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不動産所得にかかる税金の計算方法|確定申告や基礎控除についても解説

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不動産所得にかかる税金の計算方法|確定申告や基礎控除についても解説

不動産投資による家賃収入などは不動産所得に分類され、所得税や住民税の課税対象です。これらの税金は、必要経費を差し引いた「不動産所得」に課税されるものであり、不動産収入にかかるわけではありません。不動産所得がある場合は、原則として確定申告が必要です。確定申告が必要ないケースもありますが、確定申告を行うことで税金面でのメリットがいくつかあります。ここでは、不動産所得にかかる税金についてや、不動産所得の計算方法、そして確定申告について解説します。

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不動産所得とは

不動産所得とは、土地や建物など不動産等の貸付けによって得られた収入を指します。正確には、以下の3つの所得から、事業所得や譲渡所得に該当するものを除いた所得が対象です。

  • 土地や建物などの不動産の貸付け
  • 借地権など不動産の上に存する権利の設定および貸付け
  • 船舶や航空機の貸付け

不動産所得は家賃収入だけでなく、貸付で受け取る共益費や礼金、更新料なども含まれます。ここでは、不動産所得に該当するものと該当しないものについて、詳しく見ていきましょう。

不動産所得に含まれるもの

不動産所得には、貸付けによる賃貸料(家賃)の収入のほかにも、以下のような代金も対象とされます。

  • 名義書換料、承諾料、更新料、頭金などの名目で受け取るもの
  • 敷金、保証金などのうち返還を要しないもの
  • 管理費、共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代
  • 駐車場、自動販売機などの付帯設備からの収入

このような不動産の貸付けに関わる、あらゆる代金が含まれます。

参考:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁HP

不動産所得が事業的規模と認められる場合

不動産の貸付けが事業的な規模だと認められる場合は、青色申告の特別控除で55万円(一定要件を満たした場合は最大65万円)までが控除できます。社会通念上、「事業」と賞するに至る規模で行われているかどうかは、以下のような基準で判断します。

【不動産所得が事業的規模だと認められるための基準】

  • 建物の貸付けにおいて、独立した部屋が概ね10室以上であること
  • 独立した家屋の貸付けが概ね5棟以上であること

事業的規模と認められると、以下のような税務上のメリットがあります。

  • 家族への給与を経費にできる
  • 貸倒損失や資産の損失を必要経費にできる
  • 正規の簿記の原則による記帳などの一定の要件を満たせば、青色申告特別控除が最大55万円まで利用できる

不動産所得、事業所得、山林所得がある方で所得税の青色申告承認申請書を提出している場合は青色申告者に該当し、一定水準の帳簿をつけることで青色申告特別控除の特典が受けられる仕組みです。さらに、青色申告特別控除には一定要件を満たすと、55万円の控除額が65万円に引き上げられる特典もあります。

55万円の控除が受けられる青色特別申告控除を受けれる条件に該当しつつ、以下のどちらかの要件を満たしている場合は、最大65万円までの控除が受けられます。

  1. その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存を行っている
  2. その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行う

ただし、不動産所得の金額、事業所得の金額または山林所得の金額の合計額が青色特別申告控除より少ない場合には、その金額が限度です。青色申告特別控除をうまく活用して、節税に努めましょう。

参考:No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁HP

参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁HP

不動産所得にかかる税金の種類

不動産所得にかかる主な税金は、所得税と住民税です。そのほか、不動産所得にかかる税金は以下の通りです。

  • 所得税:総合課税として、給与所得などと合算される
  • 住民税:前年度の所得額をベースに計算される
  • 消費税:非居住用の物件の家賃収入があり、課税売上が1,000万円を超える場合に翌々年はかかる税金
    ※居住用の場合は1,000万円を超えてもかかりません。

このように、不動産所得にはあらゆる税金がかかりますので、原則, 確定申告をする必要があります。

不動産所得の計算方法

不動産所得は、不動産の貸付で得た収益のすべてが所得税の課税対象になるわけではありません。不動産所得の金額の計算式は、以下の通りです。

  • 不動産所得=収入金額-必要経費

この計算によって算出された不動産所得の金額が、所得税の課税対象です。ここで算出した不動産所得は総合課税であるため、ほかの所得と合算され、総合的な所得税額や税率が決定します。

ここからは、不動産所得を計算する際の各項目である

  • 収入金額
  • 必要経費

これらについて、詳しく見ていきましょう。

収入金額に含まれるもの

不動産所得における収入金額(個人事業主、会社員どちらも共通)には、以下のものが該当します。

  • 貸付けによる家賃収入
  • 礼金、更新料、敷金・保証金のうち返還しない部分
  • 共益費や管理費
  • 駐車場代、自動販売機などの付帯設備からの収入

これら貸付などに関わる不動産関連の収入の合計額が収入金額となり、「不動産収入」とも呼ばれています。

必要経費として認められるもの

個人事業主、給与所得者ともに、不動産収入を得るための直接的に必要な費用として、家事上の経費と明確に区分できるものは必要経費として認められるものです。さらに、事業的規模の場合は、追加で必要経費と認められるものがあるため、場合によっては節税できる可能性があります。

具体的には、以下の通りです。

【個人事業主が認められる必要経費】

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 不動産取得税
  • 損害保険料
  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 借入金の利子
  • ローン金利
  • 広告費
  • 管理費(管理委託費)
  • 委託手数料
  • 仲介手数料

    【事業的規模の場合に追加される必要経費】

    • 家族に支払った給与
    • 回収不能の貸倒損失
    • 建物の取壊し費用
    • 不要となった資産の除去費用
    • 税金の延納に関わる利子税

    青色申告者の場合は複式簿記となるため、管理等も難しくなりますので、担当の税理士に確認してから確定申告をしましょう。

    必要経費として認められないもの

    不動産所得の計算において、必要経費として認められないものもあります。例として、以下のようなものは経費としてみなされません。

    • 所得税や住民税
    • 不動産の取得にかかった借入金のうち、土地等を取得するための借入金の利子で、その土地等が使用を開始する日までの期間に対応する部分の金額
    • 個人的な支出
    • 不動産収入と直接関係のない費用

        これらは不動産所得の必要経費には該当しませんので、ご注意ください。

        必要経費に含まれるものが幅広いため、確定申告を出す際には、できるだけ税理士などに依頼して確認してもらうのがおすすめです。

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        不動産所得にかかる所得税・住民税の計算方法

        家賃収入

        不動産所得にかかる代表的な税金として、所得税と住民税があります。不動産所得は総合課税のため、他の所得(給与所得など)と合算した総所得金額に基づいて計算されます。

        所得税は毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得から、所得税控除額や基礎控除などの各種所得控除を差し引いたものが課税対象です。一方、住民税は、前年の所得額から計算されるため、翌年から支払いが始まります。

        ここでは、所得税と住民税の計算方法とともに、差し引きされる各種所得控除について見ていきましょう。

        所得税の計算

        所得税は、不動産所得を含む合計所得金額から、基礎控除などの各種所得控除を差し引いた所得金額に対して課税されます。

        計算された所得税の課税対象金額に対し、累進課税制度に基づく税率を適用して計算されます。日本は累進課税であるため、税率は所得金額が高くなるにつれて段階的に上昇します。

        所得税の累進課税率と控除額は以下の通りです。

        課税される所得金額

        税率

        控除額

        1,000円~194万9,000円

        5%

        0円

        195万円~329万9,000円

        10%

        9万7,500円

        330万円~694万9,000円

        20%

        42万7,500円

        695万円~ 899万9,000円

        23%

        63万6,000円

        900万円~1,799万9,000円

        33%

        153万6,000円

        1,800万円~3,999万9,000円

        40%

        279万6,000円

        4,000万円以上

        45%

        479万6,000円

        平成25年~令和19年の各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付します。

        具体的な計算例としては、課税される所得金額が700万円(不動産所得などを含む)の場合、求める税額は以下の通りです。

        • 700万円×0.23-63万6,000円= 97万4,000円

        この97万4,000円で計算された所得税額から、さらに税額控除を差し引きます。住宅ローン控除などがある方は、この金額から税額控除を差し引くことで、最終的な所得税額が算出されます。

        参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

        住民税の計算

        住民税は、前年の所得金額に基づいて計算されます。住民税には所得割と均等割があり、この2つの合計額を納税する仕組みです。

        • 所得割:所得金額から所得控除を差し引いた額に税率(市区町村民税6%、道府県民税4%が一般的)をかけて計算する
        • 均等割:所得金額に関わらず定額が課税されるが、市民税や県民税など、その金額などは自治体によって異なる

          住民税は給与所得以外の収入がある場合は確定申告が必要です。

          不動産所得と基礎控除をはじめとする各種所得控除について

          所得税や住民税の計算においては、基礎控除をはじめとする各種所得控除を適用できます。この各種所得控除を差し引いた金額が、実質の課税対象です。

          控除には所得控除と税額控除の2種類があります。

          • 【所得控除】そもそもの課税所得を下げる効果があるため、累進課税である所得税の税率の引き下げが可能
          • 【税額控除】配当控除や住宅ローンなど、課税所得金額に税率をかけて求めた所得税額から、一定の金額を直接控除できる

          ここでは、所得税と住民税の課税対象を差し引きできる所得控除に関して、基礎控除と各種所得控除の2つに分けて見ていきましょう。

          基礎控除

          基礎控除とは、2,500万円以下の所得がある人に存在する、所得から差し引かれる人的控除の1つです。不動産所得は総合課税であるため、所得税などの他の所得と合算したのち、所得控除として基礎控除額分が差し引きできます。

          基礎控除額とは、納税者本人の合計所得金額に応じて定められており、合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円です。

          納税者本人の合計所得金額

          基礎控除額

          2,400万円以下

          48万円

          2,400万~2,450万円以下

          32万円

          2,450万~2,500万円以下

          16万円

          2,500万円超

          0円

          年収2,500万円まで、控除額が段階的に引き下げられています。

          参考:No.1199 基礎控除|国税庁

          その他の各種控除の種類

          その他の各種控除は15種類あり、大きく分けると2種類です。

          • 人的控除:納税者やその家族など、人に対して控除を与えるもの
          • 物的控除:納税者の支出に対する所得控除のことで、社会政策的に配慮されるもの

          まとめると、以下のような控除があります。

          人的控除

          • 基礎控除
          • 配偶者控除
          • 配偶者特別控除
          • 扶養控除
          • 障がい者控除
          • 寡婦控除
          • ひとり親控除
          • 勤労学生控除

          物的控除

          • 社会保険料控除
          • 生命保険料控除
          • 地震保険料控除
          • 小規模企業共済等掛金控除
          • 医療費控除
          • 雑損控除
          • 寄附金控除

          これらの所得税控除として差し引きすることで、所得税や住民税に課税される所得金額を減らせるため、節税に繋がります。

          参考:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

          不動産所得の確定申告について

          輸入消費税のイメージ

          不動産所得がある場合、原則として確定申告が必要です。特に、給与所得がある方は、給与所得以外の所得が年間20万円を超えた場合、確定申告をしなくてはなりません。これは、不動産所得も含みます。

          ただし、実際には確定申告が不要なケースもあるので、ご紹介します。

          確定申告が不要なケース

          原則、確定申告が必要な不動産所得ですが、以下に該当する場合は、確定申告が不要です。

          • 不動産所得を含む給与所得以外の所得が年間20万円を超えない場合
          • 不動産所得が赤字の場合
          • 所得が基礎控除額を下回る場合

              例としては、先ほどの不動産所得の計算において、不動産収入よりも必要経費の方が上回るなどした場合は、確定申告の必要がありません。

              しかし、このようなケースに該当したとしても、損益通算や繰越控除を利用するために、確定申告をした方が有利な場合もあります。

              不動産所得を確定申告をした方がよい理由

              「赤字の場合は不動産所得の確定申告は不要」とは言え、実際には確定申告を行った方がよいケースもあります。その理由としては、以下の3つです。2、3については個人事業主である青色申告者のみのメリットにはなりますが、確認しておきましょう。

              • 不動産所得で赤字となった場合に、他の所得と合算することで損益通算できるため、他の黒字の所得から差し引ける
              • 個人でも税務署で開業届と青色申告を届出している場合は、赤字を3年間繰り越すことが可能になる
              • 前年に青色申告を届出している場合は、前年分の所得金額に繰り戻し、前年分の所得税額の還付を受けられる

                  不動産所得は総合課税として他の所得と合算できます。そのため、赤字となった場合は損益通算や、青色申告者であれば赤字の繰り越しが可能となるケースもあります。今年度における税金の支払い額が変わらない場合でも、確定申告をしておくことをおすすめします。

                  また、個人事業主の場合は青色申告を提出すれば、翌年以降3年間にわたって、損失を繰り越せます。また、特定非常災害の指定を受けた災害により生じた純損失については、最大5年間の繰越控除の対象です。

                  さらに、その年度では損失が出ていなくても、損失が出た際は前年分の所得税額の繰り戻しによる還付を受けられるのは、青色申告をして確定申告をしている方のみです。

                  このように、毎年きちんと確定申告をしておくことで、税務面で節税に繋がる可能性はありますので、不動産所得がある場合は確定申告をしておくことをおすすめします。

                  参考:No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算|国税庁

                  参考:No.2070 青色申告制度|国税庁

                  不動産所得の確定申告の必要書類

                  不動産所得の確定申告の際には、以下の書類を税務署へ提出します。

                  • 確定申告
                  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
                  • 収支内訳書(白色申告の場合)

                  提出期限は翌年の2月16日から3月15日までの間です。期限内にこれらの書類の提出が必要となりますので、必ず準備しておきましょう。

                  また、青色申告をされる方については、e-Taxにて確定申告を行うことで、控除額が最大55万円から65万円まで引き上がります。

                  ただし、不動産所得をスマホ専用画面で申告するには、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で青色申告決算書・収支内訳書を作成した場合に限ります。

                  参考:令和6年分 青色申告決算書(不動産所得用)の書き方|国税庁

                  まとめ

                  不動産所得にかかる税金は、収入から必要経費を差し引いた所得に対して計算される、所得税と住民税がかかります。これらの税金には、基礎控除や各種所得控除を利用し、節税することは可能です。

                  事業的規模と認められる場合は、さらに大きな税制上のメリットを受けることも可能です。不動産所得を得ている方は、必ず適切な確定申告を行い、節税対策をしていくことをおすすめします。

                  不動産所得についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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                  この記事の監修者
                  池田 大吾小谷野税理士法人
                  カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
                  会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
                  銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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