事業が軌道に乗ってくると、資金繰りや人員体制、金融機関への対応など「数字が絡む判断」が増えてきます。今の顧問税理士だけで良いのか悩む方は珍しくありません。公認会計会計士に顧問契約を依頼するメリットは、精度の高い経営判断ができるなどです。
本記事では、公認会計士と税理士の役割の違いを整理したうえで、依頼できる業務内容、売上規模に応じた費用相場を解説します。小谷野税理士法人は公認会計士が多数在籍しており、経営コンサルティングの実績も豊富です。
目次
そもそも公認会計士との顧問契約とは?

公認会計士との顧問契約は、会計・財務のことを「いつでも相談できる相手」をつくるイメージです。顧問契約を結ぶことで、決算書や試算表の数字を「処理するもの」ではなく、経営判断に使える形に整理してもらえるのが特徴です。
例えば資金繰りの見通し、事業計画の作り方、金融機関への説明などです。公認会計士との顧問契約は、単なる経理の補助ではなく、経営を数字の面から支えてくれるパートナーを持つ選択といえます。
企業の経営課題をサポートするパートナー契約
公認会計士との顧問契約は、日々発生するさまざまな経営課題を、数字の面から整理し、継続的に支えてもらうための契約です。財務状況を客観的に把握できるようになることで、課題がどこにあるのかが明確になり、次に取るべき対応を冷静に判断しやすくなります。
例えば、資金繰りに不安を感じたときも、「何となく不安」という感覚のまま悩むのではなく、数値をもとに原因を分析し、改善策を整理できます。コスト削減や収益性向上についても同様です。
感覚や経験だけに頼るのではなく、財務データに基づいた具体的な提案を受けられる点は、大きなメリットといえます。公認会計士との顧問契約は、問題が起きてから相談する関係ではなく、経営の変化に合わせて伴走してくれるパートナーを得るということです。
混同しやすい税理士との役割の明確な違い
公認会計士の代表的な業務のひとつが「監査」です。企業が作成した財務諸表について、数字の根拠や処理の流れを確認し、第三者の立場から「この数字は信頼できるか」をチェックします。
一方で、税理士はもっと日常業務に近い存在です。記帳や税務申告、税務相談などを通じて、日々の税務が滞りなく回るように支えます。日常的な記帳や申告を任せたい場合、税理士に依頼する方が良いでしょう。
融資や事業計画の作成、M&Aなどの専門的なアドバイスは公認会計士の方が適していると言えます。自社の状況や課題に合わせて、役割を分けて付き合っている会社も珍しくありません。
公認会計士は税理士登録を行えば、税理士として税務業務も可能です。税理士業務も可能な公認会計士に依頼することで、双方のメリットを同時に受けることができます。
公認会計士の顧問契約で依頼できる5つの主要業務
公認会計士との顧問契約で依頼できる業務は、会計監査だけではありません。主に以下の業務を依頼できます。
- 会社の信頼性を高める会計監査
- 経営状況を可視化する財務諸表の作成支援
- 資金調達や事業計画に役立つ経営コンサルティング
- M&Aや組織再編に関する専門的なアドバイス
- 内部統制システムの構築・運用サポート
ここでは、公認会計士が提供する代表的な5つの業務内容について解説します。
会社の信頼性を高める会計監査
会計監査は、公認会計士の代表的な業務のひとつです。企業の財務諸表が適正に作成されているかどうか、第三者の立場から確認します。上場企業などでは法律で義務付けられていますが、非上場企業であっても資本金5億円以上などの大会社は会計監査人の設置が義務付けられています。
会計監査は単なるチェック作業ではなく、企業の信用力を高め、成長の土台を整える役割を持っています。
経営状況を可視化する財務諸表の作成支援
財務諸表は、売上や利益の数字を見るだけの資料ではありません。会社の資金の流れや財務状況を客観的に把握するための、重要な判断材料です。
公認会計士は会計の専門家として、会計基準に沿った財務諸表の作成を支援するとともに、数字の見方や注意点についてもアドバイスします。経営状況が可視化されることで、「数字をどう読み取ればいいのかわからない」といった状態を防ぐことができます。
例えば、月次決算や四半期決算の体制を整えることで、業績の変化を早い段階で把握できるようになるでしょう。赤字の兆候やコスト増加にも気づきやすくなり、問題が大きくなる前に相談できる点は大きなメリットです。
資金調達や事業計画に役立つ経営コンサルティング
資金繰りや事業計画を考える際、感覚だけで判断するのは危険です。公認会計士は、財務データをもとに現状を整理し、数字の根拠を確認しながらアドバイスできます。
金融機関からの融資を検討する場面では、事業計画書や資金繰り表の内容がそのまま判断材料になります。会計士が関与していると、金融機関が気にするポイントを押さえた説明がしやすく、話がスムーズに進むケースもあります。
M&Aや組織再編に関する専門的なアドバイス
事業拡大や経営改善の手段として、M&Aや組織再編を検討する企業も増えています。一方で、進め方を誤ると、思わぬリスクを抱えることにもなりかねません。
公認会計士は、M&Aの対象となる企業の財務状況や収益性を調査し、取引に伴うリスクや課題を整理します。具体的には、財務デューデリジェンスや企業価値評価(バリュエーション)といった専門的な業務を行います。
分析を通じて、財務上のリスクを事前に洗い出し、適正な取引価格の算定や取引条件の検討が可能です。企業は情報に基づいた的確な判断がしやすくなるため、M&Aを成功に近づけることができるでしょう。
内部統制システムの構築・運用サポート
内部統制システムとは、業務の有効性や効率性を高め、財務情報の信頼性を確保するための社内体制やルールのことです。会社を健全に経営していくために必要な仕組みです。
公認会計士は、企業の規模や業種、事業内容に応じて、適切な内部統制システムの構築を支援します。具体的には、業務フローの可視化や職務分掌の明確化、社内規程の整備などを通じて、不正やミスが起こりにくい体制を整えます。
株式上場(IPO)を目指す企業にとって、内部統制の整備や運用は大きな課題です。公認会計士が関与することで、「形だけ整える」のではなく、業務に合った仕組みを構築しやすくなるでしょう。
内部統制システムの構築・運用サポートは、企業の信頼性と持続的な成長を支える大切な基盤です。
【料金表で解説】公認会計士との顧問料の相場

公認会計士との顧問契約を検討する際は、費用の相場を把握しておくと安心です。顧問料は会社の状況や依頼する業務内容によって異なるため、相場を知っておくことで、自社の状況に合っているか判断しやすくなります。
ここでは、売上規模別の月額顧問料の目安や、決算時に別途発生する費用、スポット契約の料金体系について一般的な費用の目安をわかりやすく紹介します。
【売上規模別】月額顧問料の目安
公認会計士の提供するサービスは広範なため、一律の料金ではありません。実際は、売上規模をひとつの基準として顧問料が設定されるケースが多くあります。
| 1,000万円未満 | 約3万円前後 |
| 売上規模 | 月額顧問料の目安 |
| 売上1~5億円 | 約5~10万円 |
| 売上10億円以上 | 約15万円~ |
実際の金額は、訪問頻度や相談内容によって前後します。料金は会計事務所によって異なるため、自社の状況に合わせて、複数の事務所に見積もり依頼するのがおすすめです。
別途発生する決算申告料の相場
公認会計士と顧問契約を結ぶ場合、月額顧問料とは別に、決算のタイミングで追加費用がかかるのが一般的です。この費用は「決算申告料」と呼ばれています。
月額顧問料の4〜6カ月分を設定している事務所が多く、月額5万円の場合、決算時に20〜30万円程度の費用を想定するとよいでしょう。 決算申告料には、決算書の作成や、法人税・消費税などの申告書作成及び提出代行の業務が含まれます。
ただし、業務内容の内訳は事務所ごとに異なるため、契約前に「どこまで対応してもらえるか」を確認しておく必要があります。
スポットで依頼した場合の料金体系
公認会計士との契約は、顧問契約だけではありません。必要な業務だけ単発で依頼する「スポット契約」という方法もあります。スポット契約の料金は、依頼内容の専門性や難易度、作業時間によって幅があります。
例えば、金融機関に提出する事業計画書の作成支援であれば、10万円前後で相談できるケースもあります。一方、M&Aに関する財務デューデリジェンスのように、専門性の高い業務は、数十万〜数百万円規模になることも珍しくありません。
スポット契約は、まずは専門家の意見を聞いてから判断したいという企業に適した選択肢といえます。
公認会計士の顧問料が決まる4つのポイント
公認会計士の顧問料は、売上規模だけで一律に決まるものではありません。実際は、会社ごとの状況に応じて、複数の要素を組み合わせて顧問料を設定しています。
ここでは、顧問料を左右しやすい代表的な4つのポイントを紹介します。
会社の売上高や事業規模
顧問料を考える際、ひとつの目安となるのが会社の売上高や事業規模です。売上や取引件数が増えると、チェックすべき会計データも自然と増えていきます。
取引先が多い会社や、複数の事業を展開している場合は、その分チェックや助言にかかる時間も長くなりがちです。そのため、事業規模が大きくなるほど顧問料も高くなる傾向です。
訪問頻度や面談回数
公認会計士がどの程度の頻度で関与するかも、顧問料に影響します。毎月しっかり打ち合わせを行う契約と、必要なタイミングだけ相談する契約とでは関わり方が大きく異なります。
関与する回数が増えるほど、タイムリーな助言を受けやすくなる一方で、その分費用も上がりやすくなります。自社にとって「どこまで必要か」を考えながら、無理のない頻度を選ぶことが大切です。
依頼する業務範囲の広さ
月次の数字チェックだけを依頼する場合と、資金調達や事業計画、内部統制の整備まで含める場合とでは、会計士側の負担も大きく変わります。 依頼内容が広がるほど、専門的な判断や工数が増えるため、顧問料にも反映されやすくなります。
あらかじめ「どこまで任せたいか」を整理しておくと、費用とのバランスが取りやすいです。
会計処理の複雑性や特殊な業種
業種や取引内容によって、会計処理の手間や難しさは大きく変わります。海外取引が多い会社や、特殊な会計処理が必要な業種では、確認や判断に時間がかかりがちです。このようなケースでは、会計士が関与する時間も増えるため、顧問料に反映されることがあります。
自社の業種や取引の特徴も、顧問料を考えるうえで押さえておきたいポイントです。
公認会計士と顧問契約を結ぶ3つの大きなメリット
公認会計士との顧問契約は、単に会計や財務の相談先を増やすというだけではありません。 経営に数字の視点が加わることで、判断の精度や会社の信頼性そのものを高める効果が期待できます。
ここでは、公認会計士と顧問契約を結ぶことで得られる、代表的な3つのメリットを紹介します。 関連記事:顧問税理士とは?税理士と顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説
専門的な視点から精度の高い経営判断ができる
顧問契約を結ぶことで、経営者は「感覚」だけに頼らず、数字に裏付けられた判断を行いやすくなります。例えば、公認会計士から提供される月次や四半期の分析レポート、そして経営に関する助言は、経営を冷静に見極める材料になります。
公認会計士の助言が入ることで、判断に迷いが生じたときの拠り所ができる点は大きなメリットといえるでしょう。
金融機関からの融資が受けやすくなる
金融機関や取引先が企業を評価する際、重視するのが財務情報の信頼性です。公認会計士が関与している決算書や事業計画は、第三者の視点が入っている分、数字の信頼性が高く見られやすくなります。
その結果、融資の相談がスムーズに進んだり、条件面で有利になるケースも考えられます。 取引先との関係においても、「きちんと管理されている会社」という印象につながるでしょう。
健全な会社経営の基盤を構築できる
公認会計士との顧問契約は、目先の課題を解決するだけでなく、長期的な経営基盤づくりにも役立ちます。例えば、会計処理や内部管理の体制を整えていくことで、不正やミスのリスクを抑えやすくなります。
また、問題が表面化してから対応するのではなく、早い段階で相談できる環境が整う点も大きなメリットです。こうした積み重ねが、結果として企業の安定経営や持続的な成長につながっていくでしょう。
専門的な知識が必要なら税理士と公認会計士がいる事務所への相談が安心!
公認会計士との顧問契約は、経営判断の精度を高めたい企業にとって、有力な選択肢のひとつです。一方で、実際の現場では「税務処理と経営支援、それぞれどこに相談すればいいかわからない」という声も多く聞かれます。
税理士は日々の記帳や税務申告、税務相談などを通じて、会社の土台となる税務を支える専門家です。公認会計士は税務分析や経営コンサルティング、M&A支援など、より専門的な経営課題に対応できます。
「今の顧問内容で十分なのか分からない」「税務と経営、どこまで専門家に頼むべきか迷っている」と悩みながら、判断を先送りすることも少なくありません。税理士と公認会計士、両方が在籍する事務所であれば、窓口を一本化しつつ、それぞれの専門性を活かしたサポートが受けられます。
小谷野税理士法人では、税理士と公認会計士が多数在籍しています。そのため、税務顧問に関するご相談はもちろん、経営支援についてもご相談可能です。
顧問契約や専門家選びで迷っている方は、小谷野税理士法人へお気軽にご相談ください。 現状を整理するところから、一緒に考えていきましょう。






