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会社設立の基礎知識

会社設立後の提出書類と手続き一覧|法人登記後に必要なこと

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会社設立後の提出書類と手続き一覧|法人登記後に必要なこと

会社を設立したからといって、手続きがすべて終わったわけではありません。事業をスタートさせるためには、意外とたくさんの手続きが必要です。初めての設立だと「どこまでがゴールなの?」と途方に暮れるかもしれません。この記事では、会社設立後に提出が必要な書類と手続きの全体像を、提出先や期限とともに詳しく解説します。

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目次

税金に関する手続き|税務署・都道府県税事務所への提出書類

利益剰余金と内部留保の違いのイメージ

法人設立後の税務手続きは、多くの企業にとって最初の「抜け漏れポイント」です。特に創業1年目の経営者は事業準備に追われているため、期限を過ぎて青色申告が使えなくなったという事例も後を絶ちません。

どのような書類を提出しなければならないのか、さっそく1つずつ見ていきましょう。

法人設立届出書:会社設立から2ヵ月以内に提出

法人設立届出書は、会社を設立したことを税務署に知らせるための重要な書類です。提出期限は、会社が設立された日から2ヵ月以内と、短く設定されています。絶対に遅れないよう、カレンダーに印をつけておきましょう。

加えて、提出時には、登記事項証明書や定款の写しといった証明書類の添付も必要となる点に注意が必要です。この届出は、法人として納税義務を負うことを申告する重要な手続きです。法人番号が通知された後、なるべく早く提出しましょう。

全国のどの税務署でも提出できるわけではなく、本店所在地を管轄する税務署へ提出します。

青色申告の承認申請書:節税効果を高めたい場合に提出

青色申告の承認を受けると、欠損金の繰越控除や少額減価償却資産の特例など、いくつかの優遇措置を受けられます。赤字を翌年以降の黒字と相殺できたり、30万円未満の資産を経費として処理できたりと、実際の節税効果は大きいです。

申請書の提出期限は、原則として会社設立日から3ヵ月を経過した日と、最初の事業年度終了日のうち、いずれか早い日の前日までです。初年度からメリットをしっかり受けたいなら、法人設立届出書と一緒に出してしまうほうがスムーズです。

給与支払事務所等の開設届出書:役員報酬や従業員の給与を支払うなら必須

役員報酬や従業員の給与を支払う法人は、まず税務署へ「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要があります。この届出書を出しておけば、会社は給与から所得税を源泉徴収し、国へ納める立場になるという仕組みです。

提出期限は、給与を支払う事務所を開設してから1ヵ月以内と決められています。社長1人だけの会社でも、役員報酬を払う以上はこの届出が必要です。

よく「役員報酬は利益が出てから払えばいい」と考えて、何ヵ月も報酬をゼロのままにするケースがあります。しかし、役員報酬は節税や社会保険の面でも、早めに金額を決めておくほうが有利です。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:納税の事務負担を軽減

源泉所得税は、給与を支払った翌月の10日までに毎月納める必要があります。しかし、常時10人未満の従業員しかいない会社の場合、「源泉所得税の納期の特例」を受けられます。申請書を出すことで、納付を年2回(7月と1月)にまとめることが可能です。

この特例を使えば、毎月の納税手続きにかかる手間をかなり減らせます。明確な提出期限はありませんが、特例を受けるには前月末までに届け出ておく必要があります。例えば、7月分から適用したいなら、6月末までに申請を済ませましょう。

適格請求書発行事業者の登録申請:インボイス制度への対応

インボイス制度に対応し、取引先に適格請求書を出すには、税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出する必要があります。取引先が仕入税額控除を受けるためには、インボイスが必要なため、法人向けの取引が多い場合は登録しておくのが望ましいです。

登録は任意ですが、未登録だと取引の継続に影響が出る可能性もあります。設立時に免税事業者でも、事業戦略上、課税事業者を選びインボイス登録を行うケースは多いです。

各都道府県税事務所・市町村役場への法人設立届出

会社の住所が決まると、税務署とは別に、地域の窓口(都道府県の税事務所や市区町村)にも届出書を出す必要があります。この書類は、その地域で会社が活動するための案内のようなもので、住民税や事業税といった、地元へ納める税金に関わる手続きです。

提出するタイミングは自治体によってまちまちですが、税務署への書類と合わせて早めに動いておくと安心です。提出する前に、登記事項証明書や定款のコピーをそろえておくと、スムーズに手続きが進みます。

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社会保険に関する手続き|年金事務所への提出書類

書類を見比べる男性

社会保険は、会社を設立した直後によく質問が寄せられる分野の1つです。「社長1人なら加入しなくていいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、法人は規模に関わらず、加入が義務付けられています。

社会保険は、役員や従業員の病気・ケガ・老齢に備える大切な制度です。もし未加入のまま放置すると、罰則が科せられる可能性もあります。会社設立後は、管轄の年金事務所でなるべく早く手続きを行いましょう。

健康保険・厚生年金保険 新規適用届:会社として社会保険に加入する手続き

会社が初めて社会保険に加入する場合は、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出します。届出のときは、会社の情報がわかる書類(法人番号など)や登記簿の原本をそろえておきましょう。

提出期限は、会社を設立した日から5日以内とかなり短いため、できるだけ早めに手続きを進めることをおすすめします。実際のところ、登記が完了するのを待たずに、必要書類の準備を進めている会社もたくさんあります。

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届:役員・従業員の加入手続き

「被保険者資格取得届」は、役員や従業員を社会保険に加入させるための書類です。基本的には、会社の役員や常勤で働く従業員は全員加入することになります。

この届出は、法人設立や従業員を新たに迎えたときなど、事実が発生した日からわずか5日以内に提出しなくてはなりません。なお、この手続きは新規適用届とまとめて行うのが一般的です。手続きが完了すると、対象者に健康保険証が交付されます。従業員の生活保障に関わる重要な手続きのため、正確な情報で届け出ましょう。

健康保険被扶養者(異動)届:扶養する家族がいる場合に提出

社会保険に加入する役員や従業員に、生計を共にする扶養家族がいる場合、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。この書類を出せば、扶養家族は自身で保険料を負担せずに健康保険の給付を受けることが可能です。

ただし、扶養家族として認定されるには、年間収入が130万円未満などの条件があります。子どもが生まれた場合や家族の収入が変わった場合も、届出が必要です。

労働保険に関する手続き|労働基準監督署・ハローワークへの提出書類

書類を見る男性の手元

従業員を迎えることになったら、まず押さえておきたいのが労働保険(労災保険・雇用保険)への加入です。加入は法律で決められているもので、採用のタイミングで一気に手続きが必要になります。

労災保険は仕事中や通勤中にケガをしたときの備えになり、雇用保険は失業したときの生活を支える仕組みです。労災は労働基準監督署、雇用保険はハローワーク(公共職業安定所)でそれぞれ手続きを行います。また、役員のみの会社の場合は、加入義務はないと覚えておきましょう。

労働保険関係成立届:従業員を1人でも雇用した場合に必要

従業員を雇うことになったら、まず「労働保険関係成立届」を出して、労働保険の保険関係をスタートさせましょう。提出先は会社所在地を管轄する労働基準監督署です。

実は提出期限は、従業員を雇った翌日からわずか10日しかないため、採用前から準備しておくのがおすすめです。この届出を出すことで会社に労働保険番号が付与され、その後の各種手続きで使うことになります。

労働保険概算保険料申告書:保険料を申告・納付するための書類

成立届を提出した後は、その年度末までに従業員へ支払う賃金の合計額を予測して、概算の労働保険料を計算し、申告・納付します。この手続きに使用するのが「労働保険概算保険料申告書」です。

提出期限は、従業員を雇用した日の翌日から50日以内と設定されています。期限に遅れないよう注意が必要です。申告書は労働基準監督署や管轄の都道府県労働局、または金融機関へ提出し、計算した保険料を納めましょう。

この申告と納付をもって、一連の労働保険の加入手続きが完了します。

雇用保険 適用事業所設置届:ハローワークで行う雇用保険の加入手続き

労働保険関係成立届を労働基準監督署に提出した後、ハローワークで雇用保険の手続きを行います。その際に必要なのが「雇用保険適用事業所設置届」です。

この届出は、会社を雇用保険の対象にするためのもので、従業員を初めて雇った日の翌日から10日以内に提出する必要があります。提出時には、労働基準監督署で受け取った労働保険関係成立届の事業主控や賃金台帳などの添付書類が必要です。

手続きをスムーズに進めるためにも、あらかじめ確認してそろえておきましょう。

雇用保険 被保険者資格取得届:従業員を雇用保険に加入させる手続き

雇用保険適用事業所設置届とあわせて、従業員一人ひとりを雇用保険に加入させるための雇用保険被保険者資格取得届を提出します。所定の労働時間や雇用期間の条件を満たす従業員は、パートやアルバイトであっても加入対象となります。

提出期限は、資格取得の事実があった日(従業員を雇用した日)の属する月の翌月10日までです。

提出漏れを防ぎ、会社設立後の手続きを円滑に進めるコツ

会社を設立したあとにやらなければならない手続きは、税務署や年金事務所、労働基準監督署など、提出先も期限もさまざまです。本業の準備と同時に進めるのは大変ですが、漏れや遅れがあると、青色申告の承認が受けられなかったり、延滞税が発生したりします。

ここでは、提出漏れを防ぎながら、スムーズに手続きを進めるポイントをまとめてご紹介します。

手続きのスケジュールを一覧化して期限を管理する

会社設立後の手続きは、スケジュールを一覧化して期限を管理しましょう。手続きは提出期限や提出先が決まっており、漏れや遅れがあると法的な問題やペナルティのリスクが発生する可能性があるためです。設立日を起点として、「いつまでに」「どこへ」「何を」提出する必要があるのかを一覧にまとめましょう。

一覧化してまとめることで、手続きの全体像がわかりやすくなり、進捗状況を簡単に把握できるようになります。さらに、タスク管理ツールやカレンダーに期限を登録すれば、対応漏れも起こりません。

会社設立後の面倒な手続きを乗り切るには、すべてを一覧にして、期限と優先順位をわかりやすく管理することが重要です。この工夫によって、手続きミスや遅延といった致命的なリスクを回避できます。

複雑な手続きは税理士や社会保険労務士に相談する

会社を立ち上げたばかりの頃は、やることが多すぎて手続きが追いつかないという方も多いでしょう。もし「ちょっと自分だけでは厳しいな」と感じたら、無理をせず専門家に頼るのも一つの方法です。

税金まわりであれば税理士、社会保険や労働保険に関わる内容なら社会保険労務士が相談先になります。どちらもその道のプロのため、書類づくりから提出までをスムーズに進めてくれます。

また、継続して相談したい場合は顧問として関わってもらうこともできます。日々の経営で迷ったときに気軽に助言をもらえるので、初めての会社運営でもずいぶんと心強く感じられるはずです。

まとめ

会社を設立した後は、税務、社会保険、労働保険の3つの分野に分けられ、それぞれに複数の書類提出が求められます。会社設立後の手続きは、期限に幅があるのが特徴です。設立後2ヵ月以内と比較的余裕があるものもあれば、設立後5日以内というタイトな期限のものも存在します。

これらの手続きをあらかじめ計画して進めていけば、スムーズな会社運営を実現できるでしょう。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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