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つまみ申告とは?ペナルティや判例についてご紹介

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つまみ申告とは?ペナルティや判例についてご紹介

実際の売上・所得より減らして届け出る、「つまみ申告」をご存じでしょうか。つまみ申告には、さまざまなリスクが伴います。該当するのはどのようなケースか、ペナルティの内容、実際の判例などを確認しておきましょう。つまみ申告をしてしまったときの対応方法についても、ご紹介します。

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つまみ申告とは?

償却資産申告書とはのイメージ

つまみ申告とは、売上・所得を実際より少額で届け出る「過少申告」の一種です。該当するケースを、まずチェックしておきましょう。

一部の売上・所得のみを申告すること

つまみ申告に該当するのは、一部の売上のみを「つまんで」届け出るケースです。つまり、数ある売上のうち、一部のみを申告することを言います。故意に少額で届け出る行為であることから、「ことさら過少申告」とも呼ばれます。

10回の取引のうち5回のみを抜き出す、10万円の取引について5万円のみを計上するといった行為が、該当する事例です。

さまざまなリスクをもたらす行為

つまみ申告をすれば、税務上の売上が減る=課税所得が減り、税金の額も減少します。税額を抑えるために行う、いわゆる「税金逃れ」の行為です。

つまみ申告には、さまざまなリスクが伴います。判明すればペナルティもあり、取引先や従業員からの信用を失うことも想定されます。

中には、少しくらいならバレないだろうと、安易な考えで手を出してしまう方もいるでしょう。しかし、つまみ申告は脱税に該当する行為です。絶対に行わないよう、注意しましょう。

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つまみ申告が判明するとどうなる?

つまみ申告が判明すると、ペナルティが課されます。どのようなペナルティがあるか、具体的にご紹介します。

加算税が課される

所得を減らして届け出たことが判明したときは、過少申告加算税が課されます。「申告はしたものの、実際の所得よりも少なかったとき」に課されるもので、加算税の一種です。

所得額を修正した結果、追加で支払うことになった額の10%を納める必要があります。追加で支払う額が、50万円と当初支払った納税額のうち大きいほうの額を超えているときは、超えている部分には15%の税率が適用されます。不足する分の額が大きければ、より多くの加算税が課される仕組みです。

また、法定納期限を過ぎてから正確な税金の全額を納めるまでの日数に伴って、延滞税の納付も求められます。

参考:延滞税の計算方法

重加算税の対象となる可能性が高い

隠蔽・仮装といった悪質な行為があったと判断されると、過少申告加算税に代わって、重加算税が課されます。税率は、追加で支払う額の35%と、過少申告加算税よりも多額です。過去5年に重加算税が課されたことがあれば、税率はさらに増え、45%が徴収されます。

つまみ申告は、故意に売上・所得を減らして届け出ているため、重加算税の対象となる可能性が高いです。二重帳簿の作成や帳簿の改ざんを行っていなくても、明確な意図を持って隠蔽したとみなされれば、重加算税が課されます。

他の過少申告などとの違い

確定申告書に記帳する男性のイメージ

つまみ申告の他にも、過少申告とされるものがあります。申告や納税を怠ったパターンも含め、他の事例との違いについて、確認しておきましょう。

過失による過少申告との違い

売上や所得を少額で届け出てしまうケースの中には、うっかり間違えたということもあるでしょう。過失によるケースでも、過少申告加算税は課されます。しかし、隠蔽や仮装を行ってはいないため、重加算税の対象ではありません。

つまみ申告がバレたときは過失であると主張すれば、重加算税は課されないという主張も存在します。しかし、法人税や所得税においては、帳簿の付け方や届出の仕方は熟知しているのが前提とされており、過失だという意見は通りにくいと言われています。

また、記載漏れの数や金額が大きいほど、過失とはみなされづらくなるでしょう。故意であるケースはもちろん、過失による間違いも、発生しないように注意が必要です。

経費の水増しによる過少申告との違い

売上の計上を減らすのではなく、経費を水増しすることで、所得を下げようとするパターンもあります。経費の水増しについても、過少申告加算税の対象です。また、故意であると判断されると、重加算税の支払いを求められます。

税務調査が入れば、経費の水増しは高確率で発覚すると言われています。1件だけなど少数であれば過失とみなされることもありえますが、数が多いときには、悪質とみなされるリスクが高いでしょう。

無申告との違い

無申告は、申告自体を行わないケースです。確定申告の期限内に申告しなかった場合、ペナルティとして、無申告加算税が課されます。

無申告加算税の税率は、原則15%です。本来納めなければならない額が50万円を超える部分には20%、300万円を超える部分には30%の税率が適用されます。税務署から指摘される前に申告すれば、5%に軽減してもらえます。

原則税額50万円超の部分税額300万円超の部分
税務署からの指摘後の申告15%20%30%
税務署からの指摘前の申告5%

また、以下の要件に該当すれば、加算税は課されません。

  • 期限から1ヶ月位内に自主申告すること
  • 全額を納期限までに納めること
  • 過去5年間に無申告ないことや期限内申告をする意思があったと認められること

故意であると判断されたり、過去に何度も無申告があったりと、悪質だとみなされると、重加算税の支払いを求められます。無申告に対する重加算税の税率は40%、過去5年に重加算税を課されたことがある場合は50%です。

不納付との違い

不納付加算税は、主に源泉所得税を法定納付期限までに納めないケースのことです。期限内に納税しなかったときは、不納付加算税が課されます。

不納付加算税の税率は、10%です。税務署からの告知を受ける前に、自主的に納付を済ませれば、5%に軽減されます。また、納期限から1ヶ月以内に自主納付したときは、過去1年以内に不納付や期限後の納付がなければ、加算税は課されません。

不納付についても、悪質とみなされれば重加算税が課されることがあります。不納付に対する重加算税の税率は、過少申告のときと同様です。うっかり期限を過ぎてしまうケースであっても、何度も繰り返していると重加算税の対象になりえます。

重加算税と判断される要件

「隠蔽・仮装など、悪質な行為があれば重加算税の対象」であることは、前述の通りです。では、どのような要件で、悪質であると判断されるのでしょうか。

分かりやすい例としては、帳簿の改ざんがあったケースが挙げられます。いわゆる「二重帳簿」を作成していたり、帳簿をはじめとした決算に関する書類を破棄・隠匿したりといったケースです。帳簿への虚偽の記載や、意図的な計算違い・記載漏れも含まれます。

領収書や税額控除に関する証明書の改ざんも、悪質と判断されます。領収書や証明書の交付を、虚偽の申請に基づいて受けた事例も同様です。

一方で、誤りが「隠蔽・仮装」ではなく「ミス」であるとみなされれば、重加算税は課されません。 ミスとは、意図しない記載漏れ、認識や解釈違いによる誤り、集計や計算の単純な間違いなどを指します。

つまみ申告に関しては、売上・所得を意図的に減らしており、単純なミスとは言えないため、重加算税を課される確率が高いでしょう。

つまみ申告に関する判例

つまみ申告においては、帳簿の改ざんなどの積極的な行為がないことも多く、隠蔽・仮装に当たるのかという点で、重加算税の要件に該当するかが争われる事例が見られます。実際に、重加算税が妥当かを争った判例を確認してみましょう。

最も有名な例と言えるのが、平成6年11月22日に最高裁で出た判決です。いわゆる「サラ金」を営む男性Aの白色申告の内容について、重加算税の要件を満たすか否かが争われました。

裁判の結果、男性Aは、作為的に過少申告を行ったとみなされました。正確な所得金額を把握できる帳簿を付けていたにもかかわらず、実際の所得金額の3~4%程度の少額で届け出ていたためです。

また、税務調査の際、実際より店舗数を少なく記載した資料を提出するなど、正確な所得金額を隠蔽する行為を貫こうとしたともみなされています。当時は白色申告者には帳簿備付けの義務がなく、所得の調査が難しい点を利用したとも捉えられ、悪質性が認められ、重加算税の対象と判定されました。

判決内容をもとに考えると、以下の条件に該当すると、重加算税の対象となりうると言えるでしょう。

  • 確定申告において、実際の所得金額を隠蔽しようという意図を持っていた。
  • 税務調査に備え、事後工作をすることも想定していた。
  • 帳簿から正確な所得を算出できるにもかかわらず、一部または大部分を脱漏した。

帳簿は改ざんしていなくても、意図的に所得を過少申告する行為は、隠蔽とみなされる可能性が高いです。

参考:裁判例結果詳細

白色申告者はつまみ申告がバレないのか?

白色申告の個人事業主には、税務調査は入らないと考えている方もいるのではないでしょうか。実際には、白色申告者であっても、税務調査は行われます。

白色申告者であれば、不正がバレにくいとする言説は存在します。白色申告者に関しては、かつては帳簿類の備付け義務がありませんでした。調査をしても、帳簿がなく実態を把握しづらかったことから、不正がバレないという噂が生まれたのでしょう。

しかし、現在では、白色申告者でも帳簿類の備付けが義務付けられています。税務調査が行われれば、高確率で不正は発覚します。白色申告なら大丈夫と安易に考えず、正確な申告を心がけましょう。

つまみ申告をしてしまった際の対応

つまみ申告は、絶対にしてはいけない脱税行為です。もし、つまみ申告と判断されるような届出をしてしまったときは、早期に適切な対応を行いましょう。

税務調査が入る前に修正申告する

つまみ申告をしてしまったときは、税務調査が行われる前に、修正申告をすることをおすすめします。

修正申告は、確定申告の期限が過ぎた後に、内容を修正するものです。修正の結果、売上・所得や、納めなければならない額が増える場合に行います。

故意か過失かを問わず、内容の誤りに気付いたら、すみやかに修正申告しましょう。

期限内の場合は更正を請求する

修正する際に経費漏れも発覚し、計算した結果、税金の額が減少するというケースでは、更正の請求ができます。

更正の請求は、税務署長に対し、期限後に確定申告の内容の修正を求めるものです。修正の結果、納めなければならない額が減る場合に行う権利があります。

不正な申告をしていたとしても、更正を請求する権利はなくなりません。正確な内容に修正した結果、税金の額が減るのであれば、更正の請求ができます。ただし、更正を請求できるのは、本来の法定申告期限から5年間のみです。

すでに税務署から指摘がある場合も修正申告する

誤りが軽微なものであれば、税務調査ではなく、税務署からの電話や書面で指摘されることもあります。指摘があったときは、すみやかに修正申告を行うのが望ましいです。

また、税務調査が行われる際には、原則として調査をする旨が事前に通知されます。事前通知があった後、調査が行われる前に修正申告をすることも可能です。

税理士に相談する

つまみ申告を行ってしまい、うまく対応できるか不安であれば、税理士に相談するのが良いでしょう。

特に、過去にも不適切な届出を行っており、修正をしていないケースなどは、修正対応も複雑になることがあります。専門家の力を借りて、適切に修正しましょう。

税務調査前に修正申告することのメリット

メリット

つまみ申告をしてしまったとき、税務調査前に修正申告を済ませると、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを3つ、ご紹介します。

加算税が軽減される

税務調査の事前通知より前に、自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税は課されません。事前通知の後で、調査前に修正申告を行った場合は、5%(当初の納税額または50万円のうち大きいほうの額を超えた部分は10%)に軽減されます。

ただし、重加算税の対象であると判断されると、自主的に修正申告を済ませていても、重加算税は免除・軽減されません。

参考:No.2026 確定申告を間違えたとき

延滞税の増加を防ぎやすくなる

延滞税は、全額の納税を終えるまでの日数をもとに計算します。納税が遅れれば遅れるほど、延滞税は増加していくのです。

税務調査の結果が通知されるまでには、数ヶ月かかることもあります。特に悪質な隠蔽・仮装が疑われる場合、期間は長くなりがちです。そのため、調査の結果を待ってから修正をすると納付も遅れ、延滞税が増加してしまいます。調査が入る前に修正申告を済ませ、税金を納めることで、延滞税の額を抑えられます。

税務調査の対象から外れる可能性がある

税務調査の事前通知前に修正申告を行えば、調査の対象から外れることもあります。内容が正しいものとなることで、不審に思われづらくなるためです。

事前通知後の修正申告では、税務調査は逃れられません。ただし、修正後の内容に基づいて調査が行われるため、重加算税のリスクを軽減できる可能性はあります。

つまみ申告の修正に関する注意点

修正申告をしても、税務調査や重加算税の課税を完全に避けられるわけではありません。特に、事前通知があった後の修正申告では、修正を行ったことで不正の疑いを強めてしまう危険性が考えられます。つまみ申告を修正する際は、以下のような点に留意しておきましょう。

税務調査の対象期間が長くなる可能性がある

税務調査で調べられるのは、一般的に過去3年分です。しかし、不審な点があったときなど、過去5年まで遡って調査することがあります。ただし、「過去3年の調査」とする事前通知に対し、過去5年に期間を伸ばせるのは、調査で見つかった誤りについて、3年より前の申告にも同様の誤りが疑われる事例のみです。

事前通知後に修正申告を行った場合、不正をしていたため慌てて修正したと捉えられかねません。修正した他にも何らかの誤りや漏れがあったときには、対象期間が過去5年に伸ばされる確率は高まるでしょう。

また、不正行為や申告漏れが重大なものであると判断された場合、最長7年まで遡れることが、国税通則法に定められています。つまみ申告は重大な不正行為にあたる可能性があるため、過去7年分を調査されることもありえます。

税務調査が厳格化する可能性がある

修正の内容が多大なものであれば、不正を疑われやすくなります。特に事前通知後の修正申告は、不正を慌てて修正したのではという心証を与えてしまいます。

不正があったかもしれないという疑いや先入観は、通常よりも厳格な税務調査につながる可能性があるでしょう。

つまみ申告についてのお悩みや疑問は税理士への相談もおすすめ

売上・所得の一部のみを届け出る「つまみ申告」は、脱税にあたる行為であり、絶対にしてはいけません。ペナルティが課せられる可能性も高いため、万一つまみ申告に該当する届出を行ってしまったときは、すみやかに対応しましょう。

つまみ申告への対応については、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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