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役員報酬80,000円の社会保険料はいくら?計算方法と低く設定するメリット・デメリット

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役員報酬80,000円の社会保険料はいくら?計算方法と低く設定するメリット・デメリット

会社設立時、役員報酬をいくらに設定するか悩む経営者は多いでしょう。創業初期は会社の資金繰りを安定させるため、役員報酬を低く抑えるケースが多く見られます。しかし、メリット・デメリットを正確に把握しておく必要があります。この記事では、役員報酬を80,000円に設定した場合の社会保険料の目安や計算方法、メリットや注意点について解説しました。

役員報酬80,000円に設定した場合の社会保険料目安

法人設立における社会保険料のイメージ

役員報酬を月額80,000円に設定した場合、社会保険料として天引きされる個人負担額はおおよそ12,300円(40歳未満)〜約13,500円(40歳以上・介護保険料対象)です。したがって、実際の手取り額は66,000円〜67,500円前後となります。

社会保険料は、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料(40歳以上のみ)で構成され、支給額に基づいて算出されます。また、会社も同額の社会保険料を負担するため、会社負担分を含めた総コストは月25,000円程度(40歳以上の場合)です。

なお具体的な金額は、加入している健康保険組合や都道府県によって若干変動するため注意しましょう。

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役員報酬の社会保険料を計算する3つのステップ

法人設立における社会保険料のイメージ

役員報酬にかかる社会保険料の計算は一見複雑に見えますが、3つのステップを順序立てて進めることで理解しやすくなります。この流れを把握することで、報酬額が変わった場合でもご自身で社会保険料を概算できるでしょう。

標準報酬月額を確認する

社会保険料の計算は、実際の支給額そのものではなく「標準報酬月額」という基準額をもとに算出されます。標準報酬月額とは、毎月の報酬を等級ごとに区分したもので、月80,000円の報酬は73,000〜83,000円の範囲に該当します。その場合、標準報酬月額は78,000円です。

例えば役員報酬が60,000円なら58,000円となり、10万円なら98,000円が標準報酬月額となります。また、報酬が50,000円であっても、社会保険の加入義務がある場合は最低等級の58,000円が適用される点には注意が必要です。

健康保険料と厚生年金保険料の金額を調べる

標準報酬月額が確定したら、その金額に所定の保険料率を掛けて保険料の総額を計算します。

  • 厚生年金保険料率:全国一律(18.3%)
  • 健康保険料率:加入している健康保険組合によって異なる(全国健康保険組合は都道府県別)

40歳になると健康保険料に介護保険料が加算されるため、負担額が変わる点に注意が必要です。最新の保険料率は、全国健康保険組合(協会けんぽ)や加入している健康保険組合の公式サイトで確認できます。

会社と個人が負担する保険料を算出する

算出した保険料の総額は、会社と個人で半分ずつ負担するのが原則です(労使折半)。例えば、標準報酬月額88,000円で厚生年金保険料の総額が16,104円の場合、以下の通り折半します。

  • 個人負担:8,052円(給与から天引き)
  • 会社負担:8,052円

同様に健康保険料も労使折半で計算します。これにより、役員手取り額と、会社の法定福利費の金額の両方を明確に把握できるのです。

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役員報酬を80,000円に設定する3つのメリット

メリット

創業期の会社にとっては、役員報酬をあえて80,000円という低水準に設定することでさまざまなメリットを享受できます。ここでは、主な3つのポイントをまとめました。

社会保険料の負担を最小限に抑えられる

社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて計算されるため、役員報酬を低く設定するほど社会保険料の負担も軽減されます。例えば、役員報酬を30万円(標準報酬月額30万円)と80,000円(標準報酬月額78,000円)で比較すると、個人・会社の負担合計額に毎月数万円以上の差が生じます。

創業当初は売上が安定せず、少しでも固定費を削減したい時期です。報酬を低く設定することで、資金を事業投資や不測の事態に充てる余力を確保できる点は、経営面で大きなメリットと言えるでしょう。

所得税・住民税が非課税になる

役員報酬が月額80,000円の場合、年収は96万円です。この金額は「給与所得控除額(最低65万円)」と「基礎控除額(980,000円)」の合計額である163万円を下回るため、課税所得金額が0円になります。その結果、所得税はかからず、毎月の給与から源泉徴収される金額もありません。

また、多くの自治体では住民税の所得割が発生せず、均等割のみの負担で済むケースがほとんどです。社会保険料と税金の両面で負担を最小限に抑え、支給額に対する実質的な手取り率を挙げられます。

会社の資金繰りを安定させやすい

役員報酬は会社にとって毎月必ず発生する「固定費」です。役員報酬を低く設定することで、毎月の支出を抑え、手元資金を保ちやすくなります。

創業期は収入が不安定な時期が続くことも珍しくなく、キャッシュフローを健全に保つことが最優先です。手元資金に余裕が生まれれば、広告宣伝費や仕入れ費用といった事業成長に直結する投資に資金を回しやすくなるでしょう。

また、予期せぬ支出が発生した際の備えにもなり、経営の安定化に貢献します。

役員報酬80,000円には注意点も!知っておくべき3つのデメリット

役員報酬を80,000円に設定すると、社会保険料や税負担を抑えられる反面、将来的なリスクも伴います。ここでは、事前にしっかりと把握しておくべき重要なポイント3点をまとめました。

将来受け取る年金額が少なくなる

老齢厚生年金の受給額は、加入期間中の「標準報酬月額」と「加入期間」に応じて決まります。役員報酬が80,000円では標準報酬月額も低くなるため、毎月納める保険料が少なくなります。

その結果、将来受け取れる年金額も少なくなるのです。短期的な負担軽減というメリットがある一方で、長期的には将来の年金受給額に影響を及ぼす点は把握しておくべきデメリットと言えるでしょう。

生活費が不足する可能性がある

役員報酬80,000円から社会保険料が天引きされると、手取り額は約67,000円程度です。この金額で家賃や水道光熱費、通信費といった固定費を支払うと生活費に充てられる金額はごくわずかとなります。

個人の貯蓄や別の収入源がない場合、生活が成り立たなくなるリスクも考えられるでしょう。報酬を低く設定する場合は、生活費のシミュレーションを事前に行い、無理のない金額に設定することが重要です。

金融機関の融資審査で不利になる場合がある

金融機関の融資では、会社の事業計画や財務状況だけでなく、経営者個人の返済能力も審査の対象となります。役員報酬が極端に低い場合、経営者個人の収入が不安定であると判断される恐れがあります。

住宅ローンや自動車ローンなどの個人向けの融資審査だけでなく、会社の事業資金融資においても影響するケースがある点に注意しましょう。特に追加融資を検討する際には、経営者の報酬設定が審査のマイナス要因になる可能性が高いと言えます。

役員報酬80,000円で生活費を補う方法は?

役員報酬を80,000円に設定した場合、生活費を補うには足りないケースがほとんどです。しかし、役員報酬以外で収入を確保したり、社会保険料の負担を軽減したりすることで、生活の安定を図れる可能性もあります。

ここでは、役員報酬80,000円で生活費を補う具体例をまとめました。

個人事業主として別の事業所得を得る

法人からの役員報酬とは別に、個人事業主として事業所得を得る方法があります。例えば、法人の事業とは直接関係のないウェブサイト制作やコンサルティング業務などを個人で請け負い、収入を得るケースです。

法人で社会保険に加入していれば、個人事業で得た所得に対して国民健康保険料が二重に発生することはありません(所得税・住民税の申告は必要)。

ただし、個人で行う仕事が法人の事業内容と競合する場合、会社法上の「競業避止義務」に抵触する可能性があるため注意しましょう。あくまで法人とは独立した事業として行うことがポイントです。

配偶者の扶養に入り社会保険料の負担をなくす

配偶者が会社員などで社会保険に加入している場合、自身の報酬を扶養の範囲内に抑えることで、配偶者の社会保険に入るという選択肢もあります。健康保険の被扶養者として認定されれば、自身で健康保険料を納める必要がなくなり、年金も第3号被保険者として保険料の自己負担なしで国民年金に加入できるのです。

ただし、被扶養者として認定されるには年間収入が130万円未満などの条件を満たす必要があります。役員報酬以外の収入がある場合は、合計額によっては扶養から外れる可能性があるため、制度をよく理解した上で検討することが重要です。

まとめ

役員報酬を80,000円に設定することは、創業期の会社にとって社会保険料や税金の負担を最小限に抑え、資金繰りを安定させる有効な手段です。一方で、将来の年金額減少や、生活費不足のリスク、信用力低下といったデメリットも伴います。

短期的なコスト削減だけで判断せず、会社の経営状況・将来の資金計画・経営者自身のライフプランなどを総合的に考慮した上で、最適な役員報酬額を設定しましょう。

会社設立についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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