会社設立にかかる期間は、会社形態によって異なります。株式会社は約2〜3週間、合同会社は約1〜2週間が一般的な目安です。ただし、専門家に依頼することで設立期間を早めることが可能です。この記事では、会社の設立期間や流れについて解説します。
目次
会社設立にかかる標準的な期間
会社の設立期間は株式会社と合同会社によって異なります。ここでは、株式会社と合同会社に分けて、設立期間の目安について解説します。
株式会社の場合:約2~3週間
株式会社の設立期間はおおむね2〜3週間で、公証役場の予約状況や書類不備の有無によって前後します。目安は以下です。
- 基本事項の決定と事前準備:約1週間
- 定款の作成:1〜3日
- 公証役場での定款認証(日程・やり取り含む):通常3〜5営業日程度
- 資本金の払い込み:1日
- 法務局での登記審査:1〜2週間
書類に不備があると設立までに時間がかかります。設立予定日から逆算して、余裕を持って準備することが大切です。
合同会社の場合:約2週間
合同会社は株式会社より手続きが簡素なため、多くの場合、約1〜2週間で設立できます。
- 基本事項の決定と事前準備:約1週間
- 定款の作成:1〜3日
- 資本金の払い込み:1日
- 法務局での登記審査:約1週間
定款認証のステップがないため、株式会社に比べると数日から1週間程度短縮できます。
合同会社の方が短期間で設立できる理由

合同会社が株式会社より短期間で設立できる理由は、主に2つあります。
理由1:定款認証が不要
合同会社では、公証役場での定款認証が法律で義務付けられていません。この工程が省略できることで、数日間の短縮と認証手数料約5万円の節約が可能です。
理由2:提出書類が少ない
合同会社は出資者である「社員」が業務執行を行うシンプルな組織構造です。登記申請時の提出書類も簡素化されています。
株式会社では取締役会の設置有無などに応じて複数の書類が必要です。しかし、合同会社では定款や代表社員の就任承諾書、払込証明書などが中心となり、準備の手間と時間を削減できます。
会社設立時の必要書類については、以下の記事で詳しく解説しています。
会社設立の5ステップと各段階の詳細

初めての会社設立は知らないことも多く不安になることもあるでしょう。設立までの流れを確認することで、初めての会社設立でもスムーズに設立が可能です。具体的には以下のステップです。
- 基本事項の決定と事前準備
- 定款の作成
- 定款認証【株式会社のみ】
- 資本金の払い込み
- 法務局への登記申請
ここでは株式会社の設立について解説します。
ステップ1:基本事項の決定と事前準備(約1週間)
会社設立の土台となる重要な事項を決定する段階です。決定すべき主な事項は以下です。
- 商号(会社名)
- 事業目的
- 本店所在地
- 資本金の額
- 発起人(出資者)
- 役員構成(取締役、代表取締役など)
この段階では、類似商号の調査や事業目的の適法性確認も行います。あわせて、発起人や役員の印鑑証明書の取得、会社実印(代表者印)の作成も進めましょう。事業目的は将来の展開も想定し、慎重に設定することが重要です。
ステップ2:定款の作成(1~3日)
定款は会社の制度を定める重要な書類です。定款には、基本事項を記載していきます。
| 記載事項 | 内容 |
| 絶対的記載事項(必須) | 商号、事業目的、本店所在地、設立時の出資額など |
| 相対的記載事項(任意だが記載しないと効力がない) | 株式の譲渡制限、役員の任期など |
| 任意的記載事項 | 事業年度、株主総会の招集時期など |
現在は、インターネット上のテンプレートや作成支援ツールを利用することで、自力での作成も可能です。ただし、事業内容に適した内容にするためには、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
ステップ3:定款認証【株式会社のみ】(日程調整含め数日)
株式会社を設立する場合は、公証役場で定款の認証を受ける必要があります。具体的な手続きの流れは以下です。
- 公証役場へ事前連絡し、定款案の事前確認を依頼
- 内容の修正指示をもとに定款を修正し、再度確認依頼(1〜3営業日程度で往復することが一般的)
- 訪問日時を予約
- 認証日に発起人(または代理人)が実印と印鑑証明書、委任状等を持参
認証日当日の手続きは短時間で完了しますが、内容確認や日程調整を含めると3〜5営業日程度かかるでしょう。
ステップ4:資本金の払い込み(1日)
定款作成(株式会社の場合は認証)が完了したら、資本金を払い込みます。具体的には以下の作業が必要です。
- 各発起人から代表者口座への振り込み
- 通帳のコピー(表紙、裏表紙、振込記録のページ)
- 払込証明書の作成
法人口座は未開設のため、発起人代表者の個人口座を使用します。各発起人は、定款で定めた出資額をその口座へ振り込みます。
ステップ5:法務局への登記申請(審査完了まで1~2週間)
すべての書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。提出書類は以下が挙げられます。
- 登記申請書
- 定款 ・役員の就任承諾書
- 印鑑証明書
- 払込証明書
- 印鑑届出書
申請後は法務局内で審査が行われ、書類に不備がなければ通常1〜2週間で登記が完了します。登記完了後、初めて履歴事項全部証明書(登記簿謄本)や印鑑証明書の取得が可能です。
会社設立後は税務署や県税事務所などに書類の提出が必要です。書類には提出期限があるため、注意しましょう。株式会社設立後に必要な手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
会社設立の期間を短縮する3つの方法
通常は約2~3週間の期間を費やしますが、設立期間を短縮することも可能です。ここでは、会社設立の期間を短縮する3つの方法について解説します。
方法1:電子定款の活用
電子定款とは、紙ではなくPDF形式で作成された定款です。収入印紙代が不要となり、認証手続きを効率化できます
ただし、個人で電子定款を作成するには専用ソフトやICカードリーダーライタが必要です。通常は司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
方法2:オンライン登記申請の利用
法務省が提供する「登記・供託オンライン申請システム(電子登記申請システム)」を利用すれば、インターネット経由で登記申請が可能です。法務局への移動や郵送の手間を省け、手続き全体を効率化できます。
利用には専用ソフトの導入や電子証明書の取得が必要なため、不慣れな場合は専門家に依頼する方がスムーズです。
参考:法務省:「不動産登記の電子申請(オンライン申請)について」
方法3:専門家への代行依頼
設立期間を最短にする最も確実な方法は、司法書士などの専門家に依頼することです。メリットは、以下が挙げられます。
- 書類の不備による手戻りを防止
- 電子定款やオンライン申請に標準対応
- 個人で準備する手間を省ける
- 結果的に最も効率的
報酬は発生しますが、時間と確実性を重視する場合は有効な選択肢です。
登記完了後に必要な手続き
登記完了後に行う手続きは以下の通りです。
法人口座の開設
金融機関で法人口座を開設するには、履歴事項全部証明書と印鑑証明書が必要です。これらは登記完了後でなければ取得できません。さらに口座開設には審査があり、1~2週間程度かかることが一般的です。
許認可の申請
建設業、飲食業、介護事業など、特定の事業には行政の許認可が必要です。この申請にも法人の証明書類が必須となるため、登記完了後に進めることになります。
また、税務署や社会保険関連の手続きも必要です。特に青色申告の承認申請書は、税金にも影響するため期限内に提出しましょう。提出漏れなどはリスクがあるため、会社設立から設立後の手続きまでを対応してくれる専門家に依頼することをおすすめします。
会社設立期間についてよくある質問
会社設立期間についてよくある質問について解説します。
本当に1日で会社を設立できますか?
準備開始から1日での設立は現実的に極めて困難です。ただし、事前準備や書類作成をすべて完了させた状態であれば、登記申請日を設立日とすること自体は可能です。そのためには、電子定款の利用や専門家への依頼など、事前の段取りが重要になります。
準備開始前に決めておくべきことは?
商号、事業目的、本店所在地、資本金額、役員構成といった基本事項を事前に決定しておく必要があります。これらが定まらないと定款作成が進まず、手続き全体が遅延します。また、発起人や役員の印鑑証明書も早めに取得しておきましょう。
登記完了前に履歴事項全部証明書は取得できますか?
取得できません。履歴事項全部証明書は、法務局での審査が完了し、登記が正式に完了した後に初めて取得可能になります。登記完了までは通常1〜2週間かかります。
まとめ
会社設立にかかる期間は、株式会社で約2~3週間、合同会社で約2週間が目安です。合同会社は定款認証が不要で提出書類も少ないため、株式会社より短期間で設立できます。設立期間を短縮したい場合は、電子定款やオンライン登記申請の活用、または専門家への代行依頼が効果的です。
余裕を持ったスケジュール設定を心がけ、計画的に準備を進めることが、スムーズな起業につながります。










