会社設立を考えた際、手続きの複雑さや費用面での不安から、適切な相談先を探す方も多いでしょう。起業において最適なパートナーとなり得るのが税理士です。税理士に相談すれば設立手続きのサポートをはじめ、万が一のときの資金調達や節税対策といった専門的なアドバイスも受けられます。この記事では、会社設立時に税理士に相談するメリットや費用相場、事業の成功を左右する税理士の選び方について解説します。
目次
そもそも会社設立に税理士は必要なのか?

会社設立の手続き自体は、自分1人で進められます。しかし法人設立にあたっては専門知識を要する場面もあり、設立後の経営や税務まで見据えると、税理士のサポートが必要になるシーンが多いです。
会社設立にあたり税理士に相談できること
会社設立にあたって税理士に相談した場合、設立手続き全般のサポートが受けられます。例えば事業計画に基づいた適切な資本金額の決定や決算月の設定などです。
また、定款作成のサポートや会社設立後に必要な税務署・都道府県などへの各種届出書類の作成・提出代行も任せられます。仮に小規模な企業を設立する場合も、将来の事業拡大を見据えた最適な法人形態を一緒に検討してもらうことが可能です。
司法書士との違いと税理士に依頼すべき理由
税理士は税務の専門家として、設立時の節税対策や資金調達、設立後の会計・税務申告をサポートする役割を担います。一方、司法書士は、会社設立における登記申請の代行を主に担う士業です。仮に税理士へ設立依頼をした場合であっても、登記申請は提携している司法書士が行うことが一般的です。
起業家が税理士に依頼すべき理由は、設立手続きの代行に限らず、経営安定に向けた税務・財務面での継続的なアドバイスを受けられる点にあります。今は小規模での設立であっても、事業成長を長期的に見据える場合は、税務のパートナーとなる税理士への相談が望ましいでしょう。
会社設立前から税理士に相談する4つのメリット
開業前から税理士に相談することで、多くのメリットを享受できます。ここでは設立前から税理士に相談する4つのメリットについて解説します。
会社設立手続きの手間と時間を削減できる
税理士への相談・依頼によって、設立手続きに要する時間と労力を削減できます。会社設立にあたっては、定款の作成・認証、登記申請書類の準備、法務局への登記申請など、多くの手続きが必要です。各種手続きには専門知識が求められるうえに、不備があれば何度もやり直しになるなど想定以上の時間と労力を要します。
税理士への相談を通じて複雑な手続きを代行、またはサポートが受けられれば、経営者は本業に時間と労力を充てられます。事業を立ち上げてまもない段階であれば、取引先への挨拶回りも生じます。関係構築に時間を充てることができるのは、税理士への相談によるメリットと言えるでしょう。
設立時だからこそできる最適な節税対策を提案してもらえる
税理士への相談によって、事業計画や利益予測に基づいた決算期の設定や各種保険料の負担を踏まえた役員報酬額に関するアドバイスが受けられます。
例えば資本金額や決算期などは設立時に決めなければならない項目ですが、さまざまな判断基準を基に決定しなければなりません。また、資本金額は消費税の納税義務や均等割など、税金にも影響するため慎重に決めることが大切です。税理士に相談した場合、資本金額に関する具体的なアドバイスと共に、設立後に効果的な節税対策の提案を受けられます。設立後の節税を重要視する方ほど、初期段階から専門家のアドバイスを受けることが効果的です。
創業融資や補助金の申請サポートを受けられる
会社設立に強い税理士であれば、融資審査を通過しやすい事業計画書の作成ノウハウを有しており、申請手続き全般のサポートが受けられます。
法人設立にあたっては、自己資金だけでは運転資金や設備投資における不足を招くリスクが潜んでいます。その際に活用したいのが、日本政策金融公庫などによる創業融資や、国・自治体が提供する補助金・助成金です。
国や自治体が実施している各制度を利用するには、説得力のある事業計画書の作成が欠かせません。専門家が事業計画書の作成に関与することで、金融機関からの信用度が高まり、資金調達の成功確率アップに期待できます。
結果的に自身で手続きするより費用を抑えられる場合がある
税理士に依頼すると報酬費用が発生しますが、総合的に見ると自分で手続きするより費用を抑えられるケースがあります。例えば株式会社の定款を紙で作成した場合、収入印紙代として40,000円が必要ですが、電子定款で手続きすれば不要です。
しかし、電子定款は通常、作成から手続きまでに1~2日程度かかるため、本業に時間リソースを割けなくなる場合があります。
税理士への報酬が40,000円以下であれば、電子約款での作成・提出を依頼すれば、作成にかかる負担が軽くなります。専門家による適切な節税対策や創業融資の成功によって得られる経済的メリットも考慮すれば、トータルコストの低さを実感できるでしょう。
参考:Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。 | 日本公証人連合会
会社設立時の税理士への相談費用相場
会社設立に関する税理士への相談を検討する際、気になるのが費用ではないでしょうか。相談にかかる費用は主に「設立代行費用」と「顧問契約費用」の2つに分かれるため、事前に費用相場についての把握が求められます。ここではそれぞれの特徴について解説します。
設立代行の費用相場
設立手続きを税理士に相談し、代行まで依頼する場合の料金相場は50,000円~20万円程度です。税理士事務所によっては、顧問契約を前提に相談した場合は設立手数料を無料にする独自のサービスを提供していることもあります。税理士との顧問契約を見据えた相談をする方にとっては、メリットと言えるでしょう。
ただし、設立代行を依頼する際は顧問契約が必須になっていないか、契約期間に縛りはないかなど、確認項目が多い点を念頭に置きましょう。
顧問契約の一般的な料金体系
税理士との顧問契約にかかる費用は、主に「月額顧問料」と「決算申告料」の2つで構成されています。各料金は会社の売上規模や取引先の数、依頼する業務範囲などによって大きく変化するのが特徴です。
| 種類 | 費用相場(小規模企業) | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
月額顧問料 | 20,000円~50,000円 | ・毎月発生する固定費 ・月次の試算表作成から経理指導などのサービスが付随される ・規模が大きくなるほど増加する |
決算申告料 | 月額顧問料の4~6ヵ月分 | ・年に1度発生する、法人税、消費税などの確定申告に関する費用 ・年間で見ても大きな出費となりやすいため、契約前に入念な確認が推奨される |
月額顧問料が変動する主な要素としては、記帳代行の有無や訪問頻度、年末調整や給与計算などに関する業務の依頼です。契約の際は金額を把握するだけでなく、サービスのなかに何が含まれていて、どの業務がオプションにあたるかを確認しましょう。
なお、小谷野税理士法人では多くの税理士が在籍し、設立手続きに関する気軽な相談から手厚いサポートまで行っています。起業に向けて専門家によるアドバイスを受けたい方、手続きに際して相談したい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
会社設立後に税理士と契約を続ける3つのメリット

会社設立はいわば企業のスタートであり、設立後は安定した経営を続けるための対策や工夫が欠かせません。そうしたなかには、専門家による豊富な知識と実務経験で得た技術が必要になるシーンも多いです。ここでは法人設立後も税理士との契約を続けるメリットについて説明します。
複雑な会計処理や決算申告業務を任せられる
税理士との契約を続けることで、会社設立後の記帳や決算業務などの会計処理を依頼できるため、本業に集中する時間を確保できます。
法人の会計処理は、個人事業主と比べて複雑で、複式簿記による記帳や年に1度の決算申告に取り組まなければなりません。特に法人税の申告書は専門知識が求められることも多く、作成にあたっては高度な知識が必要です。
税務のプロである税理士に代行すれば、専門家ならではの正確な会計処理が実現し、金融機関や取引先からの信用獲得にもつながります。経理担当者を1人雇用する際の人件費と比較しても、税理士の顧問料の方がトータルコストが低い点もメリットと言えるでしょう。
資金繰りなど経営に関するアドバイスがもらえる
税理士は、月々の試算表や決算書などの会計データを基に、会社の財務状況を客観的かつ正確に把握します。そのため、売上の変動や経費の増減から資金繰りの悪化を早期に察知し、具体的な改善策を提案可能です。また、数字の裏付けがある客観的なデータに基づき、設備投資のタイミングや資金調達の必要性に関する的確なアドバイスも受けられます。
突然の税務調査にも会社の代理として対応してくれる
法人は数年に1度、税務調査を受ける可能性があり、連絡も突然来ることもあるため、経営者にとっては大きな精神的負担になりやすい部分です。顧問税理士に依頼していれば、事前準備や当日の立ち会い、調査官との質疑応答や交渉までを一貫して対応してもらえます。
日頃から会計処理と節税が行われていることを専門家が証明してくれるため、追徴課税リスクを最小限に抑えられます。税務調査への対応も税理士に任せることで、安心を確保した事業が継続できるでしょう。
失敗しない!会社設立に強い税理士の選び方5つのポイント

会社設立を成功させるためには、自社に適した税理士を選ぶことが大切です。ここでは事業展開を成功させる税理士の選び方について解説します。
ポイント1:会社設立支援の実績が豊富にあるか
税理士には、相続税専門や医療機関専門といった個々の得意分野があります。そのため、会社設立を依頼するのであれば、設立支援実績が豊富な税理士事務所を選ぶことがポイントです。特に、設立前後で利用できる助成金・補助金に関するノウハウが豊富な税理士であれば、顧問契約を結んだ後も充実したサポートが受けられます。確認の際は、事務所のWebサイトに掲載されている支援実績件数や顧客の声を参考にしましょう。また、初回相談の際に支援事例について質問することで、事務所の実力を判断できます。
ポイント2:自社の事業内容や業界に精通しているか
業界によっては、特有の会計処理や税制、必要な許認可が存在します。自社の事業内容や業界事情に詳しい税理士を選任できれば、より専門的で的確なアドバイスに期待できるでしょう。
例えば、IT業界ならソフトウェアの資産計上、飲食業界なら仕入れや減価償却のように、業界知識の有無によって対応の質に変化が生まれます。また、地域密着型のビジネスを展開するのであれば、地元の金融機関とのパイプがある税理士ほど物事が有利に進みやすいです。顧問先の業種は細かく確認し、自社との関連性について見極めることをおすすめします。
ポイント3:料金体系が明確で分かりやすいか
税理士の依頼費用は、契約前にあらかじめ確認することが求められます。契約後のトラブルを避けるためにも、料金体系が分かりやすい税理士事務所を見つけましょう。
例えば、月額顧問料にはどのサービスが含まれているのか、年末調整や償却資産税の申告、税務調査の立会いなどは別途費用が発生するのかなどです。設立においてある程度の時間が確保できる場合は、複数の事務所から見積もりを取ると良いでしょう。各社の見積もりを比較することで、サービス内容と費用のバランスが見極められ、納得のいく契約につながります。
ポイント4:気軽に相談できてレスポンスが迅速か
税理士は、企業の会計処理に従事することになるため、経営のパートナーとして付き合いが長くなりがちです。長期的に信頼できるパートナーを見つけるためにも、契約を検討の際は、担当予定の税理士と円滑なコミュニケーションが取れるかを確認しましょう。
例えば、専門的な内容でも分かりやすく説明してくれるか、クライアントの話を親身に聞いてくれるかなどです。多くの事務所が提供する無料相談を活用すると、コミュニケーション力の高さについて判断しやすいです。
また、相談者からの質問に対するレスポンスの速さも判断要素になるため、メールや電話への返信が早いかどうかもチェックしましょう。
ポイント5:クラウド会計などのITツール導入に積極的か
現代の企業において、業務効率化は重要なテーマの1つに位置づけられています。特に経理業務では、クラウド会計ソフトの活用が主流になっています。税理士への相談・契約に際しては、企業の業務効率化に向けた取り組みに準じて、ITツールに詳しい税理士であるかについても確認しましょう。
例えば、クラウド会計ソフトにおいては、近年の企業では、ソフト導入を通じて口座の取引データを自動取得し、経理作業の効率化につなげています。各口座の取引データを税理士にも共有できる環境を構築できれば、データに基づいた経営判断の実現につながるでしょう。
小谷野税理士法人では、クラウド会計ソフトを使用した会計処理に対応可能な税理士も多く在籍しています。ソフト・ツールに順応できる税理士をお探しの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
会社設立において税理士は、単に手続きの代行者としてではなく、事業成長を共に目指せるパートナーのような存在です。設立前からの連携によって、手続きを円滑に進められることに加えて、費用面でのメリットや効果的な節税対策にも期待できます。会社設立に関する相談をはじめ、設立前後でのサポートをお求めの方は、ぜひ小谷野税理士法人までお気軽にお問い合わせください。








