0120-469-383平日 9:00~18:00 税理士に相談(相談無料)
会社設立の基礎知識

事業計画書と創業計画書の違いとは?作成目的や書き方、説得力を持たせる工夫を解説!

公開日:

事業計画書と創業計画書の違いとは?作成目的や書き方、説得力を持たせる工夫を解説!

創業融資の審査で必要となる「創業計画書」は、創業者自身の経歴や事業計画、そして安定した収益を見込む根拠を示すための書類です。一方で「事業計画書」は、既存事業の実績や市場戦略を用いて、返済能力を明確にするために使用されます。この記事では、見落としがちな両者の違いを解説し、説得力のある計画書作成のポイントをお伝えします。

会社設立をご検討中の方へ

設立手続きから起業後の税務・会計、経営相談までトータルサポートいたします。

「事業計画書」と「創業計画書」の違い

手続きに関するイメージ

「事業計画書」と「創業計画書」には、それぞれの役割や作成の目的に違いがあり、適切に使い分ける必要があります。ここでは、両者の基本的な違いについて解説します。

基本的にはどちらも事業の計画を示すもの

「事業計画書」と「創業計画書」は、どちらも事業の計画を示すための書類です。事業の目標や方針を明確にし、資金調達や経営の指針として活用されます。具体的な内容や焦点は異なるものの、事業の内容を整理したり説明したりするための資料で、本質は大きく変わりません。

創業計画書は、新しい事業を始める前や直後に作成され、主に事業の構想や将来的なビジョンを示します。一方、事業計画書は、既に運営中の事業について、具体的な数値や過去の実績を基に今後の戦略を詳細に示すものです。

例えば、創業計画書では「なぜこの事業を始めるのか」といった動機やビジョンが重視され、事業計画書では「これまでの実績を踏まえた今後の見立て」など具体的な計画が重視されます。

作成する時期や目的が異なる

創業計画書は、新しいビジネスを立ち上げる際に作成する書類です。事業を始める前や創業直後に作成され、主に創業融資の申し込み時に必要となります。創業計画書には、創業の動機・経営者の経歴・初期費用の内訳などが記載されます。例えば、どのような商品やサービスを提供するのか、どのような市場をターゲットとするのか、といった詳細な情報が必要です。

一方、事業計画書は、既に運営中の事業について資金調達や事業戦略の見直しを行う際に作成する書類です。売上や経費などの実績データを基に、今後の収益予測や戦略を具体的に示します。また、補助金や助成金の申請時、出資者への情報共有時にも必要となることがあります。事業計画書では、次年度の売上目標や新商品の開発計画など、具体的なアクションプランを記載することが大切です。

会社設立をご検討中の方へ

設立手続きから起業後の税務・会計、経営相談までトータルサポートいたします。

「事業計画書」とは

事業計画書は、融資や資金調達の際に作成することが一般的ですが、事業の現状を見直す際にも利用されます。ここでは、事業計画書の意義と作成目的について解説します。

資金や人材を集めるために作成することが多い

事業計画書は、金融機関からの融資を受けたり、投資家や求職者からの注目を集めたりするために作成されます。融資を申し込む際には、事業の実現性や返済能力を示すことが必要です。そのため、計画書には事業内容の詳細や収益予測、リスク管理の計画を記載します。

一方、ベンチャーキャピタルや個人投資家からの出資を受ける際には、事業の成長性や将来のリターンの可能性を強調することが重要です。この場合、事業計画書にはビジネスモデルや市場分析、競争優位性の説明が求められます。資金調達手段を活用するためには、事業の将来性や社会的な意義を具体的に示すことが大切です。

また、事業計画書は資金だけでなく、人材の確保にも役立ちます。新しいプロジェクトに参加する従業員やビジネスパートナーを募集する際、事業計画書を用いて事業のビジョンや目標を共有することが有効です。事業計画が明示されていることで、共通の目標に向かって協力しやすくなり、関係者の信頼を得やすくなります。

客観的視点で自社の改善ポイントが分かる

事業計画書は、自社の現状を客観的に見直したいときにも役立ちます。計画書を作成する過程で、事業の強みや弱み、機会や脅威を明確にできる点が利点です。分析により、改善点や課題が浮き彫りになり、具体的な対策を講じる指針となります。例えば、売上の増加やコスト削減のための戦略を再検討する際にも有効です。

事業計画書の作成は、経営者自身が事業の方向性を再確認し、長期的なビジョンを持つことにもつながります。事業の進捗を評価し、必要な修正を加えるためには、売上目標・市場戦略・資金調達計画など、具体的かつ実現可能な内容を記載することがポイントです。

また、事業計画書は第三者の目で事業を評価してもらう際にも役立ちます。例えば、経営コンサルタントや専門家にアドバイスを求める際、計画書を提示することでより具体的な改善提案を受けられます。

「創業計画書」とは

創業計画書は、新たにビジネスを始める際に、その事業について詳しくまとめた書類で、資金調達や事業の見通しを示すために作成されます。ここでは、創業計画書の具体的な用途と、代表的な提出先について解説します。

創業期に融資を受けるために必須

創業計画書は、まだ事業実績がない創業期に作成する書類で、資金調達を行う際に提出します。創業期には会社としての信用がまだ確立されていないことが多いですが、それでも金融機関は融資先として信用に値するかを判断する必要があります。そのため、計画書に事業内容・目標・収益予測・リスク管理などを記し、事業の成功見込みと返済能力を示すことが重要です。

例えば、新しいカフェを開業しようとする場合、創業計画書にはカフェのコンセプト・ターゲット市場・競合分析・運営計画などを詳細に記載する必要があります。また、初期投資や運営資金の調達計画も明示し、収益が見込めることを示すことも重要です。こうした情報を提示することで、金融機関は事業の信頼性を評価し、融資を検討します。

代表的な提出先は「日本政策金融公庫」

創業計画書の主な提出先として、「日本政策金融公庫」が挙げられます。日本政策金融公庫は、政府が100%出資する政策金融機関で、新たな事業を始める中小企業や個人事業主に対して低金利で融資を行っています。創業期の資金調達を支援するため、無担保・無保証での融資制度も提供している点が特徴的です。

日本政策金融公庫に提出する創業計画書には、各支店でテンプレートが用意されており、ウェブサイトからもダウンロード可能です。テンプレートには、事業内容・経営者の経歴・資金の使途・返済計画など、審査に必要な項目が網羅されています。

参照:創業計画書|日本政策金融公庫

また、各自治体の制度融資や民間金融機関を利用する際にも、創業計画書の提出が求められます。例えば、都道府県や市区町村の制度融資に申し込む際には、自治体の担当部署や信用保証協会でテンプレートを入手できます。自治体によってはウェブサイトからダウンロードできる場合もありますが、窓口で直接受け取る必要がある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

「事業計画書」の書き方

書類を見比べる男性

事業計画書は、基本的に社外の人に見てもらう書類です。項目が決められている訳ではありませんが、一般的に記載される項目やポイントを押さえておくと良いでしょう。ここでは、事業計画書の書き方について、詳しく解説します。

「事業計画書」に記載する内容

事業計画書には、一般的に以下の項目を記載します。事業計画にまつわる詳細を網羅的に記載することで、計画書の信頼性が高まり、関係者からの評価も得やすくなります。

項目内容
企業・事業の概要

企業の基本情報や事業の全体像を記載します。所在地や連絡先、提供する商品・サービスの概要、ターゲット市場などを明確に示します。

市場環境・競合

市場のニーズや競合他社の情報を整理します。事業が取り巻く環境や競争優位性を説明し、差別化ポイントを強調しましょう。

自社の強みと特徴

事業の独自性や強みを具体的に記載します。競合他社にはない価値をアピールし、事業の魅力を伝えましょう。

販売・マーケティング戦略

顧客をどのように獲得し、商品やサービスを提供するかの戦略を示します。広告宣伝の方法や販売チャネルについて具体的に説明しましょう。

取引先情報

既存または予定している取引先の情報を記載します。取引先が多いほど、事業の信頼性が増します。

実施体制・人員計画

現在の従業員数や今後の採用計画について記載します。事業の拡大に伴い、必要となる人材の確保についても触れましょう。

売上に関する計画

売上目標や達成のための施策を具体的に記載します。実現可能な数値目標を設定しましょう。

利益に関する計画

売上から経費を差し引いた純利益を予測し、どのように利益を生み出すかを説明します。事業計画書の項目の中でも特に重要です。

資金調達に関する計画

資金調達の方法や具体的な使途について記載します。自己資金の額や資金調達の計画を明確に示しましょう。

実施スケジュール

事業の開始時期や目標達成までのスケジュールを記載します。具体的なマイルストーンやリスク管理の計画も含めましょう。

実績と今後の見立てについて多角的に説明する

事業計画書では、過去の売上や経費などの数値データを基に、今後の見通しを多角的に説明することがポイントです。金融機関や投資家に対して事業の信頼性を示すだけでなく、経営者自身が事業の現状を再確認し、将来の戦略を練る際にも役立ちます。

事業計画書の信頼性を確保するためには、過去の実績を正確に記載しなければなりません。売上の推移・利益率の変動・固定費の内訳などを具体的に示し、現実的なデータに基づいた計画を立てましょう。また、実績を無視した非現実的な予測を立てると、信用を失う可能性があります。現実を直視し、実行可能な改善策を講じることが大切です。

今後の見通しに説得力を持たせるためには、来年度の売上目標・新商品の開発計画・マーケティング戦略など、具体的なアクションプランを記載します。事業の成長を支えるための細かな計画を示すことで、金融機関や投資家に対して信頼性を高めることにもつながるでしょう。

「事業計画書」のテンプレート

事業計画書には決まったフォーマットはありませんが、テンプレートを活用することで自分のビジョンや計画をしっかり伝えられます。特に、初めて事業計画書を作成する場合は、「日本政策金融公庫」や独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」がオンラインで配布しているテンプレートを活用するのがおすすめです。それぞれ必要な項目が網羅されており、書類作成に不慣れな方でも参考にしながら進められます。

また、融資を検討する際は、金融機関独自のテンプレートを確認することをおすすめします。ただし、形式が簡易的な場合が多いため、信頼性を高めたい場合には自分で詳細な資料を追加して提出することが有効です。

自身での作成に不安がある場合は、顧問税理士に依頼する方法も有効です。税理士は、事業計画書の目的や必要な内容に応じてアドバイスしてくれるため、より質の高い計画書を作ることが可能です。税理士にフォーマットを用意してもらうだけでも、何を書くべきかが明確になり、作業の負担を軽減できるでしょう。

参考:各種書式ダウンロード|日本政策金融公庫

参考:各種書式ダウンロード | J-Net21

「創業計画書」の書き方

創業計画書は、創業時に必要な資金調達や事業計画を明確にするために活用します。創業者のビジョンや事業の現実性を伝え、周囲の信頼を得ることが主な目的です。ここでは、「創業計画書」の書き方について、詳しく解説します。

「創業計画書」に記載する内容

創業計画書の主な内容は以下の通りです。過去の実績がない分、今度の見通しやビジョンに説得力も持たせる必要があります。

項目内容
創業の動機

創業への熱意やビジョンを記載します。「なぜこの事業を始めるのか」という動機が伝わると、計画書の説得力が増します。単なる思いつきではなく、入念な準備や明確な目標を記載しましょう。

経営者の略歴等

経営者の経験やスキルを記載します。特に、起業分野に関連する職務経験や実績はアピールポイントです。数字や具体的な成果を含めて伝えると、信頼性が高まります。

取扱商品・サービス

自社の商品やサービスの特徴、競合との差別化を記載します。ターゲット市場や集客方法についても具体的に説明しましょう。

取引先・取引関係等

顧客や仕入先など、事業を支えるパートナーやネットワークについて記載します。具体的な名称や取引の根拠を示すと、信頼度が向上します。

従業員計画

従業員が必要な場合、その人数や役割について記載します。将来的な人員計画も含めることで、事業拡大の可能性が伝わります。

借入状況

個人の借入状況を正確に記載します。金融機関は個人信用情報を確認するため、誠実な対応が求められます。

必要な資金・調達方法

必要資金の額と調達方法を記載します。自己資金の割合は特に重要で、日本政策金融公庫では通帳原本を提示しなければなりません。コツコツ貯めてきた過程を示すと、熱意をアピールできます。

事業の見通し

創業後の収支計画や成長見込みを示します。現実的で無理のない計画を策定し、同業者のデータや統計を活用して説得力を高めると良いでしょう。

創業計画書は、内容の正確性や一貫性が重要です。必要に応じて専門家に相談することも検討しながら、完成度の高い計画書を目指しましょう。

創業者の事業遂行能力をアピールする

創業時の企業には過去の業績がないため、融資における評価基準では創業者個人の経験やスキルが重視されます。創業計画書では、ただ単に履歴を羅列するのではなく、具体的な事例や成果を用いて自分がこの事業を成功させる能力を伝えることがポイントです。例えば、過去に同業種で培ったノウハウや、プロジェクトを主導した経験などを挙げると説得力が高まります。

また、自己資金の管理も事業遂行能力を示すポイントです。創業融資では、通帳原本の提示が求められ、自己資金の貯め方や利用計画が問われます。一時的に預金額を多く見せる小技は通用しないため、計画的に資金を準備しておくことが大切です。自己資金は、創業の本気度を示す指標として見られるため、その重要性を理解してアピールしましょう。

創業計画書では、将来の計画を具体的に描く力も問われます。単なる希望的観測ではなく、現実的な計画を提示することで、融資担当者や投資家からの評価を得やすくなります。

「創業計画書」のテンプレート

多くの融資機関では創業計画書のテンプレートを用意しています。作成が初めての方でも、テンプレートに沿って記入するだけで、必要事項を簡単に整理することが可能です。

例えば、「日本政策金融公庫」のテンプレートは業種ごとに充実した内容が特徴で、初めての創業者にも使いやすいよう設計されています。記入例や説明書も参照ができ、不明点があれば手引きを確認しながら進められます。

また、地方自治体でも独自のテンプレートを用意している場合が多く、窓口やオンラインで入手可能です。内容が簡潔な場合が多く、記載にあまり時間をかけずに提出できる点が魅力です。

ただし、各自治体や機関により書式や求められる内容が異なることがあるため、事前に確認しておく必要があります。不安がある場合や作成に時間を取られたくないという方は、税理士などの専門家へ依頼することも一つの方法です。

「事業計画書」と「創業計画書」を作成するポイント

書類

事業計画書や創業計画書は、資金調達やビジネスの進行を成功させるために重要な資料です。ただし、内容の質によって結果が大きく変わるため、効果的にアピールするための工夫が求められます。ここでは、作成時の具体的なポイントをご紹介します。

数値やデータを用いて客観的に説明する

計画書の説得力を高めるためには、数値やデータに基づいた説明が必要です。特に、創業計画書では事業実績がない分、信頼性を補うために公的な統計データや市場分析の結果を活用すると良いでしょう。例えば、ターゲット市場の需要や業界の成長見込みを数値化して示すことで、計画の現実性を裏付けることができます。

また、事業計画書では、既存の実績データを整理し、売上や利益率などの具体的な情報を記載することが求められます。これにより、関係者に対して事業の信頼性をより強くアピールすることが可能です。

内容に一貫性を持たせる

項目ごとの記載内容が矛盾していると、事業の理解が浅い、または準備不足と判断される恐れがあります。そのため、計画書全体において一貫性を保つことが大切です。例えば、事業の強みとして「低価格」を謳いながら、収益計画で高い利益率を設定している場合、整合性に疑問を持たれる可能性があります。

計画の各部分に関連を持たせ、一貫したストーリーを描くよう心がけましょう。作成後は内容を再度確認し、矛盾点がないかチェックすることが重要です。

専門家にアドバイスをもらう

計画書の完成度を高めるためには、専門家のサポートを受けることが有効です。例えば、税理士や経営コンサルタントは、計画書作成の知識と経験が豊富で、適切にアドバイスしてくれます。特に、資金計画や収支予測の精度向上においても、大きな助けとなるでしょう。

また、専門家は融資審査で重視されるポイントも熟知しているため、その視点からのフィードバックも貴重です。時間や労力を節約しつつ高品質な計画書を作成するには、積極的に専門家の力を借りることを検討しましょう。

目的にあった計画書を作成しよう

「創業計画書」と「事業計画書」は、それぞれ用途や目的に応じて必要な情報が異なる書類です。創業計画書は、これから事業を始める際に、ビジョンや経営方針を描き、将来的な成長可能性を示します。一方、事業計画書は既存の事業において、過去の実績や具体的なデータを基に、今後の展開を計画的に示すものです。

事業計画書の無料テンプレートは、手軽に入手可能で、初めて作成する際にも便利です。しかし、テンプレートをそのまま使用するだけでは、目的に適した具体性や説得力に欠ける場合があります。計画書の作成に不安がある方や、審査通過率を高める説得力ある計画書を作成したい方は、私たち「小谷野税理士法人」が全力でサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

面倒な手続きはすべて丸投げ。あなたは事業の準備に集中してください

会社設立手数料0円〜。顧問契約とセットで、設立費用を当事務所が負担するプランもご用意しています。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
  • 会社設立の基礎知識 特集「法人のための確定申告」
税理士「今野 靖丈」

会社設立専門の税理士による
オンライン面談を実施中!

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

相談無料会社設立の相談をする 24時間受付中

税理士変更のご検討は
オンライン面談でもお受けします

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

税理士変更の相談をする 24時間受付中
オンライン面談