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住民税の非課税限度額はいくらまで?年収・条件別に解説

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住民税の非課税限度額はいくらまで?年収・条件別に解説

近年、国が進める経済対策として給付金の支給が増えていますが、その際「住民税の非課税世帯」という言葉を見かけるでしょう。住民税の非課税世帯を対象にすることで、生活が困窮している方へ迅速にお金を届けられる等の目的があります。しかし、なかには自身の世帯が対象であることを知らず、給付金等を受け取れない方もいるようです。住民税の非課税限度額は、年収や世帯構成、扶養家族の有無などによって異なり、いずれも国の法令に基づいて判断されます。この記事では、年齢や収入、条件別でみる、住民税の非課税限度額や条件についてわかりやすく解説します。

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住民税の基礎知識|所得割・均等割・非課税世帯

課税所得と税金の計算

まずは住民税の非課税世帯を知る前に、住民税そのものの概要について押さえておきましょう。ここでは、住民税の概要と所得税、均等割など、住民税に関連する項目について解説します。

住民税とは

住民税とは、地方自治体がその地域に住んでいる個人や法人から徴収する税金のことです。国税とは違い、国ではなく各市町村や都道府県など地方自治体が課税主体であるのが特徴です。

住民税には2つの種類があり、法人住民税と個人住民税に分けられます。法人住民税は法人が事業所のある地方自治体に納める地方税を指し、個人住民税は前年の所得をもとに計算される税金です。

住民に関係する住民税は個人住民税で、原則として毎年1月1日時点で住んでいる市町村および都道府県に納付する必要があります。仮に1月2日以降に別の地域に転居した場合は、1月1日まで住んでいた地域に対して住民税を納付します。

また、住民税の納税義務が生じるのは一定額以上の所得がある人で、一定額に満たない場合、非課税となることがあります。住民税は確定申告や年末調整を通じて前年の所得額を自治体に報告され、その内容をもとに課税分が決まり、納税する仕組みです。そのため、納税者の家族構成や世帯年収、社会保険料の支払い状況などによって金額が変動することがあります。

住民税の所得割とは

住民税は「所得割」と「均等割」に区分されます。所得割とは、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得額に税率を掛けて計算される税金のことです。個人が地方自治体に納める税金の一つで、所得税と同様に所得に応じて課税額が決まる特徴があります。

所得割を計算する際は、下記のように前年の所得金額から所得控除額を差し引き、税率や税額控除額などを掛け、さらに調整控除額を差し引きます。

(前年の所得金額-所得控除額) × 税率 – 税額控除額 – 調整控除額

1,000円未満は切り捨てて計算し、一般的な税率は市町村民税で6%、道府県民税で4%です。/p>

地域によって税率が異なる場合があるため、正確な情報を把握したいときは所轄の自治体窓口や税務署で確認することをおすすめします。

参考:総務省|地方税制度|個人住民税
            大野城市役所|住民税の「均等割」「所得割」とは?

住民税の均等割とは

住民税の均等割とは、自治体が管轄する地域住民に対して納付が義務づけられた税金のことです。所得の大小を問わず、地域に住民票のある全ての人が一律に負担する税金で、地域社会全体で行政サービスを支えるために課せられます。

均等割は市区町村と都道府県それぞれで課税され、市町村民税が3,000円、都道府県民税が1,000円と設定されているのが一般的です。さらに、2024年度からは森林整備を目的に森林環境税が追加され、1人年額1,000円が加算・徴収されています。

森林環境税からわかるように、均等割は主に福祉や教育、ごみ処理など地域の行政サービスを安定的に提供するために使われる税金です。住民から徴収した税金によって、所得にかかわらず広く住民が補填し、地域社会の基盤を支えています。

ただし、一定の所得以下である低所得者や生活保護受給者などは、住民税の均等割が非課税となるケースもあります。非課税基準や均等割の金額は自治体ごとに違うので、お住まいの地域に該当する市区役所や自治体のホームページで確認すると良いでしょう。

非課税世帯とは

非課税世帯とは、所得額や扶養親族の有無、本人が未成年者・障害者・ひとり親・寡婦である等の理由から住民税が課税されない世帯のことです。本記事で紹介したように、その年の1月1日時点で生活保護を受給している方などが対象です。住民税はその市区町村に住む以上支払わなければならない義務があります。

しかし、所得が一定金額以下の方は生活が困窮する懸念から非課税とし、課税対象者で補填しながら公共サービスの運営を維持しています。

住民税の所得割・均等割が非課税(非課税世帯)となる条件

ストックオプションの税金のイメージ

住民税は所得割や均等割によって構成された税金ですが、一定条件を満たすことで非課税となる方もいます。住民税の所得割が共に非課税となる条件は地域によって異なりますが、東京23区の場合は下記の条件を満たしている必要があります。

対象となる方

住民税の所得割・均等割のいずれも非課税の方

  • 生活保護を受けている方
  • 障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得の場合は年収204万4,000円未満)の方
  • 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方

また、収入状況によっては所得割が非課税になる方もいます。所得割が非課税となる方は下記の通りです。

対象者(要件)

前年中の総所得金額等が下記金額を下回る方

  • 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
    • 基本給35万円 × (本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) + 令和3年度以降10万円 + 加算額21万円以下
  • 同一生計配偶者または扶養親族がいない場合
    • 基本給45万円以下

なお、扶養親族は年齢16歳未満の方、および地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限定されるので注意しましょう。次に、総所得金額に含む所得は下表の通りです。

所得の種類所得金額の計算方法(概要)備考

利子所得

国外の銀行等にある預金に対する利子等

(収入金額)

配当所得

株式や出資の配当等

(収入金額) – (株式等を取得するための借入金の利子)

不動産所得

地代・家賃等

(総収入金額) – (必要経費)

事業所得

農業・商業等事業から生じる所得

(総収入金額) – (必要経費)

給与所得

サラリーマンにおける給料等

(収入金額) – (給与所得控除額)

給与所得控除額は下表の通り

譲渡所得

不動産や株式等を除く資産譲渡による所得

(総収入金額) – (取得費 + 譲渡費用) – (特別控除額)

長期の譲渡所得は2分の1が対象

一時所得

クイズの賞金等

(総収入金額) – (その収入を得るために支出した金額) – (特別控除額)

2分の1が対象

雑所得

他所得に該当しないもの

*公的年金

(公的年金等の収入金額) – (公的年金等控除額)

公的年金等控除額は下表の通り

*その他

(総収入金額) – (必要経費)

また、上表に記載した給与所得控除額の算出方法は下表の通りです。

令和2年分以降
収入金額給与所得控除額

162万5,000円まで

55万円

162万5,000円超~180万円以下

収入金額 × 40% – 10万円

180万円超~360万円以下

収入金額 × 30% + 8万円

360万円超~660万円以下

収入金額 × 20% + 44万円

660万円超~850万円以下

収入金額 × 10% + 110万円

850万円超

195万円(上限)

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

公的年金控除額の算出方法は下表の通りです。

65歳未満の方
年金等の収入金額公的年金等にかかわる雑所得以外の所得にかかわる合計所得金額
1,000万円以下1,000万円超~2,000万円以下2,000万円超

下限以下

60万円以下:控除=収入金額

50万円以下:控除=収入金額

40万円以下:控除=収入金額

130万円未満

60万円超~130万円未満:60万円

50万円超~130万円未満:50万円

40万円超~130万円未満:40万円

130万円~410万円未満

公的年金等の収入金額 × 25% + 27万5,000円

公的年金等の収入金額 × 25% + 17万5,000円

公的年金等の収入金額 × 25% + 7万5,000円

410万円~770万円未満

公的年金等の収入金額 × 15% + 68万5,000円

公的年金等の収入金額 × 15% + 58万5,000円

公的年金等の収入金額 × 15% + 48万5,000円

770万円~1,000万円未満

公的年金等の収入金額 × 5% + 145万5,000円

公的年金等の収入金額 × 5% + 135万5,000円

公的年金等の収入金額 × 5% + 125万5,000円

1,000万円以上

195万5,000円

185万5,000円

175万5,000円

参考:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁

65歳以上の方
年金等の収入金額公的年金等にかかわる雑所得以外の所得にかかわる合計所得金額
1,000万円以下1,000万円超~2,000万円以下2,000万円超

330万円未満

110万円

100万円

90万円

330万円~410万円未満

公的年金等の収入金額 × 25% + 27万5,000円

公的年金等の収入金額 × 25% + 17万5,000円

公的年金等の収入金額 × 25% + 7万5,000円

410万円~770万円未満

公的年金等の収入金額 × 15% + 68万5,000円

公的年金等の収入金額 × 15% + 58万5,000円

公的年金等の収入金額 × 15% + 48万5,000円

770万円~1,000万円未満

公的年金等の収入金額 × 5% + 145万5,000円

公的年金等の収入金額 × 5% + 135万5,000円

公自年金等の収入金額 × 5% + 125万5,000円

1,000万円以上

195万5,000円

185万5,000円

175万5,000円

参考:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁

詳細については、地方税法施行令を確認、または最寄りの市区役所にお問い合わせください。

参考:個人住民税|暮らしと税金|東京都主税局

   地方税法施行令 | e-Gov 法令検索

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住民税の課税対象となる所得・対象外となる所得

住民税の課税対象となる所得・対象外となる所得は下表の通りです。

対象となる所得対象外となる所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得
  • 山林所得
  • 退職所得
  • 傷病者・遺族等が受け取る恩給・年金等
  • 給与所得者の出張旅費・月額15万円までの通勤手当
  • 心身や突発的な事故等により資産に加えられた損害に対する損害保険金や損害賠償金、慰謝料等
  • 雇用保険の失業給付
  • 相続・遺贈または個人からの贈与による所得(相続の場合は課税対象)
  • 児童手当・児童扶養手当等、子育てにかかわる施設やサービス利用料に対する助成金

自身で得た所得か、何らかの理由によって国から支払われた金銭か、で対象か否かが変わります。詳細については、国税庁のホームページに公開されている資料をご確認ください。

参考:No.2011 課税される所得と非課税所得|国税庁

住民税非課税世帯が受けられるメリット

ストックオプションの税金のイメージ

住民税非課税世帯には、医療費や社会保険料などに対するさまざまな支援策があります。ここでは、住民税非課税世帯が受けられるメリットとして、優遇措置などについて解説します。

医療費負担に対する軽減措置

住民税非課税世帯では、病院窓口による医療費の支払いに対する優遇措置があります。この場合、一定額を超えた際に高額療養費として申請することで超過分の支給を受けることが可能です。高額療養費制度は、国民健康保険や後期高齢者医療保険と異なる扱いのため、それぞれについて解説します。

国民健康保険の場合

国民健康保険を使って医療費を支払った場合の自己負担額は、加入者の年齢や所得額で変動します。仮に70歳未満で住民税非課税世帯であれば、1ヵ月以上の負担上限額は3万5400円です。なおベッド代や先進医療費については対象外となるので注意が必要です。

参考:厚生労働省|高額療養費制度を利用される皆さまへ

後期高齢者医療制度の場合

後期高齢者医療制度は、一般的に75歳以上の方が国民健康保険から移行して加入する健康保険制度です。高額療養費については所得区分によって自己負担額が決められています。住民税非課税世帯の自己負担限度額は下表の通りです。

所得区分自己負担上限額
外来(個人ごと)外来 + 入院(世帯ごと)

世帯全員が住民税課税の場合

8,000円

2万4,600円

世帯全員が住民税非課税かつ年金年収が80万円以下の場合

8,000円

1万5,000円

参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ

後期高齢者医療制度を利用する際は、世帯年収で自己負担額が変わる点に注意しましょう。

介護保険料に対する減額措置

場合によっては、介護保険料に対する減免措置も対象範囲です。介護保険料は40歳以上の方が支払う保険料を指し、収入によって保険料が異なります。減額対象となる方は介護保険の加入者が65歳以上の「第1号被保険者」です。

仮に、第1号被保険者で世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金受給者であれば、基準額の3割まで減額されます。なお、減額は自動的に切り替わるわけではなく申請が必要となるため、減額を希望する方は最寄りの市区役所に問い合わせると良いでしょう。

条件によっては介護サービス利用料の減免も利用可能

住民税非課税世帯の方で条件を満たしている方であれば、高額な介護サービス料の減免も対象です。

介護サービス利用料は自己負担割合に応じて利用料を支払う必要があり、自己負担の上限額は世帯所得区分によって異なります。仮に住民税非課税世帯であれば、最大で月額2万4,600円にまで負担分を抑えることができます。

参考:厚生労働省|医療費の一部負担(自己負担)割合について

保育料の無償化

住民税非課税世帯であれば、2歳児以下の子どもを保育園に預けた場合も無償で利用できます。現在の日本では、3歳から5歳児の子どもの保育園料は無償化が一律です。しかし、2歳児以下の子どもは有料であるため、費用を気にせず子育てができるのはメリットと言えるでしょう。

教育に対する減免・奨学金等も利用可能

保育料に限らず、教育に関する減免・奨学金の利用も対象です。例えば、大学の入学に必要となる入学金や授業料も、住民税非課税世帯であることで減免措置を受けられます。

また、高等教育の就学支援新制度の施行により、授業料等の減免措置も対象となる場合があります。その他、高等教育の授業料等は、世帯の収入水準や1人暮らしなどによって条件が設けられているため、確認が必要です。

仮に、住民税非課税世帯の学生が市立大学に通うのであれば、上限約26万円の入学金、年間上限約70万円の授業料の減免措置が受けられます。

国民健康保険料・国民年金保険料の減免

国民健康保険料や国民年金保険料の減免も対象です。いずれも所得額によって異なりますが、基準を満たすことで負担額を抑えられます。詳細については以下の記事で詳しくまとめていますのでこちらも併せてご覧ください。

住民税非課税世帯に関する注意点

住民税非課税世帯に適用されるかどうかは、一般的に前年の所得がもとになります。仮に、現時点で所得が少なくなっても、前年度が対象となる所得であれば住民税非課税世帯になることができません。住民税非課税世帯が適用されることでさまざまな優遇措置受けられます。

しかし、優遇措置を受けるために世帯分離を行った場合、かえって国民健康保険料の納付額が増えるケースもあります。なかには扶養手当や家族手当が受けられず、生活が苦しくなる方も少なくありません。

住民税非課税世帯にはメリットもある一方で、デメリットに感じる部分もいくつかあります。これらのことから、住民税非課税世帯を適用させるために世帯分離を行う行動は、メリットだけではないことを念頭に置く必要があるでしょう。

住民税非課税世帯の対象範囲を押さえよう

住民税非課税世帯となるためには、所得や収入、扶養状況など自治体ごとの条件を十分に把握し、適切な申告や手続きを行う必要があります。住民税非課税世帯の適用によって優遇措置を受けられる一方で、扶養手当が受けられなくなるなどのデメリットも存在するためです。

社会情勢が大きく変化する中で何かと注目を集めやすい住民税非課税世帯ですが、その分だけ生活が困窮しているとも考えられます。優遇措置がある一方で、デメリットも存在するからこそ、住民税非課税世帯の適用については専門家への相談がおすすめです。住民税非課税世帯が適用されない方の中で、節税につながる方法を知りたい方は、この機会にぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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