員報酬を受け取る場合は、原則として社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が義務付けられています。

よって、妻を役員にすると国民年金の第1号被保険者や第3号被保険者である場合と比較して、将来受け取れる年金額が増加します。

老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が上乗せされるため、老後の生活資金に厚みを持たせられるでしょう。

健康保険に加入すると、病気やケガで働けなくなった場合に傷病手当金が支給されるなど、国民健康保険よりも手厚い保障も受けられます。

将来的に妻へ役員退職金を支給できる

妻が役員として長期間会社に貢献した場合、退職時に役員退職金を支給できます。

役員退職金は、給与や役員報酬に比べると税制上優遇されています。

退職所得控除が適用されるため、税負担の軽減が可能です。

将来、配偶者にまとまった金額を渡す予定がある場合は、退職所得控除の活用を検討しましょう。

妻を役員にする際に注意すべき4つのデメリット

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妻を役員にすると多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

例えば、一度決めた役員報酬は事業年度の途中では変更できなかったり、登記簿に名前が載ったりする点です。

また、勤務実態が伴わないと税務署に否認されるリスクや、社内の人間関係への配慮も必要です。

夫の所得が900万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除の額が減少、または適用外になる点も考慮しましょう。

役員報酬は事業年度の途中で自由に変更できない

役員報酬を損金として算入するためには、「定期同額給与」の原則を守る必要があります。

定期同額給与とは、事業年度の開始から3ヶ月以内に決定した報酬額を、年度が終了するまで毎月同額で支払い続けなければならないと言うルールです。

したがって、会社の業績に変化があっても、期中に役員報酬を減額したり増額したりは原則として認められません。

役員報酬額を柔軟に対応できない点が、資金繰りを計画する上でデメリットとなる場合があります。

会社の登記簿に妻の名前が記載される

株式会社や合同会社の代表取締役に就任すると、氏名と住所が会社の商業登記簿に記載されます。

登記事項証明書は法務局で手数料を支払えば誰でも取得できるため、役員の情報は公に開示されます。

プライバシーを重視する場合や自宅の住所を公にしたくない場合には、情報公開がデメリットと感じられるかもしれません。

特に、外部との取引が少ない会社であっても避けられないため、事前に妻의理解を得ておくことが重要です。

勤務実態がないと税務署に否認されるリスクがある

妻に役員報酬を支払う上で最も注意すべき点は、勤務実態との整合性です。

名義だけ役員にして実際には業務を行っていない、いわゆる「名ばかり役員」に対して報酬を支払っていると、税務調査で指摘される可能性があります。

税務調査で引っかかった場合は、役員報酬が「不相当に高額」と判断され、経費としての計上(損金算入)を否認されるリスクがあります。

役員としての職務内容や責任の度合い、労働時間などを客観的に説明できない場合は追徴課税の対象となるため、勤務実態を明確にしておきましょう。

他の従業員から不満が出る可能性がある

社長の配偶者と言う理由だけで、実際の貢献度や業務内容に見合わない役員報酬が支払われていると、他の従業員の不満やモチベーションの低下を招く恐れがあります。

特に、他の従業員よりも高い報酬を得ているにもかかわらず、出勤日数が少なかったり、責任ある業務を担っていなかったりすると、社内の公平感が損なわれかねません。

従業員との良好な関係を維持し、組織全体の生産性を保つためにも、妻の役職や報酬額は客観的な基準に基づいて誰もが納得できる形で設定します。

【年収別】妻の役員報酬はいくらに設定するのがベスト?

妻への役員報酬をいくらに設定すべきかは、税金や社会保険料の負担が発生する「壁」を意識して考えます。

具体的には、所得税がかかり始める160万円の壁や、社会保険の扶養から外れる130万円の壁などが一つの目安です。

年間160万円以下:所得税がかからず扶養内で働ける

年収160万円は、一般的に所得税の壁と呼ばれています。

給与所得控除65万円と基礎控除95万円の合計額が160万円であり、収入が範囲内であれば妻自身に所得税は課されません。

また、上記条件を満たすと社長(夫)は配偶者特別控除(38万円)の適用を受けることができる可能性があるため、社長の所得税負担も軽減できます。

ただし、役員報酬として年収160万円以下にする節税メリットは限定的です。

所得分散の効果を十分に得るためには、ある程度の所得税や住民税を納めてでも、より高い報酬設定を検討すべき場合が多いです。

年間130万円未満:社会保険の扶養から外れないライン

年収130万円は社会保険の壁とされ、超えると一般的には夫の社会保険の扶養から外れ、自身で国民健康保険や国民年金に加入する必要が生じます。

しかし、法人の役員は報酬額にかかわらず、原則として健康保険や厚生年金保険への加入が義務付けられています。

したがって、妻を役員にする場合は、年収130万円と言う基準はあまり意味を持たないでしょう。

年間160万円以下:配偶者特別控除を最大限活用できる

妻の年収が123万円を超えると配偶者控除は適用外ですが、代わりに配偶者特別控除が適用されるかもしれません。

妻の年収が160万円以下であれば、社長(夫)は配偶者特別控除として満額の38万円の所得控除を受けられます。

しかし、年収が160万円を超えると、控除額は段階的に減少します。

そのため、夫の所得控除を活用しつつ妻にもある程度の収入を確保したい場合には、160万円と言う年収が一つの目安です。

ただし、社長自身の所得にも別の制限が働くため、配偶者特別控除だけを考えるのではなく総合的に判断しましょう。

世帯の手取りを最大化する役員報酬のシミュレーション

最適な役員報酬の額は、社長の報酬額や会社の利益、妻にどの程度の業務を任せるかによって千差万別です。

重要なのは、所得税・住民税の累進課税と、社会保険料の負担増のバランスを考慮し、世帯全体の手取り額が最も多くなるポイントを見つけ出すことです。

そのためには、いくつかのパターンで役員報酬額を設定し、それぞれの場合の法人税や所得税、住民税と社会保険料を明確にシミュレーションしなければ分かりません。

複雑な計算になるため、税理士などの専門家に相談して、詳細な試算を行ってもらうことをお勧めします。

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不相当に高額と判断されない役員報酬の決め方

個人事業主 法人 経費

妻への役員報酬を設定する際、税務調査で不相当に高額な報酬だと指摘されないように注意が必要です。

高額過ぎると判断された場合は、超過部分は損金として認められず、結果的に法人税の負担が増えてしまいます。

税務調査の指摘を避けるためには、報酬額が客観的かつ合理的な根拠に基づいていると証明できなければなりません。

具体的には、妻の職務内容や責任の重さに見合っているか、また同業他社の水準と比較して妥当であるかといった点が判断基準です。

妻の業務内容や責任に見合った金額に設定する

役員報酬の妥当性を判断する上で最も重要な基準は、役員本人の職務内容です。

妻が担当する業務の具体的内容や専門性、労働時間そして会社経営における責任の度合いなどを総合的に勘案して、報酬額を決定します。

例えば、経理や総務全般を統括している、主要な取引先の対応を任されているといった明確な事実があれば、高めの報酬設定も正当化しやすくなります。

実際の職務内容を証明するためには、取締役会の議事録や業務日報などの客観的な記録を残すことが効果的です。

同業他社の同規模の役員報酬を参考にする

自社内での基準だけでなく、外部の客観的なデータと比較するのも、報酬額の妥当性を裏付ける有効な方法です。

例えば、事業内容や売上規模、従業員数が類似している同業他社が、同等の役職に対してどの程度の役員報酬を支払っているかを参考にします。

国税庁が毎年公表している「民間給与実態統計調査」における役員給与のデータや、民間の調査会社が開示する報酬データなどが参考資料です。

データと大きく乖離していないと示すことで、税務署に対して報酬額の正当性を主張しやすくなります。

妻は役員と従業員のどちらが良い?判断基準を解説

妻に会社の業務を手伝ってもらう場合、役員として就任してもらうか、従業員として雇用するかの二つの選択肢があります。

どちらの形態を選ぶかによって、報酬の決め方の自由度、節税効果や社会保険の扱いなどが異なります。

経営への関与度合いで節税と報酬の柔軟性のどちらを優先するかなどが、妻の雇用形態を決める判断材料です。

それぞれのメリットとデメリットを正しく理解し、自社の状況と目的に合わせて慎重に判断しましょう。

経営への関与度合いで判断する

役員と従業員の最も大きな違いは、経営への関与度合いです。

会社の経営方針の決定や事業計画の策定といった重要な意思決定に参画し、執行責任を負う立場であれば役員が適しています。

一方、明確な業務指示に基づいて事務作業や現場作業などを行う立場であれば従業員としての雇用が実態に合っています。

役職名だけでなく、実際の職務内容に基づいての判断が鍵です。

もし実態が一般の従業員と変わらないにもかかわらず役員として登記していると、税務上問題となる可能性もあります。

節税効果を最優先するなら「役員」が有利

世帯全体での節税効果を最大化したいのであれば、役員として報酬を支払う方が有利になるケースが多いです。

役員の方が有利だと判断する最大の理由は、役員退職金を支給できる点です。

退職金は税制上の優遇が大きく、給与として長年受け取るよりも税負担を抑えてまとまった資金を個人に移せます。

また、役員報酬は会社の損金としても計上できるため、法人税の軽減にも直接つながります。

ただし、報酬額を期中に変更できないといった制約があるため、計画的な資金計画が必要です。

報酬を柔軟に決めたいなら「従業員」が適切

会社の業績に応じて賞与を支給するなど、報酬額を柔軟に変動させたい場合は、従業員として雇用する方が適しています。

従業員への給与や賞与は、不相当に高額でなければ原則として全額を損金に算入でき、役員報酬のように「定期同額給与」といった厳しい制約がありません。

報酬額の金額設定が柔軟な点は、会社の利益状況に合わせて人件費をコントロールしやすいです。

労働時間に応じて給与を支払うパートタイム形式も可能で、柔軟な働き方を望む場合にも従業員としての雇用が適していると言えます。

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妻に役員報酬を支払う前に知っておきたい注意点

妻に役員報酬を支払うことで節税メリットを得るためには、税法上のルールの正しい理解と遵守が大前提です。

ルールを軽視すると、支払った報酬が損金として認められずに、かえって納税額が増えるといった事態になってしまいます。

特に、役員報酬を損金算入するための要件や勤務実態の証明方法、そして「みなし役員」と判断されないための注意点は、事前に確認しておきましょう。

役員報酬を損金算入するための3つのルール

役員報酬を会社の経費(損金)として認めてもらうには、原則として3つの支給方法のいずれかに該当しなければなりません。

中小企業で最も一般的なのが「定期同額給与」で、毎月決まった金額を支給する方法です。

次に、賞与のように特定の時期に支払う場合は、事前に税務署に金額と時期を届け出る「事前確定届出給与」があります。

3つ目は「業績連動給与」で、条件として非同族会社などの要件があるため、多くの同族会社では適用できません。

以上3つのルールから外れた支給は損金として認められないため、厳格な運用が求められます。

妻の勤務実態を客観的に証明できるようにしておく

税務調査において最も重要な論点は、役員報酬と勤務実態のバランスです。

そのため、妻が役員として実際に会社の業務に従事していることを、客観的な証拠で示せるように準備しておかなければなりません。

具体的な証拠としては、業務内容を記録した日報や経営会議への出席を示す議事録と担当業務に関するメールのやり取り、作成した資料などが挙げられます。

必要書類を日頃から整理・保管しておくと、税務署からの問い合わせがあった場合に報酬の正当性を主張できます。

「みなし役員」と判断されないための条件

登記上は役員でなく従業員として妻を雇用している場合でも、税法上の「みなし役員」と判断されることがあります。

みなし役員とは、役員ではないものの、会社の経営に実質的に関与していると認められる人のことです。

例えば、一定以上の株式を保有する株主で、経営に従事している場合などが該当します。

みなし役員と判断されると、支払われる給与は役員報酬と同じ扱いとなり、賞与を損金に算入できないなどの制約を受けます。

みなし役員と判断されないためには、職務権限を明確にして、経営に関する重要事項の決定プロセスに関与しないように行動しましょう。

まとめ

妻へ役員報酬を支払うと、所得分散による所得税の軽減や法人税の節税、将来の退職金支給など会社と世帯の双方にとってメリットをもたらします。

しかし、効果を最大限に引き出すためには、勤務実態に見合った適正な報酬額を設定しなければなりません。

また、「定期同額給与」などの税務上のルールを遵守し、勤務実態を客観的に証明できる資料を準備しておきましょう。

最適な報酬額は個々の状況によって異なるため、税理士などの専門家と相談の上、シミュレーションを行いながら慎重な決定が求められます。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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