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妻は役員にするか従業員にするかどっちが得?メリットでメリットを比較!

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妻は役員にするか従業員にするかどっちが得?メリットでメリットを比較!

会社経営において配偶者に給与や役員報酬を支払うと、世帯の所得を増やしつつ税負担の軽減にもつながります。その際「役員」と「従業員」のどちらの立場で雇用するかによって、税務上の扱いや社会保険の加入条件などが大きく異なります。本記事では、それぞれのメリット・デメリットを比較し、自社の状況に応じた判断のポイントを解説します。

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目次

妻を「役員」として迎える5つのメリット

メリット

妻を役員にすることで、税務面・資産形成面・経営面で多くのメリットが得られます。ここでは、妻を「役員」として雇用する5つのメリットをまとめました。

役員報酬による所得分散で世帯全体の税負担を軽減できる

経営者一人に所得が集中すると、所得税の累進課税制度により税率が高くなります。例えば、社長一人の役員報酬が1,500万円の場合と、社長1,000万円、妻500万円に分散した場合とでは、後者の方が世帯全体での所得税・住民税の負担が少なく済みます。

所得を二人に分けることで社長の税率が下がり、給与所得控除などの各種控除もそれぞれに適用されるためです。妻に役員報酬を払うことで、世帯の手取り収入を最大化しやすくなります。

妻への役員報酬は会社の経費にできる

妻に支払う役員報酬は会社の経費(損金)として計上できるため、会社の利益が圧縮され、法人税の軽減につながります。

ただし、勤務実態があること、報酬額が同業他社の水準などから見て適正である場合であることなどが条件です。根拠のない高額な報酬設定は、税務調査で否認されるリスクがあるため注意しましょう。

社会保険への加入で老後の年金額が増える

常勤の役員は社会保険への加入が義務付けられているため、国民年金の第3号被保険者だった妻が厚生年金に加入できるようになります。厚生年金に加入することで、国民年金(老齢基礎年金)に加えて老齢厚生年金も受け取れ、将来の年金受給額が増加する仕組みです。

退職金を活用した節税効果が期待できる

役員は、退職時に役員退職金を受け取ることができ、退職金は退職所得として優遇課税が適用されます。

  • 勤続年数に応じた「退職所得控除」
  • 控除後は課税対象額をさらに2分の1に
  • 分離課税で税負担を軽減

これにより、退職金は非常に効率的な資産形成手段となりえるのです。

経営判断をパートナーと共有できる

妻が役員として経営に携わることで、金銭的だけでなく事業運営上のメリットも享受できます。身近な存在である配偶者が経営のパートナーとなることで、重要な経営判断について相談できるのが魅力です。責任と視点を共有しながら事業を進められるのは大きな利点と言えるでしょう。

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妻を「役員」として迎える3つのデメリット

妻を役員にすることは節税面でのメリットが多い一方、制度上の制約や運用上の注意点もあります。特に以下で紹介する3つの点は、事前に理解しておかなければなりません。

役員報酬は事業年度の途中での変更ができない

役員報酬は税務上「定期同額給与」として扱われ、事業年度開始から3ヶ月以内に決定した金額を年度内は毎月同額で支払う必要があります。これは利益操作を防ぐためのルールです。

会社の業績が急に悪化した場合でも原則として期中での減額は認められません。もし減額した場合、減額分は経費として認められないリスクがあります。そのため、業績が不安定な企業では、報酬額の固定化が経営上のリスクとなる点に注意しましょう。

氏名が登記簿に記載され情報が公開される

役員に就任すると、氏名が法務局で管理される商業登記簿に記載され、手数料を払えば誰でも閲覧・取得できる情報となります。プライバシーを重視する場合、この点はデメリットになり得ます。

また、役員の就任・退任・重任の際には都度法務局で役員変更の登記手続きが必要となり、司法書士への報酬などのコストも発生する点も把握しておきましょう。役割変更が頻繁に生じる場合には、手続き負担が増えることも考慮すべきポイントの1つです。

社内で不公平感を招く可能性がある

経営者の妻が役員となり、実務に見合わない高額な報酬を受け取っている場合、他の従業員が不公平感を抱く原因となり得ます。「社長の家族だから優遇されている」という認識は、社内の士気低下や人間関係の悪化につながる恐れもあるでしょう。

そのため、役員報酬は役職の責任や業務内容に見合った客観的な基準で設定し、従業員の理解を得られるように配慮する必要があります。

妻を「従業員」として雇用する4つのメリット

妻を従業員として雇用する場合にも、節税や経営管理の面で複数のメリットがあります。ここでは「従業員」として雇用する主なメリット4つについてまとめました。

会社の業績に応じて給与・賞与を柔軟に変更できる

従業員への給与は、役員報酬のように事業年度を通じて固定する必要がありません。業績が良い時には賞与を支給して利益を還元し、業績が厳しい時には賞与を減額したり支給を見送ったりすることが可能です。

特に、売上が不安定な創業期や、季節変動のある事業では、キャッシュフローを管理しやすくなる点が大きなメリットと言えるでしょう。

社内の公平性を保ちやすい

妻を従業員として雇用する場合、他の従業員と同じ就業規則や給与規定に基づいて処遇するのが一般的です。経営者の身内だから特別扱いされているという印象を与えにくく、他の従業員の不公平感を招きにくいといったメリットがあります。

雇用保険に加入でき失業時の備えになる

従業員として雇用すれば、加入要件を満たすことで雇用保険の被保険者となります。雇用保険に加入していれば、会社が倒産したり、自己都合で退職したりした場合に、失業手当(基本手当)を受給できるようになるのです。一方、役員は原則として雇用保険に加入できないため、これは従業員雇用ならではのメリットと言えるでしょう。

労働保険の手続きが不要になるケースがある

事業主と同居する親族は、原則として労働保険の対象となる「労働者」には該当しません。そのため、他に労働者がいない場合は、労働保険の加入手続きが不要となるケースがあります。

これにより、保険料の負担や事務手続きの手間を軽減できるケースもあります。ただし、他に従業員を雇用している場合や、同居親族が他の従業員と同様の労働条件で働いていると認められる場合には、加入義務が生じる点には注意が必要です。

妻を「従業員」として雇用する2つのデメリット

デメリット

妻を従業員として雇用する場合、いくつかのメリットがある一方、役員と比べて節税面での効果に限界があるほか、税務上の取り扱いに注意が必要です。ここでは、従業員として雇用する2つのデメリットを紹介します。

役員に比べて給与の上限額が低くなる傾向がある

従業員の給与は、職務内容や責任の範囲、勤務時間、他の従業員とのバランスを考慮して決定するのが一般的です。そのため、会社の経営全体に責任を負う役員と比べ、設定できる給与の上限額は自ずと低くなる傾向にあります。

もし、妻の担当する業務内容から大きく逸脱した高額な給与を設定した場合、税務調査において過大な部分が経費として否認されるリスクが高まります。したがって、所得分散による節税効果を最大限に活用したい場合には、従業員という立場では限界があるでしょう。

「みなし役員」に該当すると税務上の不利益が生じる

法人税法上、従業員であっても、経営に実質的に関与していると判断された場合「みなし役員」として扱われる可能性があります。例えば、次のようなケースが該当します。

  • 配偶者が一定割合以上の株式を保有している
  • 経営会議に出席し、重要な意思決定に関与している

みなし役員と認定されると、その従業員に支払われた賞与は損金として認められなくなります。また、給与を期中に増減させた場合も、役員報酬と同様の制約を受けることになり、税務上の不利益が発生する可能性があるのです。

あなたの会社はどっち?妻を役員か従業員にするかの判断基準

妻を「役員」にする場合と「従業員」として雇用する場合では、それぞれにメリットとデメリットがあります。自社にとってどちらが適しているかは、会社の経営状況、求める節税効果の大きさ、社内環境という3つの視点から総合的に判断しましょう。

会社の利益が安定しているなら「役員」

すでに事業が軌道に乗り、毎期安定した利益を確保できている企業であれば、妻を役員にする方が有利なケースが多く見られます。役員報酬は期中に変更できないというデメリットはあるものの、安定した利益があれば高水準の報酬を継続的に支払う余力があり、所得分散や退職金制度の活用による節税メリットを最大化しやすくなるのです。

報酬額を柔軟に変動させたいなら「従業員」

創業期や売上の変動が激しい業種など、今後の利益が不安定な状況では、従業員として雇用する方が適切です。従業員であれば、業績に応じて給与を見直したり賞与の額を調整したりが可能なため、キャッシュフロー管理がしやすく、財務リスクを抑えられます。

社内の公平感を重視するなら「従業員」

複数の従業員を雇用している場合、社内の人間関係や組織の公平感にも配慮が必要です。経営者の妻が突然役員に就任し高額な報酬を得ると、他の従業員が不公平感や反感を抱く可能性があります。

そのため、まずは他の社員と同じ従業員という立場で働き、実績を積み重ねながら周囲の信頼を得る方法が無難です。従業員として働くことで社内の調和を保ちやすくなるだけでなく、妻の社内のルールや文化への理解も深まり、将来的に役員へ就任する際にもスムーズな対応が期待できるでしょう。

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妻に給与を支払う際に共通する3つのポイント

外注の際の人件費と節税のイメージ

妻を役員と従業員のどちらにするかに関わらず、給与や報酬を支払う上で必ず守るべき共通のルールがあります。これらを怠ると、税務調査で給与が経費として認められない、追徴課税を受けるなどのペナルティを受ける可能性があるため事前の対策が必要です。

勤務実態に見合った適切な報酬額を設定する

妻に支払う給与や役員報酬は、実際の勤務実態に見合った金額である必要があります。税務署は、仕事内容、責任の度合い、勤務時間、専門性などを総合的に勘案し、報酬額の妥当性をチェックします。

ポイント

  • 同業他社の同等の役職や職種の給与水準を参考にする
  • 他の従業員とのバランスを考慮する
  • 専門性や責任範囲を考慮して設定する

客観的な根拠を持ち、設定することを意識しましょう。

仕事内容や役割を明確にする

報酬額の妥当性を証明するためには、妻の役割・業務内容を明確に定めておくことが重要です。例えば、役員であれば担当部署や役員会での役割、従業員であれば経理事務や営業サポートといった具体的な職務内容を定義します。

ポイント

  • 職務内容・責任範囲・役割を明文化する
  • 就業規則や職務記述書に反映する
  • 役職に応じた役割を設定する

実際に働いた証拠を残す

勤務実態を示す客観的な記録の保存は、税務調査で非常に効果的です。実務を伴わない給与支払いと判断されれば否認される恐れがあるため、日常的に記録を残し、実態と証拠を一致させることが重要です。

有効な証拠例

  • タイムカードや出勤簿による勤怠管理
  • 業務日報や週報、担当業務で作成した書類(企画書、議事録など)
  • 業務に関するメールの送受信履歴
  • 出張報告書 など

まとめ

妻を役員にするか従業員にするかの選択は、会社の経営状況や将来の展望、節税の目的によって最適な答えが変わります。利益が安定しており、所得分散や退職金活用による節税効果を狙うなら「役員」が有利でしょう。一方で、業績が不安定で人件費の柔軟性を確保したい場合や、他の従業員との調和を重視するなら「従業員」としての雇用が適していると言えます。

いずれの方法を選ぶ場合でも、適正な報酬設定と勤務実態の明確化、記録の管理が重要です。自社の状況に合わせて慎重に判断し、必要に応じて税理士など専門家に相談しながら進めましょう。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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